22/7 時計の時間   作:友だち

40 / 42
4-4-2の訳

 1−0。

 

 まだ点は必要だ。しかし、失点はしてはならない。

 

 紡久はそのために4−4−2というフォーメーションを使ったのには、わけがある。

 

 まず1つ目は、守備ブロックを形成しやすいこと。守備時に埋めなければならないスペースを消しやすいことだ。

 

 そして2つ目。かつてのバルセロナの監督であるバルベルデが使っていたものだ。

 

 紡久は4−3−3のハイプレスをしようとしていたのだが、マイドールズ相手には通用することは無かった。そして、それは3人の前線が連動して、試合全ての時間を動き続けなければならない。そのことを考えてバルベルデは、そして今紡久はしなかった。

 

 バルベルデは、当時バルセロナにいたフォワードのメッシとスアレスの運動量が落ちてることもあり、二人を前線の2に配置

して4−4−2を使ったのだ。バルベルデは守備時には前二人が消えた、殆ど4−4−0の形になる中でどうにかやっていたわけだ。

 

 ナナニジの前線二人は、そんなメッシスアレスとは違い、まだまだ若く、走ることもできるのでバルベルデよりは難易度は低い。あと時のバルセロナと最も大きく違うことだ。

 

 ちなみにナナニジ側が使わない理由は━━━━。

 

悠希「おりゃああああああ」

 

紡久「あの野郎……」

 

 紡久は悠希がゴールキーパーに走っていっているのを見て呆れる紡久。

 

愛守香「えー。別にサボってるわけじゃないからいいじゃん」

 

紡久「確かにサボるよりはだけど見ろよあれ。ゴールキーパーがさっき悠希がいた場所の近くにいたセンターバックに出します。そこにニコルも来ません。からのフリーだから蹴る。蹴られたうちのセンターバックが苦労しますじゃん」

 

絢香「おもしろナイス」

 

京子「は、はい!」

 

愛守香「なるほどねえ」

 

 都はボールをいったん晴菜へ渡す。

 

都「晴菜、こっちや」

 

 都は少し開きながらボールを出す。貰う。そこで相手のサイドハーフが来るが、タイミングを図りながらボールを動かして、相手のタックルを交わして前の方へ。

 

 ボールを貰った悠希は横パスで桜へ渡す。

 

 桜はダイレクトで裏に抜けるニコルに出そうとする。

 

 しかしゴールキーパーがそのボールをキャッチ。

 

 ゴールキーパーはそのまま、前の方へ蹴る。それもジュンが上がって空いた、ナナニジの右サイドバックの方へ。

 

ジュン「く!」

 

紡久「ジュン! 全力で戻ればいい!」

 

 カウンターだ。相手のサイドハーフがタッチライン際を独走する。そこに対応するのが京子だ。

 

 京子「生かせません。良いですか、ここを抜こうとしても私という素晴らしいセンターバックがあなたの進路を防ごうと……」

 

 しかし相手は斜めに出す。さすがに京子にはどうしょうもなく、そのパスを相手のトップ下が走り込んでくる。

 

巴「やらせませんわ」

 

 そこに反応したのが巴。京子と絢香の間というセンターバック間を付かれだが、ボランチの運動量によってそこをカバーする。

 

 トップ下はボールを貰って巴を抜こうとする。ボールをまたいで巴を股をぬいた。

 

巴「し、しま」

 

絢香「ふんっ」

 

 絢香がカバーして取った。そのまま右サイドの奥の方へ移動していく。

 

 このまま前の方のパスコースを探しているのだろうか。

 

紡久「京子! 心彩の左にいけ!」

 

 絢香はやはり心彩にボールを出してビルドアップを始めるようだ。低い位置ならゴールキーパーも近くにいるので、更に一枚フィールドプレーヤーを増やすことと同じになる。安全にボールを回しやすくなる。

 

紡久「桜! 巴が開けたスペースを管理しろ! ジュンも、巴が降りて、そこに桜が行ったのならば、桜が開けたスペースを埋めろ」

 

 的確に指示を出す紡久。

 

 相手は敵陣深くにボールがあるということもあって、激しく圧力をかけてくる。

 

 絢香は奥側の晴菜へボールを渡す。晴菜はそのまま前の方へ、紅葉に渡した。

 

 敵が来る。少しジリジリと寄せてくる。紅葉はアウトサイドでちょんちょんと触りながら、様子を伺う。

 

 しびれを切らしたのか相手が来るが、そこを紅葉が抜く。そして前へドリブル。前へ。相手の進行方向を塞ぐようにドリブルをする。中へ入る。

 

 そこに反応して悠希が少し外に流れていく。

 

紅葉「悠希先輩!」

 

 悠希は左サイドでボールを貰う。少し、ボールを貰って前へ進む。

 

 そして右のアウトサイドでボールを前に出す。相手はそれに反応して体を前に出す。悠希はその途端に縦へ。ディフェンダーはその急激な重心移動に耐えきれずずっこける。キーパーが飛び出てくるが、それすらも見越したのか、ループでキーパーの上を通す。他のディフェンダーは何とか書き出そうと足を出すが、届かず。

 

 ネットを揺らしていった。

 

 2−0。

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