いつも22/7を応援していただきありがとうございます。
この度、22/7滝川みう、佐藤麗華、神木みかみ、柊つぼみ、また二人三脚プロジェクトでの22/7の後輩ら、五十嵐真紀、若泉月渚、この六人が新型コロナウィルスに感染していることがわかりました。
この件の対応につきましては、また後ほどご連絡をさせてもらいます。
応援してくださる多くの人々に多大なるご迷惑をかけてしまい申し訳ありません。
ナナブンノニジュウニは自宅待機、自宅療養を迫られた。それぞれが己の寮の部屋からズームを繋ぎ、これからについて話し合う。
桜「あれ? みうちゃんは?」
合田「滝川さんは、ナナニジ内で一番の重傷者です。今回の話し合いに関してはお休みさせていただくのことです」
麗華「わかりました」
合田「症状が出たのは、滝川さん、柊さん、若泉さん。無症状なのが、佐藤さん、神木さん、五十嵐さんです」
絢香「6人か……。完全なクラスターだな」
合田「なのでひとまずは、計算中の撮影をひとまず延期。三四郎のお二人にも了承を得ております。
そして次に割ラジの撮影。来週の放送は予定されてきたものを流しますが、再来週は来週分を再放送することにします。
また、六番町学園での授業は学級閉鎖という形を取り授業はありません。あなた達の担任の先生から課題を渡されると思いますのでそれを取り組んでください」
麗華「わかりました」
合田「そして、こちらが決めかねている内容が1つあります。アイドルワールドカップのことです。ここで辞退するのも良し、非感染者だけで戦っていくのも良し、と言うことです。そのことに関しては、あなた方で決めてもらいます。では。私はこれで」
そうして合田はズームから消えていった。
絢香「そもそも。大会組織委員会は何してんだ。こっちは感染者出してんのに何も対応してないんだぞ」
丸山「分かりません。少なくとも対応が速い運営では無いようです」
麗華「じゃあ……みんなはどうする? 感染してないメンバーたちは?」
桜「How Difficult……。そうだね……」
ジュン「私は……」
前日の試合。ボコボコにされたことが忘れられないですジュン。PKも与え、完全に自分が狙われ穴となっていた。そのことを思い出す。もうあんな目にはあいたくない……。
都「せやな〜〜。うちらはもう、今年中の計算中の撮影も終わっとるし、辞退してしまったら残すは、割ラジ1、2回と最後のライブだけやからな」
すると。
ニコル「やめましょう」
悠希「やろう!」
二人の正反対の意見が、同時に発せられた。
ニコル「どうしてよ?」
悠希「どうしても何も、ここで諦めてどうするんだ!」
ニコル「無理よ! 諦めずに試合したところで、この先勝ち目は無いわ!」
絢香「おい。お前たちやめ━━━━」
ニコル「そもそも! アイドルにあんなガチガチにスポーツさせること事態が間違いなのよ。賞金でつっておいて、丸山さんみたいに怪我したらどうするのよ! ライブなんてできやしないわ」
麗華「あなた達、やめな━━━━」
すると、麗華のラインがなった。
悠希「そんなこと分かっててやったのはニコルもじゃないか!」
ニコル「ええそうよ。大会で上位に入ればそれだけ知名度も上がって、ナナニジかもっと多くの人に知られると思ったからよ!」
悠希「じゃあ諦めるのか! まだトーナメント戦に進める可能性は残ってるぞ!」
ニコル「無理よ! これ以上戦ってもどうせ敗退になる! じゃあ意味がないわ!」
悠希「意味が無いわけないだろ! 僕は、11人で最後まで戦いたいんだ!」
ここで、ズームに新しく人が入ってくる。
紡久「みんな━━━━」
ニコル「いい! 東條さん達はあと一ヶ月ほどで卒業よ! 最後の一ヶ月。ちゃんと思い出作れば十分かもしれないけどね、私たちはその後もずっっっとナナブンノニジュウニとしてやっていくの! これから先のことを考えなきゃ駄目なのよ! ここで思い出思い出ってアイドル活動に足踏みさせることなんて出来るわけないじゃない!」
紡久「あ━━━━」
つぼみ「あれ? これちょっとヤバくない?」
紡久「悠希と、他数人は卒業するんだな」
ジュン「ま、まあそうだけどーー」
紡久「すまんな。こっちはアイドルワールドカップのことでナナニジを知ったやつだから、そっちのことはよく知らなかったんだ」
麗華「実は━━━━まだ発表して無いんです…………」
紡久「え…………。大丈夫なのかそれ?」
絢香「いや。大丈夫じゃないな」
都「まあ、事故ってことで。秘密にしといてくれん?」
あかね「まあ、そうしてもらうしかありませんね」
紡久「別にそれはいいんだが━━━━」
ニコル「で、なんでここに来たの?」
悠希に対しての怒りが、まだ消えてないようだ。いや、ニコルは紡久にも言いたいことはあるのだろう。
紡久「ああ。俺はこの大会を勝ち抜くことを諦めていない。ニコル。お前だって勝ちたいんだろ?」
ニコル「ええそうよ。私だって勝ちたいわ。だけどね、勝てない大きな理由の一つは、あなたにもあるってこと、分かってるんじゃない」
紡久は黙る。沈黙は肯定。
麗華「ちょっとニコル━━」
ニコル「佐藤さんだって思ってるんでしょ」
麗華「う━━━━」
ニコル「いい。私たちはアイドルよ。アイドルはファンの人たちを笑顔することが仕事。そして、監督は、チームを勝たせることが一番じゃないの!」
紡久「ああ。その通りだ━━━━」
麗華「紡久くん。せめてまず、私たちを勝たせてくれないかしら? 私たちはサッカーを知らない。きっと悠希よりも知っているところはあると思う」
紡久「そうだな━━━━」
みかみ「でも、じゃあ監督さんの好みとかすべて無視するのも酷やないかなぁ。もう少し自由にやらせてもええとちゃう?」
紡久「ああ。だからお前たちに一つ━━━━」
みう「あ、あの…………」
桜「み、みうちゃん?」
突然、みうがズーム上に現れた。
つぼみ「みうっち大丈夫? つぼと違ってかなり熱と咳がやばいんじゃ無かった?」
みう「う、うん。だけど、少し落ち着いたから……。今話し合いってどうなってる? って紡久くん? どうしてここに?」
紡久「麗華に今やってるミーティングのURLを送って貰ったんだ」
絢香「エリザベスのせいで聞けなかったけど、やっぱり風紀委員が原因か」
紡久「みう、それにみんなも、後輩たちにも言いたい。俺の理想の押し付けで、みんなを苦しめてしまった。申し訳ない。まずは勝つことを第一にしたい。だけど、少しずつ俺のしたいサッカーをさせてくれないか?」
ニコル「なぜよ? 私が足元無いから、あなたのサッカーをやらせて出さないつもりなのかしら?」
紡久「違うんだ。ニコル。愛守香から聞いた。お前は、誰よりもアイドルを目指してたって。誰よりもステージの上で輝くことに憧れていたって」
ニコル「それが何よ?」
紡久「俺だってな、黄金期の中心にいたチャビやイニエスタ、メッシに憧れた。さすがにメッシは見た途端、あんなふうになれないって諦めたけど、俺はチャビやイニエスタのようになりたいって思った。彼らは、俺にとってのアイドルだ。グラウンドはステージだ」
ニコル「…………」
紡久「お前だって、アイドルという存在が理解されないのならば嫌だろ。どれだけ魅力的なのか、言いたくなるだろ。それと同じことだ。俺は、お前たちに、あの時のバルセロナがいかに魅力的なサッカーをしてたのか教えたいんだ」
ニコル「でも、それが出来たところで勝てないんじゃ……」
紡久「いいや最強だ。俺が保証する」
ニコル「は……」
紡久「後付けだってことは、百も承知だけど、バルセロナのサッカーはアイドルがするに最もふさわしいものだと思う。アイドルはファンを楽しませるものだろ。バルセロナのサッカーもそうだ。美しく勝つ。勝利だけではなく、美しさでファンを魅了する。アイドルに相応しいと思わないか……」
ニコル「…………」
みう「斎藤さん。やってみようよ……。バルセロナのサッカーを……」
ニコル「……………………わかったわ。見てあげようじゃない」
紡久「そうか。ありがとう。他のみんなもいいか?」
都「まあ、アイドルと結び付けられたら、そんなに否定できんわな」
桜「私も。見たい」
あかね「そうですね。あれだけ人の心を虜にするようなものを見せるものがあるとすれば、私も興味あります」
悠希「そうだな。僕も、バルセロナのことはあまり知らなくて、メッシが最近出ていったってことは驚いたけどそれくらいで、だけど見てみたいな」
紡久「じゃあ、後輩を連れて来られないか? 出来れば22人で見たいんだ。もちろん真紀と月渚には無理させなくていい?」
麗華「ちなみに……何を見せるの?」
紡久「2010年11月29日。バルセロナの因縁の相手レアルマドリードに大勝した試合。マニータの夜の映像だ」
バルセロナと永遠のライバルであるレアルマドリードとの関係は、もはやスポーツの域を超えている。
なぜなら政治性を絡めているからだ。
もともとスペインというのはそれぞれの地域の独立意識が強い。バルセロナ(ここでは町の名前を指す)を有するカタルーニャ地方が最も大きい例だ。カタルーニャ地方がスペインから独立を目指す運動は有名だ。
カタルーニャ地方は、かつてフランシスコ・フランコという人物の政権化によって大きく弾圧された。カタルーニャ地方に住む人々、カタランが話す言葉カタルーニャ語を話すことを禁止されるなどをした結果、カタランたちは大きく起きた。そして、その中で唯一カタルーニャ語を話すことができる場所があった。FCバルセロナの本拠地、カンプ・ノウだ。
そこからスペインの首都のチーム、レアルマドリードとの対立関係が始まった。
バルセロナVSレアルマドリード。この対戦はエル・クラシコ(伝統の一戦)として
そうして何度も何度も戦う中で、多くの人々の記憶に残る一戦もいくつか存在する。その一つがこのマニータの夜と言われるクラシコだ。
この日、バルセロナはレアルマドリード(以下マドリー)を圧倒した。マニータというのはスペイン語で片手を示す。片手の指の数は5。1試合に5点取るということをマニータと言うのだ。あの日、バルセロナはライバルに5−0というスコアで粉砕したのだ。
マドリーは、バルセロナのパス回しに対して、前に出てボールを取りに行った。後ろで引かず、バルセロナにプレスをかけようとした。
そうだ。前節ナナニジが苦しめられたハイプレスだ。だが、そんなところでバルセロナはびくともしなかった。どれだけこっちに来られても、パスを回していた。ボールを取られなかった。はやく、はやくパスを回してマドリーのプレッシャーを交わす。そしてそして敵がいない方へボールを回し、スペースを使い、ゴールを決めていった。
ジュン「すごいすごーい。これいつまでも見てられるよ!」
桜「あれだけボールを奪われないなんて!」
晴菜「ディフェンダーもあんなにはやく中盤とボールを回してる……」
紅葉「とても裏パスが通りますね……」
紡久「と、言うのがこのゲーム内容だ。試合を止めながら少しずつ説明していったけど、まだまだ教えられて無い要素がたくさんある。バルセロナの試合の映像は、これ含め公式が結構上げてるんだ。公開日を見ればわかると思うけど、世界全体が自粛してる時にアップされたものだから、この機にみんなに見てほしいんだ」
これを見たニコルが呟く。
ニコル「一目見ただけでわかる。これは凄すぎるって」
紡久「もちろんすぐできることじゃない。だからこそあのチームは伝説なんだ」
かすか「でも、なんだかこの試合、凄く怖い」
桜「なんだか凄いタックルがビュンビュン飛んでくるよ。最後のほう乱闘起きてたし」
紡久「まあ……そこは試合中だし、スタジアムの雰囲気にのまれてってのもあるとは思うけどな。一応2チームの中心メンバーたちはスペイン人が多いし、ちょうど数年前にワールドカップをともに獲ったメンバーたちが集ってるからな」
紡久「とりあえず大会が終わるまで、みんなには少しずつこのサッカーをやって欲しいんだ。できるかどうかは正直判断は難しい。だけどこれができたら、もちろん強いし、楽しいし、面白い。みんなにはこれをやって欲しいんだ! 頼む!」
画面の中に見えたサッカーはナナニジのメンバーの中に火をつけた。