ゲッターロボGODDESS   作:ノーボディ

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今回は連続で投稿します。


第2話 ゲッターロボ出陣!

 ここはかつて砂漠における交易の要衝として栄えた宿場町であった。技術の発展により砂漠の移動手段が鉄道や空輸に変わっていくと、この町は見向きもされなくなり、人がどんどん離れて行った。今では、宿屋であったのだろう廃墟と昔と変わらぬオアシスが残るのみとなった。

 

 しかし現在この場所にラプチャーに立ち向かうために設立された組織、人類連合軍の基地が立てられ、かつてほどではないが、ある程度の盛況を取り戻したようだった。しかしそれも今日までだろう。ラプチャー側に探知され、基地は猛攻撃を受けていた。

 

 機械音と人々の悲鳴と怒号が入り混じる戦場の最中、金髪碧眼の修道服を纏い、豊満な肢体と臀部にまで届く長い髪を持つ女性、ラプンツェルは宿の残骸を遮蔽物とし、儀仗の形をしたビームランチャーを装備した上で迎撃態勢をとりつつも、心ここにあらずという状態であった。

 

 一番の親友である、お調子者で陽気なレッドフードと兵器開発のプロであるが最年少でまだ幼さが残るスノーホワイトが昨日の作戦で行方不明となった。当初はレッドフードの悪ふざけだろうと、彼女の通信機に連絡を何度か入れたが、何回入れても全く通じず、異変を感じ、ゴッデス部隊及びこの基地に所属する軍人総出で付近を探したが、2人とも見つからず、捜索は継続することになったものの、悲観的な見方が大半を占めていた。この出来事は穏やかな彼女の心を砕くには十分であった。

 

「ラプンツェル、しっかりしてください。貴方までいなくなられては困ります」

 

 注意力が散漫となり、忍び寄る敵さえ察知できなかった彼女を、桃色の髪と紫色の瞳に、令嬢を思わせる純白のドレスを羽織った女性、ドロシーは自身のアサルトライフルで敵を撃破しながら檄を飛ばす。

 

「私もレッドフードとスノーホワイトが心配です。ですが、今はラプチャーの撃滅に集中してください」

 

「申し訳ありません、ドロシー。助かりました」

 

 弱弱しく返答するラプンツェルをドロシーは心配そうに見つめる。ドロシーは彼女が昨日から仲間の心配であらゆることに身が入っていなかったことを知っていた。礼拝所で祈る姿を確認したときに、祈りにすら集中できていなかった様子から、彼女がかなり気に病んでいる状態を知り、どう慰めようか悩んでいたのだった。

 

 そういうドロシー自身も気丈な態度を保っているが、内心ではレッドフードとスノーホワイトのことで一杯であり、彼女たちの最悪の末路が頭をよぎり続け、一睡もできなかった。

 

「二人とも大丈夫?」

 

 明快な声で、白髪で光を瞳に宿すミニスカの軍服を着た女性、リリーバイスが問いかける。穏やかな表情を崩さないが、その戦いぶりが彼女に余裕がないことを暗に示す。

 

 リリーバイスは圧倒的な身体能力に物をいわせた肉弾戦が得意であり、それだけでゴッデス部隊の中では最強もしくは規格外と評されている。戦い方は最強の名にふさわしく余裕があるものだが、今回にいたっては、ひっきりなしに向かってくるラプチャーの群れに自ら飛び込んでは、殲滅を完了した後に、2人の安否を確認しに来るということを繰り返していたため、息が少し上がっている。後ろで2人に守られている傭兵上がりのゴッデス部隊の指揮官もこの行動には思うところがあるが、彼女の気持ちを理解できるため、何も言えないでいる。。

 

 リリーバイスは厳しいところもあるが、基本的に仲間思いで優しいリーダーだ。そんな彼女にゴッデス部隊のメンバー2人の同時失踪はかなりくるものがあったようだ。心労により、動きに精細を欠き、一瞬で葬れるはずの大群にも手こずっている。

 

「リリス、貴方こそ大丈夫ですか?さっきから息があがっています。ですから、少し休んでください」

 

「あら、心配してくれるの?大丈夫、わたしはみんなより強いからこれくらい平気」

 

 リリーバイスは肩で息をしながらも、できるだけ元気に答える。

 

「ラプチャーの数も減ってきたし、あともう少しの辛抱よ」

 

 ラプチャーの勢いも1時間前より弱まっており、ここが正念場だと気合いをいれた。

 

「早く終わらせて、2人を探しに行かないと…」

 

 リリーバイスが小さく呟いたそれは間違いなくゴッデス部隊の総意であった。この中の誰もが2人の生存を疑っていない。それくらいでなければゴッデスの一員として、ここまで戦ってこれなかっただろう。

 

 全員が最後の気力を振り絞ろうとした時、けたたましい機械音が鳴り響く。そこに目を向けると、クワガタムシなどの昆虫を思わせる巨大なラプチャーがいた。全体的に黒をベースとしたボディに6本の足と触覚をつけ、大顎の代わりに、牛の角のような牙のを生やし、黒い前羽の後ろにおびただしくはり付いている赤く禍々しい袋もあいまって、飛んでいる姿は見るものに不快感を与えた。それは後に"ウルトラ"と名付けられたラプチャーだった。

 

「総員、戦闘準備」

 

 ここで指揮官の男が口を開く。ただでさえコンディションが悪いときに、大型とはついていないと男は自嘲した。いつもであれば難なく勝てている。しかし、今の状態であれば勝率は限りなく低いと言わざるを得ない。だが逃げることは許されない。後ろには守るべき人々がいる。勝利の女神、人類の希望として勝利は絶対だ。

 

「指揮官、勝率はどれくらいですか?」

 

「生きるか死ぬかの半々だ」

 

 リリーバイスからの軽口を流し、覚悟を決める。

 

その時、空から突然飛行音が聞こえた。慌てて空を見ると、何か巨大なものが急速に接近してくる。

 

「あれは…」

 

「ロボット?」

 

 頭部に2本の角と針のように尖った耳、胸部に緑色の強化ガラスが2枚備えられ、背部からマントをたなびかせた全体的にに赤を思わせる丸っこいデザインのロボットがこちらに急速に近づいていた。ある程度近づくと、一回転し、飛び蹴りの姿勢になり、ロボットに気づいたウルトラを速度を緩めず蹴り飛ばした。

 

「何が起こってるんだ?」 

 

「私にもさっぱり…」

 

 想定外の事態に全員が唖然となるのだった。

 

 

 

 

 

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「間に合ったか」

 

 レッドフードは早乙女研究所で仲間の危機を聞いた後、すぐにゲッターロボに搭乗し、仲間達の元へ向かった。ゲッターロボの操作ができるようになる装置を使う暇がなかったため、無線で早乙女博士から直接レクチャーを受けながら操作した。早乙女研究所からここまで1分足らずであり、かなりの距離があったはずだがこんな短時間で着くのは博士の研究が自身を攫うに値するものだと認めた。しかし、その間尋常ではない負荷、言うなれば殺人的な負荷がかかり、確かにこれは人間では使いこなせないものだと実感した。

 

「よし、着いたか。ではゲッターロボの力を見せてやれ」

 

「言われなくてもやるっつーの」

 

 博士からの無線を適当にあしらうと、起き上がり、こちらを睨みつけるウルトラにファイティングポーズをとり、いつでも戦闘に移れるようにする。

 

 睨み合いは1秒も経たないうちに終わり、口から紫色の液体ーおそらく毒だろうーを吐いてくるのをスライディングでかわし、お返しとして左ストレートを開いた顎にかます。この一撃で顎が砕け、苦悶の声を上げたウルトラに膝蹴りを放ち、頭部を破壊しようとするが、触覚と足で防がれてしまう。

 

「まずい!」 

 

これを好機とみて、前足を勢いよく振り下ろし、踏み砕こうとしたが、間一髪でゲッターロボは避ける。戦闘は膠着状態に戻ったが、レッドフードは操作のコツを掴んだようだった。

 

「ゲッタートマホークを使え。早く済むぞ」

 

「助言ありがとよ。さっさと片付けるか」

 

 博士もレッドフードが操作に慣れたことを察し、ゲッターロボの兵装を伝える。

 

「ゲッタートマホーク!!」

 

 右肩から排出された短柄の投擲斧を手に取り、ウルトラに向かっていく。迎撃するために、赤い毒袋から汚染された弾丸発射するが、それを高く跳躍することで避け、そのまま重力を載せてゲッタートマホークを振り下ろす。薄羽を展開し、飛行することによって直撃は免れたが、左の角が綺麗にスパッと切り落とされてしまった。ウルトラは大勢を立て直すため、飛行して距離をおこうとした。

 

「逃すかああああ!!!」

 

 ゲッターロボは切られた角を拾い、薄羽を狙い直線状に投げる。角は薄羽に当たり、大きな穴を開けることによって、ウルトラを墜落させた。

 

「これで終わりだああああ!!!」

 

 この隙を逃さず、ゲッタートマホークを振りかぶり、ウルトラに向かっていく。ウルトラは毒液を吐こうとしたが、ゲッタートマホークが振り下ろされるのが速く、頭部を破壊され、沈黙した。

 

「やっと終わったなあ。今日は本当に疲れたよ。おい爺さん、これから仲間に会って、説明するから、今までのこと正直に話せよ。そしたら、今回のことを大事にするのはやめてやる」

 

「分かった。全て正直に話そ…。待て、まだソイツは生きている!!」

 

 博士が異変に気づき、忠告をしたのと同時に、ウルトラの全身から触手が生え、ゲッターロボを拘束した上で地面に押し倒した。ウルトラは上に乗り、全身から毒液を垂れ流し始める。

 

「いかん。ヤツめ、ゲッターロボを溶解毒で溶かすつもりだ。こうなったらやむを得ん。ゲッタービームを使え!!」

 

 ゲッタービームはゲッターロボにとって切り札と言っていい兵装だが、威力が高すぎるため、一度放つと周囲を更地に変えてしまう代物である。

 

「ここら周辺に人は居ない。安心して撃て」

 

「あたしの仲間がいるんだよ!!」

 

「それがどうした。お前たちゴッデスとその指揮官であれば、この程度生き延びて見せるだろう。それに最終的にはゲッターロボとお前たち、ゴッデスさえ無事であればそれでいい」

 

「ふざけたこと言うんじゃねえ、ジジイ!!!」

 

 こんなふざけた提案を呑むくらいなら死んだほうがましだと感じ、博士との無線を強制的に切断するが、打つ手がないことも事実である。

 

 触手を振り解こうともがいていると、ウルトラの触手の一本が黄色いレーザーを受けて、切断される。発射元を見ると、ウルトラにレーザーを放つラプンツェルがいた。それだけではない、ドロシーやリリスも触手への攻撃を行っている。ラプンツェルは大きく叫んだ。

 

「私たちで拘束を解きます。だから、その大型ラプチャーを討伐してください、レッドフード!!!」

 

 レッドフードは目頭が熱くなるのを抑えた。戦い方から自分であると確信したのだろう。姿が見えなくても、仲間たちは自分を信じて、託してくれる。こんな仲間はやはり自分には不相応だと感じつつも、

 

「おう、まかせとけ!!!」

 

 コクピットの中から大声で応えた。

 

 触手がはずれ、拘束が緩んだのを見計らい、反重力マントを展開し、ウルトラともども、雲の上まで一瞬で飛んで行った。ウルトラは一瞬のうちに気圧が変わったことで混乱しているようだ。ならば、もう決めてしまおう。

 

「ゲッタァァァビィィィィィム!!!」

 

 腹部の発射口が開き、遥か上空でゲッタービームが炸裂した。ウルトラに至近距離で当たり、周囲を埋め尽くすほどの爆発が起きた。爆風は地上にも影響を与えており、周囲の残骸が吹き飛び、指揮官が飛ばされかけたのをリリスがなんとか掴んだ。爆破の後、ウルトラは跡形もなく残っておらず、そこには無傷のゲッターロボが佇んでいたのだった。

 




・ゲッターロボ
3機のゲットマシンにより構成されるロボット。動力源はゲッター線。ゲットマシンの合体の順番により、空・陸・海のそれぞれに適した形態に変化することができる。今回は空戦に強いゲッター1で戦っている。
ちなみに元々は宇宙開発用に作られたものである。
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