テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

格付けチェックを詰め込んだ結果少し尻切れ蜻蛉感はでましたが、よく見るシーンだと思いますしあまり長くするのもとこんな感じに。

とかく、どうぞ!


『stage11:ドキっ!? 王様だらけの格付けチェック!! ~ポロリもあるかも!?~』

 

 

 

「うんま!? 何これウマー!?」

 

「本来であれば貴様ごときが口にすることも叶わぬ至宝ではあるが―――おい貴様聞いているのか!」

 

「聞いてる聞いてる! でもそんな事よりこのおいしさだよ!! あ、イリヤにも御代わり入れるね」

 

「ふふ、ありがとう」

 

「いやー、流石はってところか。舌が肥えている訳でもない俺でもこれが一級品だとすぐに分かる」

 

「ふん、当然だ」

 

 AUOの御酒を自らも貰い、一口飲んだ。

 それだけで口内に広がる豊潤な香りと舌に浸み込む格別の味。

 飲むだけで人に幸福感を与えるこれは、確かに至高の一品と言えた。

 特に、俺は御酒を飲めはするけどそれほど好きではないのだ。

 というのも、御酒を飲むことで得られる酩酊感などはアルコール自体が俺に効果を及ぼさないがために得られないし、どちらかというと子供舌な俺はビールや日本酒よりもカクテル系の方が舌に合う。

 そんな俺の嗜好であっても、その酒は格別であった。

 ギルガメッシュもその俺の反応に満更でも無いようで、ドヤっている。

 けど今はそんな英雄王にも苛立ちはしない。

 寧ろ先程ガラスの酒器をポイ捨てされたことすら許せてしまっている。

 それほどに、その酒によって俺は満たされていた。

 これは危険だ。溺れてしまう。

 しかし、もう一杯。

 その手が止まらない。

 

「ガッハッハ、中々いける口だのうバーサーカーよ」

 

「普段はそれほど飲むわけじゃないけど、この御酒は格別だから止まらないんだよ」

 

「ふん、神といえどそれなりの舌は持つか」

 

「まぁそもそも俺成り上がりだしねぇ」

 

 入れては飲む俺を見て笑うライダー。

 そういうライダーも気に入ったのか次々と飲んでいた。

 ギルガメッシュは当然ながら飲み慣れているからか時折茶々を入れながらも静かに飲んでいる。

 セイバーは、うん、見た目は淑やかに口にしているのだが、盃の中の酒が転移でもしてるのかって位に消えていっている。

 気に入ったようだ。

 

「成り上がりとはどういうことだ?」

 

「えーっと、そもそも俺はこの世界の出身ではないんだよ」

 

 俺がサラリと言った言葉に、皆が多少の差は有れど驚きを示した。

 

「・・・・・・なるほどな。それほど目立つ容姿でありながら見当も付かんのはそういう訳か」

 

「では、貴方はその世界に於いて死後に神へと成った存在なのでしょうか?」

 

「まぁそんな所だよ。この身は古代の神を討ち、そして死後に神へとなったんだ」

 

 毎度のことながら、嘘ではないけど自分で言ってて少しばかり恥ずかしくなってくる内容だ。

 間違ってはいないんだけど、途中に“PSPで死んだ後に今の身体になった”って文章を本当は入れないといけない当たり泣きたくなってくる。

 しかしまぁ、その後に関しては俺が成したことに相違ない。

 そこだけは誇れるだろうか。

 

「ああ、貴様は人の皮を被っているのではなく神を内包した類いと言う訳か。まあ虫唾が走ることは変わらんがな」

 

「・・・・・・さすが、英雄王は視点が違うね」

 

「ハッ、貴様ごときが煽てたところで小波程の揺らぎもせんわ!」

 

 俺の言葉にギルガメがそんなことを言うもんだから皮肉交じりに言ったのだが、どうやら褒めているように聞こえたらしい。

 殴りたい。

 

 そんな俺の内心はさておき、セイバーとライダーは別の事に驚いたようだ。

 

「なんと、貴様は英雄王であったか!!」

 

「御身が、あの古代ウルクの王ギルガメッシュ・・・・・・」

 

 そういえば、別に隠そうとしていた訳でもないけどこの二人の前でギルガメの正体って明かしてなかったね。

 ケリィにはその辺の情報を渡してあったはずだけど、というか改めて置きに行ったのにセイバーが知らないってことはまだコミュ障を拗らせたままなのか。

 おのれケリィ・・・・・・。

 

 とはいえ、それ自体をそう攻められるわけも無いか。

 冷酷であろうとしてはいるが冷徹に成り切れず、常に葛藤を抱え、矛盾した思いを秘めながら血に塗れ前へと無理矢理進んできたのが彼だ。

 セイバーとの会話をしないのも、確か騎士という名誉のために命を捨てさせるという建前の元、冷酷であろうとするためにセイバーを道具として扱わなければならないと自身に課しているからだったはずだ。

 まぁこれは原作からの情報でしかないから違いはあるかもしれないが、それでも世界の救済という渇望を胸に色んな物を捨て去ろうとしているのは確かであろう。

 

 

「それで、その英雄王は何故に聖杯を求めるのだ?」

 

 俺がケリィに心内で文句を言っていると、ライダーがそうアーチャーに聞いていた。

 客観的に考えると、英雄王とはこの世全ての財をその倉に集めたと言われる英雄の中の英雄だ。

 その様な英雄が願望器に願うものなどあるようには思えないだろう。

 

 しかし其の英雄王は、ライダーの問いを鼻で笑う。

 

「たわけが、そもそもその前提が間違っている。そもそも、この世全ての財は元を辿れば我が宝物庫に至る。なればこそ聖杯もこの我の物。それを得ようとは盗人猛々しいにも程がある」

 

「つまりお前さんの宝物庫にも聖杯があったのか?」

 

「知らぬ。我の財は既に認識を越えるほどの数だ。しかし、それが財であるならば我の物であるのは当然だ」

 

「ジャイアンかお前は」

 

 思わずツッコんでしまった。

 たぶん俺が突っ込んでなくても誰かがツッコんだろうけど、その時代はともかく後世の時代においてはそうとも限らんだろうに。

 “お前のものは我の物、我の物は我の物”とか、素で言わないでほしい。

 いや、その精神性こそが英雄王たらしめウルクを治めたと言われてしまえばそれまでだけど、でも遥か後の世を生きた身としては勘弁して欲しい限りである。 

 

「じゃいあん? それは何処の王だ」

 

「歌声1つで聴く者全てを絶望に叩き落とす存在、かな……」

 

 前の世界で知ったけど、型月世界には似たようなことを出来る自称アイドルが居るんだそうな・・・。 

 そっちは宝具だけど、マイクを握ればいつでもそれが出来るあの少年は何なのだろうかと思わざるを得ない。

 Fate世界があった訳だし、いないとも限らないから余計に困る。

 

「まぁそれはさておいて、だ。お次はライダーの望みを教えてよ」

 

「余か? 世の望みは受肉だ」

 

 能力上あまり考えるとガチで悪夢を召喚してしまいそうなので、思考を反らすためにも話を戻す。

 一応知ってはいるけど、幾ら未来から来たといってもそこまで知っているのは些か不自然だしね。

 

 そんな思いもあってあえて聞いたのであるが、ライダーは事も無げにそう言ってのけた。

 

「な、お前の望みは世界征服じゃ無かったのかよぐへぇぁっ!?」

 

 酒で喉を潤しながら言ったライダーへとそのマスターたるウェイバーが駆け寄った。

 しかし掴み掛る寸前でライダーから裏拳を肩越しに喰らい、地へと沈められる。

 うん、俺をしてもさすがのギャグ補正要員。

 見事に数バウンドしたね。

 

「馬鹿者。余が余の力で以てして征服することに意味があるのだ。聖杯を使ってするソレに何の意味がある」

 

 しかしウェイバーを飛ばした張本人は気にもせず、そう言ってのける。

 

 ただ、その言い分には俺も同意だ。

 勿論、征服することを肯定する訳じゃない。

 俺が肯定したいのはその在り方だ。

 願望器ならばその状態を作り出すことも当然可能であろう。

 しかし重要なのはそうではなく、そこに至るために自らがしたことだと俺は思う。

 そしてだからこそ、俺は今ここに(・・・)居る。

 

 だが、セイバーはそれが気に入らなかったようだ。

 

「己が欲望の為に受肉を願うと卿は言うのか。しかしそれは王の在り方とは言えない」

 

「・・・・・・ほう。では、貴様は何を願うというのだ」

 

 セイバーの言に、ライダーは挑発気味に笑みを浮かべて問い返す。

 それにセイバーは少しの瞑目の後、告げる。

 

「私が望むのは故国の救済。ブリテンの滅びの運命を変えること」

 

 その言葉に、二人の王は眉を顰めた。

 そして、暫くの沈黙の後ライダーは続けて聞いた。

 

「つまり騎士王よ、お前は過去の改竄を、歴史の改変を望むというのだな?」

 

「そうだ。万能の願望器である聖杯に望めばそれも可能な筈だ。私は王の選定をやり直し、ブリテンが繁栄する未来を掴み取る」

 

 ライダーの問いに、セイバーはそう答えた。

 そしてそれを聞き、俺とイリヤは思わず目を伏せてしまう。

 

 ああ、知っているともさ。

 セイバーは自身の所為で滅んだ国を、その歴史を、無かったことにしたいと望んでいる。

 それ自体を俺達は否定しない。できない。

 今まさに過去の改変をするためにこの世界へと訪れている俺達が言えることではないからだ。

 だけど、俺達は他にも知っていることがある。

 この先で召喚されたセイバーは確かに救われた。

 王という呪いから解放された。

 

 しかし、ここでそれを言うわけにはいかない。

 それをしてしまうと、全てが台無しになってしまう。

 彼女は10年後に俺と出会うことになっているから。

 そしてそこで、衛宮士郎という存在に救われるから。

 ここでそれを変えてしまうと、それこそ現実になってしまう。

 ここ(・・)はそういう世界なのだから。

 

 そしてそれはイリヤも知っているため、何も言えず二人して黙る。

 正直に言えば声を掛けたい。

 一つ屋根の下で過ごしたこともある家族のような存在だ。

 言えることならば話をしたい。

 しかしそれは出来ない。

 そう自分で決めてしまったことが腹立たしいが、ここは我慢だ。

 彼女の確定した未来を俺が知っている以上はあまりずらさない方が良いのだ。

 未来に響かない程度なら問題ないだろうけど、俺の事だ、どう口を滑らせるか分からない。

 だから我慢、我慢だ。

 

 

「それを以て私は――――」

 

「く、くふははは、おい聞いたか征服王っ。よりにもよってこの小娘は故国の救済を望むのだとよ!!」

 

 俺が閉口している間にもセイバーは自身の望みを告げていた。

 それを黙って聞く面々。

 しかし、その途中で漏れ出すように笑い出す者が居た。

 アーチャーだ。

 そして英雄王は次第に笑いを堪えられないといった風に声を大きくしていき、仕舞いには大笑いを始めた。

 

「何がおかしいのですか! あなたとて王の筈。ならば滅びた国の救済を望むはずだ!!」

 

「いいや、我がそれを望むはずもない」

 

「な、それでもあなたは古代ウルクの王なのですか!?」

 

「ああ。貴様がどう喚こうとも、小娘の戯言に過ぎん。そして誰が何を言おうと、天上天下において古代ウルクの王とはこの我ただ一人だとも」

 

「であるならば王としての責務を―――」

 

 セイバーは怒りを露わにしながら英雄の王へと言葉を放つ。

 しかし対するギルガメッシュはぬらりくらりと明言を避け、笑みを浮かべながらセイバーを翻弄する。

 そんなギルガメッシュに一層セイバーは怒りを募らせるが、その途中で傷ましいものを見る様にライダーが言葉を掛けた。

 

「なぁ、小娘よ。そこまでにしておけ。それ以上は王としてだけではなく英霊として誇りすらも消え去ってしまう」

 

「私はっ、私はその様な地位すら要らない。それで民が救われるというのならば喜んで差し出すつもりだ」

 

「そこまでにしておけと言ったぞ!!!」

 

「ッ・・・・・・」

 

 ライダーの言葉になおも言い募るセイバーに、ライダーは強く言い放った。

 それにセイバーも思わず言葉を止める。

 

「なぁ騎士王よ。お前は王とは何かを考えたことがあるか?」

 

「・・・・・・王とは、民を守るものだ」

 

「そうだな。民を守らぬ王など王とは言えぬ」

 

「だからこそ、だからこそ王は国の為に身を捧げ、王足り得る」

 

「いいや断じて違う。王が捧げるのではない。国が、民が王に捧げるのだ」

 

「それでは暴君の治政ではないか!!」

 

「ああそうだとも。王とは暴君でなければならない。そしてその治政を悔いてはならない。故に、王なのだ英雄なのだ。己の刻んだ歴史を悔やむなど唯の暗君だ。暴君にも劣る。王は常に背を見せねばならないのだ。導かねばならないのだ。救うだけの王など、王ではない」

 

 そのライダー言葉に、セイバーは何かを思い出すかのように言葉を詰まらせた。

 

 世に名高いアーサー王物語。

 サブカルチャーを始め、演劇や映画でも聞かぬところの無い程に幅広く愛され、知るところとなっている物語だ。

 しかしその結末は、世に語られるもの以上に裏切りに次ぐ裏切りによって終わりを見せる。

 それをセイバーは悔いている。

 確かに、俺がその立場であったなら、願わずに居られないかもしれない。

 自分が王ではない方が、もしくは他にもやりようがあったのではないか、思考は堂々巡りし、その目の前に願望器が現れようものならば過去を改竄しようとするだろう。

 だけど、それを願うにはあまりにも彼女は優しすぎた。

 己の成した全てを引き換えに彼女は国を救おうとしているが、それは自らの存在消滅に他ならない。

 そんな悲しい話が有って良いだろうか。

 いいや、否だ。

 

 言葉を発しない様に律していたが、そう思った瞬間には俺は口を開いていた。

 

「おれは、さ、王様じゃあない。だから失敗をすれば過去を変えたくなる気持ちはよく分かる」

 

「コウジュ・・・・・・」

 

「ごめんイリヤ、弟君の立場をちょっとばかし奪っちゃうかもだけど、少しだけ、少しだけ話したい」

 

「分かったわ」

 

 言葉を紡ぐ俺に、イリヤが複雑な気持ちを秘めて声を掛けてきた。

 それに俺は謝りながら、言葉を続ける。

 

「セイバーはさ、今のブリテンを知ってる?」

 

「ええ、聖杯のバックアップもあり知識は得ています」

 

「じゃあさ、今のブリテンをどう思う?」

 

「今を治める者が良いのでしょう。てれびでも見ましたが、中々に穏やかな国になっているようです」

 

「それを消すの?」

 

 俺の言葉に、セイバーが言葉を詰まらせる。

 

 そう、セイバーがやろうとしていることはそういうことなのだ。

 確かにセイバーの治世においてその最後は裏切りに満ちていたのかもしれない。

 少しばかり何かを変えるだけで、今のブリテンは更なる飛躍を遂げていたかもしれない。

 だけど、それとは別にセイバーのお蔭で救われた命は多くあるのだ。

 それだけは、俺は否定してほしくなかった。

 これは、ついぞ第五次の時にセイバーに言えなかった言葉だが、士郎には確か言ったっけか。 

 例えメシマズ国第一位等と言われていようとも、そんな物が消し飛ぶくらいに数多くの栄華をブリテンは誇っている。

 その歴史を否定してほしくは無い。

 何よりもそれは、ブリテン外に轟くアーサー王物語が物語っている筈だ。

 その本人はそれを否定している訳だが、しかし実際にその騎士王の治世を褒め称える声は今を以て消え去ってはいない。

 所詮は俺個人の気持だが、それだけは否定してほくなかった。

 

「セイバーはあれだ、一度ブリテン旅行でも行けば良いよ。そうすれば分かると思う。えっと、そんだけ!!」

 

 俺の言葉を、皆が静かに聞いていた為に最後の方には思わず頬が熱を持つ。

 今まさに過去改変を成そうとしているものが何を偉そうに言おうというのだろうか。

 いやまぁ、俺は過去改変ではあるが未来を塗りつぶすつもりはないんだけど、それでも人に説教を垂れることができる存在でも無いというのに、何を言ってるんだか。

 でも仕方ないじゃないか。

 未来のセイバーを知ってるから余計かもしれないが、士郎と共にイチャイチャしているあのセイバーが消えてなくなるんだよ?

 そんなの寂しすぎる。

 

「わた、しは・・・・・・」

 

 続きを言い淀むセイバー。

 その姿は、王ではなく、悩みを持つ少女にしか見えない。

 そんな彼女だからこそ、前の世界でも全世界にファンを持つ“アルトリア”なのかもしれないが、今目の前でその姿を見る俺からすれば痛ましいことこの上ない。

 ああ、くそ。もうちょっと言いたい。

 言いたいけど、それをしてしまうとそれこそ未来のイチャイチャセイバーが見られない。

 何と言う二律背反。

 何と言う矛盾。

 だけど俺自身が決めたそのルールを、反故にはできない。

 神は死んだ。

 あ、いや俺はすぐ生き返るか。

 

「それで、そんな王ではない貴様たちは何を望むのだ。バーサーカーにキャスターよ。貴様たちは同盟を組んでいるのだろう?」

 

 自己矛盾に悩んでいると、今度は俺へとライダーが聞いてきた。

 

「俺も、言ってみれば過去の改竄が目的だよ。とある人達の死を無かったことにしたい」

 

「それに私が乗り掛かっているだけよ。目的は同じだもの」

 

「ほう。神となった貴様が蘇生を望むほどの存在か。さぞや高位の存在であろう」

 

 後ろに居る人妻とあっちの陰に隠れている不幸青年なんですがね。

 ・・・・・・確か切嗣さんはこの時点でまだ三十になってなかった筈だから、青年で行けるはず。

 

「まぁ誰かは内緒さ。それに他にも聖杯を手に入れなければならない理由もあるしね」

 

 それは勿論、聖杯が穢れているのが原因だ。

 そんなものを誰かに渡すつもりはない。

 そしてそれ自体は、切嗣さんに渡した資料にも乗せている。

 まぁ、信じてないだろうけどさ。

 一応過去のアインツベルンがやらかしたとは書いておいたけど、欺瞞情報と捉えられている可能性が高い。

 しかし今はそれで良い。

 むしろ、変に聖杯が穢れていると信じられるとどういった行動に出るか分かったものじゃないしね。

 

「うーむ、しかしこうなるとランサーの望みを聞けなかったのが悔やまれる」

 

 俺の願いを聞いた次に、ライダーはそう言い始めた。

 

 そういえば、ライダーは原作ではここに来る前にご丁寧にもランサーにも声を掛けたという風になっていた筈だ。

 しかし残念ながら、この世界では既に敗退している。

 うん、犯人俺だけど。

 

「だ、大丈夫大丈夫。彼の望みは聖杯が無くても叶えられるし……」

 

「ほう? ということは貴様が奴を下したのか?」

 

「下したというか、取引?」

 

 強制ではあったかもしれないけど。

 けどまぁ幸せそうだし良いと思う。

 例え、ケイネスせんせーがソラウさんにBBA呼ばわりするようになり、ソラウさんがケイネスせんせーに老け顔だしオールバックだからその内禿げるとか言っていたとしても、だ。

 ランサーに対する確執がケイネスせんせーから消し飛んだお蔭で心置きなくケイネスせんせーにランサーは仕えることが出来るようになったわけだし、無問題だろう。

 

 しかし問題はケイネスせんせーに掛けた魅了だ。

 もう解けている筈なのに未だに後遺症みたいなのは残っているし、そもそも異性に対して呪いが掛かる筈なのに無差別状態となっていた。

 イリヤから貞操は守り抜いたが、正直危なかったくらいだ。

 つまりイリヤにもやはり魅了はかかっていた。

 だがケイネスせんせーにも掛けることが出来た。

 何故?

 ・・・・・・いや、待てよ。

 俺は身体はロリだけど、中身は男のつもりだ。

 まさかそれが原因?

 そこへ俺の膨大な魔力が流れ込んで・・・・・・うん、魅了は呪い。はっきり分かんだね。

 

 そんな事を考えていると、またもやライダーは唸り出した。

 

「うーむ。であるならば後は・・・・・・、ふむ、丁度良い」

 

 しかし、顎髭を擦りながらライダーが考え事をしていると、その途中でライダーがニヤリと笑いそう言った。

 その理由は俺にもすぐわかった。

 この場所を中心にして、いくつもの気配が生まれたからだ。

 見れば、生まれた気配全てが黒い衣装に髑髏の仮面をつけている。

 アサシンだ。

 

「あ、アサシン!? しかもこんなに!!? 無茶苦茶だ!!!」

 

 そう言いながらライダーに駆け寄るのは当然、ウェイバー君だ。

 アイリさんに関しては、すかさずセイバーが近寄り守護に着いている。

 

「ふむ、これは貴様の計らいか?」

 

「時臣め、無粋な真似を・・・・・・」

 

 駆け寄ったウェイバー君を気にも留めず、ライダーは酒を啜りながらアーチャーへと問う。

 しかし当のアーチャーは、ライダーの問いには答えず苛立たし気にこれを首謀したであろう相手の名を吐き捨てる。

 

 えぇ・・・・・・、この状況でも遠坂のトッキ―はアサシンに特攻させるのか。

 戦力評価が目的だとは思うけど、切り札を使い潰すのは勿体無さ過ぎるというものだ。

 

「まぁ良い。ここに来たのであらば、まずはどうだ駆けつけ一杯。我らと共に語り合いたいというのならば受け取るがよい。客を迎え入れるのもまた王たる度量だ。我こそはというものが居るならばここへ来て盃を取れ。さすればこの酒は汝らの血と共にある」

 

 言いながら、ライダーは盃に酒を入れて掲げた。

 

 しかし―――、

 

 

「そうか、それが貴様らの答えか」

 

 掲げた杯が、放たれたナイフによって弾かれ、その中身を辺りへとぶちまける。

 それと同時に、静かに笑う無数のアサシン。

 そんな彼らを、ライダーは静かに見据え、立ち上がった。

 

「しかし言ったはずだ。この酒は貴様らの血と共にあると……」

 

 瞬間、豪風が辺りを襲った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「覚えた」

 

 そんな言葉が、静かにコウジュの口から漏れ出た。

 そしてその口は笑みを浮かべていた。

 

 辺りを見れば、先程まで皆が居たアインツベルン城ではなく、青天眩しい何処までも広がる砂漠地帯となっていた。

 そう、これは現実を塗りつぶした在り得ぬ世界。

 限りなく魔法に近い、使用者の心象風景で以て具現化した固有結界。

 本来ここには無いはずの場所だが、しかし使用者の望みに合わせ現実を押し潰すのがこの魔術の深奥。

 

「括目して見よ! これこそが我が心象にして最大の宝具!! 肉体は滅びその魂は英霊として世界に召し上げられて、それでもなお余に忠義する伝説の勇者たちだ。時空を越えて我が召喚に応じる永遠の朋友たち。彼らとの絆こそ我が至宝! 我が王道! イスカンダルたる余が誇る最強宝具『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』なりィィッ!!!!!!」

 

 そう声高に言うライダーの元へと数え切れぬ程の戦士たちが集う。

 それを見て、コウジュは尚笑みを深める。

 これでもう一つの脅威は消え去った。

 事ここに於いてはアサシンの強襲は無いかもしれないと諦めていたコウジュであったが、遠坂時臣は変わらずアサシンを差し向けた。

 しかしそのお蔭で、コウジュはチェックメイトへと駒を進めることが出来た。

 

 未だサーヴァントは自身も含めて6騎健在だ。

 それでも尚、コウジュは自信を持って言えた。

 手札は揃った、と。

 

 

 

「とりあえずは、うん、次はアサ子さんの確保かな」

 

 

 そう、確信(・・)したコウジュは笑いながら口にした。

 

 




いかがだったでしょうか?

所々ネタを入れつつあまり重くならないようにしたつもりですが、やはりここは重ためになってしまいますね;;

まぁそれはさておき、時々意味深な言葉を入れてみました。
それがコウジュの求める物へと繋がる訳ですが、ぶっちゃけ屁理屈みたいなものです。
しかし屁理屈も理屈となってしまうのがコウジュの能力。
テンプレチート物語だから仕方ないね!!!

しかしまぁこれで、Zero編も収束へと向かうことができます。
いやだって、あと4騎を倒すだけですからね、いや実質あと3騎か。
もう楽勝ですね!(目反らし

というわけで次回なのですが、ここで申し訳ないおはなしがあります。
次回は少しばかりリアル事情もあって更新できないかも・・・・・・。
出来なかった場合はまた活動報告にてお知らせします。

ではまた、よろしくお願いします!



P.S.
あともう少しでお気に入り登録も5000になりそう・・・。
更新日翌日とかでもないのにちょこちょこ登録人数を見てしまう私です(*´ω`*)


P.S.2
さてさて、監獄塔の次にあたるFGOイベは何でしょうね。
やっぱり復刻でしょうか?

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