魔法少女リリカルなのはStrikerS もう一人のストライカー   作:藤月沙月

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26:約束の空へ

 事件が終わりを告げる時。それは機動六課がその役目を果たす時。

 今はまだそんなこと考えられないけど、「終わり」は確実に近づいている。

 けれど、そんなことはどうだっていい。

 今できることは、この事件を悲しみと後悔で終わらせないということだけだから。

 

 

 

 スカリエッティのアジト外。聖王教会騎士団と陸戦魔導師達に、シャッハとヴェロッサは逮捕した戦闘機人の護送を依頼していた。

 

「私は、フェイト執務官を助けに」

「シャッハ! その負傷じゃ無理だよ。僕が行く」

「ですが!」

『待って下さい!』

 

 モニターが開き、データを解析しているフェイトが映し出される。

 

『こちらは自力で脱出できます。それより、この崩落を止めないと。ポットの中の人たちが、まだ生きてるかもしれないんです。道連れにさせるわけにはいかない』

「……なら、できることは一つだよな」

 

 日本刀・無頼を片手に、零は再びアジトへ向かった。

 

「なっ……零!? 何をするおつもりですか?!」

「決まってんだろ」

 

 シャッハとヴェロッサに背中を向けて、零は続ける。

 

「シャッハはひとまず治療。ロッサは猟犬でサポートを頼む」

「あ、ああ」

「他に手が空いている者、及び治療が終了した者は俺と一緒に来い。手分けして救出任務に入る。いいな?」

 

 有無を言わさず、零は即座に指示を飛ばした。その視線の向こうには救援に来た六課のライトニングFがいる。白銀と黒い竜を見て、零は呟いた。

 

「……怪獣大決戦かよ……笑えねえ……」

 

 後にこの発言を聞いた妹分二人は同時にツッコミを入れたという。

 

「「っていうかその発言が笑えねえ」」

 

 と。

 

 

 ◇

 

 

「いいか! 船ん中、奥に進むほど強度のAMF空間だそうだ」

 

 ハッチを開けつつ、ライフル型デバイス――ストームレイダーを構えたヴァイス陸曹が言った。

 

「ウイングロードが届く距離までくっつける。そいつでつっこんで、隊長たちを拾ってこい!」

 

 ちなみにそいつ、というのはバイクのことである。なんでも陸曹の私物らしい。

 そのバイクに三人乗り(普通なら違法です)して、私たちは突入のタイミングを待っていた。ハンドルを握るのはティアナ。その後ろに私、最後にスバルが乗っている。

 戦闘機人モードでスバルはAMF下でも問題なく行動できるし、練り上げた魔力を肉体から離さないようにすれば私も飛行できるほど回復していた。普段はアクセルフィンを使用しているが、一番近い魔導師である伯父はそういった魔法を使用せずに飛行することができるため、私も六課で副隊長両名に教えてもらっていた。安全性を一番にしていたから魔法を使用していたけど――最短距離かつ敵の襲撃がなければ、問題は無い。

 開け放たれたハッチの向こうに、ゆりかごの装甲が見える。周囲で活動を再開したガジェットⅡ型を、ヴァイス陸曹は撃ち落とした。同じ射撃型のティアナが反応する。

 

「前に言ったな。俺ぁエースでも達人でもねぇ。身内が巻き込まれた事故にビビって、取り返しのつかねぇミスショットもした。死にてぇぐらい情けねぇ思いもした。それでもよ!」

 

 ヴァイス陸曹はマガジンを取り換え、カートリッジを四発ロードする。

 

「――無鉄砲で馬鹿ったれな、後輩の道を、作ってやるぐれぇのことはできらぁな!」

 

 そして生成された多重弾殻が、ガジェットⅢ型を射抜いた。

 

「よし、行け!」

「は、はい!」

「ウイング……ロード!」

 

 空色の道が、ハッチとゆりかごを繋げる。

 

「「「ゴーッ!」」」

 

 勢いよくアクセルを吹かせて、私たちを乗せたバイクはゆりかごへと向かった。

 

 

 ◇

 

 

「……行きましたね」

「そうだな」

 

 空色の道が広がったことを確認して、秋葉とディバインは溜息を吐いた。それでも攻撃の手は緩めず、ヘリにまとわりつくガジェットを破壊していく。

 

「なんであいつは、好き好んで危険な道に進むんだか……」

「でも、深琴ちゃんらしいといえばらしいかもですね。あれで大人しかったらびっくりです。そういうところは兄妹そっくりなんですよねー」

 

 もしくはそういうところが「秋月の血」なのだろう。静真曰く「びっくり人間大賞」時には「平和主義の殴り合い主義」と呼ばれるその血を、先ほど――フェアとの戦闘で秋葉は確信していた。

 

「執務官的には、深琴ちゃんは『可愛い妹分』ですか?」

「それは零の方だろう。お前と一まとめに『弟子兼妹分』と言ってるからな」

「どうでしょうね」

 

 さらりと言い放って、秋葉は「だってあの人、身内大好き人間ですから」と続ける。

 

「あの人、身内が巻き込まれるのも身内を巻き込むのも大嫌いですから。いきさつはどうであれ、こうして関わりを許した時点で身内じゃなくなって、いわば『戦友』ってやつです。ぶっちゃけなくても優しすぎるんですよね」

 

 足を止め、広い視野で捉えた敵に魔力弾で攻撃する。

 その僅かな間に、秋葉は瞳を伏せた。

 

(まるで……ティーダ……あなたみたいに……)

 

 自分を庇い、死んだ戦友(ティーダ)と自分を救い、導いた恩人()

 自分の胸を刺す後悔は消えるどころか未だ色濃く残っているけれども、それでも自分はまだ生きている。こうして戦うことができる。

 だから。

 

「終わらせましょう。ここで、全部」

 

 

 ◇

 

 

 

「アインザッツ。ちょっとだけ、力を貸してね」

《Drive ignition.》

 

 私の魔力でダメージを修復したアインザッツは、ゆりかごへのアンチプログラムを発動させた。魔力が私の体を一気に駆け巡る。――さすがに魔力素も消されて、新たに結合することはできないけど。

 

(でも、マシであることには違いない)

 

 バイクから飛び降りたスバルが先導し、キューブ状の防衛兵器を破壊する。しかし後方に残っていた兵器はそのまま照準をバイクへと向けた。

 

「深琴!」

「任せて!」

 

 立ち上がった私は、バランスを取りつつ右腕を伸ばす。ロゼットのフォルム・ツヴァイ、そしてショートソード型のアインザッツを構えて、八発の魔力弾を生成した。

 

「行くよ、ロゼット、アインザッツ」

《All right,buddy.》

《I will do my best.》

 

 二機のサポートを受けた魔力弾は防衛兵器に向かっていく。キューブ型を破壊して再び手元に戻ってきた魔力弾を集め、砲撃へと変える。

 狙いは後方――ガジェットⅢ型!

 

《Cross Fire Shoot.》

 

 一直線に飛んで行った魔力砲撃は、そのままⅢ型を貫いた。ミッドチルダ式のそれを改良し、私が得意としてきた純粋魔力の放出。資質的にも肉体的にも、使用には何の問題は無いらしい。これなら帰り道にガジェットが現れても、交戦可能だ。

 

「……深琴……あんた、ほんと無茶するわね……」

「あはは、よく言われる」

「ほんとに、もう……」

 

 肩を竦めたティアナは、前方を見据えたまま続ける。

 

「迎撃はスバルに前面的に任せる。あんたは魔力、温存しときなさい。――さすがに五人乗りできないから、このバイク」

「できたらびっくりだよ」

 

 今回の三人乗りだってギリギリだったのに(私も隊舎にバイク置いておこうかな)、なのはさん、八神部隊長、ヴィヴィオ、No.4は一度には乗せられるはずがない。まあそりゃ誰かとヴィヴィオなら行けそうな気もするけど。

 前方のスバルが、玉座に続く壁をぶち壊す。眼下の玉座ではなのはさんの腕に抱かれるヴィヴィオ、八神部隊長とリイン曹長、拘束されたNo.4が呆然とした表情で、私たちを見上げていた。

 

「お待たせしました!」

「助けに来ました!」

「……うん」

 

 

 ◇

 

 

「スカリエッティ本拠地、振動停止。突入隊及び、ライトニング1、ライトニング3、脱出確認!」

 

 アースラ艦内にルキノの報告が響く。

 そしてそれに続くかのように軌道上で待機していた次元航行部隊の報告が上がる。

 

「巨大船内部に突入した魔導師、第一隊から第四隊まで退避。最深部機動六課メンバー」

 

 空間モニターに、空色の道が広がった。

 

「――全員、脱出確認!」

 

 

 ◇

 

 

 それから八神部隊長とリイン曹長、No.4はバイクに、なのはさんはスバルが背負い、私はヴィヴィオを抱き上げて来た道を戻る。

 

「お姉ちゃん……」

「もう、大丈夫だよ」

 

 そして主と駆動炉を失ったゆりかごは、惰性的に上昇を続け――軌道上に到達する寸前で、次元航行部隊の一斉砲撃により撃墜された。

 私が――私とスターズコンビがそれを聞いたのはおよそ半日後。

 

「やったぁ! やりましたぁ! あはは! やったぁ!」

 

 遠くで、シャーリーの声が聞こえる。喜んでいるようだ。凭れかかったぬくもりに、私は瞳を閉じる。すぐさま襲ってきた睡魔は、容赦なく私を引きずり込んだ。なんとか抗おうと試みるも、意味はない。

 

「……よく頑張ったな」

 

 優しい声が、すぐ傍で響く。肩に回された腕が、頭を優しく撫でてくれた。――ああ、もう限界。

 意識を飛ばす寸前に、八神部隊長の声が聞こえた気がした。

 

「みんな、ほんまにお疲れや」

 

 ――レリック事件をきっかけに始まった、今回の任務は、こうして無事に終わりを告げました。

 いくつもの出来事が絡み合ったこの事件が、ジェイル・スカリエッティ事件、または、JS事件と呼ばれるようになったのは、事件が終わって随分経ってからのこと。

 

 

 ◇

 

 

 JS事件終結より、三ヶ月後。

 逮捕されたスカリエッティと、事件捜査に協力の意思を見せなかった戦闘機人たちは、それぞれ別世界の軌道拘置所。

 罪を認め、捜査に協力的な姿勢を見せた子たちは、ミッド海上の隔離施設。ライトニング隊が保護した二人、ルーテシアとアギトとフェアも、自分たちで決めてそこにいる。

 

「つか、なんでフェア様も?」

 

 セインに話を振られたフェアは、深紅色の瞳を瞬かせた。しかし数瞬後にはその表情は穏やかなものへと変わる。

 ――「これからは、ちゃんと生きるって約束したから」とのことらしい。

 そうそう。フェアの経歴に関して、なぜかスカリエッティは詳細を纏めたデータをフェイトさんに提出したらしい。それはルーテシアとアギト、そして更生を決めた娘たちの分もあったとのこと。

 彼女たちが、すぐに外に出られるように、と。異能の天才と呼ばれ大規模テロリズムの首謀者にも関わらず、ジェイル・スカリエッティという男もまた身内には等しく愛情を注いでいたらしかった。

 それからミッド地上は平穏を取り戻し、機動六課のオフィスも修理完了。隊員たちも全員職場復帰を果たして、ヴィヴィオも一時保護と検査から無事帰ってきて、ママと一緒に平和な暮らし。

 けれど過ぎていく日々は、一つの事実を突き付けた。

 機動六課の試験運用は、一年間。春が来たら、私たちは卒業だ。

 

(あっという間だなあ……)

 

 卒業後の進路とか、ランク試験のこととか、フェアのことで頭がいっぱいになっている内に、毎日は過ぎていた。

 

 

 

 

 そして新暦76年、4月28日。機動六課隊舎では解散式が行われていた。

 

「長いようで短かった一年間。本日をもって、機動六課は、任務を終えて解散となります。皆と一緒に働けて、戦えて、心強く嬉しかったです。次の部隊でも皆どうか元気に、頑張って」

 

 入隊の時と同じ、短く簡素なメッセージ。――あまりにも一年があっさり終わってしまった。

 

「まあ、この後お別れ二次会もありますし」

「シャーリー、張り切ってたからね……」

 

 しかも二次会後は有志による三次会、四次会と続くらしい。機動六課同窓会会長・シャーリーが忙しいはずなのににこにこ笑顔で奔走していたのを思い出す。

 

「あ、みんな、ちょっと」

 

 そう呼びとめたのは、なのはさんとギンガさん。

 

「二次会前に、フォワードメンバー。ちょっといいかな?」

 

 そうして呼び出されたのは、訓練スペース。いつもは何もない海上だが、今日は違っていた。

 桜の花びらが、訓練シミュレーターを埋め尽くす。こんなに近くでこの花を見るのは、初めてかもしれない。

 

「うわぁ……綺麗……」

「私やなのはちゃん、深琴の故郷の花」

「お別れと、始まりの季節に…つきものの花なんだ」

 

 式典とかでは見ることができなかったけど、病室の窓越しに見ていたこの色はよく覚えている。そしてそれ以上に見覚えのある人々。隊長たちにヴィヴィオはともかく、零さんやアーウィング執務官、秋葉さん――そして実兄・秋月静真まで集まっている。

 

「って、お兄ちゃん!? なんでここに!? 大学は!?」

「講義が午前中だけだったんだよ。で、俺も関係者枠で二次会に呼ばれててさ」

 

 クラナガン市内の大学に一発首席合格を果たした兄は、にこやかにフォワード陣とあいさつを交わしていた。色々ツッコみたいが、整列の号令がかかったのでそちらを優先する。

 

「さて、まずは5人とも、一年間訓練も任務もよく頑張りました」

「この一年間。あたしはあんまりほめたことなかったが。おまえら、まぁ、随分強くなった」

 

 ……え?

 

「辛い訓練、きつい状況、困難な任務。だけど、一生懸命頑張って、負けずに全部クリアしてくれた。……皆、本当に強くなった。5人とも、もう立派なストライカーだよ」

「……ああ、泣くな馬鹿たれどもが」

 

 どうやらみんなして泣いてしまったらしい。袖で涙を拭うと、なのはさんもヴィータ副隊長も涙ぐんでいた。

 

「さて。せっかくの卒業、せっかくの桜吹雪。湿っぽいのはなしにしよう」

「ああ」

「自分の相棒、連れてきてるだろうな」

 

 まあ相棒ですから、置いてくるはずがない。だがそれにしては隊長たちとフェイトさんの雰囲気があまりにも違っていた。

 

「え? え?」

「なんだ? おまえは聞いてなかったのか?」

「全力全開、手加減なし! 機動六課で最後の模擬戦!」

 

 あの、シグナム副隊長……そんなの、聞いてませんよ?

 

「全力全開って……聞いてませんよ!?」

「まぁ、やらせてやれ。これも思い出だ」

「あぁ、もう……ヴィータ、なのは!」

「固いこと言うな。せっかくリミッターもとれたんだしよ」

「心配ないない。皆強いんだから」

 

 周囲が敵だらけであることを悟ったフェイトさんは、零さんとアーウィング執務官に矛先を向けた。

 

「二人もなんか言って! なのはたちを止めないと……」

「いや、無理だろ」

「思い出になるかは分からないが、記憶には残るだろう。いいんじゃないか」

「だよなー」

「もう……」

 

 ああ、フェイトさん、すっごく苦労人だ。

 でもまあ、それでも全力全開の模擬戦に私たちフォワード陣のやる気は一気に上昇する。どういうフォーメーションを取るか、とか絶対勝つぞ、とか盛り上がっていた。

 

「フェイトさんも、お願いします!」

「頑張って勝ちます!」

「もう……!」

 

 エリオとキャロの言葉に頭を抱え、そんなこと言う割にノリノリな気がするのは気のせいですか、フェイトさん。

 

「それでは」

 

 防護服を纏ったフォワード陣と秋葉さんは一列に整列する。

 

「レディー……」

 

 同じく防護服を纏った隊長陣と零さん、アーウィング執務官も整列した。お互いのその手には、事件を共に駆け抜けた愛機が握られている。

 

「「ゴーッ!」」

 

 八神部隊長とギンガさんの掛け声と同時に、12人の魔導師はぶつかりあった。

 ちなみにこの模擬戦は24分間という短くも濃い時間で決着が付いた。一言で言うと、死ねた。

 

 

 

 

 

 

 機動六課卒業から、早一週間。

 あれからみんな、それぞれの進路へと進んだ。隊長陣はそれぞれ元の所属先に戻り、変わらぬ日々を過ごしていると聞く。

 私たちロングアーチ、フォワード陣も、また。

 シャーリーはフェイトさんの補佐官として次元航行部隊に復隊。

 アルトは地上本部、ヘリパイロットとして正式に採用された。

 ヴァイス陸曹も同じく地上本部。返納していた武装局員資格を再取得したとか。

 グリフィス准尉は次元航行部隊に転属し、事務官として。ルキノはグリフィス准尉の補佐官を勤めつつ艦船操舵手への道へ。

 フェイト隊長の二人目の補佐官になったティアナは次元航行部隊に転属し、夢に向かって進行中。

 キャロは前所属の自然保護隊に復帰、希望転属したエリオと一緒に竜騎士・竜召喚師コンビとして自然保護・密猟者対策業務において活躍。

 スバルはかねてより希望していた特別救助隊にスカウトされ、フォワードトップとして活躍。

 秋葉さんは高校を中退して、首都航空隊に復帰。凍結系変換資質を活かして、近隣の災害担当に貸し出されることが多くなったとか。

 ルーテシアは目を覚ましたお母さん――メガーヌ・アルピーノさんと、無人世界・マウクランで一緒に暮らすことになった。彼女の召喚獣・ガリューも当然、傍で見守っている。

 アギトはシグナム副隊長の融合騎として、補佐官の道を歩み始めた。今は八神家の一員として、元気にやっているらしい。

 フェアは零さんの申し出を受け、ナンバーズのセイン、オットー、ディードと一緒に聖王教会で修道騎士兼執事として社会勉強中。 

 ――そして、私は。

 

「こんなもの、かな」

 

 鏡に映る私が纏うのは、本局法務部の黒制服。少しばかりサイズが大きい気もするが、まだまだ成長期。背ももう少しくらい伸びてくれると信じてる。確認も完了し、私は外へ出た。

 向かうは本局法務部オフィス。しかしその道の途中で、私は足を止めた。

 わざわざ待っていてくれたらしい上司――ディバイン・アーウィング執務官が、私を見る。

 

「もう少し、ゆっくりしてても良かったんだが」

「お待たせしては申し訳ありませんから」

「それもそうか。――行くぞ、『秋月執務官補』」

「はい。アーウィング執務官」

 

 執務官の一歩後ろを歩きながら、私は過去に思いを馳せる。

 一年間、共に過ごした仲間たちへ。色々大変なこともあったけど、今はこうして、全部を笑って語れるようになりました。

 ――また会う日まで、どうか元気で。

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