【ORAS10周年記念】Re:Re:ポケットモンスター REALIZE   作:暁色の王冠

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包囲網第二幕・妖精の王③

 ゾロアークが現れた。

ニンフィアという相性が最悪なポケモンを相手に臆することも無く、互角に、それ以上の戦いを魅せる。それはゾロアークの強さか、それともジェノサイドの強さか。

 

「ヒヒダルマはすべて幻影だ。ゾロアークで時間稼ぎされるなんて思ってもみなかっただろ?」

 

「そのやり方には驚かされたが……問題はゾロアークじゃない」

 

 今ある現実から、懸念を抱いたルークは額から汗を一滴垂らしながら思慮を巡らせる。

 

「こいつに化けた以上、本物のヒヒダルマが手持ちに居る、という事か?」

 

 今のルークにとってヒヒダルマは一番戦いたくないポケモンのひとつだ。"トリックルーム"も消えた今、脅威でしかない。

 

「さぁな。このバトルを続けていけば分かるだろ」

 

 余裕綽々に話し続けるジェノサイド。その傍らで、ゾロアークが突如"ナイトバースト"を打つ。

 

「なっ……、くそっ! なんなんだよソイツは!」

 

 バトルにおける命令というものは合図だ。

自身のポケモンにとっての指示であるのと同時に、敵にとってもこれからやって来る攻撃に対する準備期間でもある。

命令があって自他共に確認が出来る。

命令無しに技が飛んでくるというものはそんな準備をしようにも出来ない状態に等しい。"まさか今技が突然飛んでくる訳が無い"など普通の人間ならば予期はしないだろう。むしろ、する方がおかしい程だ。

それを、ジェノサイドは当たり前のように繰り返す。

 

 虚を突かれたのはニンフィアも同じだったようで、辛くも避けたようだった。

当たらなければ問題は無いが、これが何度も繰り返されると厄介である。精神的にも宜しくない。

 

「面白いだろ、俺のゾロアーク」

 

「自覚が……あるのか」

 

「あぁ、こいつは特別なんだ」

 

「特別?」

 

「何年前だったかな……。とにかく、ある時を境にこいつは勝手に動くようになった。理由は俺にも分からねぇ。だが、バトルの状況や対面の有利不利を理解しているようで、俺にとっても最善手である手段をよく取ってくれるんだ。たまーに変な行動もするけどな。……って話をさっきダーテング使いの野郎にも言ってやったよ。詳しく聞きたけりゃそいつに聞いてみな。死んではいないと思うからな」

 

「この、クソ野郎が……」

 

 ルークは、これでもかと言うほどの負の感情を抱いた。

それはジェノサイドが自身に放つ傲慢さだけでは無い。

実力や地位など、自分にはない物をこの男は手にしている。そんな嫉妬や恨み、妬みも含まれている。

そのためか、薄々実感はしていた。

大きな間違いを犯したかもしれない、と。

 

「そんな訳で、もういいだろ。お疲れちゃんゾロアーク」

 

 好き勝手に場を掻き乱し、翻弄したゾロアークは大人しくボールへと吸い込まれる。

 

「んで、今度はお前の番だ……。ヒヒダルマ」

 

「来やがった……。今度こそ本物か」

 

ゾロアークを戻した以上、"イリュージョン"は発動していないはずだが、それでも幻でいて欲しいと望んでいるルークがそこには居た。

 

「"トリックルーム"は消えた。あとに残るのはノロマで無防備なニンフィアだけ。もう怖いものはねぇ。元から怖くもねぇけどな?」

 

 スカーフを巻いたヒヒダルマは炎を身に纏う。

持ち物である"こだわりスカーフ"。その技は。

 

「"フレアドライブ"」

 

 せめてもの対抗策にと"ハイパーボイス"をと思ったルークだったが、命令と技の発動までの僅かなタイムラグを突かれる形となった。

まさに速攻。それに相応しい動き。

瞬間を逃すことなく、ヒヒダルマはニンフィアを貫く。

 

 勝負は一撃で決した。

 

「クッ……ニンフィア……」

 

 倒れたポケモンの下へルークが走る。

状態を見てボールに戻し、鋭い目でジェノサイドを睨んだ。

 

 そんな恐ろしい目を向けられたジェノサイドは相手の残りの手持ちは若干の傷を負ったフレフワンがいた事を思い出していた。そこから勝利を微かに見出す。

 

「くそっ、フレフワン!」

 

 そのポケモンは、ニンフィアと同じく鈍足で守りも厚くはない。加えて今は道具も無い。

最早敵でも何でもなかった。

 

「もう一度"フレアドライブ"だ」

 

 再び炎を纏ったヒヒダルマは先と同様に猛突進する。

ルークはフレフワンに"ムーンフォース"を指示したが、今度も構えたところを攻められた。

 

「耐えろ! フレフワン!」

 

 というルークの声が響いたが、その応援も虚しくフラフラと体を揺らしたフレフワンは全身から力を抜くと倒れた。

 

「よし、二体目。次のポケモンまだ居るよな?」

 

 暗に急かすジェノサイド。それを察したルークは今度も睨む。

ポケットの中の最後のボールを掴んだものの、考える仕草をしているようで中々場に出そうとしない。躊躇しているようだった。

 

「どうした? 早く出せ」

 

「うるせぇジェノサイド! 言われなくとも出してやるよ! 行け、クチート!」

 

 叫ぶと、ボールからはそのポケモンが飛び出した。

 

「なるほどねぇ……」

 

 躊躇していた理由が分かった。相手にとって相性が最悪だからだ。

それは、ジェノサイドからすると勝ったも同然。今回も楽な戦いだったと最後まで余裕を抱いていた彼は、ある事を忘れていた。

 

ヒヒダルマはこれまでに"フレアドライブ"を二度打ち、その度に相手のポケモンを倒した。という事は、その分の反動ダメージが蓄積している。

そしてそれをルークは見逃さなかった。

 

「"フレアドライブ"」

 

「"ふいうち"!」

 

 いきなり響いた大声にジェノサイドは驚き、肩をびくつかせる。

その声を聞いたクチートは誰よりも早く動き、誰よりも早くヒヒダルマへ潜る。

 

 鈍い音が響いた。

予想だしない動きとともに繰り出した大きなアゴが、ヒヒダルマを捕らえる。

餌食となったそのポケモンは倒れた。

 

「マジか。完全に油断したー」

 

 抜けた声でそう言ったジェノサイドはヒヒダルマを戻す。それは同時に最後のポケモンであるゾロアークを出す合図でもあった。

 

「お前は俺を騙したんだ。これくらいやられて当然だろ」

 

 ルークのその声を無視するジェノサイドは自身の真上に、まるでカッコつけるようにダークボールを放った。

 

「これでお互い最後の一匹だ……俺のゾロアーク倒せるモンなら倒してみろAランク」

 

「黙れジェノサイド! 調子に乗れるのも今日までだ!」

 

 強気に言い放ったルークだったが、突如として彼は笑いだした。最後の一匹という緊張感からか、それとも思わずこみ上げる何かがあったのか。

 

「はっ、ははははは! お前本当に"あの"ジェノサイドなのかよ! それにしては無様な戦い方だよなぁ!?」

 

「何が言いたい。それとも何らかの期待でもしていたのか? だったら申し訳ねぇな。元来俺は人から期待され過ぎてよくガッカリされる。だからそこは勘弁な」

 

「そうじゃねぇよ。お前の人格なんざどうでもいいんだよ。俺が言いたいのはポケモンだ。ポケモンの扱い方だ! あまりにも下手すぎやしないか? 特にさっきの。なんだよ今のヒヒダルマ。普通だったら予測出来るだろ! クチートが……」

 

「クチートが"ふいうち"をするかもしれない、ってか? それくらい予想済みだ」

 

「嘘だな! ならば何故反動ダメージを考慮しなかったんだ!? お前だったらそんなの予見出来んだろ! あぁ!?」

 

「だから……」

 

 ふざけた問答しか見えない彼に対して感情が昂るルークだったが、ジェノサイドは至って冷静であった。ため息を吐いて片目を閉じている。呆れているようでもあった。

 

「いい加減察しろ。俺は必ず勝つ戦いしかしねぇ。勝つために状況を作り上げる。バトルの基本だろ? 俺はそれに忠実だったに過ぎない」

 

 ルークは息を詰まらせた。意味が分からなかった。自らピンチになるような局面を作り出すなどと。故意にこの状況を作り上げた事に理解が及ばない。

 

「分からないか? ならば今から見せてやるよ、俺のゾロアークの強さをな」

 

 言いながら、赤と黒の光線が一直線へと走ってきた。

 

「くっ、またかよ……」

 

 やや遅れてルークの命令に従い、クチートはそれを避ける。

 

「そのまま行けるとこまで接近しろ!」

 

 クチートは走り出した。大技を放った後の大きな隙だらけのゾロアークの下へ。

 

「なん……っ!?」

 

「ははっ、だからおめぇは甘いんだよジェノサイド! 今のこの状況見ても同じこと言えんのかぁ!?」

 

 射程圏内へと入る。ここしか無いと絶妙なタイミングを得たルークは叫ぶ。

 

「"じゃれつく"!」

 

 その後。とてもじゃれついたとは思えない猛撃が、暴力と衝撃の嵐が砂煙を生じさせ、周りを包んだ。

 

 勝敗は決した。誰もが思ったことだろう。

ルークも、遠くから眺めていた学生たちも。

一人の男を除いて。

 

 暫くして、異変に気付く。いつまで経ってもクチートが戻ってこないのだ。

 

「……おい、何をしている!? 技キメたんなら早くこっちに戻れ!」

 

 得体の知れない不安と緊張から、ルークは怒鳴る。

眼前の砂煙が消えると、その不安は確信へと変化した。

 

 技を受け、倒れているはずのゾロアークが立っている。それも、クチートを逃がすまいと抑えたうえで。

 

「これを待っていたんだ……俺の勝ちだ。ゾロアーク、"カウンター"」

 

 何処から溢れたのか想像し難いエネルギーが全身から放出され、己が受けたダメージを倍にして返す。

 

 クチートが飛んだ。そのトレーナーの足元まで。

 

 ルークは驚きを隠せなかった。

ただ弱点の技を叩き込めば倒せると思い込んだ。だから大事なところを見逃していた。

 

「お前……それは"きあいのタスキ"か」

 

「ゾロアークには必須アイテムだろ。それくらい考えろって」

 

「ふっ……」

 

 ルークはまたも笑った。

まさかここまで想像通りに事が運ぶとは、と。だからこそ驚きが隠せなかったのだ。

 

 今度は倒れたはずのクチートが起き上がる。

そして助走をつけて猛スピードで駆けたそのポケモンは、再びゾロアークへと迫る。

 

「お前もタスキか……」

 

「だーから言ってんだよバーカ! 甘ぇってなぁ! 俺がタスキ持ってる事も考えろっての!」

 

 "カウンター"を受けて倒れないポケモンは基本的に存在しない。その通りで、ルークのクチートの持ち物もゾロアークと同様"きあいのタスキ"だった。

 

 クチートは再び"じゃれつく"の体勢を取りつつ近づく。対してジェノサイドもゾロアークも逃げようともしなければ迎え撃とうともしない。

あと一歩。技が当たる、というタイミングでゾロアークは人間には視認出来ない動きをしたかと思うと、そこでクチートは今度こそ倒れた。

 

「なにっ……?」

 

「だから、それくらい考えてるっての」

 

ゾロアークの"ふいうち"。

相手が攻撃技を選択した場合でなければ失敗してしまう、リスクを負った技だ。

 

「お前のゾロアークも……先制技だと……?」

 

「大体のポケモンは"カウンター"で倒せるものだが、稀にタスキか何かで耐える奴が現れる。お互いのポケモンの体力は一。そうすれば人間の心理として、普通はどうするよ? それを見越しての……」

 

「"ふいうち"って訳か……」

 

 今度こそ負けた。

最後まで騙され、力の抜けたルークはその場で膝を付いた。

 

 勝負は今度こそ決した。

ジェノサイドはゾロアークをボールに戻しながら確認するように周りを見る。やや離れた位置から怯えているかのようにバトルを眺めている学生以外他に人の姿は無い。

 

「包囲網はまだあるようだが……近くに敵は居ないようだ」

 

 ジェノサイドは警戒しつつ敵に近付く。

こういう時、戦いの結果に納得いかない深部(ディープ)集団(サイド)の人間は凶器を使って直接本人を傷付ける危険性があるためだ。

 

「安心しろ、俺は人は殺さない」

 

 深部(ディープ)集団(サイド)のルール、組織間抗争。勝てば生き残り、負ければ全てを失う。それは組織そのものや財産、金だけでは無かった。

深部(ディープ)集団(サイド)に所属する人間は、特別に超法規的な権限を有する。

目的に沿った場合に限り、対象の命を殺めても構わない、というものだ。

 

 深部(ディープ)集団(サイド)は元々ポケモンを悪用して犯罪に手を染め、世の治安を乱す人々を絶滅させる為に結成された存在に過ぎない。それが上の人間の都合とはいえ、その力が同胞に、同じような人間に、即ち深部(ディープ)集団(サイド)の人間にも向けられた。そんな経緯を持つ。

 

 現実に考えてしまえば殺人の罪だが、今彼等が居る世界は表の世界では無い。

死が身近にある、暴力と力だけの世界だ。

 

 そんな修羅の道を歩む彼らだが、ジェノサイドはそれでも人の命を奪うことはしない。彼はそれを強く誓っている。

 

「お前がどれほどムカつく人間だったとしても、決して殺しはしない。そう決めている。代わりに、お前を結社に引き渡す。黙って受け入れろ」

 

 深部(ディープ)集団(サイド)の人間とは、簡単に言い換えてしまえば全員が全員"結社"と呼ばれた、この世界を作り上げた存在たちによって指名手配されていると言える。

 

 その人物の生死は問わない。

 

「結社からすれば、とにかく俺たちは多く生まれすぎた。結社が俺たちの為に組織一つ作るのに莫大な手間と費用を掛けるのを強いられているのはお前も知っているな?」

 

 ジェノサイドは言いながら、相手が逃げないように拘束するためのポケモンを、"でんじは"を覚えたクレッフィを用意する。

 

「結社からすれば、裏から世界の治安を守るため、俺たち深部(ディープ)集団(サイド)は絶滅してほしくはないが、こんなにも人はいらない。いらない人間は排除したい。んで、自分たちの負担も減らしたい。そんな思惑から生まれたのが組織間抗争って概念だ。だからお前も俺も、上手く乗せられた形になってしまった」

 

「……」

 

「だが俺はどうしても殺しだけはしたくなくてな……。まぁ俺以外にもこう考えている人間は居るのだろうが、その声を受けて結社は敗者に限り身柄を引き受ける対応を始めたんだ。もう何年も前からだがな。だからお前はこれから結社の世話になることになる。どんな扱いをされるかは知らない。噂では秘密裏に消されるってのがあるが……まぁ組織間抗争を考え付く人間たちだ。どうなるかは想像出来るよな?」

 

「敗北した……罪ってことかよ」

 

 観念し、全て諦めた様子のルークは抵抗せずその場にじっと座り込む。

無抵抗だとやりやすい、と感じたジェノサイドはまさに今"でんじは"を打たんとクレッフィに合図しようとした時だった。

 

「……まずい、忘れてた!」

 

 突然靴を擦った、後ずさりする音が聞こえた。

ルークは振り向く。

するとそこには、何かに怯えたような表情をし、自分とは距離を離したのちにリザードンを呼び出しては飛び乗り、その場から逃げ去るジェノサイドがあった。

 

「な、なんだ……? 一体奴の身に何があった……?」

 

 辺りを見るも、異変は何も無い。

ただ五十メートル程の位置に顔も知らないこの大学の生徒と思われる学生たちがこちらを見ているだけだった。

 

 

 ジェノサイドは基地へと帰った。

元々、エレクトロニクスの男とのバトルが終わればそうするつもりだった。

結果として少し長引いてしまった。

 

「くそっ、あそこが大学だって事を一瞬だけ忘れてた……。"そういう"警戒をもっとすべきだったな」

 

 大学から基地までは十分から十五分程かかる。時間が曖昧なのはポケモンの飛ぶ速度によるのと、彼がマイペース且つしっかりと測った事が無いからだ。

 

 基地のシンボルでもある、廃れた工場跡を眺めながらジェノサイドは雑草で茂ったところを屈んで手を下ろす。

草に当たる前に冷たい鉄の塊に触れた。

基地に繋がる隠し扉だ。

 

 重い扉をゆっくり開け、地下に繋がる階段を降りながら再びゆっくりと閉める。

 

 コンクリートで作られた廊下をひたすら歩くと、別の扉が現れる。大広間へと繋がる、鉄製の扉だ。

 

 微かにざわめきが聞こえた。

扉の先は大広間へと続く廊下があり、更にその奥にジェノサイドに所属する人々の空間(シェルター)がある。

二つ目の重い扉を開け、廊下を歩き、大広間への扉を開けた。

 

 その先の空間は、廊下と比べて明るかった。ジェノサイドは薄く目を細める。

 

「あれ? リーダーが帰ってきた」

 

 談笑していたであろう構成員の一人が、意外なものを見たような顔をして周りにアピールする。それを聞いた人だけがジェノサイドへと視線を集中させた。

 

「リーダー……ですよね? まだ講義の時間じゃないっすか?」

 

「そうなんだが、そうもいかなくてな。構内で襲撃を受けた。あまりにも面倒だったから講義からも奴らからも逃げてきたぜ」

 

「その割には帰りが遅かったな?」

 

 若い年齢層の構成員たちに混じってしわがれた声がする。この組織の中でそんな声を出せる人間は一人しかいない。バルバロッサだ。

 

「連絡したはずだがな。すぐに帰って来いと」

 

「そのつもりだったんだが、あの後すぐに自分が包囲網を作ったと自慢げだった自称Aランクの奴とも戦ってな。少し厄介だったが問題なく倒してきた」

 

「その自称Aランクの人間はどうしたのだ?」

 

「結社に引き渡す予定だったが、ちょっとミスった。顔見知りの人間が俺のバトルを眺めていたんだ」

 

「まさか……それに気付いてその場を後にした……と? よかったのか? 敗者をそのままにしてしまって」

 

「敗者は必ず裁かなければならない、なんてルールは無いからな。バトルに負けちまえば逃げてもいい訳だし。もう一部の先生たちには俺の正体もバレちまってるけど、友達なんかはまだそうもいかねぇ。今あいつらにバレたら少し厄介なんだ」

 

「顔見知りとは、先生ではなく学生の方だったか……」

 

 深部(ディープ)集団(サイド)最強の人間には似合わない、あまりにも甘く可愛いその理由にバルバロッサはつい苦笑いする。

 

 ジェノサイドの正体。

それはテロリストでも、殺戮を好む戦闘狂でも無く。

"ただの世間"を気にする気弱な学生でしかなかった。

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