テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

146 / 162
どうもonekouでございます。

遅くなりましたが、これにて第3部(Fate/Zero編)完! です!!


『stage26:衛宮さんちの今日のごはん』

  

 

 

 

『どうか、妹をよろしくね』

 

 

 

『その為なら、力の一部を使っていてくれても構わない』

 

 

 

『僕達には無い権能。歪めることで正しくするなんていうその矛盾。それがどうなるのか実に興味深いよ』

 

 

 

『君の矛盾が機能に至ることも、ともすればあるのかもしれないね』

 

 

 

『というわけで、とりあえずは頑張ってくれ』

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚める。

 

 布団に包まれていた身体はやけに汗で濡れていた。

 この身体になってからはそう簡単に汗をかくこともなくなっていたのに、汗で張り付いたシャツなどが不快感をこれでもかと産み出す。

 

 寝ぼけ眼のまま、自身の掌へと目をやる。

 いつもの見慣れた手だ。

 幼女の身体になってから既に数十年。

 生前の、男の身体で過ごした時間などとうの昔に過ぎてしまった。

  

「ふわぁぁぁああぁぅ、うぅ、起きるか・・・・・・」

 

 二度寝を誘う布団の誘惑を跳ね除け、もぞもぞと布団から身体を出す。

 状態異常耐性は低い俺だが、断腸の思いで眠気を振り切る。

 

 虚空からカードを取り出し、それを振るう。

 そうすると寝間着代わりのTシャツとスパッツがいつもの服装へと変化する。

 以前は出すまではファンタジーなのに着替えるのはアナログだったりしたが、今ではこんな事もお茶の子さいさいというものだ。

 

 着替え終えた俺は寝起きの柔軟を少しした後、洗面所へと足を運ぶ。

 

「おはよう。アンジュちゃん」

 

 顔を洗った後、鏡に写った自分に向かってそう呟く。

 当然と言うべきか、鏡の中の自分が返事をすることは無い。

 だがそれでも、俺はあの日からこの日課を続けていた。

 

 あの日、アンジュちゃんとの決着を終えた日、俺は無事に聖杯の願い(悪意)を飲み干すことに成功した。

 といっても、俺一人の成果ではない。

 あの時、一時的に意識を失ったが何とか持ち直し、そして流れ込む悪意を自分の力で消化し、昇華するため片っ端から喰らった。

 しかしアンジュちゃんが言っていた純粋な悪意。それが立ちはだかった時には疲労困憊だった。

 とはいえ俺も昔のままではない。

 かなりの精神的疲労を課せられてはいたが、それでも何とか食らい尽くすことが出来そうではあった。

 ただ、そこでアンジュちゃんが少しは手伝うと言ってくれたのだ。

 お蔭でそこからは驚くほどの呆気なさで泥を消化することができてしまった。

 そして俺は願いを叶え、その時得た“現実”を今の世界へと足した。

 特異点の平常化。

 過去を変えてもある程度は現在へと収束するというこの(・・)世界の性質を利用した裏技が成功したのだ。

 それは過去改変とは似て非なるものだ。 

 だがそれでも、“願い”は叶えることができた。

 ただその時の負荷もあってかアンジュちゃんは再びひきこm・・・・・・眠りについてしまった。

 俺の中へと戻ったアンジュちゃん――元は彼女の身体らしいが――は、眠たげな声で俺へと念話で暫く眠るわと伝えて、それ以来出てきてはいない。

 

 とまぁそんな事情もあって、彼女の存在を知った以上は彼女の身体に今後もお世話になる訳だし挨拶ぐらいはと思った次第だ。

 

 

「あらコウジュ、おはよう」

 

「ん、イリヤおはよう」

 

 後ろから掛かった声に、俺は振り向いて挨拶を返す。

 そこには麗しく成長したイリヤが居た。

 

「また鏡に向かって決めポーズしてたの?」

 

「したことないよ!?」

 

「ふふ、冗談よ」

 

 まるで俺をナルシストの様に突然言い出したから思わずツッコんだが、イリヤはいつもの如く揶揄いたかっただけのようで、愉快気に笑いながら俺の頭をポフポフと撫でる。

 願いを叶え、この時代へとあの第4次聖杯戦争を統合してからのイリヤは更に俺を揶揄うことが多くなった気がする。

 ただまぁ、同時に笑顔が増え、毎日を楽しげにこの家で過ごしているイリヤを見ていると怒るに怒れない現状だ。怒るほどの事をするわけではないというのもあるだろうけどさ。

 とはいえ彼女ももう30手前だ。

 そろそろ落ちつかないと嫁の貰い手が―――、

 

「――のわぁ!?」

 

「手がすべっちゃっったわ」

 

「どう手が滑ったら銀糸剣が飛ぶのですかねぇ!?」

 

「・・・・・・コウジュが言ってはならないことを考えた気がするからよ」

 

 ムスッとそんなことを言う彼女から俺は思わず目を反らす。

 何なの、何で皆俺の思考を読めるの? 俺の顔面やっぱりガバガバなの? それとも文字が顔に浮かび上がってるの!?

 

 とはいえ俺も慣れたもので、そのまま俺はイリヤへとその場を譲った。 

 ここへ来たということは彼女も顔を洗いに来たのだろう。

 

「まぁ良いわ。とりあえず士郎がもうすぐ朝ご飯が出来るって言っていたわよ」

 

「ふむ、それは急がないとだね」

 

 俺の大雑把なセッティングと違ってイリヤは洗面台に立ってからが長いので一足先に居間へと向かう。

 俺の場合、寝癖なども特につかない謎仕様だし、化粧やらはついぞしたことが無いのでジャバジャバっと洗ってお終いなのだ。

 チートボディ様様だ。

 

 トコトコと居間へ向かって歩けば、鼻をくすぐる良い匂いがしてくる。

 

「この香り・・・・・・、ミソスープ!」

 

 スパンッと障子戸を開け、身を乗り出す。

 

「あらコウジュちゃんおはよう」

 

「・・・・・・バーサーカーか、おはよう」

 

「あ、おはようございます」

 

 戸を開けるとそこには甚平を着た切嗣さんと浴衣を着たアイリさんが座っていた。

 勢いよく開けた戸を静かに閉め、中へ入っていつもの場所に座る。

 

 するとアイリさんが頬を膨らませながら切嗣さんに話しかけていた。

 

「それにしても、切嗣ったらまたバーサーカーって」

 

「勘弁してくれ、未だに慣れないんだ」

 

「もぅ、私たちは既に家族なのよ?」

 

「いやアイリ、ついこの間まで敵同士だったんだが・・・・・・」

 

 困ったようにアイリさんへと返す切嗣さん。

 うんまぁ普通そうだよね。

 でも、今はアイリさんの言う様に一つ屋根の下で暮らす家族なのだ。

 とは言え俺も未だ少しばかり距離感を掴みかねてるが・・・・・・。

 

 そう、そうなのだ。

 今俺達は一緒に暮らしているのだ。

 場所は勿論、勝手知ったる衛宮邸。

 以前は俺達が居ても尚広く感じたあの屋敷だが、今では少々手狭に感じるほどにぎやかになった。

 その要因の一つが、目の前の二人だ。

 士郎の養父と義母にあたる、切嗣さんとアイリスフィールさん。 

 あの第4次聖杯戦争を終えたことで救うことのできた二人だ。

 

 そして二人には、あの時の記憶がある。

 同時に、記憶というよりは記録のような客観的なもののようだが、変わる前の、死ぬに至った際の記憶もあるようなのだ。これに関しては桜ちゃんの身体から時間を斬り取った時と同じようなことが起こっていると思うのだが、詳細は不明。

 とにかく、二つの経験を持った二人としてここに居る。

 

 そりゃ勿論最初は二人とも戸惑うなんてレベルではなかった。

 特に切嗣さんなんかは絶望の果てに望んだ救済が失敗に終わるどころか、願いを託したものが汚染されていたという記憶もあるのだから錯乱した。

 だがそんな彼も、イリヤが涙ながらに抱き付いて暫くすれば落ち着き、アイリさんもそこへ混ざって親子3人で涙ながらにここへ至るまでの話をして一段落着いた。

 俺は親子水入らずを邪魔しないように抜け出そうとしたんだけど、イリヤがダメだと言うので結局最後まで居た。

 気まずいなんてものじゃなかったが、それでもイリヤが俺と共に辿った軌跡を自慢げに話す姿を見てしまえば何も言えなくなってしまった。

 そして、アイリさんからは感謝を、切嗣さんからは何やら複雑な表情を頂いた。

 まぁ、そう割り切れるものではないだろう。

 

 一応、俺からもどうしてこんな事をしたのかという説明はした。

 ただの過去改変ではなく、上書きではなく、特異点化した上で現在へ加えるという裏技的な方法を取ったのは、過去を無くしたくなかったという俺とイリヤ二人の我が儘であること。

 確かに覆したい過去ではあったけど、その中で得られた経験を無かったことには出来なかった。

 その最たるものが俺とイリヤが出会ったというその事実なわけだが、それを言われた切嗣さんは尚の事微妙な表情をしていたのは印象深い。

 でもそうでもしないと、他に思いついた方法と言えばイリヤが全く聖杯戦争に関わらないなんていう世界線なのだ。第5次聖杯戦争そのものが起こらないような。

 しかしそうなると、連想するのは『Fate/kaleid liner プリズマイリヤ』の世界だ。

 まぁあちらは完全にパラレルワールドなわけだが、そんな思考が頭の片隅に残ってしまっていたら俺の能力上、プリヤの世界に近づいてもおかしくは無い。一級フラグ建築士(悪い意味で)ばりの決められた流れを沿ってしまう可能性があるのだ。

 最悪の場合、20代のイリヤがカレイドライナーをすることになるなんてこともある。

 一部の紳士淑女の皆さまには喜んでいただけるかもしれないが、そんなことをしてしまえば俺が殺されかねないので却下と相成った。 

 寧ろ実際その話をしたら殺されそうになった。

 殺しても死なないじゃないとか言われる俺の身になってください。

 

 そ、それはさておき、そんなやり取りから早一週間が経過した。

 そして勿論、この屋敷には彼も住んでいる。

 というか、むしろ今の主は彼だと言っても良い。

 

「コウジュ、おはよう。丁度朝ご飯が出来たところだ」

 

「おはよう。大丈夫、匂いでわかった」

 

「お、おう」

 

 奥のキッチンから出てきたのは、皆の主人公、士郎だ。 

 30目前というのもあって、というか元々の性格もあってやけに老成した青年になった彼もまた、切嗣さんとの再会に涙してくれた。

 いや、最初は怒られたのだ。

 現在を否定するために過去をやり直すのは違うと。

 そこで慌てて俺は過去改変じゃなくて云々かんぬんと説明をすれば、なんだそれと苦笑された。

 そして、助かった命を否定するのも違うよな、と頭をポンポンと撫でられてしまった。

 

 そんな士郎を見て、切嗣さんはまた複雑な表情をしていた。

 見た目は実際にそのまま生きていた場合の年齢になっているのだが、それでも40台の筈なのに色々あった所為でやけに老けて見えてしまっている。

 その原因の一端が自分なので目を反らさざるを得ないが、現代の英雄と言われるまでに活動している士郎の事を知ってしまえば複雑な思いも産まれるだろう。

 あとはまぁ、嫁さんが3人も居て、しかも子供まで居るとなると、名実ともにお爺ちゃんになってしまった切嗣さんとしては何を言えば良いのかというものだろう。

 でもあなた舞弥さん居るよね?

 

 あ、ちなみにその舞弥さんだが、彼女もこの屋敷に住んでいたりする。

 士郎が何やってんだよ爺さんという表情で見ていたが、彼も彼なので何も言えないようだった。

 それぞれの嫁さん達は、血は繋がっていなくてもやはり親子なんだなという表情をしていたが。

 

 まぁそんなわけで、今この屋敷には多くの人が生活をしている。

 士郎、セイバー、凛ちゃん、桜ちゃん、そしてそれぞれの子どもたち。

 そこに切嗣さん、アイリさん、舞弥さん、イリヤ、俺、後は白レン。

 なんだこのカオスは。

 一番のカオス要素が何言ってるんだとか言ってはいけない。

 あ、白レンは今の時間だと朝の散歩だろうけど、契約もあって彼女も今では俺の眷属みたいなものだ。

 

 

 そうこうする内に、続々と住人が集って来た。

 それぞれに挨拶を返していき、大人数になった故に付けたしたテーブルをみんなで囲う。

 気づけば白レンもシレっと混ざっていた。

 桜ちゃんは士郎と一緒に料理をしていたのかキッチンの奥から出てきたのだが、一番奥さんしているよね。

 セイバーは食べる専門だし、凛ちゃんは低血圧だからか朝はひどい。

 

 今日の朝食は白飯、味噌汁、焼鮭、ほうれん草のお浸し、だし巻き卵、その他お漬物だ。

 いただきます。

 

 

「コウジュー! 食べさせてー!!」

 

「あ、私もー!!」

 

「だ、駄目だよっ。二人とも!」

 

 気づけば3人の子どもたちに集われる俺。

 この子達は勿論、セイバー達と士郎の子どもだ。

 俺がこの世界を去る時には未だ彼女らのお腹の中だったのだが、戻って来てみれば既に幼稚園に通う歳だ。

 イリヤが伯母さんと呼ばれて目元をピクつかせていたりしたのだが、俺に関しては見た目が似たようなサイズだからかやたらと絡んでくる。

 ええい、これでもこの中で一番年上なんだが!?

 しかしそんな物は知ったことかと事あるごとに構ってくる彼ら。

 士郎とセイバーの間には男の子、凛ちゃんと桜ちゃんは女の子を産んだのだが、まだまだ子供な為よくはしゃいでよく笑う。

 

「お前たち、ご飯中は静かにと言っている筈です」

 

 セイバーから注意が入る。

 流石にご飯中は静かにしないとだよな。

 ただまぁ、ものすごい勢いでご飯を食べながら言われても少しばかり説得力に欠ける。

 なのでチラリと目線をずらせば・・・・・・。

 

「皆、早く食べなさい?」

 

「「「はい」」」

 

 とまぁこんな感じに桜ちゃんが微笑みながら注意をしたら静かになるというのがここ数日のパターンだ。

 彼女はいつも静かに怒るのだが、その際に髪の毛がゆらゆらと怪しく揺れて、影も何やらざわつくので正直に言って滅茶苦茶怖い。

 思わず俺も姿勢を正して食事に戻る。

 

 黙々と食事を取りながら、順番に見ていく。

 それぞれがそれぞれに、笑ったり、困った顔をしつつも会話をしたりと、食事をしている。

 うん、些か騒がしい気もするけど、これこそ日常だよな。

 頑張った甲斐が有ったと思う。

 

 前にこの世界を出る際には設立されていた会社は、今ではかなりの大手になり、各国でボランティアなどの救援活動を始め、様々な方面で活躍している。

 その中の主要メンバーには新たな生を得た元サーヴァントの皆や、その後の活動で繋いだ縁を基に集った面々が活動をしてくれている。

 資金源はメディアさんが部長を務めるアイドル部門やメディア関係(テレビ的な意味での)、それからアニメやゲームなどのサブカル方面が主だ。

 他にも桜ちゃんが務める生活用品や立ち上げたブランド部門も活動資金となっている。

 あとはまぁ、金ぴかの黄金律もやばい位に効果を発揮していたりする。

 ただ、一度ショタ化してから大人になったのもあって多少は丸くなっていてもやはり我様なのは変わらず、好き勝手に放浪しながらあちこちで伝説を生み出していたりする。

 そんな活動もあって、現代の英雄として各人が有名になっていた。

 その中には勿論士郎の姿もある。

 とはいえ切った張ったの殺伐とした意味での英雄ではなく、アメコミの様なヒーローといった言い回しが丁度良いだろうか。

 そしてその活動へと、士郎は切嗣さん達を誘っている。

 確かに聖杯の様な願望器で以てして世界を平和にするのに比べれば非効率的かもしれない。

 けれど着実に、世界は平和へと進んでいる。

 神秘の秘匿がどうとか言っている奴らも居るが、結局のところバレなければ良いのだ。

 だからちょっとばかし国境を越えて転移するぐらいは許してほしい。

 あと、ちょろっと政治家さん達と協力したりなんかして不正を暴いたりとかもしているが、これも一種の人助けだろう。

 そうやって少しずつ同志も増えて、規模も拡大して、それなりに成果も出せている。

 まぁまだまだな部分もある。

 だから切嗣さんにも手伝ってほしいのだが、彼は様々な葛藤もあって中々頷いてはくれていない。

 とはいってもその内に首を縦に振ってくれているだろう。 

 何よりもアイリさんがノリノリだし、イリヤも色々と画策しているようだしね。

 イリヤの小悪魔成分は日に日に成長しているから、パパさんとしては逃げられはしないだろう。

 

 そういえば、第4次聖杯戦争で関わった他の面々も生存している状態なので、そちらも報告が必要か。

 

 まずウェイバー君だが、原作通りロード・エルメロイⅡ世として活躍している。

 ただし、同じく生存しているケイネス先生が生存しているので一悶着が有った。

 というのも、ケイネス先生はあの後も好みの対象がロリのままに何故かなってしまい、穢れなき乙女とやらを夢に見ながら根源を目指している状態になった。

 これに関しては謝るしかないのだが、どうやら大人の女性というものに愛想が尽きたらしい。

 何を悟ったんだ彼は。

 でもまぁその加減もあって未だに独り身であり、教師職としては退くことを決めたためその次代として名が挙がったのがウェイバー君だった。

 何故そうなったかは、意外にもケイネス先生の推薦が有ったかららしい。

 あとは、彼の義妹であるライネス・エルメロイ・アーチゾルテの推薦もあったとか。

 どうしてそうなったか俺にもよく分かっていないが、その結果アーチボルト家は更なる躍進を遂げ、ウェイバー君自身も時計塔の講師として天才的な手腕を発揮し、魔術師としても大成している。

 まぁ、一つ気になる点があると言えば、定期的にウェイバー君がメディアさんに胃薬を頼んでいること位だろうか。

 

 あとの生存者としては、例の石田声の殺人鬼君は牢屋の中として、麻婆か。

 あいつの場合は、第5次後の彼とそのまま変わらず、世界を練り歩き、マジカル☆八極拳を使いながら世直しの旅に出ている。

 なにやらスカートをはき忘れた系の修道女と、アルビノ系美人聖女さんと共に旅をしているらしいが、何がどうなってそうなったのかはこれまた不明だ。

 まぁ、それなりに楽しんでいるようで何よりである。

 

 あとは・・・・・・、そう冬木市の大火災に関してだが、あれはやはり起きてしまった。

 ただ、世界の修正が入った結果、事前にガス漏れが分かり全員が避難した後に大火災が発生したという形になったようだ。

 つまり、怪我人は出たモノの死者は奇跡的にゼロだ。

 最初の大火災という歴史と、俺が起こした2度目の第4次聖杯戦争では火災そのものが起こらず死者は出ていないので、結果的にそう収束したようだ。

 ご都合展開? 大いに結構。

 それを願ってあんな大それたことを起こしたのだから、大勝利というものだ。

 まさしく完全無欠のハッピーエンド!!

 

 ただ、欲を言えば未だ目覚めないアンジュちゃんの事だろうか。

 無理をして出てきたと言っていたからしばらくすればまた出てきてくれるとは思うのだが、折角意思の疎通ができたところなので寂しい。

 それに、イリヤにも紹介したい。

 何やらイリヤも早く会って挨拶しないとって張り切っていたし、その機会が早く来ることを願っている。

 白レンも気合を入れていたが、何でシャドーボクシングを始めてるんだ?

 

 ま、そんなわけで、今日も今日とて平和な一日が始まる。

 平和と言っても悲劇は未だ溢れているので駆逐しに行かないとだが、一先ずはこの平和な朝食を噛み締めようと思う。

 それに、どうやら俺はまだまだ行くべきところがあるようだ。

 いつもの如くどこからかメールが来たが、また10年ぐらいすれば次の世界だそうだ。

 俺のこの身体がアンジュちゃんのモノだったと分かった訳だが、それでも引き続き俺のやることは変わらないらしい。

 なら、俺は変わらずハッピーエンドを目指して頑張るだけだ。 

 どこぞのガンバリマスロボじゃないが、俺には我武者羅に突き進むこと位しかできない。

 

 

 

 だってバーサーカーだもの。コウジュ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おーい、坊主は居るかー? 鯵釣ってきたんだが、またなめろうとか頼むぜー』

 

 

 

「・・・・・・はぁ、またかランサー。まあうちとしては家計が助かるが」

 

 おっとどうやらランサーが来たらしい。

 聞こえてきた声に士郎が溜息を吐いた後、出迎えに行った。

 

 

 

 

 今日もまた、騒がしくなりそうだ。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

少しばかりあっさりした終わりになりましたが、あってほしかったifを作れたのではないかと思っています。
何かを忘れている気もしますが、あちこちにネタを入れられたし結構満足しております。
Fateシリーズに関するネタも入れられましたし、サブタイは実際にあるFate関連作品の一つとして好評連載中のもですが(ダイマ)、最後にランサーが絡んできていたのもその辺りのネタだったりします。
夜中に見ることはお勧めしませんが、個人的には素晴らしいifなのではないかと思います。
この最終話もそんな世界を想像しながら書いてみました。
ぶっちゃけて言えばFate世界がギャグ時空へと変わってハッピーエンド(ご都合主義)ですねw

ここまで読んで頂いたことで様々なご意見があると思いますし、感想や評価で色々意見も頂いております。
勿論厳しいお言葉も頂いておりますが、それも一つの成長をするための材料として噛み締め、ちょっと涙目になりながらも、今後も何か書きたいなと思っております。


それでは、ここまで付き合ってくださった皆様!
今後ともよろしくお願い致します!!
続編に関しては今のところ決まっていないため未定ではありますが、また皆様の御暇つぶしにでもなることができればと思っております。
どうか皆さままた出会えることを願っております!!
ではでは!!



P.S.
気付けば始まっている水着イベなFGO・・・。
ガチャの結果はみなさまいかがですか?
今年はなんとか去年の負けを取り戻すことができました。
ただ、まだ2部がある上に、頼光ママの水着がどこかで出てくるんですよね・・・。
ボーナスが消し飛んでしまう;;


P.S.2
中々まとまった時間が取れないですが、次回作に関して何かないかと模索中です。
アンケはここでとったり感想でも駄目らしいのですが、アンケとかしたら何人かの方だけでもこの零細SSに意見を下さるでしょうか・・・。
とはいえそれを書くだけの技術があるかはさておきですがw


P.S.3(追記)
書き忘れていたのですが、最後の方のTS神コウジュが最初からやりたいネタの一つでした。
寧ろこれをキーワードにしていきたかったというか・・・・・・。
勿論伏線にしたからにはちゃんと回収したいと思います。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。