テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

それでは新章と行きます!
新章は何と、きっと皆さんも予想外なアレとなりました(目反らし


『Fate/Zero』の世界
『stage0:君の名は』


 

 

 

「ぃよっと・・・・・・」

 

 都合3度目にもなれば、この場所に帰ってくるのにも慣れてくる。

 それに、落ちない方法を手に入れた俺に隙は無かった。

 背中から生やしていた龍翼を消し、見えはしないが確かにある床へと降り立つ。

 

 周囲を見れば、やはり当て所も無く広がる宇宙がそこにはある。

 前後左右上下、どこまでも続く宇宙。

 やはりいつもの場所だ。

 

 そんな場所で佇んでいると、背後に気配が生まれた。

 おれはゆっくりとそちらへ顔を向けた。

 

 そこに居るのは、見惚れる程の美しさを持ついつもの女神さまだ。

 今日も今日とて腰元よりも長く艶やかな黒髪に黒曜石の様な瞳。顔立ちは日系ではあるが、テレビでも中々見かけないような整った顔立ち。そして紅い着物を着こなし、その上からでも見て分かるほどに完璧なプロポーション。

 そんな彼女に、とりあえず挨拶をするために口を開く。

 

「ただいま社畜女神さま」

 

「その言い方止めてください!!!」

 

 挨拶をしたというのに声を荒げる社畜女神。

 ちょっとカルシウム足りてないんじゃなかろうか?

 

「これでも美容には気を付けています。カルシウムもちゃんと取っていますよ。三食きっちり栄養も考えて作っていますから」

 

「そういえば考えたことが分かるんでしたっけ。というか料理できたんだ」

 

「いいえ、もうあなたの考えは見ていませんよ。見えないと言うべきでしょうか。表情から読んだだけです。あと、料理は趣味の一つですこれでも」

 

 料理が出来る和風美人とか完璧じゃないか。

 でもうっかり社畜な成分が駄目にしている気がする。

 

 まぁそれはさておきだ、読めないというのはどういう事だろうか?

 そう考えると、聞くよりも早く答えてくれた。

 

「単純にあなたが神としての格を上げたからですよ。今でも読めなくはないですが、攻撃としてあなたの身体は認識するでしょうからしません。ぶっちゃけて言えばそんなものを使わなくてもあなたの表情だけで十分です」

 

「え、そんなに分かりやすいのか俺」

 

「ガバガバです」

 

 顔面ガバガバとかめっちゃ良い顔で言わないでください・・・・・・。

 とりあえず話を変えるために本題に入ることにする。 

 

「そ、それで、俺がここに戻ってきたという事はまた次の世界ですよね?」

 

「・・・・・・そういうことになりますね。次の世界は―――」

 

 誤魔化すのもバレバレなようだが、少しの間を置いて乗ってくれた女神様。

 しかしそんな女神さまの言葉を俺は遮るように言葉を出す。

 

「行きたい世界があるんだけど、駄目かな」

 

 これは前の世界、伊丹先輩達と出会ったあの世界に居る頃から決めていたことだ。

 可能ならば、俺はとある世界に行きたかった。

 それもただ行くのではない。

 最初から流れを変えることを決意して介入する。流れを変える。

 

「Zeroの世界、ですよね」

 

「・・・・・・それも顔に書いてた?」

 

 俺の問いにフフフと微笑むだけで答えない女神様。

 うっかり女神と認識していたのに何とも面映ゆい・・・・・・。

 

 けど、女神様が出したソレは正解なのだ。

 

「俺が次に行きたいのはFate/Zeroの世界。それは可能ですか?」

 

 生前では知らなかったFate/Zeroの結末。それを俺は知ってしまった。

 そして彼女―――イリヤも知ってしまった。

 あくまでもソレはあの世界での第4次聖杯戦争だ。

 同じく原作としてある第5次聖杯戦争に俺は存在していない以上、俺が居た第5次聖杯戦争の世界とは似て非なるものかもしれない。

 だけど、俺は知っているのだ。先の世界に在ったFate/staynightの原作こそが元々のシナリオなんだってことを。

 ならばZeroについての原作も、恐らく俺が行った世界の過去と類似している筈だ。

 俺こそがあの世界に於いての異物なんだから。

 

 イリヤはあくまでも創作だと言っていた。

 私の知っているバーサーカーはコウジュだけなのだから、気にしても仕方が無い。どうせ終わったことだと、イリヤは言った。

 だけど、そう笑いながら言うイリヤは悲しそうにしていた。

 見た目身は分からないほどにイリヤは隠していたけど、主従関係は無くなったけど、それでもそれが分かってしまった。

 なら俺はそれをどうにかしたい。

 そう思ってしまったんだ。

 

 そんな決意を胸に、俺は女神さまに問う。

 

 しかし・・・。 

 

「次の行き先は決まってますから」

 

「そう、ですか・・・・・・」

 

 俺の問いに女神さまは申し訳なさそうに言う。

 それを聞き、俺は少し落ち込む。

 少し、なのは今行けなくても、いつか自分の力で行けば良いだけの話だからだ。

 どっちにしろ、第5次聖杯戦争を越えた俺からすれば過去を変えに行くわけだから、時間遡行は行う訳だ。

 なら、いつ行こうが目的地は同じなので、目的が絶たれたわけではない。

 

「はぁ、そんな顔をしないで下さいよ。私が悪者みたいじゃないですか」

 

「あはは、そんなつもりは無かったんですけどね」

 

 溜息を吐いてそう言う女神様に苦笑する。

 実際そんなつもりは無かった。

 女神様には何の非も無いしな。

 

「それで、次の世界は何処になったんですか?」

 

「Fate/Zeroの世界ですよ」

 

「へ?」

 

 女神様の言葉に思わず間の抜けた声が出た。

 

「・・・・・・駄目なんじゃ?」

 

「本当ならば他の候補があったんですけどね。ISとかハイスクールD×Dとか、ハイスクールオブザデッドも一応候補に在りましたし、他にも色々用意していました」

 

 とりあえず3つ目しかわからなかったけど、語感からしてハイスクールにぶっこみたいのは分かった。

 しかし、そういったものがありながら何故Zeroに行かせてくれるのだろうか?

 

「理由に関してですが・・・・・・、あ、その前に言っておきますが、内心でもそうですが様を付けるのは止めてくださいね。そんなのでも私に信仰が入ってきて罪悪感が仕方ないので」

 

 罪悪感? 誰に対する?

 でもまぁそういうことなら女神・・・・・・さんくらいにしておこう。

 さんを付けろよデコ助野郎とか言われることは無いだろうけど、一応は。

 

「コホン、それで理由ですが、簡単に言えば上からの命令というやつです」

 

「上・・・・・・って言うと、女神さんの上司?」

 

「正確に言うと上司とはまた違うのですが、まぁ似たようなものですね」

 

 上司とはまた違った上の人が居るとは、神社会も色々大変なんだな。

 がんばれ中間管理職女神さん。

 

「その方というのが、あなたのチート能力に関連する方なのですよ。貴方の身体を用意したのもその方です」

 

「おお、そんなヒトが・・・・・・」

 

 ヒト・・・・・・というのが正しいのかは分からないが、人ではなくヒトとして認識しておけばいいか。そのヒトが俺の身体をねぇ。

 あれ、でも待って、そうなると俺の身体を元の性別じゃなくてKoujuの身体で用意したのがそのヒトってことだよな?

 

「そのヒトは何で俺の身体をKoujuで態々用意したんですか?」

 

「ああ、ソレは――――」

 

 俺の質問に、女神さんが答えようと口を開く。

 しかし、それより早く俺の陰が大きな棘状にいくつも膨れ上がり、女神さんへと殺到する。

 

「―――っと」

 

 それを、女神さんは軽く指を出すだけで眼前に壁が出来たようにそこに棘が当たって全て止まる。

 

 って、いやいやいや、俺の泥どうなってんの!?

 

「言うな、という事ですか。分かりました。それならばさっさと本題を終わらせましょうか」

 

「いやいや、今のスルーですか? 理解していないの俺だけですか!?」

 

 俺が混乱しているというのに、襲われた当の本人はやれやれといった感じに話題を終わらせようとしている。

 それについて聞こうとするも、女神さんは微笑みを浮かべて何も言おうとしてくれない。

 

「あの――――」

 

「禁則事項です☆」

 

「だから――――」

 

「禁則事項です☆」

 

「あっはい、もう良いです」

 

 暖簾に腕押し糠に釘、どうもこれ以上は踏み込めないようだ。

 

「知りたいとは思います。私個人としても、知るべきだと思います。でも、其の方が望んでいないのならば、まだ待つべきなんでしょう。でも、早くしないと言い付けますからね」

 

 ・・・・・・?

 何とも変な言い回しだ。

 俺に向かって其の方といったり、最後の言葉に関しては俺に向かって言っているようには感じなかった。

 俺に向かって俺以外の誰か・・・・・・。

 

 そう考えた時、思い出すのは俺の中で出会った存在だ。

 アンジュ、そう名乗った少女の事。

 

 しかし、そうなると先程の影を棘にして攻撃したのは彼女という事になるのか?

 そんなことが可能なのだろうか?

 いや、よくよく考えれば、影(泥)が俺に反して動いたことは1度や2度じゃなかった。

 一応今までは大きく意に反った動きがあった訳ではないから深く考えていなかったが、そもそも彼女の存在は何なのだろうか?

 

 

 

 ―――パチンっ―――

 

 

「では話を戻しましょう」

 

 女神さんが柏手を打つように手のひらを合わせた音で思考が反れる。

 女神さんを見れば、ニコリとこちらへと微笑んでいる。

 

 まぁ、良いか。

 とりあえず大事なのはZeroの世界に行けるってことだ。

 それが一先ずの目標なのだし、難しい事は後にしよう。

 

「それではFate/Zeroの世界についてですが、あなたの希望は参加した第5次聖杯戦争の過去に当たる第4次聖杯戦争で相違ないですね?」

 

「ええ。その結末を、俺は変えます。俺の思う様に行ったのなら、タイムパラドックスも関係ないはず」

 

 タイムパラドックス。

 それは時間遡行を主題とした作品では必ず行き当たる命題だ。

 簡単に言えば、時間遡行することで過去に干渉し、それにより自身の知っている確定したはずの未来と矛盾をきたすというもの。

 例えば、自身が過去に遡り過去で行動し、その結果自身の母が違う男と結婚したとする。ならばそこから考えて未来で産まれるはずの自身はどうなるのかといったものだ。

 Fate/Zeroで言うなら、第4次聖杯戦争起こった悲劇を回避することで、そもそも“衛宮士郎”の原点となる大火災が起きなければ英霊エミヤは存在しない。

 そして、今回で言えば俺が動くことで悲劇を回避すれば俺とイリヤが出会うことも無くなるという事になる。

 ひょっとしたら俺の働き如何ではそうなるかもしれない。

 だけど、不思議とそうはならない気がしている。

 

 そう思っての言葉だったが、女神さんは肯定するように頷いて口を開いた。

 

「あなたの言う通り、やり方如何ではタイムパラドックスは起きません。そもそもそれは人間主観によって生み出された言葉であり概念です。その程度を乗り越えることが出来なくて何が神でしょうか」

 

 おお、何とも威厳のある言葉だ。

 やはりただのうっかり女神というわけでは無かったようだ。

 

 そんな風に女神さんの評価を改めていると、彼女はしかし・・・と続けた。

 

「しかし当然ながらそれは容易ではありません。私たちに取っては容易でも、人間にとってはその限りではないのです。そしてそれはあなたも同じ」

 

「俺、ですか」

 

「はい。あなたの力ならば、今のあなたの全力ならばそれは容易いでしょう。しかしそれは全力ならばというだけです。貴方の願いを叶える力は未だあなたの主観に頼っている。最初の頃よりも実現が可能とはなっているようですが、まだ振れ幅があります」

 

 確かに、それは女神さんの言う通りだ。

 俺の権能は『願いを叶える力』だ。

 それが自身であれ他者であれ、それをそのまま現実へと反映してしまう。

 そしてそれは自分で戒めたように、“願い”の大きさによって左右されてしまう。

 獣人として力を使うならば自身の主観だけで力を使う為に失敗という形も想像してしまい、獣神として力を使えば自身だけでなく他者の“願い”をも使うが質に左右される。そもそもの“願い”が無ければ結果を生み出せないのだからそれは当然だ。

 

「その為、その矛盾を自身の力で確立するのが今回の目的です。本当ならばもう少し後に行う予定でしたが、あなたのやる気に水を差すのはという事ですので、頑張ってみてください」

 

 そういう女神さんの言葉を聞き、成程と納得する。

 よくよく考えれば俺がこうしているのも神としての力を増すのが目的だ。

 今回行ってきた世界で神としての自分を認識できたと思っていたが、この口ぶりからするとまだまだミッションはありそうだ。

 神様業ってのもどうやら大変らしい。

 

 しかし、先に挙げられた世界で行うことに比べて俺がやろうとしていることはそれほどまでに面倒なことなのだろうか?

 

 そんな風に考えていると、女神さんははぁと溜息を一つ付いて答えてくれた。

 

「そう軽く思えていること自体は素晴らしいです。しかし言ってみれば、あなたの能力で世界そのものを改変するということになるのです。それもあなた自身が経験した世界の過去を改変する訳ですから、失敗すればあなたが行った事象が消え去り、あなたが関与した事象も消え去ります」

 

 そんな怖いこと言わないでくれますかねぇ!?

 そう考えたら失敗した時の事を考えてしまってマイナスじゃんか!!

 

「こんなことを言うのもあなたがZeroの世界に行く代償と考えてください。この程度乗り越えられなければ世界の改変など到底無理な話です」

 

「な、なるほど」

 

 どうにも俺は発破を掛けられたらしい。

 確かにその程度で揺らぐようでは、俺の願いを叶えることは出来ない。

 なら、後は全力で突き進むのみ。

 それなら得意だ。

 何せ俺は神となっても結局は脳筋(バーサーカー)だから。

 

「さて、一先ずはこのくらいで大丈夫なはずです。追加で御教えする場合はまた連絡を送りますね」

 

「了解です」

 

 女神さんの言葉に、強く首肯する。

 それを見た女神さんの隣に、前回も見た紐が垂れ下がってくる。

 女神さんはそれを持ち、こちらへとまた微笑んだ。

 ああ、どうやらこれはテンプレ化したようだ。

 

「では、いってらっしゃいませ」

 

 パカリ、と間抜けにも思える程軽い音がすると共に、足元が無くなり浮遊感が身体を襲う。

 しかしこれも、慣れたものだ。

 自分で客観的に考えるとシュールではあるが、俺は落ちるままに身体を任せた。

 

 

 

「行ってきます」

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「あんたが俺のマスターか?」

 

 

 

 コウジュは、いつしかとは違いふざけずに召喚した者――――マスターに対してそう確認した。

 しかし、その相手は目を見開き驚愕に表情を染めていた。

 

 

 

「女の…子…」

 

「ふふ、ふはははは!! とんだ道化よのう! 無理矢理に魔術師となるためにこの1年死ぬ思いをした結果がこれじゃとはのぉ!!!」

 

 驚いたままの表情でコウジュを見ながらそう口にする男の後ろには、人というには怖気を感じさせる老人が居る。

 

 その様子を見て、コウジュはニヤリと笑みを浮かべた。

 ここに召喚されたのは運が良い(・・・・)

 いや、むしろ女神が思っていたような形にしてくれたのだろうか、と女神に感謝する。

 

「とりあえずマスター、念のために確認だ。お前さんの名前は何だ?」

 

「お、俺は――――」

 

 未だ精神的な衝撃を受けた心情から帰ってこれていない男は、それでも何とか口に出す。

 

 

「―――俺の名は間桐雁夜だ」

 

 そう口にした男をコウジュは真っすぐ見る。

 そこには先程までの狼狽えていた姿は無く、自身の願いを胸に秘めた男が居る。

 再びコウジュは笑みを浮かべる。

 心地良い“願い”、だと。

 

「了解したマスター。あんたの願い、俺が叶えよう」

 

「それで、君の真名は何なんだ? 予定ならランスロットの筈なんだが」

 

「確かに俺はどこぞの穀つb・・・・・・ランスロット卿ではないさ」

 

「なら君は・・・・・・」

 

 そんな男の言葉に、コウジュはビッと親指を立てる。

 

 

 

 

 

「俺の名はコウジュ。ハッピーエンドが大好きなバーサーカーさ。安心しなマスター。この戦い、俺達の勝利だ」

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

少し短いし正直飛ばして良い内容だとは思いますし、タイトルから何からツッコミどころ満載で始まる新章、なんと、舞台はFate/Zeroでございます!(遠い目

まぁ理由はゲート世界でZero世界を知って介入しない訳がないと思ったのが理由です。
まぁネタで神友から管轄外の魔法少女が困っているからと相談を受けてコウジュの加護を持ったイリヤを魔法少女として某世界に送り込むなんて話もアニメ化にかこつけて考えましたが、膨らまなかったので止めました。
他の候補も、進まなかったりと色々あったので止めました。
兎も角暫くはFate/Zero編となります。
どうぞよろしくお願いします!




P.S.1
何とかスロットさんの穀潰しネタはFGOにおける第6章とかになるのですが、コウジュはその章が追加されるまでゲート世界には居ませんので実際には知らないです。
でもほら、使いたくてですね、矛盾しますけどネタ使いたかっただけなのでごめんなさい!


P.S.2
次のFGOイベントはサンタさんみたいですね!
さぁみんなで聖夜に沈みましょう!!(意味深


P.S.3
他にも色々書きたい作品があるけど時間が無い!
リアル事情もそうですが、やりたいことがあり過ぎる・・・orz

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