テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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お久しぶりですonekouでございます。

いやぁ、月日が経つのは恐ろしく早いですね。
気付いたら3週間も経っていました・・・。
その理由はまた後書きで話したいと思いますので、一先ずは本編へどうぞ!


『stage9:この緑の悪魔にも祝福を!』

 

 

 

「あは」

 

 

 

 ―――駆ける。

 

 

 

「・・・・・・ははは」

 

 

 

 ―――――幾度も幾度も、ひたすら腕を振るう。

 

 

 

「あっはははははははははハハハハハハハハハハハハハっ!!!! ああ、楽しいなぁおいっ!!!」

 

 

 

 ―――――――――思うがままに食らっていく!

 

 

 

 

 コウジュが走り抜けた後には、活動を停止したソレらがただ転がる。

 中にはまるごと食われ、霞のごとくその存在を霧散させたものもあった。

 いや、ソレらにとってはこの場で食われた方がまだ幸せだったかもしれない。 

 どうせ食われる運命は変わらないのだ。

 ならば早々に、一瞬の間に、苦しみも無く逝かせてやるのが慈悲であろう。

 そんな思いを胸に、コウジュの目は次の獲物へと向かった。

 

「さぁ次だっ!!!」

 

 手にした武器を、縦横無尽に振り回す。

 セイクリッドダスター、コウジュがお気に入りにしている武器の一つだ。

 虎の前足のように爪の付いた手甲、その蒼い氷爪が触れる度、敵が凍り付き地面へと重い音を響かせゴトリと落ちる。

 

「つぎっ!!!」

 

 コウジュが次の獲物へと目を向ければそこには無数の影。

 パッと見ただけでも数十の敵がそこには居る。

 だが今のコウジュにとっては物の数ではない。

 餌だ。

 餌でしかない。

 自身の飢えを満たすだけの食べ物でしかない。

 そう認識してしまった以上、ソレ(・・)らはもはやコウジュに喰われる運命しかない。

  

「ああ、美味しいなぁ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ハハ、やっぱりバーサーカーじゃないか」

 

 コウジュのバーサーカーじゃないよ詐欺はこれで何度目になるであろうか、目の前で縦横無尽に走り回り、飛び交うそれを次々と仕留めて行く様を見てしまえばコウジュの言葉を信じる訳にはいかなくなる。

 右、いや左か? 目で追うのも難しい程の速さでソレ(・・)を仕留めて行くコウジュ。

 弾丸の如く、対象は飛び交いこちらへと迫ってくる。たとえ屈強な戦士であろうとも、一度食らえば軽々と吹き飛ばされてしまうだろう。

 だがそれほどの威力であるというのに、コウジュは上手く叩き落としていく。

 確かに、敵の飛んでくる早さは俺の目でも追えないほどではない。

 しかし数の暴力というものをその身で表すように、次々と全身全霊で当たりに来られればどうしようもない。

 幸いにも殆どのタゲをコウジュが取ってくれているからか、俺たちの被害は少ない。

 お陰で俺たちも攻勢に出やすくはなっているが、目の前の暴風(コウジュ)につい目が行きがちになってしまう。

 

 コウジュはまるで慣れているかのように、次々に飛んでくるソレらを穿ち、捌き、仕留めていく。

 全方位から突き刺さるように飛んでくるモノを捌くような状況とはいったいどんなものだろうか? 想像もつかない。

 だが一つ確定なのは、コウジュが経験したその状況に比べて今の状況はそれほどの驚異ではないのだろう。

 余裕があるからか、隙があればコウジュは大口を開けて食らいつく。

 明らかにコウジュの口よりもソレらは大きいというのに、一瞬でその姿は消えてなくなる。

 本当にそこに何かがあったのか目を疑うレベルだ。

 しかし満足げに次の獲物へと飛びかかるコウジュの姿を見てしまえば、目の前のこれ等はコウジュにとって唯の"食料”でしかないのだろう。

 事実この場はコウジュが蹂躙するだけの場所となっている。

 俺も影で動いてはいるが、コウジュには遠く及ばない。

 

「・・・・・・ああくそ、流石に飽きたぜぃ」

 

 コウジュがそうボソりと呟く。

 それはそうであろう。

 先程から少なくともコウジュは同じものを数十個(・・・)は口にしている。

 明らかにコウジュの体積に比べて多い量なのだがそれはこの際おいておくとして、()でそれだけ食せば当然飽きも来よう。

 

 

 

 

「マヨネーズほしい」

 

 

 

 

 うん、そりゃそうだろうね。

 キャベツ(・・・・)をそのまま食い続けたら誰でもそう思うだろうね。

 

 そう、キャベツ(・・・・)だ。

 紛うことなきキャベツなのだ。

 今俺たちに襲いかかっているのは、キャベツなのだ(集中線

 

 いや、まってほしい。

 前にもやったくだりな気はするが別に気が違ったわけではない。

 ただ、この世界のキャベツはどうやら飛ぶらしいのだ。

 アクアが教えてくれたのだが、この世界のキャベツは収穫の時期が近づくと旨味をその身体へと存分に蓄えつつもそう容易く食されてたまるかと自力で空へと飛び上がり、そのまま人知れぬ奥地まで飛び去り、静かにその生涯を終えるらしい。

 つまり今回の緊急クエストは、討伐クエストではなく収穫クエストだった。

 何でも、人知れぬまま萎びれさせるには勿体ないほどに美味しいらしく、腐る前に我々で頂こうということらしいのだ。

 しかもこの時期のキャベツは高級食品とされるらしく、ギルドのお姉さんは状態が良いものは一玉一万で買い取ると言っていたりする・・・・・・。

 

 たまにコウジュが作ってくれる野菜炒めのキャベツが滅茶苦茶美味しかったのはこれか!?

 先程ダクネスの事をキャベツのお姉さんと言っていたことからその出どころは分かった訳だが、今までに3度ほど持って帰って来て作ってくれた野菜炒めはそれはもう美味しかった。

 日本に居た時も春キャベツは甘みがあっておいしいと思っていたが、それとは比べ物にならない程の味だ。

 思い出すだけで腹が減る。

 

 そんなふざけた存在が今回の対象な訳だが、正直なところを言うとこのクエストは頑張りたいところだ。

 成功報酬が出来高制ではあるが破格の値段設定というのが大きい。

 先程コウジュが美味しいと言っていたのは味もそうだが恐らく、その報酬も込みでの話であろう。

 ただ問題は、キャベツだというのに結構な攻撃力を持っていることだろう。

 普通に考えればボーリング玉ぐらいのサイズがあってそれなりに固く、ボーリング玉とまではいかなくとも重さも結構あるものが自分の身体目掛けて次々に飛んでくるとか悪夢でしかないよな。

 キャベツとは・・・・・・、そう真剣に考える日が来ようとは思わなかった。

 まあそれをスパンスパン叩き落として、更には摘まみ食いまでする余裕があるコウジュは何なのかちょっとばかしどこぞの駄女神に聞いてみたくはあるが、その駄女神は悪い顔をしながら一人別行動でキャベツ回収に勤しんでいるのでそれも出来ない。

 

 改めてコウジュへと視線を戻す。

 

 コウジュが腕を一振りすれば、その近くにいくつもの凍りづけキャベツが転がる。

 当然ソレらはコウジュが仕留めた獲物であるからして、足元にソレが転がる度にコウジュの懐に数万のお金が入ることが確定していくわけだ。

 多少摘まみ食いしたところでそれ以上に現在進行形で稼いでいっているコウジュは、楽しくて楽しくてしかたがないといった様子で笑みを浮かべ、この状況に興奮を隠しきれないのか息を荒くして頬を赤く染めてすらいる。

 そんなコウジュを、この場に居る多くの冒険者達がそれぞれ闘いながらも見ていた。

 その戦闘力に驚きと憧れを秘めた瞳を向け、憧憬の念を抱いている。

 ただ、そんな冒険者がほとんどなのだが一部、コウジュを見て鼻の下を伸ばしている冒険者が居る。勿論男だ。

 

 分かる。分かるよ諸君!

 

 先程はこの緊急クエストを告げる放送の所為で流してしまったが、今のコウジュはこれまた危うい格好になっているのだ。俺の目もついつい引っ張られてしまう。

 ぶっちゃけて言えば、露出度としては前よりも減っているだろう。

 あの健康的なおへそは見えなくなっているし、肩や背中なんかも見えはしない。

 しかしながら脇が甘い。

 ぶっちゃけ横から見たらやばくないですかあの服。

 前から見たら丈の短い白チャイナといった感じだ。長い袖が有るため道士服にも見えるだろうか。

 だが! 一度腕を上げればあら不思議!

 脇は普通に見えてるし、前後に垂らした布を繋ぐのは細い紐だけなのでインナーも見えてしまっている。

 パッと見た感じインナーは、ゴムっぽいチューブトップの物とスパッツっぽいものを着ているみたいだが、それが余計に体のラインを浮き立たせていて青少年の目にはよろしくない。 

 結論、むしろエロイ。勿論言わないけど。

 え? 戦闘は見えないのにどうしてそんな所は見えるのかって?

 何言ってんるんだ健全な青少年なら誰でも出来る技能だろうに(真顔

 

 ・・・・・・おっとすまない青少年の溢れ出る欲望を抑えきれなかった。許してほしい。

 

 だが考えてもみてほしい。

 2次元にしか居ないような容姿の美少女が身体のラインが出てしまうインナーをチラチラさせているんだよ?

 重要なのは勿論、もろ見えではなく隙間からチラチラと覗かせている所。

 見るだろ。普通。

 ただでさえ前の世界では女の子との接点が無い生活をしていたのに、目の前で揺れられたら幾らなんでも見るなという方が無理だ。

 つまり俺は悪くない。

 周りを見れば女慣れしていそうな奴らでさえも健康的に揺れたりしているコウジュの方へと目を向けてしまい、即座にキャベツの猛攻を受けて地面に沈んで行っている。

 槍使いらしき男もキャベツを腹に受け悶絶している所を、パーティ仲間だと思われる女性に追撃で顔をぶん殴られてたった今地面へと沈んだ。

 うん、まあ副次的な結果もありきで沈んでいる人もいるが、やはり男の性としては目が行ってしまっても仕方ない。

 昔掲示板だったかで見たが、男は相手が女装したおっさんであってもスカートがひらりと翻れば目で追ってしまうとか何とか。そして見た後に後悔する。

 分かるー!とその時は見たことも無いのに思ったものだが、実際この状況で俺は命のリスクも掛かっている場であるのに見てしまっている。

 つまりはそういうことだ。

 やはり俺は悪くない(QED

 

 とはいえ先にも言ったように、キャベツではあるがその脅威はそれなりのものだ。 

 ついついコウジュのチラチラに目が持っていかれそうにはなるが、そこはそれ、幾つものFPSゲームなんかもやってきた俺にとっては視界の端に入れつつも全体から目を反らさないなんて芸当はお茶の子さいさいというものだ。つまりお菓子を食べるくらいの手間と同じ。

 他の奴らみたいにまじまじと見てしまいキャベツのクリーンヒットを貰うなんてヘマはしない。

 今だってそうだ。

 コウジュが『キョトーリュー!』とか『コノメニウー!』とか言いながらばったばったとなぎ倒し・・・・・・薙ぎ払い?ながらキャベツを乱獲しているのを見つつも、俺自身へと飛んでくる幾つものキャベツを避けていき、隙の大きいやつを細々と確保している。

 惜しむらくは今はまだスキルを俺が持っていないことだ。

 

 この世界には“スキル”というものが存在する。

 まるでゲームのような話だが、事実ゲームのように冒険者たちはそのスキルを獲得し、磨き、日々の糧を得るための道具とする。

 例えばめぐみん。

 彼女が使う『爆裂魔法』も魔法系スキルということになる。

 ただし魔法系スキルを得る者は得てして魔法系の職業についており、魔法系の効果を上げるスキルなんかも取るようにしている。

 そもそもスキルはそのスキルに適した職業でなければ会得できない様になっていたりする。

 近接系は近接系、魔法系は魔法系、回復系は回復系といった風に。

 しかしその中で唯一の例外が冒険者だ。

 冒険者だけがどのスキルでも取得可能となっている。

 うん、そうだよ。可能にはなっている(・・・・・・・・・)

 結論を言うと、冒険者は確かに全てのスキルを得る可能性を秘めているが、そのスキルを習得するために必要なスキルポイントが適正職業に比べてかなり高い。 

 更に言えばスキルポイントというのはレベルを上げた際に貰えるものであって、そう易々と獲得できるものではない。

 ぶっちゃけ、強力なスキルとかたくさん取る頃には俺は御爺さんだ。

 

 まあでも、ここから回りを見ている分にはそれほどポイントは高くなさそうだが使いようによってはかなり良さそうなものが幾つか見て取れた。

 このクエストの前に取れていれば稼ぎは結構なことになりそうだったのだが、今更遅いよな。

 ここは諦めて前向きに、今後取るべきスキルを物色しておくのが吉だろう。

 取りたいものが取れるとは思えないし、幅を広げておいて損はないはずだ。

 何せなぜそんなにも必要なのか訳がわからないほど必要スキルポイント数が高いスキルなんてのもあるそうだ。コウジュが遠い目をして言っていた。

 ちなみにスキルを取る場合、先ずはそのスキルを保有している人に目の前で見せてもらい、理解が深まったら冒険者カードの取得可能スキル欄に出てくるからそれを保有しているスキルポイントを使って取得するというのが流れらしい。

 だから今は欲しいスキルを誰が使っているのかというのも含めて観察中だ。

 ただ、これらはコウジュが教えてくれたことなのだが、実を言うと一番欲しいスキルはそのコウジュの“アイテムボックス”だったりする。

 だってさ、異世界転生に於いて代表するチートスキルと言えば“アイテムボックス”か“鑑定”だろう?

 いやまあ現代知識チートとかもあるが、それはあくまで知識依存だ。

 他にも挙げられるものはあるが、下剋上系チートの定番と言えばこの二つが挙げられるだろう。

 実際見ていて思うのだが便利過ぎるだろう『アイテムボックス』のスキル。

 コウジュのは特に、料理などは入れた時そのままになるし、アイテムボックスから直接射出なんてことも出来るようだ。容量に限界もあるのか分からないとか言われたし、生物も入れられるのかどうか場合によるとか言い出した。何だ場合によるって・・・・・・。

 

 とまあそんなわけで、このクエストが一段落すればコウジュに一度話を聞いてみようと思うのだ。

 他にもどんなスキルを持っているのか気になるしな。

 というか聞いておかなければその内に巻き添えを食らってしまいそうだ。

 何せあのケモ神様ってばうっかりフレンドリーファイアーするんですもの。

 ついつい許してしまいそうになるが、ここは断固として聞き出さなければそのうち俺の頭が禿げてしまう。物理的に。

 今までは来歴を聞いちゃった加減で何となく聞きづらかったんだが、今回のことは良い機会だろう。

 どこからともなく出している武器やら何やらも含めて教えてもらおうじゃないか。

 

 そう思ったところで、何やらゾクリと嫌な予感がした。

 

 何だ何だと周りを見れば他の冒険者たちも浮足立(うきあしだ)っており、何人かは町へと引き返し始めた。

 よくは分からないが俺も引いた方が良いか、そう思って踵を返そうとしたところで最前線に居たコウジュと目が合った。

 コウジュは涙目になりながらこちらへと走ってきており、何かを叫んでいる。

 俺は思わずその言葉を聞こうと足を止めてしまった。

 

 

 しかし次の瞬間、横から伸びてきた手に引っ張られて―――、

 

 

「伏せるんだカズマ!!!」

 

「むぎゅ!?」

 

 

 ―――あ、やわっこい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「エクスプロージョン!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――次の日。

 

 

「はぁ、酷い目に遭った」

 

「ぷっくくく、ホントえらい目にあったなぁカズマ」

 

「笑うなちくしょう!」

 

「ごめんって、でも鼻血で失血死しそうになるとかどれだけ耐性が無いんさ。ま、あのロケットにパフパフされたんだから分からんでもないけどさ」

 

 くつくつと笑いを止められずに居るとジト目でこちらを見るカズマ。

 しかし許してほしいものだ。

 カズマってば、めぐみんが最後にはなった爆裂魔法に巻き込まれそうになっていたんだけど、その時にダクネスが横から引っ張ってカズマを庇った。

 その時に覆いかぶさる形になって、しかも運が悪い事に(良い事に?)ダクネスは胸鎧を破損していたから顔面を胸の間に挟まれる形になった訳だ。

 そしてその後カズマは盛大に鼻血を噴き出し、応急手当てを受けることになったというわけだ。

 最初見た時はあまりにもなスプラッタ具合にダクネスは勿論のこと、駆け寄った俺もかなり焦ったものだ。

 だけどよく見たら表情は幸せそうだし、プリンがどうこう気を失いながらも寝言を言っていたので安堵したのは既に昨日の話だ。

 まあどちらにしろ支払いは次の日という話だったから丁度良かったけどさ。

 

 さておき、ところ変わって俺たちはギルドへと来ている。

 調子も戻ったカズマを連れて、いつものメンバーでギルドにて報酬を受け取ったところだ。

 カズマも裏でちょくちょくと動いていたようで良い稼ぎになったようだが、どうもまだ昨日のことを引きずっているらしい。

 めぐみんはというと報酬を受け取るなり杖を新調すると言ってギルドを飛び出していったところだ。

 ダクネスも受け取った報酬で鎧の修理へと向かった。

 今回の事でカズマも彼女のパーティ入りを快く認めてくれたので、晴れて彼女も仲間となった。

 カズマが恩を返したいだけで別に認めた訳じゃないからな!とかってツンデレみたいな台詞を言っていたのが面白かったが、何故かダクネスは喜んでいたので丸く収まったとしておこう。

 アクア先輩は丁度受け取りに行っている所でこの場には居ない。なんだかちょっと揉めているようだけど大丈夫かね?

 そういえばアクア先輩が今回の報酬は山分けではなく、それぞれの捕獲数ごとにしようって言い出してそうなったんだが、まあどうせ悪巧みでもしようとして失敗したんだろう。

 

 それにしてももうね、うっはうはですよ俺の懐。

 くっふふふふ、金貨がざっくざくさ。

 キャベツが一個1万ですよ皆さん。口調もおかしくなるというもの。

 それを俺は百個以上ゲットし、更には自分用にアイテムボックス内にもまだ数十個入れてある。味見も済ませてある。

 この世界についてあまり詳しくは知らなかったんだけど、まさかこんなに美味しい(二つの意味で)クエストがあったとはね。

 

 そんなこんなで懐も温かくなっている俺はシュワシュワという飲み物でも頼もうとしていた所、対面に座っていたカズマがこちらを窺うように見ているのに気付いた。

 

「どったんカズマ。聞きたいことでもあるの?」

 

「聞きたいことって言えば聞きたい事かな・・・・・・」

 

 俺の質問にそう切り出したカズマは、どうやらそろそろスキルを取りたいと思っていたらしい。

 だから俺が持つスキルを教えてほしいとのことらしい。

 

 それを聞き、俺は思わずむーんと少しばかり考えてしまう。

 

「やっぱり言い辛い事だったりするのか?」

 

「いやそういうわけじゃないんよ? ただ俺のスキルって必須スキルポイントが多そうだなってだけで」

 

「そ、そっか、なら良かった」

 

 ん? 何やらカズマが安堵しているけど何か聞き辛かったのかな?

 まあ誤解が解けたっポイし置いておこう。

 

 さておきスキルかぁ。 

 持っているものと言えば―――、

 

「―――えっと、獣化でしょ? 殆どの剣を作るスキルに、殆どのものを食べるスキル。それから『何処でもドア』もそうかな? あとは・・・・・・」

 

「待てや」

 

 何故か止められた。

 

「あのさ、いろっいろ突っ込みたいところはあるけどさ。『何処でもドア』はアウトだろ」

 

「あ、そうか。何処にでも行けるわけじゃないから今は『何処でもじゃないけどドア』かな?」

 

「そうじゃねぇ!!」

 

 俺がキョトンとしていると、カズマは嘆息して先を促してきた。

 

「あとはアイテムボックスっぽいのものもあるね」

 

「ストップ!! 待って待ってぽいって何? アイテムボックスじゃないのか?」

 

 先程以上にぐいぐいと聞いてくるカズマ。

 ははーん、カズマが欲しかったスキルはこれか。

 異世界チートの定番だもんな。

 だけど、うーん、しかしポイと付けるしかないのも事実なのだ。

 一応アイテムボックスとは呼んでいるが、厳密にはやはり違うと思うのだ。

 当初は勿論アイテムボックスだった。そう思ってたから。

 でも今は違う。

 内包した世界に取り込むわけだから、よくあるアイテムボックスみたいに亜空間に仕舞うというのとはちと違う気がするのだ。

 

 まあでも物は試しだろう。

 

「カズマ、冒険者カード出して」

 

「お、おう」

 

 ゴソゴソとジャージから取り出すカズマ。

 そういえばそろそろカズマもちゃんとした装備を買わないとだよな。

 

「これで良いか?」

 

「おっけい。じゃあそれをちょいと拝借っと」

 

 俺はカズマの手からカードを借り、それを一度アイテムボックス内へと入れたらすぐに出してカズマへと返した。

 この世界ではスキルを覚えるためにはその実、まずはカード自体がその現象を記録しなければならないのでこうすれば俺のアイテムボックスは記録できるはずだ。

 ここから使えるかどうかは、カズマのスキルポイント次第となる訳だが―――、

 

「どうだ? 出た?」

 

 俺が聞くと何故かカズマは微妙な顔をした。

 

「一応出たけど、『アイテムボックス?』になってる。しかも必須ポイントがクソ高い」

 

「諦めろん」

 

「くそぅ、チートできると思ったのに」

 

「やっぱりそんな魂胆だったか」

 

 そこでふと気になったことがあったので、カズマに聞いてみた。

 

「そういや他には浮かび上がってるスキルは無いのかい? キャベツ狩りの時に色々見てたみたいだけど」

 

 キャベツフィーバーをしながらも一応周囲の警戒などはしていたのでカズマの方を見る余裕はあった。

 やはりバサカじゃないと自分で定義したのも大きいだろうけど、今までの戦闘経験もあって結構余裕があったのも大きいだろう。

 そんな中カズマを見ると彼が周囲の冒険者を観察しているのは見て取れていた。

 スキルの話をしたのも最近のことだったのでピンときたわけだが、運が良ければ幾つかは獲得条件を満たしている可能性もあった。

 本来は目の前で教えてもらう人に見せてもらうのが一番なのだが、相性が良ければ見るだけで何となくコツを掴み習得の懸け橋となることも在ったりするようなのだ。

 

 だから聞いてみたのだが、カズマの表情を見るだに芳しくは無いようだ。

 

「俺もちょっとは期待したんだけどさ。一個しかなかった。一個あるだけでも運が良いと思うべきなのか悩む所だけど」

 

 拗ねるようにカズマが言う。 

 そんなカズマを見てるとつい放って置けなくなり、俺は身を乗り出してカズマの頭をワシワシと少し乱暴に撫でる。

 カズマは少しびっくりして固まるが、慌てて身を反って避けたので俺の手から離れてしまう。

 

「な、なんだよいきなりっ」

 

「いやあ、何とも微笑ましくなってね」

 

 俺がくすくすと笑うと、カズマは恥ずかしくなったのか耳を赤くしてそっぽを向いた。

 その姿がまた微笑ましくて笑いそうになるがこれ以上は悪いのでコホンと一つ咳をした。

 

「それで、その運よく手に入れたスキルってのは何なのさ?」

 

 ジト目でこちらを見るカズマに手でごめんってと表現しつつ、話を戻す。

 するとカズマは渋々といった様子で冒険者カードをこちらへと見せて来た。

 基本的には他者には見えない様に表面表示をロックすることも可能なのだが、それを解除した上で見せてくれるようだ。

 だが俺は、その表記を見て固まってしまう。

 

 

 

ナノブラスト(・・・・・・)って書いてあるんだけど、どういうスキルなのかは未だ使ってないから分からないんだ。1ポイントだったし、今回のキャベツ狩りで未だポイントに余裕もあったから取得しちゃったんだが、何か知ってるか? けど俺の勘が言っている。このスキルは結構使えるスキルだってな」

 

 

 

 

 何も知らずそう言うカズマに、俺は慈母の様な優しい笑みを向けることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ、私が取ったものが全てレタス!? このアクア様が収穫したっていうのになんでレタスが混じってるのよ!!!? そんなの嘘よ! コウジュには負けるけどこれでかなりの報酬になると思って高いお酒いっぱい買い込んだのに!!!!」

 

 

 

 

 あ、お金は貸しませんよアクアせんぱーい。

 

 




いかがだったでしょうか?

緑の悪魔と言えば某ニヤニヤ動画や某あなたtubeをご存知の方ならとある動画に出てくる緑茸を思い浮かべたかもしれませんが、このすば世界ではキャベツのことでしたw
このすば世界ではどうやらキャベツも、それからレタスも空を飛ぶそうです。
まあキャベツはともかくレタスは高級では無さそうなのですけどね。

ともかく、そんなキャベツ狩り、実は原作だとスキル獲得の後だったのですがコウジュが参戦したことでの影響と思って頂ければと思いおます。その結果皆さんが見たがってらっしゃるパンツ会は次回ということになってしまいました。
もう少しだけ待ってくださいね!

それと前回にちょろっと出して今回で触れたコウジュの新衣装ですが、私の文章力だと表現がまったく出来ていないと思うのでイラストを描きました。もうちょっと修正しようかと思うので載せるのは次回にしようかと思うのですが、現段階の物でしたら私のプロフィールから画像一覧を見て頂ければ白チャイナ擬きコウジュを見ることができます。
やはり絵を描くのは難しいですね。色を塗れば塗る程何か違う感じがして仕方ないです。とはいえ参考になればと思いますので、もうしばらくお待ちください。


それはさておき、またファンアートを頂きました!!
前回に引き続きクラネスハインド様からのものなのですが、今回も素晴らしいものをいただきました!!!



【挿絵表示】


【挿絵表示】


【挿絵表示】


【挿絵表示】



見てくださいよこの子達。アクキーになっちゃいました・・・。
何でも実際にアクキーにした物もあるそうで、クラネスハインド様の技術力の底の知れなさに脱帽であります。
とりあえずこの子達何処で売っていますか!!!!

さて、次もクラネスハインド様からのものです。
すいません私の遅筆の所為で紹介が遅れまして・・・。



【挿絵表示】



せやなー♪
あかねちゃんが歌ってくれる例のアレですね。
自分でも作りたかった位に好きな絵だったのでこれまた嬉しかったです(*´ω`*)
まあコウジュは聞いてはくれますが叶えてくれるかは別ですけどね(え


そして最後はちょっとアクアパイセンの所為でキレちゃったコウジュ。



【挿絵表示】



元々はこういうタッチの絵の方がよく描いてらしたとのことなのですが、どっちも最高です。
とりあえずアクア先輩なにしやがったw
でも在り得そうだから困りますねw


さてさて、改めましてありがとうございますクラネスハインド様!
この場を借りてもう一度感謝を告げさせていただきたく思います。
いやぁ、本当に感想も勿論、こうやってファンアートを頂けて、コウジュという存在が認知されていく様で本当にうれしいです!!
ただしR-18ニキ、あなたはもうちょっと自重してくれてもいいんですよ?


では、本日はこの辺りで失礼をば!!
また次話もよろしくお願い致します!!




P.S.
いつの間にかギル祭が始まっちゃってますね。
ネロ祭だとばっかり思っていたので笑いましたw
でも御陰で初ギル様ゲットです!! 種火集めるからちょっと待ってくださいね!!
ただ、頼光さまピックアップは大爆死しました。あと一枚。あと一枚で凸れるのに!!!
ま、無理せずみんなで頑張りましょうね。



フレイムゲートがあとちょっとで抜けないぃ・・・ぐぬぬ・・・・・・。


P.S.2
アズレン、今回ばかりはつい課金してしまいました。というかせざるを得ないでしょう!!
運営さん、どうぞお納めください。
大鳳をお迎えする為の犠牲は大きかったですが、大満足であります。
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