22/7 時計の時間   作:友だち

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グループステージ第一節
初陣


 《アイドル・ワールドカップ》の参加チームは全20チーム。最初は4ブロックに分かれ、5チームで総当たりのリーグ戦を行う。そうして各ブロックごとの上位2チームが、最後の決勝トーナメントに進むことができる。決勝トーナメントは、全8チーム。1度負ければ、その時点で大会終了だ。

 

 試合までの残りの一週間。ナナニジメンバーとその後輩たちは、戦術練習に取り組んだ。

 

 

 そして迎えた初戦……。

 

 スターティングメンバー

 

 

紡久は、フォーメーションとして、4−3−3をとった。これは、バルセロナが伝統的に使っているフォーメーションだ。

スターティングメンバーは以下の通り、

♯1 丸山あかね

♯3 佐藤麗華

♯4 立川絢香

♯6 藤間桜

♯7 柊つぼみ

♯8 神木みかみ

♯9 東條悠希

♯14 五十嵐真紀

♯16 蓮沼巴

♯20 若泉月渚

♯21 七崎紫苑

 

 

 

となった。

 

 ゴールキーパーはあかね。

 センターバックの二人は右側に麗華、左側に絢香だ。

 サイドバックは、右側に月渚。左側につぼみ。

 ボランチに(またの名をアンカー)巴。

 インサイドハーフは右側に桜。

 左側に真紀。

 ウインガーは右側に紫苑。左側にみかみだ。

 そして、ゴールに一番近い中央のフォワードは悠希。

 

 

 

 

 これが、紡久の選んだ一番最初の11人だ。

 

 スターティングメンバーたちは、ベンチに建てられたテントの下で試合の準備を進める。

 

つぼみ「それにしても合田っちも太っ腹だね。ユニフォームから何まで負担してくれて」

 

桜「そうだね。しかもユニフォームは試合ごとに変わるんだってね」

 

 最初のユニフォームは薄い青色がベース。襟元は濃い青色になっている。1STシングル《僕は存在していなかった》の衣装がもとになっていることはすぐに分かった。

 

 対してゴールキーパーの服装は二種類の緑でデザインされている。すなわち、1STアルバム「ヒヤシンス」がもとになっている。

 

 スパイクはメンバーカラーと統一。向こう側でみかみが履き直しているスパイクの色は、ピンクだった。

 

 各々が初戦に向けて気持ちを作る。

 

麗華「ふう」

 

絢香「何緊張してんだよ」

 

 絢香は麗華の左腕を左手で掴んだ。そこには、キャプテンマークが巻かれていた。

 

麗華「するわよ。リーグ戦といっても四試合しかないんだし……。一回の負けの影響は大きすぎるし」

 

絢香「ま、それもそうだな。硬くなり過ぎないように気をつけようぜ」

 

麗華「あなたは柔らかすぎるのよ!」

 

 試合直前まで戦術の確認をするあかねは、紡久と話し合っていた。初日から、かなりの信頼を置かれているようだ。

 

 そして悠希は━━。

 

 グラウンドをじっと見ていた。これまでずっと土で練習して来たが、試合は常に芝で行うのだ。向こう側ではベンチメンバーがボールを蹴っていた。

 

 周りに観客席はあるものの、中高生が練習に使ったりすることもある小さなグラウンド。しかし応援してきてくれているファンはいない。コロナウイルスの感染拡大を防ぐための無観客試合となっている。

 

 だが決勝トーナメントへ駒を進めればどうか。プロが試合するような大きなスタジアムで戦うし、観客も入ってくるだろう。

 

 絶対にゴールを決める。そうしてナナニジのみんなを、国立へ連れていくのだ。

 

 ベンチメンバーたちがスターティングメンバーを送り込む。

 

みう「真紀ちゃん頑張ってね」

 

真紀「ありがとうございます」

 

ジュン「るーちゃんも、楽しんでいってね」

 

月渚「うむ。大変だが力の限りやってみよう」

 

都「やったれ巴! 浪花の力を見せたれ!」

 

巴「私大阪出身じゃないんですけどね……」

 

桜「紫苑ちゃんも一緒に頑張ろうねって大丈夫?」

 

紫苑「あたしなんかあたしなんか。地面の草がお似合いですよ……」

 

桜「そんなことないよ。紫苑ちゃんはきっと桜の花のように輝けるよ!」

 

紫苑「そうでしょうか……」

 

 そんな二人の前に陽夏莉が現れた。何やらスクイズを持って。

 

陽夏莉「そんな紫苑さんの前に陽夏莉が素晴らしい“水”を用意してきました。これを飲めばいい感じの気分になって自身を持ってプレーできますよ!」

 

紫苑「ほんと。嬉しいなぁ」

 

 おばけみたいな笑顔で飛びつくように飲もうとするけれども━━。

 

紅葉「普通に犯罪ですよ!」

 

陽夏莉「いや、ただの水です」

 

紅葉「だったらそれなら……」

 

ニコル「良くないわよ! 八代さんあなた……! ナナニジに麻薬売買者がいるみたいな噂流れたらどうするのよ! そういう狂気的ネタは、藤間さんみたいに撮影中でしなさい!」

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