ゲッターロボGODDESS   作:ノーボディ

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すいません、これから不定期投稿になります。


第12話 ラプンツェル

「全員揃ったな。ではミーティングを始めよう。今回の作戦は海中型ラプチャー、"クラーケン"の討伐だ」

 

 リリスがミシリスの本社に行ってから数日後、ゴッデス部隊は勝利の翼号のミーティングルームで次の作戦について話しあっていた。そこには新メンバーの紅蓮の姿もあった。彼女は最近ゴッデス部隊での戦闘に慣れるため、小規模なラプチャーの群れをゴッデス部隊と共に掃討したばかりであった。

 

「人類連合軍の海戦部隊はクラーケンにかなり手こずっているようだ。そこで我々に白羽の矢が立ったという訳だ」

 

 指揮官の話が終わった後、レッドフードは手をまっすぐに伸ばし、質問を行う。

 

「はいはーい、質問!あたしら泳げたっけ?」

 

「泳げないな」

 

「じゃあ、どうやって水中型のヤツに攻撃を入れるんだ?」

 

 指揮官の答えに真顔でツッコむレッドフード。ニケはヒューマノイドであるため、重さが人の倍ある。そのため海の中に入れば、その重さにより海底まで一直線に沈んでしまうことだろう。

 

「あのロボットを使う。確かゲッター3だったか?」

 

 指揮官が提示した案はゲッターロボを用いた水中戦であった。ゲッター3は3形態の中で唯一水中での戦闘に適した変形である。

 

「先日のエリシオン第3ニケ研究所の防衛戦において投入されたゲッターロボの活躍から、上層部はゲッターロボをラプチャーに対する切り札だと認識しているようだ。我々にとって不利な状況を打開するためにこの作戦は成功させなくてはならない」

 

 淡々と話す指揮官の話に耳を傾けるゴッデス部隊の面々。一名は不服そうではあるが、リリスが不在の中で初めて正式に下された任務であり、その瞳には強い覚悟が宿っていた。

 

 ゴッデス最強のニケ"リリーバイス"の離脱は人類に大きな衝撃を与えた。人類連合軍の士気は下がり、ラプチャーの侵攻は更に勢いを増した。だからこそ彼女たちゴッデス部隊はリリス抜きでの勝利が必要だった。彼女が居なくとも、ゴッデスは『勝利の女神、人類の希望』であることを示すために。

 

「ゲッター3の兵装に関しては既に早乙女博士から聞き及んでいる。頭部のミサイル二基と腕による物理攻撃のみらしい。装甲は今まで通りだからそこまで心配はいらないだろう」

 

 ゲッターロボは、元は宇宙開発用のロボットであったのを突貫工事で戦闘用に改造したものに過ぎない。勿論そのスペックで現状人類が保有している兵器の中で唯一ラプチャーに優位が取れているのも事実であるが。

 

 指揮官としてはラプチャーの攻撃に傷一つ付かないゲッターロボの装甲をもって接近し、近接戦闘で各個撃破していく作戦で運用するのが一番だと考えていたため、使える兵器が少ないことはあまり気にならなかった。

 

「作戦は3日後。それまでは早乙女研究所でゲッター3の訓練を行う。他に質問は無いか?」

 

 指揮官の言葉に彼女たちは静かに頷く。

 

「では今回のミーティングは以上だ。各自早乙女研究所に着くまで休んでくれ」

 

 その言葉を最後にミーティングはお開きとなった。

 

「では失礼します」

 

 ドロシーが誰にも目を掛けず、足早に去って行く。その様子を紅蓮は静かに見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

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「これからゲッター3の訓練を行う!ラプンツェル、準備はいいな?」

 

「はい!問題ありません」

 

 早乙女研究所に着いて早々、レッドフード、紅蓮、ラプンツェルの3名はゲッター3の訓練に参加させられていた。合体訓練は他の形態より特殊な合体方法であるため省略された。

 

 ゲッター3の形状は一言で表すと"ずんぐりむっくりの可愛らしいマスコット"のようなものであった。側面にキャタピラを生やしたジャガー号の上に垂直に刺さったイーグル号を胴体とし、その上に合体したベアー号を頭部と腕部にした特殊な合体であった。丸っこい頭とカメラアイ、そして寸胴な胴体が少なくともラプンツェルにとっては可愛らしく思われた。

 

「操縦はどうだ?」

 

「感覚が少し掴みづらいです」

 

 二足歩行である他の形態とは違い、ゲッター3は下半身がキャタピラであるため、前進するにも操縦が難しいようだった。

 

「こればかりは回数を重ねるしかないか。腕を動かしてみろ!」

 

 早乙女博士の命令により、ラプンツェルはゲッター3の両腕を伸び縮みさせる。ゲッター3の機動力の低さを補うために、腕部は伸縮自在となっており、腕を伸ばすだけで遠くの敵にも攻撃が可能だ。

 

「珍妙な姿に、伸縮する腕。これでどうやって戦うのだ?」

 

「殴るんじゃね。ていうか今更だろそれ」

 

 紅蓮の疑問をレッドフードがばっさりと切る。紅蓮の担当するゲッター2も武器がドリル1本となかなか酷いものである。

 

「よし、腕部に問題は無いな。ではあそこにある標的を殴りつけろ!」

 

 博士が指を指した方向にはラプチャーの残骸を再利用して作られた模型があった。強度は大型ラプチャー並みのものであるため、人類の兵器ではそう簡単に壊せない代物である。

 

「分かりました。ではいきます!」

 

 ラプンツェルの掛け声と共に右腕部が伸び、標的に向かっていく。そしてそのまま標的を粉砕した。

 

「まずまずだな。次は武装の確認に入る。次の標的を持ってきてくれ」

 

 浮かない表情のラプンツェルをよそに、訓練は次の段階に移り、30分程続いた。そして武装の確認を終えた後、明日から本格的な訓練に入る旨を伝えられ、その日の訓練は解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

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「今暇か?一緒にビデオでも見ようぜ」

 

「はあ、構いませんが」

 

 訓練を行った日の夜、レッドフードはラプンツェルの部屋に遊びに行っていた。いつもつるんでいるスノーホワイトは早乙女研究所のラボに籠りきりで、紅蓮とドロシーは何やら用事があるらしく剣呑な雰囲気のまま外に出て行ってしまい、暇だったのだ。

 

「それでどのようなもの見るのですか?」

 

「それはだな、人間と人間がお互いに汗を掻きながら、互いの体を弄って…」

 

 レッドフードが言い終わる前に、ラプンツェルのビンタが炸裂し、小気味の良い"パァン“という音が部屋の中で響いた。

 

「何て破廉恥なものを見せようとしているのですか!」

 

「えっ、プロレスだけど」

 

 頬を赤らめながら早口で咎めてくるラプンツェルに、あっけらかんとした顔でレッドフードは答えた。その答えを聞き、慌てる彼女にレッドフードは追い討ちをかける。

 

「おいおい、聖女様はそういうモノが見たかったのか〜」

 

「ち、違います。だいたいレッドフードの説明の仕方が紛らわしいのがいけないのです」

 

 ニヤけながら、全力で反論してくる友人を見るレッドフード。元々高貴な生まれである彼女はそういうモノに縁が無く、一度見せただけでハマったのをレッドフードは知っていた。その日からちょっかいをかけ、その反応を楽しむのが若干癖となり、二人の間の日課のようなものにいつの間にかなっていた。

 

「それで、なぜプロレスの動画を一緒に観ようと思ったのですか?」

 

 話の筋を戻すためラプンツェルがレッドフードに質問する。彼女としてもこれ以上弄られたくはなかった。

 

「あたしの勘なんだけどさ、今日の訓練で標的殴った時に聖女様があんまり良い気分じゃなかった気がしてな。だって殴り合いの喧嘩とか一度もやったこと無いだろ?」

 

「それは……」

 

 レッドフードはゲッター3の拳が標的に当たる寸前で減速したのを見逃さなかった。その後の表情や声音からもラプンツェルがそういうことに強い忌避感を抱いていることに気づいたのだった。

 

「殴る以外にも方法はあるしな。あたしが持ってきたプロレスとかの映像を見て、その一助になったらなと思ってな」

 

「ありがとうございます。そういえばスノーホワイトにヘッドロックをよくかけていましたね」

 

 レッドフードの申し出にラプンツェルは純粋に感謝した。ちなみに自分の物のように説明するレッドフードであるが、全てリリスの私物からパクってきたものである。

 

「嫌なことはちゃんと嫌だって言った方がいいぜ。あの爺さん、何も言わなかったら強引に推し進めてくるからさ」

 

「そうですね。私もそこには思うところがあります」

 

 レッドフードの言葉に同意するラプンツェル。彼女も早乙女博士の行動にはほんの少しの嫌悪感を抱いているようであった。

 

「ではまずこの映像から観ようぜ!コレさ、リリスが1番気に入ってるヤツなんだ」

 

「ではそれにしましょう。レッドフード、飲み物は何がいいですか?」

 

「う〜ん、オススメは何だ?」

 

「実は少し前にドロシーがお気に入りの茶葉を譲ってくれたので、紅茶はどうですか?」

 

「じゃあ、それで頼む」

 

 映像を鑑賞するための準備を行う友人を見ながら、レッドフードは考える。

 ラプンツェルはゴッデス部隊の中で1番協調性があり、最も優しい。しかしそれは裏を返せば、最も我が無いとも言える。ゲッターのパイロットになった経緯も、自分以外に乗りたいもしくは乗れる者がいなかったからだ。もしかしたらニケになったのもそういう理由だったのかもしれない。良くも悪くも彼女は自分を殺しすぎてるような気がした

 

「だからこそ、自分が好きなものを見つけて欲しいんだよな」

 

 もしこの戦いが終われば、彼女は元の場所に戻るだろう。周りに強制される窮屈な場所に。その前にレッドフードとしては見つけて欲しいのだ。まあ1番可能性があるのが、R18なのはどうかと思うが。

 

「まだ時間はあるし、ゆっくり進めていくか」

 

 そしてレッドフードは準備を終え、マグカップを2つこちらに持って来るラプンツェルに意識を戻した。

 

「では一緒に観ましょうか」

 

「今夜は寝かさないぜ」

 

 そして軽口を叩きながら、映像の鑑賞を始めるだった。

 




・ゲッター3
水中戦用の形態であり、ベアー号、イーグル号、ジャガー号の順に合体することで完成する。パイロットはラプンツェル。最も優れた腕力を持ち、キャタピラで悪路を走行することが可能。また深海で活動するために、防御力も最も高い。武装は伸び縮みする腕を活かした格闘戦と頭部に二基ついてあるミサイルである。ミサイルは大型ラプチャー程度であれば一撃で粉砕する威力を持つ。尚機動力は最も低く、時速150km程度である、
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