テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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お待たせしました。
ゲート編最終話となります。

では、どうぞ!


『stage63?:Fate G―― O――』

 

 

 

「アプリゲーム・・・・・・?」

 

「そうそう、『Fate/Grand Order』ってタイトルらしいよ」

 

 そんな会話が行われているのは、月近郊、リゾートコロニー型宇宙航空艦『クラッド6』、そんな宇宙が窓から見える一室での事だ。

 

「後輩よ、また痛い目に遭いたいのか」

 

「うぐっ、で、でもさ、型月さんと交換条件があってさ・・・・・・」

 

 そして会話をしているのは、いつの間にかスマホへとワープ進化した携帯電話を手に持つコウジュと伊丹だ。

 

「また碌でもないこと企んでるのか?」

 

「失礼な」

 

「いやでもお前EXTRA辺りから月の移住計画やら何やらかんやらとやらかし続けじゃないか」

 

「・・・・・・」

 

「おいなんか言えよ」

 

「あ、あれは、型月さん達とお酒飲んだ上に深夜テンションでリアルムーンセルいけるんじゃねみたいになっちゃっただけで・・・・・・」

 

「その結果で月への移住計画が現実化してるんだから流石は神ってところなのかね。ポンコツだけど」

 

「ポンコツ言うな!!」

 

 炬燵に入りながら話す二人は言い合いをしてはいるが表情は蕩けるようにのほほんとしたままである。

 というのも、銀座事件が終結して世界各国との軋轢なども大体解消できてやっとのこと冬の祭典を無事に楽しむことが出来、更に言えば暫くは仕事が無いという幸せを噛み締めているからだ。

 ここにイリヤと二人の眷属(ウカノとアル)が居ないのは先の話に出た月への移住計画についてコウジュの代わりに仕事をしに行っているからだが、それはさておき、こうして二人がのんびりしていられるのには理由があった。

 

 それは、コウジュがこの世界に居られる期限が近づいているからだ。

 

 銀座における妲己事件後、知らされた期限は10年だけ。

 期限だけで言えばFate世界と同じではあるが、長いようで短い。するべきことは山のようにある。

 その10年も、もう8年が過ぎてしまった。

 この8年の間にコウジュが世界にもたらした影響は数えるのも面倒な程になる。

 幾つか挙げると、宇宙進出や各国間での協定、食糧事情、エネルギー問題といったところだ。

 まぁ、字面にすると凄い事をやっているようには思うがどれもこれもが力尽く感は否めない。バーサーカーだし。

 各国との交渉は様々な手段でオハナシして、食料事情はOHANASHIして、エネルギー問題に関しては既存の利益に差しさわりない程度にお話やらをした。

 ミサイルを発射するぞと脅しをかける様な国もあったが、サテライトキャノン撃ち返しますよと言われればどこも口を紡ぐしかない。

 とはいえ、武力による抑圧はどこかしらで綻びが出る。

 一応、コウジュなりに各国に利益が出るように気を回したりもした。

 しかし、適性がバーサーカーなのは特に関係が無いだろうが元々は唯の大学生だ。既に数十年の年月を経ているとはいえ、天才でもないコウジュには世界を潤滑に回す術を思いつく事も出来ないので、全てが上手くいくわけもない。

 そんなコウジュだが、彼女には心強い味方が、賛同する者が数多く居た。

 全世界のOTONAやOTAKUだ。

 それだけでなく、数多くの味方が大きな流れを作り、そして世界を覆った。

 そういった流れもあり、無駄に洗練された無駄の無い動きで以てして、世界は変わった。

 

 だが、コウジュがいつまでも居るわけではない。

 そしてそれは、全世界の人間が知るところとなっている。

 そのため、いま世界ではコウジュが居なくても成り立つシステムの形成に奔走している。

 コウジュが居なくなることで破綻する物はまだまだ多いのだ。

 安易に宇宙へと移動することは出来なくなり、非常時に諸国へ転移することも出来なくなる。

 それだけでも大きな影響があるのに、小さなものも含めて行けばまだまだ問題は山積みだった。

 

 そういったものを纏めて解決する策の一つが、月移住化計画だ。

 発案はコウジュと型月チームの酔った勢いが元なのだが、元々宇宙進出はコウジュが各国への利益として提示していた物の一つである。

 宇宙進出そのものに関しては、コウジュのクラッド6がある御陰で一気に飛躍した。宇宙に行くのが問題となっていたが、宇宙での実験が安価に行えるようになったのだから進まない訳もなく、今ではコウジュが居なくても宇宙までの往復ならば比較的容易く行えるようになっていた。

 しかし次の問題として、クラッド6無くして宇宙にどう留まるかという問題があったのだが、それを解決したのが月だった。

 

 月は、神話の時代から信仰の対象であった。

 つまり、“心”のよりどころであり、“願い”が向けられる対象であった。

 それをコウジュは使った。

 一度獣神化を経たコウジュは、“願い”というものを獣神化していなくてもある程度扱えたが、月が蓄えていた力は聖杯に匹敵する物であったため、再び獣神化を果たすことができ月を改造することができたのだ。

 更に言えば、地球側の世界で在りながら、月は霊地の一つとしても機能していた。

 だから特地から来た魔法や精霊への適性がある者が、細かい調整を行うことが出来た。

 そして今では、月表面に宇宙服を着なくとも生存できる環境が出来上がっている。

 ただ、環境が出来上がっては居ても施設などは殆どと言って良い程出来上がっていない為、今はその辺りを調整中だ。

 そしてそこまで行ってしまえば、コウジュの手は必要ではなくなっていた。

 

 そんな時だ。コウジュの元へ“FGO”の話が来たのは。

 

 元々、コウジュには内緒でだがコウジュの最後の1年は自由にできるようにしようという話が出てきていた。

 それというのも、コウジュに救われた人々やコウジュの想いに賛同した人々が、忙しいままにこの世界での思い出を閉じるのは申し訳ないという話が出たのが切っ掛けだ。

 あと、見た目幼女のコウジュが睡眠時間削ってまで働いているのに俺達は何をしているんだと立ち上がった紳士等も最後の1年を作るために奔走した。

 その結果、1年だけでなくコウジュが関わらなくても良いような仕組みが出来上がり始め、眷属であるウカノやアル、双子龍等の残留組が中心となって動くようになった。

 それでもコウジュは何かしようとしたのだが、する前に仕事が掻っ攫われてしまう有り様だ。

 仕方なくコウジュはぶらぶらとクラッド6内を歩くことにした。

 そんな折に、クラッド6内を仕事場にしていた型月チームからお声が掛かった。

 『FGOというアプリゲームを始動するのでコウジュイベントやらせてほしい』、と。

 コウジュは当初、それを断ろうとした。

 しかしすぐに協力を申し出た。交換条件と共に。

 そしてそれを、向こう側は受け入れてくれた。

 

 そうして出来上がったこの世界のFGOは遂に完成し、そのお試し(ベータ)版をコウジュが受け取ったのがつい先程のことだ。

 

「で、その交換条件ってのは誰の為なんだ?」

 

「・・・・・・何のことですか?」

 

「今更隠すな馬鹿後輩。主従契約が無くなったとはいえ、俺とお前さんの仲だろうが」

 

「先輩にはさすがに隠せないか。ま、その通りですよ」

 

 そう言うコウジュの笑みは慈愛に満ちたもので、それを見た伊丹は若干の呆れと共に嬉しく感じてしまう。

 久しく見ることの無かったコウジュの笑み。相変わらず誰かの為ではあるが、それでも誰かの為に動ける彼女の笑顔は素直にうれしかったのだ。

 

 そんな伊丹をコウジュがニヤっとした顔で見る。

 

「なんだよ」

 

「いや、さっきのセリフが素で出るのは先輩らしいんですが、嫁ーずに聞かれたらどうするつもりなのかと思っただけですよ。俺を落す気ですか」

 

「嫁ーずってお前な・・・・・・」

 

 ニヤニヤとするコウジュに伊丹は何とも言えない顔になる。

 

 というのも、実は伊丹はこの数年で再婚を果たしていた。

 しかも一夫多妻だったりする。

 相手は勿論というべきか、テュカ、レレイ、ロゥリィの3人娘に元嫁の梨紗、そして何故かピニャ皇女だ。ちなみにまだ増えそうな空気もあったりする。

 ついでに言えば、既に子どもも居たりする伊丹氏。

 世界を越えた、しかも重婚という事で一時期は掲示板やら何やら荒れるに荒れたが、それも既に過去の話となっている。

 そんな世の男子諸君の羨望と憎しみと呪いの対象になっている伊丹がコウジュとこうして二人きりになる事が出来ているのは、単にその嫁ーずの計らいがあったからだったりする。

 

 それは、コウジュがこの世界から居なくなるまで1年と少し、だから少しでも伊丹とコウジュが一緒に居られるようにしよう・・・・・・というのもあるのだが、実際にはコウジュを伊丹ラバーズの一員にしようと画策している為だ。

 しかも隠すどころかフルオープンで外堀を埋めに来る始末である。

 

「しかし未だに諦めてないんすねぇ・・・・・・」

 

「ああ。違うって言ってるんだがな。テュカの場合はそれでも大丈夫とか言っていたが」

 

「いや大丈夫じゃねぇですよ」

 

「だよなぁ・・・・・・」

 

 はぁ、と二人して溜息を吐く。 

 

「あ、でもイリヤがガードしてくれてるし、まぁ大丈夫か」

 

「そのイリヤちゃんだが、最近攻略されかかってるぞ。貴方も一緒に来ればコウジュちゃんも一緒だから問題ないじゃないって」

 

「問題しかない件」

 

 再び二人して溜息を吐く。

 

 二人とも、同類というか似た者というか、互いに感じているのは類友である仲間感なのだ。

 確かにお互いドキリとしてしまう事もある。

 コウジュが時折見せる妙な背徳感を含んだ少女らしさや、伊丹が意識せずに出す芯の通った言葉は互いに毒に感じることもある。

 だが、それとこれとは話は別だ。

 嫌いではないが、ラブではない。ライクなのだ。

 何かの切っ掛けで友愛や親愛が恋愛感情へと発展することもあるだろうが、今の所それは無い。

 それを、嫁ーズは攻略しに掛かってきている。

 嫁ーズもまた、コウジュのことは好きなのだ。

 勿論ライク的な意味で。一部はラブな人もいるが。

 そんな中、イリヤはコウジュを嫁にやる気ななんてものは更々なかったのだが、レレイの理詰めなどにより、結果的にコウジュと一緒なら割と有りかも的な感じで流されかかっている最近である。

 

 そんな背景もあり、二人で居られる時間が思わずも出来てしまったわけだが、二人して出歩けば伊丹が背中を刺されそうな上に他人の目が入れる所ならばどんな出歯亀をされるか分かったものではないので、許可された人間しか入ることが出来ないコウジュのマイルームに居ると言う現状なわけだ。

 そして、適当に暇を潰すためにスマホを取り出したのが冒頭だ。

 

「それで、そのFGOってのは何時からサービスが始まるんだ?」

 

「えっと、来年の夏に正式発表で、年末位に事前登録が始まって、開始は再来年の夏ぐらいって話だったかな?」

 

「えらく長いな。いや、いつもの事か」

 

「はは、それは確かに」

 

 ファンとしては早くやりたい気持ちはあるが、待っただけ良い物が出来ると思えば我慢もできる。

 某作品の2が出ると聞いてから数年が経過しても待てるのはそのためだ。というかそう思わないとやってられない。

 二人の心情はそんな所だ。

 

 そう口にせずとも思った二人は、ズズッとテーブルの上に置いてあった湯のみで茶を啜る。

 そして暫くの間の後、コウジュが再び口を開いた。

 

「ただまぁ俺が居なくなる年に正式な開始なので、それだけが心残りかなぁ」

 

 憂いを秘めた瞳でコウジュが何を言うのかと思えばそんなことを言うので若干の呆れと共に痛みがコウジュを見る。

 

「それで良いのかケモカミ様よ。分からんでもないけどさ」

 

「ケモカミ言うなし。・・・・・・とりあえず、何処まで行っても俺は俺なので、新作開始されたってのに触り切れずに撤退は心残りにしかならんですよ。途中で手を放すのは、やっぱ性に合わないので」

 

「あぁ知ってるさ。そんで出来る限りの全てを終わらせて次に行こうってのもな」

 

「そういう事っす。やりたいことが出来てしまった以上、俺は諦められないので」

 

「それも、知ってるさ」

 

 コウジュの言葉に、伊丹は思わず寂しげに言葉を返す。

 コウジュがやろうとしていることは、伊丹もまた望むことである。

 そしてそれは、彼女(・・)を救う為でもある。

 彼女はそれを望まないと言った。

 しかし、悲哀を隠すように笑う彼女の姿を見て、コウジュは決意した。

 その為に、コウジュは次へと渡るつもりなのだ。

 

「まぁ、本当に出来るかどうかはまだわからないですけど、絶対やり遂げてみます。そんで、またこっちに遊びに来ますから。だから―――」

 

「分かってるって」

 

「―――ぅわぷっ」

 

 コウジュの言葉に被せる様に伊丹は言いながらコウジュの頭に手を伸ばして置いた。

 それでずれた帽子の下から覗く様に、コウジュは伊丹を見上げる。

 

「まぁあれだ。俺が爺さんになる前には遊びに来いよな。また、一緒に祭りに行こうぜ」

 

「先輩・・・・・・」

 

「とりあえず、頑張ってこい。お前さんなら何とか出来るさ」

 

「はいっす」

 

 伊丹の言葉に、コウジュはニヘラと笑みを零した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんなことをしているから嫁ーずに狙われるのだが、本人達は何時までも経っても気付かない。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「えっと、お次のイベントは・・・・・・これ、大丈夫なのか?」

 

 FGOの正式配布から早半年、世間ではコウジュの帰還に関しての話題で持ちきりの中、日本の某都市に住む青年が自身のスマホを見ながらそんなことを呟いた。

 

 彼が見ている画面、そこにはFGOが起動している。

 そして映し出されている内容は、今日から始まるイベントについてだ。 

 

「妲己イベ、か。相変わらずぶっ込んでくるなぁ・・・・・・」

 

 彼の言葉はもっともだった。

 なにせ、イベントの題は『妲己ちゃんの救出』となっている。

 あの銀座事件以降、全世界で禁句となっている“妲己”という名前を使っているのだ。

 たかがアプリゲームと侮るなかれ。

 明日は全世界のニュースやら掲示板が荒れること必至だ。

 

 でもだからこそか、と彼は思い直す。

 今回のイベントに関して、イベントをするという告知は在っても中身に関しての告知は無かった。

 正式リリースされ未だ1年は経っていないが、それでもこれまでにいくつかイベントは行われていた。

 そしてその全てで事前告知があった。当然中身に関してもだ。

 それが今回に関しては中身に関してもだが、ピックアップガチャに関しても触れることは無かった。

 これは期待せざるを得ないと誰もが思ったものだ。

 斯く言う彼ももまた、その一人だった。

 

 しかし、ふたを開けてみれば“妲己”に関してのものだ。

 あの事件から数年が経過しているとはいえ、何年経とうともあの事件を目の当たりにした人間の脳裏から薄れることはあっても消えることは無い。

 事件直後は悲劇と同時に在ったとある少女の目覚め(・・・・・・・・・)を前面に立たせて報道を行い、彼女の『幸せな物語を願ってほしい』という言葉ばかりが報じられた。

 確かにあの事件に被害者は出ていない。あえて言うならば生贄となった董主席の秘書ぐらいだろうか。

 だが、結果的に生き返っただけで死んだ人間は多数だ。

 だからあれは確かに痛ましいものだったと皆が認識している。

 忘れてはならないと思っている。

 なのに何故?

 

 とりあえず、と彼は思考を切った。

 考えても仕方が無いと思い直したのだ。

 今は置いておいて、後で掲示板やらSNSを見てみんなの意見を見てみよう。そう考えた。

 

 そんな彼が次に見るのは、イベントの内容・・・・・・の前にピックアップガチャだ。

 事前告知がされていない分、余計に期待が膨らむ。

 ガチャを引くための石貯金も幾らかかあるが、場合によっては課金も辞さないつもりだ。

 下手をすればイベント自体が中止されるかもしれないが、それならそれで補填もあるだろうし、そのまま続けるにしても思わぬ希少価値(プレミア)が付くかもしれない。そんな希望と欲望が入り混じった気持ちで、彼はイベント内容についてのページを読み進めた。

 

「なんだこれ。『宇宙のフォウ君?』ってなんだ? しかもハテナが付いてるし」

 

 彼が眉を顰めながら見るページには、確かに『宇宙のフォウ君?』の文字がある。

 そしてそれは、何度見直しても今回のピックアップガチャの対象である。

 

「フォウ君はどうやってもフォウ君だろ。どうした運営・・・・・・」

 

 愚痴るように彼が言う『フォウ君』とは、FGOにおけるマスコットキャラのことだ。

 真っ白い毛むくじゃらのリスの様な犬の様な小動物で、その割には兎の様な耳も持っているという謎可愛い生物だ。

 フォウと言う名前はFGOのヒロインであるマシュが鳴声から名付けたのだが、勝男動物の割には高いスペックを持っていたりするほんと謎な生物だ。

 その正体に関しては後々分かって来るのだがそれはさておき、現時点ではやはり謎可愛い生物でしかない。

 そして当然ながら、フォウ君は小動物であってサーヴァントではない。

 なのに、今回のイベントではサーヴァントであるフォウ君(?)が映し出されている。

 

 そもそも、FGOというのは主人公がサーヴァントを召喚して味方にしつつ、世界滅亡を阻止するためにその楔となっている時代へと飛び、狂った時間を修正しながら世界救済へと向かうのが主な目的なゲームだ。

 そして、ただゲームを進めるだけでも味方のとなるサーヴァントは徐々に増えるのだが、それ以外でも所謂ガチャを回すことでも手持ちのサーヴァントを増やすことは可能だ。

 ガチャには主に2種類あり、フレンドポイントというゲーム内で手に入るポイントで回すことができる比較的容易なガチャと、ゲーム内で少しずつ手に入れるか課金することで手に入る聖晶石と呼ばれる石またはと規定条件で手に入る呼符と言うチケットでしか回せないガチャの2種類だ。

 当然ながらその2種類では、課金で回すこともできる後者のガチャの方がレア度が高い物が引ける。

 レア度に関しては☆1~☆5となっていて5の方がレア度が高い。

 強さも、基本的にはレア度が高い方が良い様になっている。

 厳密には違うのだが、各サーヴァントが上げることができるレベルの上限が高い為、基本スペックで言うとそうなってくるのだ。

 ただ、FGOのガチャで引けるのはサーヴァントだけではない。『礼装』というものも手に入れられるようになっている。

 これも☆1~5のレア度があり、各サーヴァントは一体に付き1枚装備することができるようになっている。

 そして、この礼装次第でサーヴァントの能力を跳ね上げると言って良い程に強化することができる。まぁ当然ながら相性やレベルによる能力値はあるのだが。

 

 さておき、結局何が言いたいかというと、ガチャで一番レア度の高い☆5が引けたとしてもそれがサーヴァントであるとは限らないということだ。

 しかも、当然ながら☆5を引ける確率は低レアに比べてかなり低くなっており、引きたい物が簡単に引けるわけではないのだ。

 

 そんな中、今回のピックアップガチャで引けるのは謎小動物に?までついたもので、ご丁寧にも☆5となっていた。

 これには彼も驚きの声すら出なかった。

 

 一応、フォウ君に関してのカードは元々存在する。

 しかしそれは礼装でもサーヴァントでもなく、英霊結晶というサーヴァントとの基礎値を上げるための素材でしかない。しかも上限有りの。

 これで上げられるのはATK(攻撃力)とHP(体力)の二つ。

 

 これは当然彼も知っていた。

 事前登録からの古参組である彼は、フォウ君には何度もお世話になっている。

 お世話・・・・・・と言っても、その役割は只管サーヴァントに食わせるのが目的だ。

 では、☆5のフォウ君(?)は食わせるとどうなるのだろうか?

 

 そう思ったところで、彼は思考をまたしてもストップした。

 何せ、ガチャで引いて当てなければ意味は無い。

 それに、ガチャ等でよく言われる都市伝説、“物欲センサー”が働きでもしたら嫌だ。

 そう思い、とりあえず無心でガチャを引くことにした。

 

「えっと、呼符が11枚に・・・・・・石は10連2回分だったか。前回のイベントで結構使ったしなぁ。いや、駄目だ駄目だ。欲しいから引いたのに、後悔する訳にはいかない」

 

 彼はそう、言いながら悔やむもすぐさま思い直した。

 

 このイベントの前に在ったイベントで、彼はピックアップ対象であるキャラに一目ぼれして結構な注ぎこみ方をしてしまったのだ。

 どこからが“注ぎこむ”になるかは人それぞれではあるが、彼にとって今までにない注ぎこみ方をした。

 その為、ガチャを引くための貯金としては心もとないが、仕方ない。

 修羅の道と言われようと、現金(リアルマネー)でなんとかなる。

 最近では心を向けられるものがこのゲームくらいしかなかった彼は、そう自身で決めた。

 それに、と彼は思う。

 

「『当たるまで引けば100%』だし、為せば成るよな。うし、先ずは一枚目」

 

 彼は既に調教済みであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、当たった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジかよ、妲己にそんな裏が・・・・・・」

 

 数日を掛けてイベント攻略に挑んだ彼は、思わずそう呟いた。

 そして、今回のイベントは最初から最後まで驚かされてばかりだと、改めて思った。

 

 イベントに関して、彼の予想通り関係各所で荒れるに荒れた。

 しかし、すぐにそれは収まることになった。

 その理由は、コウジュがこのイベントに関係しているからと公式発表があったからだ。

 どう関わっているかまでは発表されなかったが、あの事件の当事者自身が許可しているのなら何も言えないと鎮火していった。

 それでも一部は騒ぎ立てたが、それもイベント攻略が進むごとにイベント肯定派が増えることとなった。

 彼も、またその一人だった。

 

「妲己と、蘇妲己か。あれ、ってことは銀座の妲己はどっちだ・・・・・・」

 

 彼が口にした疑問、それはイベントをクリアした皆が思ったことだった。

 

 今回のイベントは、とある国を占拠した妲己が手に入れた聖杯で以て世界を手中に収めようとするのを防ぐというものだった。

 そして、この特異点(世界の異常)へと転移してきた主人公たちは、転移後すぐに近くの村の娘だと言う少女に助けを求められる。

 彼女が言うには、妲己はドンドン手勢を増やして行き、反するものには容赦しないという。

 主人公は彼女の言葉を聞き、居ても立ってもいられず、すぐさま根城にしている城へと向かおうとする。

 そこへ村娘が待ったを掛ける。

 彼女は、抜け道を知っていてそこからなら敵にあまり会わずに向かえるだろう、だから一緒に連れて行ってほしいと言う。

 当然主人公は反対する。

 だが、村娘は頑として引かなかった。

 暫くの話し合いの後、結局連れて行くことになる一行。

 その道中、主人公がある事に気付く。

 マスコットキャラであるフォウ君がちょっと黒っぽくなっているのだ。

 マシュ(ヒロイン)の頭の上に乗っていた為、偶々主人公が気付くまで誰も気にしていなかったのだが、見れば確かにいつもの真っ白さではなく、どこか黒くなっていた。

 しかし何の支障も無いため結局そのまま城を目指す一行。

 そうして、村娘の誘導で何とか城に辿り着く。

 

 主人公たちは、ついに城の頂上、妲己の居る間へと辿り着いた。

 そこには聖杯の魔力を吸い、狐の化生としての本質を隠そうともしない妲己が居た。

 妲己は、妖狐としての力を惜しみなく振るい、主人公たちを追い詰める。

 そんな主人公たちに妲己は禍々しい笑みを向ける。

 そして更なる絶望を、と全てを蕩けさせる魅了の力を放つ。

 主人公以外の味方、頼みの綱のサーヴァントたちが妲己の手の内へと堕ちる。

 終わりか、そう主人公が諦めそうになった瞬間、案内を終えて別れた筈の村娘が前に出てきた。 

 その姿に、妲己は驚く。

 村娘の正体は、妲己が乗っ取ったはずの『蘇妲己』だったのだから。

 しかしそれならば矛盾が出てくる。

 妲己は主人公の目の前で猛威を振るっている。

 ならば町娘の姿をした蘇妲己はどうやって肉体を得た?

 その答えは、影から飛び出してきたフォウ君(黒)だった。

 フォウ君(黒)は村娘妲己に近づくと、胸へと飛び込んだ。

 すると、フォウ君(黒)は村娘妲己の中へと溶けるように消えていき、次の瞬間にはその姿が変わる。

 その姿は紛れもなく奴だった。

 コウジュだ。

 コウジュは蘇妲己の願いを聞き取り、身体を奪われ魂しか残されなかった彼女へ咄嗟に自身の身体を貸すことで生きながらえさせた。

 しかし、慣れないことをしたせいでコウジュ自体が抜け出てしまった為に戻る為の力を取り戻しつつ時を待っていたのだと言う。

 そしてそれが今だ、と。

 そこからは一発逆転、元々村娘妲己の力であった魅了は、妲己の魂を内包したコウジュにより抑えられ、魅了から解放された面々で妖狐妲己をフルボッコにしておしまい。

 めでたしめでたし。

 

 そして、妖狐妲己を倒した後に語られるのは、村娘妲己の生い立ちであった。

 妖狐妲己は人々を滅ぼすための悪意の塊であり、その妖狐に唆されたのが村娘であった『蘇妲己』。

 彼女が元々持っていた魅了は強力過ぎて扱いきれていなかった処を付け込まれたというのだ。

 それを語ったのはコウジュだ。

 村娘妲己は、自身の身体を取り戻し、平和が戻った象徴として皆の前で処刑されようとした。

 それに待ったを掛けて、コウジュが話し始めたのだ。

 コウジュが言う。

 彼女は救われたいと願いつつも、死ぬべきだと自身で決めてしまっている。だから助けてほしい、と。

 コウジュが重ねて言う。

 『俺だけじゃ助けられない。俺一人では意味がない。妲己は許されないかもしれない。でも蘇妲己は許されても良いはずなんだ』と。

 そこで選択肢が出てきた。

 ゲームで御馴染みの選択肢だ。

 “許す”のか“罪は罪だ”とするのか。

 

 

 

 

 

 

 

「許されても良いよな・・・・・・」

 

 彼は、“許す”を選んだ。

 心の底から、そう思った。

 罪は罪だとか、罪には罰をだとか、お堅く言えば色々あるだろうが、そんな救いの無い物語は嫌だ。

 だから、救われて欲しい。

 そう、彼は願った(・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 ――――ありがとう――――

 

 

 

 

 

 

「おおぅ!?」

 

 突如聞こえてきた声、それは脳内に直接響くような声だった。

 そしてそれは、どこかで聞いたことのある声だった。

 一体どこで、いやそれ以前に幻聴か?なんて考えていると、彼のスマートフォンの画面が光りはじめた。

 

「お次はなんだよ!!?」

 

 驚きのあまり彼の手からスマートフォンが滑り落ち、床に叩き付けられる。

 いや、その直前でどういう訳か一瞬浮き、静かに床に着地した。

 そして、一掃画面が光り、その中から何かが飛び出した。

 

「フォーウ!!」

 

 出てきたのは、黒いフォウ君だった。

 ゲームの中とは違って現実的な姿に変換されてはいるが、紛れもなくフォウ君だった。

 

「黒いけど、フォウ君だよな。・・・・・・黒い? ってことはひょっとして―――」

 

 そう言いかけたところで、黒いフォウ君は、あまりに人間らしい笑みを浮かべた。

 

 

 

 

「大正解! 俺はーーーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、お前さん最後の仕事がこれで良かったのかい?」

 

「おうともさ。これで心置きなく行けます。FGO続編以外は」

 

「まだ言ってるのかよ」

 

 事件からついに10年、つまりコウジュが去る日がついに来た。

 離れた場所にはカメラが幾つもあるが、マイクなどは無く、コウジュに近しい者達が心置きなく話せるように準備された会場だ。

 そして、大体の者と話は終わっていた。

 最後に話すのは勿論、伊丹だ。

 

「イリヤちゃんも一緒なら良かったのにな」

 

「まぁあの子は事情がちょっと違いますしね。それに、媒体になってた人形も回収したし上手く出来ればすぐにでも会えるっすから」

 

「それもそうか」

 

 そう言って二人して笑う。

 既にアラフォーとなった伊丹の顔には年相応の皺が出始めてる。

 そんな伊丹の顔を見て、コウジュは少し寂しげな表情をした。

 そんなコウジュに、伊丹は苦笑する。

 

「そんな顔するなよ。ロゥリィが言ってただろう? 別れは出会いの為の一歩だってな。それに、また会いに来てくれるんだろう?」

 

「それは勿論っすよ。ちゃんと先輩が俺の顔を覚えてるうちに来ますから」

 

「馬鹿言え、お前ほど強烈な存在を忘れるか」

 

 そう言い再び互いに笑う。

 

「皆を頼むっすよ」

 

「ああ、分かってる。けどさ、俺が一番スペック的に弱いからその必要も無い気がするけどな」

 

「はは、まぁ確かに」

 

 言いながらずらっと並ぶ皆を二人で見る。

 そこには、コウジュの眷属となったウカノとアル、それに成龍となり美人双子となった紅音と碧依、伊丹嫁ーズ、その他にも地球や特地で出会った様々な人々がそこには居た。

 そしてその全てが目に涙を浮かべていた。

 ウカノとテュカと双子龍なんかは号泣していたりする。

 

「それにしても電子お守りとはお前さんも思い切ったことをするよな」

 

「かなり条件を指定して、ウカノに対する願いを収拾する位しか用途は無いですけどね。あとは俺が飛ぶ基点にする位なもんで」

 

「けどその御陰でウカノの心が救われたんじゃないか」

 

 コウジュは簡単に言うが、言うほどに簡単なことでは無かった。

 しかし、『妲己』への世界感情をそのままに『蘇妲己』の心を救うために思いついたのがそれだったのだ。

 その為に型月チームと色々計画を立てながら、電子データをお守りにする為の方法の模索などをし、ついに完成至ったのがそれだった。

 そしてそれを、コウジュがFGOやらに参戦することへの交換条件としたのだ。

 

「どんな滅茶苦茶なことをするのかと思えば、まぁ滅茶苦茶ではあるけど良い滅茶苦茶だったな」

 

「最後にぶん殴っていいですか?」

 

「駄目」

 

「ちっ」

 

 もう何度目になるかもわからない程に繰り返された遣り取り、それも今となっては寂しさを助長するだけでしかない。

 そんな感情を振り払うために、笑顔で居るために、コウジュは話題を変えた。

 

「そういやテューレさんと古田さんは上手く行きそうですか?」

 

「ああ、テューレさんにアタック掛けるために古田が毎週メイド喫茶に通ってるよ」

 

「じ、字面にするとシュールっすねぇ・・・・・・」

 

 テューレ、それは元ヴォーリアバニーの族長であり、ゾルザルの奴隷として扱われていた女性だ。

 そんな彼女は、今ではそんな過去など無かったかのように生き生きと人生を謳歌するに至っていた。

 

 ・・・・・・メイド喫茶の女王様として。

 

 そうなった原因はやはりコウジュだったりする。 

 簡単に言えば、テューレの仕事を探すのにコウジュが手伝いをすることになり、テューレの性格を知る事となったコウジュはSっ気があって元が高貴な為に誰かの下で働くってのは無理だろうと考え、それなら女王様のままで接客できる系のメイド喫茶ならと冗談半分で送りだしたらそれが見事に大嵌まり。

 いまでは支店長を務めるまでになっていた。

 そしてそんな彼女に、テューレの奴隷時代から帝国の城内で料理人として潜入していた古田が色々と気を掛けていたのだが、少しづつ距離が縮まりいい感じになってきていたのだ。

 後は、テューレが自身を穢れた身体だと考え身を引こうとしているのを古田がどう攻略するかと行ったところ。

 しかし漢古田はその程度では諦めないと決意を露わにしていた。

 

 そんな二人の関係を知っているコウジュは、ゴールインを見れなかったのは残念だけど、まぁ大丈夫だろうと思い直す。

 なら後の心残りは―――、

 

「紅音と碧依もよろしくっすよ。良い結婚相手が見つかればいいんですけど」

 

「そっちはちょっと難しそうだ。美人双子だけど、ここからほぼ歳を取らないんだろう?」

 

「多分」

 

「あの子達、コウジュがまた来るのを普通に待ってるつもりだぞ。しかもその時は付いていくつもりだ」

 

「・・・・・・マジですか。いやまぁそれなら約束を破ることにはならないけどさ」

 

 残留する紅音と碧依は、成龍となったことで人モードでも大人となっており、今では美人双子だ。

 見た目だけで言うなら、普通に世界で活躍できるようなモデルと言って良い。

 ただし、やはり中身は龍・・・・・・しかも古龍なので、寿命というものがほぼ無いと言って良い。

 だからこそコウジュは、自分が去ってから荒れるであろう世界を助けてやってほしいと二人に頼んでいた。ずっとじゃなくてもいいから落ち着くまでは、と。ついでに伴侶も探せばいいと思うなんてことも伝えていた。

 しかしどうやら双子龍にそんなつもりはないようだ。

 世界を手伝うし伴侶も探す。しかし探すだけで番にはならないつもりなのだ。

 双子龍にとって、番の事よりも、未だに母と共に居られることが至上なのだ。

 

 それを知ったコウジュは、苦笑しながらも嬉しく思う。

 

 二人の母代りとなってから十年近く、母らしいことはとんと出来なくても、そこまで慕ってくれているのなら自分がやったことも間違いじゃなかったと思えるからだ。

 

「っと、どうやら時間っすね」

 

 コウジュが思いを馳せていると、コウジュの傍に光で形作ったような扉が現れた。

 つまり、お別れを意味するものだった。

 

「どうかお元気で、先輩」

 

「ああ、お前もな」

 

 そう言い、二人は最後に握った拳を軽くぶつけ合う。

 そして、コウジュは扉へと歩を進めた。

 

 そんなコウジュへ、伊丹が声を掛けた

 

「負けるなよコウジュ(・・・・)

 

 その言葉に、コウジュは笑みを浮かべながらも涙を流さずには居られなかった。

 

「・・・っ、ええ、負けねぇっすよ! 俺がそう願ってるんですから、そうなるに決まってます!!」

 

 そんなコウジュに、伊丹はいつもの笑みを浮かべた。

 ニヘラとした、何故か人を落ち着かせる笑みだ。

 

 コウジュは涙を拭い、その伊丹へと満面の笑みを返す。

 そして、伊丹の方を見ながら扉を潜り、別れの言葉を最後まで告げず、サムズアップして口を開いた。

 

 

 

「頑張りますよ1(始まり)から、いいや零から!!!」

 

 

 

 そう言い切ると同時、コウジュが潜った扉は消え去った。

 その場に残るのは静寂だけ。

 そんな場所で、伊丹は最後まであいつらしいと苦笑する。

 

 

 

 

 

 

 

「馬鹿やろう、そのセリフを言うならメイド服着てからにしろってんだ。というか言いたかっただけだろソレ」

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

色々最後というのもあって詰め込みましたが、これでいくつかの疑問が解消されましたでしょうか?
あと、FGOに関するネタバレにならないように内容を選んだつもりですが、これで大丈夫でしょうか? ゲームに関する説明をしつつ重要な部分をぼかすことが出来ていますでしょうか・・・。
これは変えた方が良いと言うのがあれば、感想で頂けたらと思います。


それはさておき、これでゲート編を終わり次の世界に行くわけですが、もうお気づきですかね・・・・・・?
答えは次話になりますが、まぁほとんど答えを言ったようなものですよね。
まぁ、次世界でも好き勝手暴れて行きたいと思います!


それでは皆様、また次話からもよろしくお願いします!
ではでは!!




P.S.
1月以上開けさせていただいたのですが、殆どリアル事情で進目る事が出来なかったという敗北感。
でもこれで暫くは何もないはず。
筈なんです。
だから改めて頑張っていきたいと思います!!


P.S.2
Fate新作がもう少し!
早く無双したいものです!!!


・・・・・・やる時間が有ればですが。



P.S.3
要望の多かったテューレさんのその後。
こんなんで大丈夫でしょうか・・・。

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