テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

それでは本格的に第4次聖杯戦争編を始めて行きたいと思います。
どうぞ!


『stage1:予測可能回避不可能』

 

 

 

「えっと・・・・・・、満たせ、満たせ、満たして、満たして、満たせ? 繰り返す都度に四度、五度だっけ?」

 

 暗闇の中、若い男の声が室内に響く。

 光源はつけたままにされているテレビから漏れた光のみ。

 

「ただ満たされる時を破却する・・・・・・かな」

 

 飄々としたその男、20代程の青年だが、彼は足でフローリングの床を擦りながら言葉を続ける。

 ぬちゃりと、足を何かに浸しては床に何かを描いていく。

 言葉は続く。手に持つ古びた本を読みながらゆっくりと続けられていく。

 

 それをしばらく続け、漸く彼が持つ本に書かれていた儀式の準備を終えた。

 

 青年はふと、テレビへと意識を向けた。

 名を呼ばれた気がしたからだ。

 そしてそれは聞き間違いではなかったようで、テレビには自身がつい先日まで居た場所が書かれており、映っている人間が青年について説明しているところであった。

 

「ちょっとはしゃぎ過ぎたかな」

 

 それを見ながら彼は軽く零した。

 しかし、そこに後悔は一つも無い。自戒になぞ繋がる訳も無い。

 彼が思ったのはただ、もう少し質を厳選しても良かったかなという程度のもの。

 とはいえそんな感情も直ぐに消え去る。

 何せ彼は久しぶりに自身の興味を引く事柄を見つけたのだ。

 その為の準備や練習をしたかったのだから仕方ない。

 だから只管にあちこちを回って色々した(・・・・)のも仕方が無い。

 何せそれこそが原点にしてずっと彼を支え続けた行動理由なのだから。

 

 だから、すぐ横に血まみれの少女が倒れ、その弟は拘束されて泣いていても、仕方が無いのだ。

 それこそが連続猟奇殺人犯、雨生龍之介の好奇心を満たすための手段なのだから。

 

 彼の名前は雨生龍之介。

 自身の好奇心を満たすために、『人の死』について知るためにいくつもの事件を起こし、今も尚逃亡を続けている青年。

 彼の手に掛かった人は既に40人を超え、今も尚増え続けている。

 しかし彼は殺人そのものには興味は無い。

 『死』の結果どうなるのかを見たいのだ。

 だから彼は様々な殺しを経て興味を満たそうとする。

 

 つい先程も、運良く幼い姉弟が留守番をしようとしていた家に忍び込み、とりあえず姉の方を殺したところだ。

 そしてその血で彼にとっての今回の目的である儀式殺人という形を経ようとしているのだ。

 何故そのようなことをしようとしているかと言えば、それは彼の実家の土蔵で見つけた古文書が原因であった。

 そこに書かれていたのはとある存在の召喚方法だ。

 それを成すために、龍之介はここ(・・)の準備をしたのだ。

 

 そんな彼は、近くにあったテレビのリモコンを手に取り、そして電源を切った。

 そして、一通りの準備が終わったため、準備物の一つである少年に声を掛けた。

 

「まったく失礼な話だよねー。テレビなんかじゃ俺の事を悪魔だとかいうけどさ、それって本当に悪魔が居た場合その悪魔さんに失礼だよ。そこんとこどう思う?」

 

「――ッ!!」

 

 龍之介は傍らに転がされている少年にそう聞いた。

 しかし少年の口はガムテープで塞がれており、気丈な態度で龍之介を睨みながら呻くしかできなかった。

 そんな少年を見て、龍之介は溜息を一つ吐いた。

 返事を求めたが、煩いので口をふさいだのは龍之介自身なのだ。

 

「あー、今は話せないんだっけ。仕方ないか。なら今から呼んでみるから本人に、本悪魔?に聞いてみるとするよ」

 

「―ッ!? ――ッ!! —――――ッ!!!!」

 

「あっはっは何言ってるか分かんないよ。でもとりあえず悪いんだけどさぁ、もし本当に悪魔が出てきた場合はちょっとばかし殺されてみてくれないかな? 折角出てきてくれたのに茶飲み話だけってのもアレだろう?」

 

 片手で悪いねとまるで気心の知れた友達に言うように軽くそう言う龍之介。

 当然ながらそこに罪悪感は無い。

 それが分かったからか、少年は縛られた身体でジタバタと暴れる。

 それによって少年の前に殺された少女の血が身体につくが、それを考慮している暇はない。

 早く逃げなければ少年が次の贄となってしまうのだ。

 しかし、後ろ手に縛られ足も縛られ、その状態で繋がれている少年に逃げることは出来なかった。

 

 龍之介がそんな少年に背を向け、改めて“儀式”を行う為に血で描かれた魔法陣へと目を向けた。

 その目は少年の様に輝いており、期待に胸を膨らませている。

 

「悪魔に殺されるってどんな感じなのかな。貴重な体験になると良いよねぇ。って痛っ!?」

 

 そんな龍之介は突如手の甲に走った痛みに顔を顰める。

 見れば、その甲には紅い線が浮かび上がってきていた。 

 紋章の様に見えるそれは、そのまま龍之介の手に定着する。

 

「・・・・・・?」

 

 彼からしてみればその造形自体はかっこいいと評するに値するものだ。

 彼の言う所coolというやつだろう。

 しかし、彼は刺青を今までに入れた事はない。

 つまり、たった今出現したのだ。

 それに首を傾げる龍之介。

 

 実の所、彼にはファンタジーに関する知識は無い。

 魔術やそれに類する異質な存在に関しても、居ればいいなとは思うが実際に居ることを知らない。

 それを知る為の今回の儀式だったわけだが、運が良いと言うべきか、世間一般に対しては悪いと言うべきなのか、彼の家系には魔術師の血が流れていた。

 それが故に土蔵には召喚に関する魔術所があった。

 それが故に彼は召喚に必要な要素を兼ね備えていた。

 

 だから、ここに召喚は成る。

 

「な、なんだぁ!?」

 

 彼が驚いたのは、暗いはずの部屋に光が産まれたからだ。

 光は徐々に大きくなり、辺りを照らす。

 その光の発生源を見れば、つい先程彼が描いた魔法陣からだった。

 魔法陣は次第に電機の様な物を走らせ、それは次第に雷光へと変わり辺りを眩く照らし出した。

 それを龍之介はじっと見つめる。

 瞬き一つせず、それに見惚れていた。

 

 そして―――、

 

 

 

「問おう。我を呼び、我を求める召喚者は汝なるや? キャスターとしてこの地に我を召喚したる汝の名はなんと?」

 

 

 

 

 ―――召喚は成功した。

 

 出てきたのは黒いローブを幾重にも重ね、2mに迫ろうかという背を丸めて尚大きい身体に眼を広く剝いた相貌。

 その男を見ながら龍之介は目を見開いたまま、出てきた男の質問に答えた。

 

「え、えっと・・・・・・、雨生龍之介っす。職業フリーター、趣味は人殺し全般。子どもとか若い女とか好きです」

 

 龍之介の言葉に、召喚された大男は静かに頷く。

 

「よろしい。契約は成立しました。貴殿の求める所の聖杯は私の悲願でもあります。彼の楽園の窯は必ず我らの手元に下るでしょう」

 

「せい・・・はい・・・・・・?」

 

 大男の言葉は龍之介には意味の分からない所が多かった。

 異国の言葉だとか龍之介の言語能力が低いとかいうわけではない。

 ただ、彼の求める所がソレでは無かっただけだ。

 試しに行った儀式が成功してしまっただけで、その先に龍之介の求める物は無い。

 だが、今のこの異様な現象に心が躍っているのは確かであった。

 

「まぁ、とりあえずお供え物あるんだけどいがが?」

 

 龍之介は今の状況や大男の言っている所は分からなかった。

 しかしながらこういった状況の為に話を円滑にするためのモノ(・・)を用意していた。

 龍之介がソレへと目をやる。

 大男もまた龍之介の目のやる方につられて目をやった。

 

 そこには少年が転がされていた。

 あまりの恐怖にか髪は真っ白で、しかしその瞳には敵対者を睨みつける気概がある。

 それなりに整った容姿であり、見た目の年齢からは考えられない確固たる意志をその身に宿す彼は、同年代にはよくモテることだろう。

 しかしそんな彼は今、口を塞がれ手足を縛られ、身動きが取れない状態で床に居る。

 

 そんな少年を見て、大男―――キャスターは静かに近づいた。

 そして懐から本を出し、小さく呟いた。

 

「―――――」

 

 少年に近づいたキャスターは傍で屈み、少年へと手を伸ばした。

 少年は咄嗟に目を瞑る。

 だが、キャスターは何も言わずに少年の戒めを解き始めた。

 

「大丈夫だよ、坊や」

 

 キャスターは優しくそう少年に笑いかけた。

 少年は現状が理解できずか、何も言えないでいた。

 そんな少年を見て、キャスターは少年が恐怖のあまり気丈に振る舞っているように感じられた。

 今起こっている未知なる状況に、対応しきれていないと思った。

 

 そのキャスターは少年の戒めをそのまま全て解き、少年の手を取った。

 

「立てるかい?」

 

「あ、あぁ…・・・」

 

 少年は驚きに包まれたまま、キャスターに手に支えられながら立ち上がる。

 

「さぁ坊や。あそこの扉から部屋を出られる。一人で行けるね?」

 

「大丈夫、です」

 

「うむ、よろしい」

 

 少年が頷くのを見て、キャスターもまた頷く。

 そしてキャスターは、少年を今指示した扉の方へと優しく背を押した。

 少年はその勢いのままに、扉へと恐る恐る歩き出す。

 

「なぁ、要らないの?」

 

「シー・・・・・・」

 

 今まで成り行きを見守っていた龍之介が、お供え(・・・)を逃がそうとするキャスターにどういうことか聞こうと声を掛けた。

 それに対してキャスターは口の前で指を一本立てるジェスチャーをする。

 静かに、ということだ。

 それを見て龍之介は黙る。

 そして二人して、少年が向かった扉の方を見る。

 

 少年は、今まさに扉から出る所だった。

 その足取りは軽くなったのか走り始めていた。

 そしてそのまま玄関の方へと向かおうと――――――、

 

 

 

 

 

 

「うわあああああああああああああああああああぁっ!!!!? 離せ!! 離せよ!!!!」 

 

 

 

 少年が玄関への一歩を踏み出した瞬間、背後から黒い蛸の脚の様な物が幾本も伸びてきた。

 しかしそれは本来の蛸とは比べようも無い程の太さを持ち、一本一本が人の手脚よりもなお太い。

 しかもそれには悍ましい疣が幾つもついており、一度絡めとれば易々とは離さないことが見て取れる。

 その触腕達が、少年を絡め取り、ついには見えなくなった。

 ぐちゅぐちゅと、ぐちゃぐちゃと、肉を引きつぶすような音が響き渡る。

 家の壁に隠れて龍之介とキャスターには見えないが、少年がどうなったかなど想像に難くない。

 

「やめろぁ!!! 離せぇぇぇっ!!!!」

 

 恐怖のあまりか、少年の声は喉が焼き切れるほどに叫んでいるようだ。

 成長期をまだ迎えてすらいないだろう少年であったため、それも理由であろう。

 まるで娘の様に叫び続ける。

 

 それを聞きながら、満足そうにキャスターは頷いた。

 

「恐怖というものには鮮度があるのです。あれほど気丈に振る舞っていた少年も、一度安心を与えてやれば容易く崩れる。ただ、怯えたままでは感情が死んでしまう。故に、真の意味で恐怖を与えたいのならば、感情を動かしたその落差をこそ必要とします」

 

 キャスターの言葉に龍之介は聞き入る。

 絶叫をBGMに、龍之介はキャスターの言葉が心へと響いていく。

 

「希望が絶望へと変わるその瞬間こそが、瑞々しい恐怖と死へと成るのです。如何ですかな?」

 

 龍之介は、キャスターの言葉に身を震わせる。

 今までにこれほどの感動があっただろうか。

 これほどまでに心を震わせたことがあっただろうか。

 龍之介は感情のままに手を振り上げ、悦びをその身体で表した。

 

「っ!!! っクール!! 最っっっっ高にクールだよ。超クールだよあんた!!!!!」

 

 龍之介はキャスターの手を取り、尚も続ける。

 

「聖杯だか何だか知らないが、俺はあんたについてくよ!! そのクールな殺しっぷりで、俺をもっともっと魅せてくれ!!!!」

 

 そんな言葉を、響く絶叫の中で喜々として龍之介は言う。

 

「・・・・・・龍之介、と言いましたか」

 

「ああ!」

 

「貴殿の様な理解あるマスターを得られたとは幸先が良い。これはいよいよ我が悲願の達成にも期待が持てそうです」

 

 龍之介の言葉に、キャスターは笑みを浮かべて龍之介の手を握り直す。

 そして強く強く、握手した。

 響く絶叫の中、二人の心は、契約は、ここに完了した。

 

「そういえば、あんたの名前まだ聞いてなかったや」

 

「ああ、私の名前は・・・・・・」

 

 そこでふと、キャスターは違和感に気付く。

 響く絶叫? 

 それはおかしなことだ。

 少年一人を喰らうのに、キャスターが産みだした怪異がそれほどの時間を食うわけがないのだから。

 しかし今も尚、絶叫は響いていた。

 

「どうしたの?」

 

「いえ、何かおかしいのです」

 

 首を傾げる龍之介に、キャスターは待ったを掛けて再び少年が消えて行った方へと目を向ける。

 未だ声が響くそちらへだ。

 

 

 

 

「やめろぉしょくしゅぅぅ!! ぶぅっとばぁすぞぉぉ!! HA☆NA☆SE!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ・・・・・・」

 

 やはり何かがおかしい。

 既に少年は触手に引きちぎられその糧となっている筈だ。

 しかし未だに声が聞こえる。

 キャスターは静かに一歩を踏み出し、扉の方へと歩き出した。

 そして、開け放たれた扉を潜り、少年が引きずられた方の廊下へと身を乗り出した。

 

 そこには―――、

 

 

「はぁなぁせぇ!!!! やめろおおお!!! ・・・・・・あれ、もう良いのかい?」

 

 

 ―――少女が居た。

 

 少女は手に持つ双剣をバラバラになった触手へと叩き付け、グチュグチュと音を立てながら叫んでいた。

 しかしそれも、キャスターを見るなり止めた。

 

 少女はこの場において見るからに異質であった。

 数匹居た筈の怪異はその全てがばらばらとなり壁や床を染め上げる前衛的なアートとなっているその場所で、少女は全く血に塗れることも無く佇んでいる。

 白銀の髪に、紅い瞳。黒い大きな帽子をかぶり、変わった服装をした幼い少女。

 しかしその表情にはこの現状に怯える様子も無く、余裕を持った表情でキャスターの方を見ていた。

 

「・・・・・・何者、ですか?」

 

「おやおや、聖杯戦争なんだから決まってるでしょうに」

 

「サーヴァントっ!!!」

 

 キャスターの質問にニヘラと笑いながら答える少女。

 その少女の言葉に、キャスターはすぐに答えを見出した。

 

 キャスターは慌てて懐から本を取り出す。

 そしてそれを広げ、詠唱を口にする。

 

「クトゥルフ・ムグル――――」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ゼロシフト」

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「くそ! まだあの気持ち悪い触手の感覚が残ってやがる!! 本当にこれしかなかったのかバーサーカー!!!!」

 

「でもほら、上手くいったっしょ? おじさんも納得したからしたんじゃないか」

 

 そんな風に俺が返すのは、白い髪の少年だ。

 え、誰かって? 

 おじさんはおじさんだよ。雁夜おじさん。

 俺を今回召喚した間桐雁夜その人だ。

 

「そのおじさんって言うのいい加減に止めてくれ! 色んな意味で嫌になってくる・・・・・・」

 

「まったく仕方が無いなぁおじさんは」

 

「我が儘な子供を窘めるような目で見るなよ! こんな姿になったのはお前がしたからだろうが!!!」

 

「桜ちゃんと一緒に遊べて嬉しいくせに」

 

「ぐ、ぬ・・・・・・ってそれと今は関係ないだろうが!」

 

 そう、実は雁夜おじさんは雁夜少年になってしまいました。ワザとじゃないです。

 いや、うん、だって雁夜おじさんの身体思った以上にボロボロだったからさ、巣食ってた蟲をぶっこ抜いて、残った身体で正常な状態に戻そうとしたらこうなってしまったんだ。

 恐らく第五次でサーヴァント勢を転生させたのと同じ現象だろう。

 色々、足りなくなってたから。

 しかしまぁ言ったとおりに雁夜おじさんったら同年代になったからか桜ちゃんと距離が近くなっているのだ。

 あ、もちろん恋愛感情的な意味じゃないよ?

 けど、前以上に桜ちゃんが雁夜おじさんと近い距離で遊べているようで、雁夜おじさんはそれに割と満足いってそうなのだ。

 なのにこうやってちょくちょく文句を言ってくる。解せぬ。

 

「それで、成功したのか?」

 

「もちのろん。ほれ」

 

「それがモニュメントってやつか?」

 

「ういうい。ま、本来とは違う模造品ですけどね」

 

 言いながら俺は手にしたチェスの駒の様な物を掲げる。

 それは黄金で出来ており、当然チェスとは違って駒の形が違う。

 駒の形、それはFateシリーズで言う所のキャスタークラスを象徴としたもの。

 そして、モニュメントというのは前の世界でのFGOゲーム内で出てきた各クラスを象徴したもので、ゲーム内で言えばサーヴァントを強化するために必須のアイテムだった。

 しかし今俺が持つ物は当然ながら違う。

 イメージしやすいものとしてキャスターモニュメントという形を取ったが、その本質は全く異なる。

 キャスターモニュメント(偽)、これにはキャスターというクラス概念をそのまま封じてあるのだ。

 つまり、つい今し方打倒したキャスターからキャスターという枠を斬り取ったのだ。

 当然キャスターはオ・ノーレ言いながら座に帰りました。しょうがないね。

 

「これで、俺は解放されるんだな?」

 

「だっておじさん戦力にならないし」

 

「好きでそうなってるんじゃない!!」

 

 何故かすっかりツッコミキャラな雁夜おじさん。ナンデダロウネ。

 でもまぁ、これで雁夜おじさんはもう戦場に出る必要が無くなる。

 その為の今回なのだ。

 

 今し方俺達がやったのは、ぶっちゃけて言えば罠だ。

 空き家を使った罠。

 そこへ上手く雨龍龍之介を誘き出し、そのまま儀式をさせてキャスターを召喚させた。

 それが今回の真実。

 だって第4次聖杯戦争で一番被害出すのってキャスター陣営じゃない?

 なら一番最初に打倒するべきだと思ったわけですよ。

 ただ、雨生龍之介をキャスター召喚前に打倒すれば良いって訳ではないのがネックだ。

 何せ、7騎は必ず召喚される。

 雨龍龍之介が召喚しなくても、必ず誰かが召喚することになる。

 だったら召喚させたうえで利用しようぜってのが今回の作戦。

 いやぁ、上手く行きましたね。

 それもこれも俺の迫真の演技あってこそだろう。

 雁夜おじさん(少年)の姉役な俺、そして海魔に襲われた雁夜少年をすかさず助けて代わりに声を上げながらぐちゃぐちゃするのも俺、あ、儀式の血も俺だな。

 でもまぁ、姉弟しかいない家を雨龍龍之介の前でアピールしただけでホイホイ釣れたのは驚いたね。何故今まで捕まってないのか。

 あと、既に被害者となっている人には本当に申し訳ない。

 召喚されて直ぐに事に当たったが、召喚される前に亡くなった人は流石にどうしようもない。

  

 あ、そうそう、その雨生龍之介だけど、彼は一回彼の血を彼自身に見せた後傷を治して警察署に放り込んでおいた。

 魔術師的な素養もその時切り抜いたし、彼はもう一生牢屋の中だろう。

 何故腹を掻っ捌いたかというと、彼が原作で死ぬ瞬間に自身の血を見て満足していたからだ。

 彼が求めていた命の色、それが彼自身の血だと言うのは皮肉にもほどがある。

 だけど、彼はもうそれを見ることは叶わないだろう。

 そしてさらに彼の興味が外に向くことも無いだろう。

 

 とりあえず、これでキャスター陣営打倒だ。

 

 そして大事なのはこれからだ。

 態々キャスターからその位置を切り抜いた理由。

 それこそが、今回の真の目的なのだから。

 

「さ、雁夜おじさん帰るっすよ」

 

「だから止めろって!」

 

「じゃあ雁夜おいたん?」

 

「何でそうなる!!」

 

 そんな感じに楽しく会話しながら、拠点である間桐邸へと俺達は足を向ける。

 空き家の証拠隠滅とかはすでに終わってるし、後は帰ってやることやるだけだ。

 

 さーて、彼女(・・)は一体どんな顔をするかねぇ?

 




いかがだったでしょうか?

予想出来ていたかもしれませんが、キャスター組には出落ちとなって頂きました。
しょうがないですよねw
原作知識が在ったら一番最初に排除するしかないんですもの・・・。
けど、キャスターという位置は有効活用させてもらいましょう。
さーてどんなキャスターがその位置に来るんでしょうね!(目反らし

ではでは今回はこの辺で。
またお会いしましょう!!



P.S.
FGOクリスマスイベ後半戦はどんな感じなのでしょうね。楽しみです(貯金残高を見ながら


P.S.2
ふと時間が開いた時に思いついたSS、FGO酒呑童子に憑依して勘違い物H×Hとか需要ありますかねww
というか、SSで酒呑童子ちゃん登場するの少なすぎじゃなかろうか。
あんなに皆で貢いだと言うのにどういうことですか!(憤慨


P.S.3
親知らずが痛痒い・・・。


P.S.4
あ、蟲爺さんは次回で!

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