テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

秋アニメが多すぎて見る時間が無くて困ってます。
HDDに予約は入れてるって言っても限界があるので勘弁してほしいです。
まぁ見るんですがね!!


『stage11:白の主従』

 

 教会で聖杯戦争へと参加することを決めたその帰り、俺は二人の少女と対峙した。

 

 

「こんばんはお兄ちゃん。こうして会うのは二度目だね」

 

「よ、士郎。俺とも会うのは二度目だな」

 

 

 坂の上から声を掛けてきたのは昨日会った二人だ。

 コウジュと、恐らくすれ違った時の少女。奇しくも、二人ともに白を思わせた少女たち。

 

 ただ、今のコウジュは昨日と違って全体的に黒い服を着ており、その白銀の髪を際立たせている。

 対してもう一人の少女はその全てを白で包み、一層の白を目に焼き付かせる。

 言うなれば真反対の少女たち、だけど、何故か噛みあっている。

 互いに白黒の色合いの中で唯一、ルビーの様に紅い瞳もまたそれを助長しているのだろう。

 こうしてみればただ幻想的な二人だ。

 

 だが、何か嫌な予感がする。自分の中に生まれている不安感は何なのだろうか。

 

 

 

「士郎、知り合い?」

 

「えっと、昨日知りあったというか……」

 

 遠坂がそう聞いてくるが説明のしようがない。

 コウジュとは少し話をしたが、それだけ。もう一人の少女に関しては見間違いかと思ったほどに接点が無さすぎる。

 

 そういえば、と思い出す。

 

 ほんの先程のことだが遠坂が、カードがどうとか聞いてきたけど何故か『魔術師が奥の手を言う訳ないか』と言って自分で納得するなんてことがあった。

 

 奥の手どうこうはよくわからないが、カードと聞かれ思い出すのはコウジュに貰ったアレだろう。

 何か関係するかもしれないし、詳しいことを聞いておいた方が良いか。

 

 念のためと思い、少しでも情報を得るため遠坂に近づき声を掛けようとする。

 しかし、それは叶わなかった。

 

「こんばんは凛。私はイリヤ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンって言えば分かるでしょ?」

 

「アインツベルン…ですって?」

 

 イリヤと名乗った少女が先に口を開き、今度は遠坂に向かって言葉を掛けた。

 どうやら遠坂は何かを知っているようだ。それも、“アインツベルン”という単語に関して、遠坂の警戒度が跳ねあがる何かを。

 

 そしてセイバーもまた、何かに驚いていた。

 どうやらセイバーも彼女を知っているらしい。

 だが驚いていたのも一瞬、次の瞬間にはコウジュの方を忌々しげに見つめた。

 

 イマイチ状況が掴めず場の成り行きに身を任せるしかないのがもどかしい。一体なんだっていうんだ。

 

 そんな俺の心情を置き去りにして、事態はどんどん進んでいく。否応なく、聖杯戦争というものを俺に理解させるがごとく。

 

 

 

「ふふ、これ以上の挨拶はもういいよね? どうせここで死んじゃうかもしれないし」

 

「え?」

 

 イリヤが、天真爛漫と言うべき笑顔で言った。

 俺はその意味を一瞬理解できず、抜けた声を出してしまう。

 

 しかし俺の声など無かったかのように、イリヤはコウジュの後ろに下がりながら続けた。

 

「やっちゃえ、バーサーカー!!」

 

「来いキャリガインルゥカ!!」

 

 コウジュが虚空から何かを取り出した。

 それは持ち手のコウジュ自身より一回り大きく、両方に鎌の刃が付いた禍々しい形状の、明らかに敵を斬るための武器だった。持ち手から先の柄が枝分かれしており、無機質な、金属とはまた違う光沢を出しているにもかかわらず生物の骨格をそれは思わせる。

 コウジュはその武器をヒュンと軽く一度振り、構える。

 そのまま姿勢を低くしていき…、一足にこちらへ突っ込んできた!?

 

「やっぱりあの子、サーヴァント!?」

 

「士郎、下がって!」

 

 遠坂が予想していたのか、ポケットから何か取り出しつつ後ろへ下がる。

 対してセイバーは、応戦するためにか前へと飛び出した。

 

「セイバー!?」

 

 セイバーに声を掛けるも、既にコウジュは目の前。

 大きく振りかぶるコウジュに、セイバーも見えない剣を振った。

 

「ううぅっりゃ!!!」

 

「くっ!?」

 

 ガンッと、辺りに金属同士がぶつかるにしてはやや鈍い音を響かせる。続けて破砕音。

 驚くことに、コウジュの攻撃を受け、防いだセイバーの足元がクレーターの様に沈んだ。

 

 しかしセイバーもただ受けるだけではない。

 すかさず力を抜き、刃を流すために手を引く。

 

「なら…こうっだ!」

 

 しかしコウジュは流される前に、振り下ろしていた刃を瞬時に逆回転へと移行させ、対の刃で切り上げる。

 だがセイバーも事前に力を抜いて刃を下げ始めていたこともあり、セイバーは慌てることなくそのまま体を半身にして避けた。

 

 コウジュの攻撃はそこで終わるはずもなく、そのまま両方に刃がある形状を利用してクルクルと舞うように回りながら連撃を繰り出す。

 

 セイバーも負けじとその攻撃を逸らし、時に避けていく。

 

 が――――

 

「なっ!?」

 

「嘘、あんな子があんなに大きい武器をおもちゃみたいに…、しかもセイバーを押してる!?」

 

 コウジュの力が想像以上なのか、徐々にセイバーの顔が苦しみをまじえていく。

 ランサーの槍を弾いていた時の様に刃先を反らすだけでは足りないようで、身体ごと動かしコウジュの刃を防いでいく。

 しかしそれも長くは続かない。

 徐々にコウジュの攻撃が届き始め、セイバーへ触れる軌跡が増えていく。

 

「やっちゃえやっちゃえー!」

 

 そんなコウジュたちを見て、対面に居るイリヤは無邪気に声を上げている。

 

「おらぁっ!!」

 

「ハァッ!!!」

 

 こうしている間にもコウジュとセイバーの戦闘は熱を帯びていく。

 

 昨日は、少し変わってはいても普通の少女にしか見えなかったコウジュ。

 だが今の彼女は、セイバーと刃を交わすたびに笑みを深くし、徐々に歓喜へと染まっていっている。

 

 これが、サーヴァントの戦い。

 こんなのが、聖杯戦争だっていうのか。

 

 

 

 

 

 数時間前までは確かにいつも通りの日常だったのに、どこで何を間違えたんだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 最初は、学校でのこと。

 

 友人の用事を代わりに引き受けて、弓道場で過ごす内に外は真っ暗になっていた。

 急いで帰るべく外に出ると、聞こえてきた甲高い金属音。それが気になり、音の方向へ向かうと校庭では殺し合いが行われていた。

 本能がそこに居てはいけないと語り掛けてきた。だからその場を去ろうとしたが見つかってしまった。

 目撃したのを見つかった俺は校内に慌てて逃げ込んだが、殺し合いをしていた片方に槍で心臓を貫かれて意識を失った。

 

 次に目が覚めると、心臓に空いたはずの穴はきれいに塞がっていた。

 自分も魔術を未熟ながらも扱う身だ。あれほどの傷が塞がっていても不思議ではない。

 赤い宝石がその場に落ちていたし、誰かが治してくれたのかもしれない。そう無理矢理その場は解釈し、その場を一刻も離れるために家に帰った。

 しかし家に帰って一息つく暇もなく、学校で俺を刺殺した男が再び襲ってきた。

 

 なんとか俺が扱える強化魔術を使って応戦するが、魔術も武術も未熟者の俺がかなうはずもなく、すぐに追い込まれ、外の土蔵にまで吹っ飛ばされた。

 

 終わったと思った。けど、終われないとも思った。

 その瞬間土蔵を光が満たし、気づけば誰かが槍の男を吹き飛ばした。

 

「サーヴァントセイバー、召喚に従い参上した。問おう、あなたが私のマスターか?」

 

 それが、セイバーとの邂逅。

 青いドレスの上に鎧を着けた騎士服の少女、セイバー。

 彼女から俺は目を離せなかった。

 

 そんな俺に、セイバーは矢継ぎ早に召喚について俺に告げたあとすぐに槍男の元へと戦いに行きそのまま撃退した。

 何が何だか分からないまま、自己紹介とかをしていると、突然セイバーが走り出した。

 追いかけるとセイバーは誰かに斬りかかろうとしていたため、慌てて止めると、そこにいたのは同じ学校の人気高い美少女の遠坂だった。

 

 遠坂は、親切にも俺がどういう状況にあるかを簡単に教えてくれた。

 

  ―――聖杯戦争―――

 

    ―――7人のサーヴァント―――

 

   ―――魔術師同士の殺し合い―――

 

 それでも俺はまだよく分からなかった。

 魔術という存在を知ってはいても、いきなり理解できるはずもない。

 そんな俺を遠坂は聖杯戦争を監督している人物の所へ連れて行ってくれた。

 

 そして到着したのが、隣町にある言峰教会だった。

 

 そこで俺は、聖杯戦争について詳しく知ることになった。

 教会の神父である言峰綺礼に教えられたのは10年前の災厄について。

 未だ以て原因不明とされていた大火災が、俺を含めたありとあらゆる物を焼いたあの出来事が、第4次聖杯戦争が原因で起こったという非情な真実だ。

 

 だから俺は宣言した。

 『正義の味方』を目指すことが俺の義務であり目標である以上、到底看過できるものではないからだ。

 魔術師同士の殺し合いも、あの大火災が再び起こるようなことも、俺は絶対に防ぐ。

 

 だから決めたんだ。聖杯戦争に参加することを。

 

 まだよくわかってない部分も多いだろう。

 

 それでもこれだけは分かる。こんなことは在っちゃいけないんだ。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「ウラー!」

 

「ぐぁっ!?」

 

 ああ、熱い。熱い熱い熱い。

 身体が燃えるように昂ぶっている。

 己の中の熱が荒れ狂っているのが分かる。

 

 セイバーに対して打ち込めば打ち込むほど、俺の中の何かが鎌首をもたげる。

 

「ハハッ!!!!」

 

 

 

 ミ ナ ギ ッ テ キ タ !!!

 

 

 って、ああ、まただこれ。【獣の本能】さん仕事シスギィ!!

 どんどんどんどん思考が単純化されて、俺の中から無駄な動きを削いでいく。

 今も、セイバーが繰り出してくる連撃をグレイズしながら回避とかルゥカを軽く当てることで反らしたりと()には出来るわけがない動きをしている。

 そうでもなければ俺がこんな英霊みたいな動きができるわけがない!!

 なにせ、反英霊ですらない半英霊ですから。それもハードだけが英霊並みって意味の。

 

 今、自分でも寒くなること言った気がする…。

 

 さておき、このままではまずい。

 なんせセイバーを少しずつでも打ち負かし始めている。

 ここで勝つのはマズいんだけどもどうしよう。

 うーむ、今のセイバーってランサーの兄貴の一撃を士郎がへっぽこだから治せてなくて、表面上だけを取り繕ってる状態なんだっけ? あとマスターとしても弱いからステータスそのものも低くなってるんだったか…?

 目標としてはイリヤのストレス発散をさせつつ、この戦闘はなし崩し的に終わらせたいんだよね。

 原作みたいに士郎をぶった切って終了はもちろん勘弁だ。

 勢い余ってほんとに殺っちゃったら元も子もない。

 俺たちの目的の為にも、士郎には勝ち残ってもらわないと。

 

 だが、考えている間にも身体が勝手に動いてセイバーを攻撃している。

 

 ここは一度落ち着こう。

 

「とぉりゃあ!!」

 

 意識して大振りの一発をセイバーに当て、吹っ飛ばす。だが手応えが軽い。どうやら自分でも飛んだみたいだ。

 吹き飛ばしたセイバーは士郎の前で着地し、正眼に剣を構えた。 

 

「ふぅ…」

 

 俺はセイバーから目を離さないようにしながら一呼吸入れる。

 昂ぶりを一旦抑え、単純化していた思考を取り戻していく。

 

「バーサーカー、まだ行ける?」

 

「余裕…って言いたいけど、そろそろ貯まりそうだ。そろそろ終わらせないとな」

 

 貯まっているのは勿論、獣化しそうな衝動。

 戦闘らしい戦闘をしているせいかドンドン溢れそうになってる。

 獣化なんぞしてしまえば、それこそ速攻で倒してしまう。

 

 さて、どうしたものか。

 ケモる前になんとかしないと…。

 

「って、なんだ?」

 

 悩んでいると、幽かに風切り音が聞こえた。

 しかも徐々に近づいているようだ。

 何だろうかと振り向いた瞬間に、眼前で半透明の膜が一瞬だけ姿を現し何かを弾いた。 

 

「ぬぉ!?」

 

 変な声が出てしまった。

 

「嘘、無傷だなんて…」

 

 凜が驚きの声を上げる。

 いや、俺もびっくりなんですが。

 いつから俺はATフィールドなんぞを張れるようになったんだろう…。

 

 いや待てよ?

 ゲーム内でのことだが、一定以下のダメージは軒並み1と表示していた。

 例えばレベルをカンストさせた状態で初期クエストなどに行き、敵から攻撃を受けたところでどれもダメージは1しか喰らわないということだ。

 その際に、出ていたエフェクトに似ている気がする。

 

 ああ、でもこれで合点がいった。

 

 俺の耐久はC(D~A)という表記だった。

 耐久Cなら確か平均的なもののはずなんだが、後ろについてるD~Aの意味がよくわからなかった。

 でも、まだ検証の余地はあるだろうけど予想がついた。

 たぶん一定以下の攻撃に対してはAランク並みの耐性を持つけど一定以上の攻撃にはDランクということなんだろう。

 これはまた新たなチート発見ってことかな。

 ま、まぁ、条件次第でDランクになるっていうのが怖いけど…。

 

 俺が一人で納得していると、再びの風切り音。

 しかも先程とは違い複数だ。

 飛んできたものを目視し、ルゥカで切り払う。飛来物は、矢。

 そういえばいつの間にか居なかったなアーチャー。

 

 ってか、数が多すぎて落としきれない。

 

 確かに落とせなかったやつはシールドっぽいもの――自動障壁(オートガード)とでも名付けるか――に当たって弾けるが、精神的によろしくない。

 それに、やはり1は食らっているのか肌がピリピリして気持ち悪い。

 

「ああもう! 鬱陶しい!!」

 

 あんまり戦闘に乗り気ではないって言っても流石にこれはイラっとくる。

 

 こっちからも狙撃するかな。ライフルが装備の中にあるし。

 それとも、こっちも弓で?

 流石にそんな遠距離で当てられる自信は無いな。

 いや待てよ、丁度良いスペルをこの間造っていたな。

 それで行こう。

 

 一旦ルゥカを収納し、スペルカードを取り出す。

 未だ当たる矢は一旦意識の外へ置く。

 大事なのはイメージだ。

 思い浮かべるのは、幻想郷に住む吸血鬼なおぜうさまの技。

 

「……神槍『スピア・ザ・グングニル』」

 

 宣言と同時、カードから炎が出て槍の形状を持つ。

 

 俺がこのカードを選んだのは、グングニルの名を持つからだ。

 元ネタであるスペルカードにその効果があるかはわからないが、元ネタの元ネタ、主神オーディンが持つとされるグングニルは百発百中であるとされている。

 だから『グングニルって言う位なんだから命中精度良いよね?』なんて思いで創ったこのスペカ、絶対命中ではないけど命中補正が付いてます…(震え声

 つまりはこの距離でも当てられる! 

 まぁ命中補正が付いている以外はAランクのグングナアタに魔力で炎を纏わせてるだけだけどね!!

 

「せーの!!」

 

 思い切り振りかぶって、うっすら見えるアーチャーへ投げた。

 槍は炎で尾を引きながら真っ直ぐ飛んでいく。

 アーチャーもまずいと思ったのか回避行動をとるが、その時には彼の居るビルへと直撃していた。

 続く轟音。

 ビルの屋上は原形を留めず、燃え上り、俺たちが居る所までもを明るく照らしている。

 

「あ、やっべ」

 

「や、やりすぎよ!!」

 

 イリヤからの抗議が入る。

 いやほんとごめんなさい。やりすぎました。

 屋上が崩壊っていうか無くなったけど、アーチャー生きてるよね?

 ってかこれって、ビルの修理代とか幾らかかるの? そもそも人居ないよね? アーチャーが居た位だし、人気ないよね? 終電無いなら仕事まだ出来るねとかって言われるブラックな企業じゃないよね!!?

 

 いや、実はね?

 カラドボルグとか宝具級のものを射ってこられたら、いくらチートでもオートガードできるかちょっと不安だったから焦ってたんで、威力の制御が手抜きになっちゃって……。

 もう少し軽めでいこうと思ってたんだよ?

 本当だよ?

 

 内心汗をだらだらにしながら居ると、そういえば戦闘中だったと思いだしセイバーの方を見るがその心配はなかったようだ。

 

「あり得ない。グングニルって今言った?」

 

「宝具…? 馬鹿な、グングニルは主神オーディンの…」

 

 なんか凛とセイバーにかなり驚かれている。

 

 あ、あのごめんなさい。ただの技なんです。

 そんな真剣に厨二技の名前について考えられると、居た堪れない。

 

「えっと、俺はオーディンでも神族でもないよ? 今のはそういう技だから。技なだけだから」

 

 というかほんとやめて!? 

 厨二病を冷静に解説されると死にたくなるからそこらで止めておこうね!?

 

「圧倒的ね。バーサーカー」

 

 頭の中で悶えている俺など気にせず、と言うか一緒に取り乱していたのにイリヤったらドヤ顔でそんなことを言ってきた。

 とりあえずマスターが喜んでるなら良いかな、うん。

 

 そこでふと思い出すが、なんでさっきからバーサーカー呼び? いやバーサーカーだけどもなんか分かりづらいんだよな。

 

「なぁイリヤ。名前で呼んでくれない? なんか分かりにくい」

 

「そうね、コウジュの真名を知られたところで関係ないし」

 

 一瞬キョトンとするも、すぐにそう言ってくれた。

 

 そういえばサーヴァントを真名で呼ばないのは敵にその正体をバレない様にするためだっけか。

 すっかり忘れてたっす。

 それに気付いたのか心なしかイリヤがジト目な気がするが気のせいだよね。

 

「コウジュ、それが真名ってこと? どこの英雄だってのよ!?」

 

 凛が軽くヒステリックに叫んでる。

 まぁ、そうなるな。

 見た目幼女だし、なのにセイバーと良い勝負するし、グングニルとか言い出すし、ビル吹っ飛ばすし。

 

「教えてあげるわ。コウジュはね、異世界の英雄よ。それも神殺しをなした…ね…」

 

「異世界の英雄、それも神殺しですって!?」

 

「そうよ、凜」

 

「アインツベルンはとんでもないものを寄越したわけね…」

 

 あの、イリヤさん? 紹介されるのは恥ずいんだけど?

 しかもドヤ顔で……ってイリヤ! お前絶対わざとだろ!!

 一瞬こっちをニヤッと見たし。

 精神攻撃は基本って前に俺が教えたから!? それかさっきやりすぎたのを怒ってる!?

 

「コウジュ…と言いましたね?」

 

 今度はセイバーがこちらに話かけてきた。

 話している間もマスターである士郎を後ろに庇ったまま剣を構えて隙を見せないのはさすがってところか。

 

「あなたのクラスはバーサーカーなんですよね?」

 

「うん、そだよ」

 

「なぜ、会話が可能なのですか? バーサーカーのクラスは文字通り狂戦士のクラス。会話など到底不可能なはず…」

 

 なるほどね。それが聞きたかったわけか。

 

「そのことなら簡単だ。俺は能力の一つとして元々狂化にあたるものを持ってるからな。だからクラス補正は必要なしと判断されたとか」

 

「完全にイレギュラーサーヴァントというわけですか」

 

 ぎゅぅとセイバーが一段と剣を握りこむ。

 どうやら決死の覚悟でこちらへと挑むようだ。

 

 おかしい、前哨戦のつもりだったんだけど既にクライマックスなふいんき(何故か変換できない)な件について…。

 

「さぁ、お祈りは済んだ? もうあなたたちの負けよ」

 

 イリヤが敗北という名の死刑宣告を言い渡す。

  

 ノリノリっすねイリヤさん。

 忘れてない? ここで俺たちは勝っても負けてもダメなんだよ?

 

 予定は未定だっていうけど、どうしてこうなったし。

 イッタイダレノセイダ。

 これ、殺らなきゃ駄目な空気出てんじゃん。

 

「じゃあ、さよなら。やっちゃいなさいコウジュ」

 

 仕方ないので再びルゥカを構える。

 

 あーもう、誰かどうにかしてこの状況!!

 

 そんなことを考えてたからか、飛来するものに気付くのが少し遅れてしまう。

 何とか防ぐことはできたけど、若干掠ったのか服が破れた。

 飛んできたのは白と黒の夫婦剣。

 なるほど、やっぱり宝具はオートガードできないわけか。

 そしてこれが来たってことは―――

 

「アーチャー!! 無事だったのね!?」

 

 凛が現れたアーチャーへとうれしそうに声をかける。

 

「勝手に殺されては困るな」

 

 皮肉気に笑うアーチャー。

 だがその姿はあちこちボロボロだ。

 

 それでも、その立ち姿は堂々としており、英雄であることを確かに思わせる。

 

「さてバーサーカー、よくもやってくれたな。この貸しは高いぞ?」

 

 

 

 

 あれ? この流れって、今度は俺がやられるパターン?

 




い加賀だったで…いかがだったでしょうか?

こほん、この間初めてドロップしたものでついw

さておき、今回もシリアル満載でしたが、すこしでもクスリとできましたでしょうか?
ネタ詰め込みすぎな感もありますが、ドンドンこの調子で行くつもりですのでよろしくお願いします。

P.S.
久しぶりに書いた追記w
書くペースなのですが、おそらく週末更新になっていくと思います。
出来たら週の途中でも出すつもりですので、その時は、珍しく仕事してるとでもお思いください。

P.S.2
ふいんき(何故か変換できない)は一応ネタなので大丈夫です!
誤字だとすごく心配されました…。
なんでも普段が普段だからややこしいとw

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