魔法少女リリカルなのはStrikerS もう一人のストライカー 作:藤月沙月
それから、キャロが問題のロストロギアを封印して。
『封印は万全。これにて出張任務完了や。深琴も、こっちに戻ってきてな』
「はい。ガジェットの残骸は回収しますか?」
『そやな。今シャマルが転送ポート開くから、頼めるか?』
「了解!」
ロストロギアの封印は問題なく終了し、私と秋葉さん、そして藤月彼方さんが担当していたガジェットの破壊も滞りなく終了し。
「一晩くらい、泊っていけばいいのに……」
私たち機動六課出張メンバーは、今夜中に隊舎へと帰還することになった。封印したロストロギアとガジェットの残骸はシグナム副隊長が聖王教会に届けてくれる、とのこと。
あれから秋葉さんは、彼方さんと共に先に自分たちの拠点に戻ったそうだ。兄との関係は高校の先輩後輩だそうで、「悪ぶっているのに優等生」の兄と「素性が一切不明の優等生」の彼女は学内では何かと有名らしい。
一方の彼方さんは兄が所属する剣道部の先輩で、今は聖祥大学に通う大学生。アリサさんの同級生だとか。見た目といい武器といい零さんの関係者だと思うのだけれど、「禁則事項です」と笑顔で何も教えてくれなかった。
「今度は休暇で来いよ」
「休暇があれば、ね」
しばらくは24時間勤務だし。そう告げると、兄は苦笑した。
「なんか虚しいわ。お前がもう社会人やってるとか」
「でも、私より年下もいるしね」
エリオとかキャロとかね。苦笑していると、兄はポケットから小さな袋を取り出した。
「やるよ」
「開けていい?」
「おお」
リボンを解き、箱を解体する。中から出てきたのは、淡紅色の薔薇をあしらった銀色のヘアピンだった。
「もらっていいの?」
「一応誕生日プレゼントだよ。お前七月生まれだけど、どうせ帰ってこないだろ?」
「……ありがとう。お兄ちゃん」
「よかったね、深琴」
「ええお兄ちゃんやな」
昔みたいに戻れる日はまだ遠いかもしれないけど。
「……また帰ってくるから」
「おう。その時は前もって連絡しろよ」
「うん」
いつか、母さんたちと向き合える日が来たらいい。
そう思いながらも、私は転送ポートに入った。