死にたくないので回避していたらヤマト操舵手になってしまいました 作:LIN001
沖田艦長が佐渡先生とアナライザーの部屋に行くと、すでにアナライザーが叱られているところだった。
佐渡先生はともかく、真田さんにも怒られている。
「入っていいかね?」
「はい、どうぞ」
「あ、艦長」
沖田艦長が入ると、3人とも振り向く。
「アナライザー、どうやら2人から絞られているようなので儂からは控えておくが……うむ、真田くんも知っておいたほうがいいだろう。まあ座りたまえ」
そう言って、沖田艦長は和室に登って座る。
佐渡先生と真田さん、アナライザーも和室に座る。
そして、沖田艦長は語り始めた。
「あの子は……鈴君は、儂の親友の子でな。土方という姓に聞き覚えはあるだろう」
「もしや……土方提督の」
「そうだ。とは言っても、血のつながった実の娘ではないのだがな。それを踏まえて、聞いてくれ」
「表向きには儂や土方が作戦立案したとされている、木星撤退戦や火星沖会戦、それに遊星爆弾迎撃戦……あれの発案者は、彼女だ」
「え……?」
「ハイ……?」
佐渡先生はよくわかってないようだが、真田さんとアナライザーは鳩が豆鉄砲食らったような顔をする。
「冥王星の戦いや先ほどの機雷除去でも分かる通り、彼女は本当に優秀だ……年を取って頭が固くなりつつある、儂と違ってな」
「……それで長官が“勝利の女神”と」
「そうだ……彼女がいなければ、地球人類はガミラスの直接攻撃にさらされ、既に絶滅していたかもしれんのだ。
彼女はイスカンダルのスターシャさんと並ぶ、地球の救世主なのだよ」
ここまで聞けば、佐渡先生も理解したらしく目を丸くしている。
「アナライザー、君が手を出した相手はそんな人物だ」
「ハ、ハイ! 申シ訳 アリマセンデシタ!」
「一応言っておくがアナライザー、他の誰でもいかんからな?」
「ワ、ワカッテオリマス」
「よろしい。今回の件は、彼女自身が特に気にしていないようなので儂からは飲酒禁止命令のみとしておく……以上だ」
そう言い終わると、沖田艦長は立ち上がり部屋から出ていく。
残された佐渡先生は、真田さんに質問を始める。
「真田くん……儂には詳しい戦術のことはわからんが、確か火星沖海戦は地球人類が唯一勝利できた戦いではなかったかね」
「ええ、一応表向きには勝利と言われてはいますが。実質的には引き分けです。
しかしこの戦いで火星を守りきれた結果、ガミラス艦隊が地球に直接来ることを防ぐことができたのです……まさか、あの小さ、あいや、副長が発案者だったとは……。
それに、遊星爆弾迎撃戦も、成功していなければ遊星爆弾の雨が降り注ぎ、地下都市にまで被害が及んでいたかもしれません」
「ほぉー、とんでもない子じゃなあの副長は……」
そして真田さんは、アナライザーに警告する。
「アナライザー、艦長が言っていた通り副長から許しが出たので今回は不問とするが。もし副長が泣こうものなら、俺はアナライザーの初期化をしていたところだ」
「ソ、ソレハ!」
「もう二度とするんじゃないぞ……彼女はヤマトの命運、ひいては地球の命運を左右する存在なんだからな」
「しかし、まだ18で未成年じゃろう? あの年でこんな責任を背負わされるとは、不憫じゃのう」
念のため雪君にしばらく様子を見てもらうか、と考える佐渡先生なのであった。
本人が聞いたら評価高すぎぃ! って卒倒します。