その後、僕達はそれぞれ、家に帰った。
「そういえば、あの石の裏に書いてあった絵ってなんなんやろな?」
僕は石の裏に書いてあった鳥のような絵が気になってしょうがない。
「確かに、私も気になった...うちに、大学生の兄さんがいるんだけど何か知ってるかも...」
どうやら、綾奈さんも気にしているようだ。
「綾奈さん、僕も知りたいから家に行ってもいい?」
「良いよ、それくらいは。」
綾奈さんに良いよと言われた僕は、一旦家に帰り服を着替えて、綾奈さんの家に行った。
引き戸が開くと同時にガラガラと音が鳴る。
「お邪魔します」
靴を脱ぎ揃えてから、廊下を歩く。
「ん?君は...あ〜、綾奈が言っていた子は君か」
廊下の先から、自分より1つ2つ上そうな、お兄さんが話しかけてきた。
「俺の中は日野原繁樹、君は?」
「柳星壱輝って言います、今日はよろしくお願いします」
そう言って、僕はお辞儀をした。
「いいよいいよ、お辞儀なんて、さぁ上がって、綾奈は先に部屋で待ってるから」
そうして、僕と綾奈さんは、柳星張について聞いた。
「柳星張なぁ...」
「社野沢に眠っているって何?」
「そもそも、なんで柳星張って言うんですか?」
「まぁ、待て待て...そう焦るな、1個ずつ答えるから、ゆっくりな?」
「あっこは、守部の辞書で、何かの遺跡ちゃうか、言うて、前に大学の調査が入ろうとしたことがあったんやけどな、当時様が頑として、それを許さへんかったんや」
「じゃあ、何も分かってないんだ...」
「そうでも無いな」
そう言って、繁樹さんは僕と綾奈さんの肩を叩くと、傍においてあった、本棚からひとつの本を取りだした。
本を開き、壁画の美と書いてあるページを開いた、何か、書いてある紙が挟まっている。
「月は、28日で天球を一周りするから、昔の中国や日本は、二十八宿と名付けて、天を分けてたんや、それを東西南北、七宿ずつに分けて、柳・星・張、西洋の星座ではな、この三宿だけがうみへび座やねん、柳は頭、星の道には赤い星で、赤は南都の守護神の色やな、あ、高松塚やとな、守護神は東に青龍、西に白虎、北に玄武...」
ふと思った、東・西・北と来たら、南もいるはずだ、しかし、いくら探しても、南だけがいない。
「南がない...」
「この古墳の壁が崩れてんけど、朱雀やな...」
繁樹さんがそう呟いた。
それに釣られて、綾奈さんも呟く。
「朱雀?」
「朱雀門の朱雀、鳳凰、火の鳥...みたいな」
綾奈さんが呟く。
「やっぱり、鳥なんだ」
それに繁樹さんが返事をする。
「うん、柳星張は朱雀の事やないかって、うちの大学では推理してる」
「北の玄武と南の朱雀は敵?」
それに呼応するかのように、繁樹さんが言う。
「南を守る言うんは...南から来る敵への、備えや」
「南から来る敵...」
ふと、時間が気になり、時計を見る、すると...もう、6時を回っていた。
「さてと...もう、こんな時間や、壱輝くんは帰った方がええんちゃうかな?」
「はい、ありがとうございました」
「いいよいいよ、もし、ほかの事も聞きたくなったら、また来てな」
「はい、ぜひ、お邪魔させていただきます。」
「綾奈さんも今日はありがとう」
「いや、良いよ、私より気になってそうだったし」
僕は階段を降りて、玄関に行き、靴を履く。
「それじゃあ...帰るね、バイバイ」
僕は綾奈さんに手を振って、帰った。
家に帰ってきて、思ったことがあった。
話を聞いていた時...柳星張の時だけ、首に掛けているペンダントが光った気がした...
「気のせいかな......?」
僕は気になって、眠れた気がしなかった。