テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

遅くなりました…。
とりあえず、忘年会シーズンになりましたが飲み過ぎには気を付けましょうね(目を反らしながら


『stage21:敵のマスターを発見!』

 

 

 ―――士郎捕獲なう(`・ω・´)―――

 

「ポチっとな…」

 

 そんな感じに某SNSで呟くと、イリヤから念話が来た。

 

『念話使いなさいよ』

 

『でも見てくれてるじゃん』

 

『…早く帰ってきなさい』

 

『はーいお母さん』

 

『誰がお母さんか!』

 

 イリヤはツンデレ。反論は許さない。

 

 さておき、士郎の捕獲任務完了でございます。

 ライダーロリ化事件から早数日、よくわからんロリ同盟が結成されてしまったが特に何事もなく日は過ぎていた。

 あえて言うならば、アインツベルンの本家の城から扉を使ってかっぱらって来た魔眼殺しである眼鏡をライダーに上げた結果、俺のマイルームで端末を前に引きこもる幼女が出来上がってしまったということ位だろうか。

 最近ハンドルネームを使ってチャットをするのにはまっているらしい。

 これで良いのかサーヴァントと思わなくもないが、殺伐とした殺し合いをするくらいならこっちの方が良いよね。

 

 そもそもの話、なんでライダーがロリ化したかっていう部分なんだがその辺りは未だ推測の域を出ていなかったりする。

 スケープドールというのは蘇生アイテムなわけだが、ゲーム内の挙動で言えば死んだ直後にスケドを消費することで光に包まれ生き返るというもの。

 その時に、ゲーム的表現だからだろうかHPやPPなどは回復されるがブラストゲージはリセットされる。つまり戦闘状態がリセットされる。

 ただ、経験値はリセットされるわけではないんだよ。

 だからスケドって純粋な意味での復活じゃなくて、転生に近いんじゃないかと思う。

 通りで不老不死とは別に渡されたはずだ。

 不死殺しなんてものがある理不尽な世界だもんな。例え死んでも新たに身体を作るなら、少なくとも生存はできる。

 隙を生じさせぬ2段構えとは恐れ入る。

 ……話がそれてしまったが、重要なのはこの転生に近いという部分。

 ライダーにこれを使った際にライダーも転生したようで、完全に受肉していたのだ。

 例えば、聖杯の中身を飲むことで受肉できるらしいが、イリヤに聞いたら受肉というのは現界をするのに聖杯のバックアップを必要としないようになることなのだそうだ。

 だが、スケドを使うと一個の生命体として“受肉”する。

 原作設定では倒されたサーヴァントの魂は魔力となって聖杯に溜まるようになっていたのに、だ。

 勿論ちゃんと確認してみたが、聖杯の中に一騎分貯まっているらしかった。

 じゃあ受肉したライダーは何処から来たのか…という疑問が残る訳だが、たぶんスケドは魂ごと再生というか転生させてしまったのだろうという結論に至った。 

 恐らくとかたぶんとかばっかりだが、つまりはロリライダーは完全に聖杯から切り離された一個の生命として生還したわけだ。まぁ『座』の中にはまた別に大元のライダーが居るのかもしれんが。

 ちなみに、何故死ぬ前の状態からの再構成が受肉になるのかは思考放棄しました。

 可能性が一番高いのは俺が望んだからってことらしいが……いや、ちゃいますよ? ロリっ子になることを望んだとかじゃなくて、完全な受肉をすることをですからね!!?

 うん、まぁ、ここまで長々と述べたけど、イリヤが最後に『コウジュがライダ―に第二の人生を望んでいたから起きたご都合主義じゃない?』とか『余計なことを考えてカードの効果にエラーが起きたんじゃない?』なんて言うもんだからそれが正解なような気がしてきた。

 

 とりまそんなわけで、ライダーはルーテシア…ゲフンゲフン、幼女になったのでした。

 

 で、だ。

 その辺の検証が終わった辺りでイリヤが言いだしたのだ。『そろそろ良いんじゃない?』と。

 というのも、俺が事前に話していた計画では次に攻める相手を士郎・凜チームに決めていたのだ。

 ぶっちゃけて言えば、筋書きが予測しやすい原作添いなんだけどな。

 沿うルートは“Fate”ルート。別名セイバールートだな。

 だから、次の目標は打倒アーチャー。

 そのキークエスト? になるのが士郎の誘拐になる訳です。

 

 

「おかえりなさいコウジュ。首尾は?」

 

「上々。後は結果を御覧じろってね。準備も万端さ」

 

「そう、なら良いわ」

 

 士郎を連れアインツベルンの城に戻ってきたわけだが、玄関扉を潜るなりイリヤが立っていた。

 色々心配したり、目の前の士郎に思うところがあるのは分かるが、労いの言葉とか欲しかった。いやまぁ良いけどさ。

 ほんと、跡を残すためわざと歩いて帰ってきたのだから釣れないと困るぜ。

 

「イリヤ、調子はどうだ?」

 

「問題無いわ。今の感じだと、後2騎分は大丈夫だと思う」

 

 考えていても仕方ないし、気になっていたことを聞くことにした。

 

 イリヤは今、体内にライダー分の魔力を内包している。

 それが、小聖杯たるイリヤの使命であり機能として与えられた性質だ。

 そしてその性質は徐々にイリヤの人間性を圧迫し、最後には塗りつぶしてしまう。

 

「それまでに、終わらせないとな…」

 

「ふふ、心配性ね」

 

「そりゃな」

 

 俺が思いついたシナリオはFateルートに沿ったものだ。

 我ながら想像力が無いと思うが、それしか思いつかなかったのだ。

 だけど、それを行うと何騎か内包してもらう必要がある。

 勿論確認したが、イリヤは任せると言ってくれた。 

 

「でも、あなたは助けてくれるんでしょう?」

 

「……絶対にな」

 

「なら大丈夫ね!」

 

 そういえば確認した時もこんな感じだったな。

 

「コウジュ、あなたが何をどこまで知っているのか知らないけれど、考え過ぎよ」

 

「イリヤ…」

 

「あなたは私が召喚したのだから、絶対できるわ」

 

「そか」

 

「そうそう」

 

 中身は成人してるってのに、何を年下に励まされてるんだか。情けない。

 でもだからこそこの少女を助けたいと思ったのだ。

 

「うぅん…」

 

 俺たちの話声に士郎が目を覚ましそうになっているようだ。

 ふむ、さっさと準備しますかね。

 

「士郎が起きそうだな」

 

「じゃあ始めましょうか」

 

「だな…」

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「ぐ…」

 

「あ、起きた?」

 

「はぁ、やっと?」

 

 何がどうなったんだっけ…。イリヤに身動きを封じられて…そのまま……。

 

「士郎、声は出せるかい?」

 

コウジュが目の前で何故か嬉しそうにしながら俺に話しかけてきた。

 

「ああ、頭の方も自分が捕まってるってことが理解できるくらいにはハッキリしてる」

 

 大人げないとは思うが少し皮肉を込めて返す。

 すると今度はイリヤが話しかけてくる。

 

「不満なの? 捕まえた敵は本当なら地下牢に入れるんだけど、士郎は特別だから私の部屋に入れてあげたんだからね」

 

 いや、そんなむしろ喜んでほしいみたいなことを言われても…。

 でも確かに、とても牢獄には思えない可愛らしい部屋に俺は居る。

 これで椅子に縛られていなければとても微笑ましいんだけどな。ってこれ、縛られてるだけじゃなくて魔術でも拘束されてるじゃないか。

 

「それでまぁ、士郎君が捕まったここは樹海の中のお城、誰かが助けに来ようにも早々これはしない所にあるからゆっくりしていきな」

 

「どうして俺をそんな所に連れてきた。俺を殺すならあの公園でもできた筈だ」

 

 実際に俺はあっさりと捕まっている。

 わざわざこんな所に連れてくる意味が分からない。

 

「俺たちは士郎を殺す気なんてないぜ? 他のマスターは殺すがお前を殺す気はないんだよ……(ウソだけど)…」

 

 俺だけは殺さない?

 最後にぼそっと何かを言ったみたいだが、どういうことだ?

 

「ねえ士郎。私のサーヴァントにならない? そうすれば殺さなくて済むわ」

 

「そんなの無茶苦茶だ」

 

 恐らく執事という意味で言ってるんだと思うが、どっちにしろお断りだ。

 

「ふむふむ、士郎は嫌だ…と」

 

「当たり前だ!」

 

 そう言うと、コウジュは呆れたように一つ溜息をついた。

 

「はぁ…、とりあえず言っとくと今の士朗はかごの鳥状態だ。生かすも殺すも俺達次第なんだぜ? そのことを考えてもう一回考えてみろ」

 

「それでも嫌なのは変わらない」

 

 俺の意思は変わらない。

 何とかしてここを脱出して、セイバー達のもとに帰らないといけないんだ。

 俺にはまだやることがあるんだから。

 

「だってよイリヤ」

 

「せっかく十年も待ったんだものすぐに殺すのももったいないし…。あ、そうだ。セイバー達を殺しに行きましょうコウジュ。たぶん、士郎はセイバー達が居るから了承しにくいのよ」

 

「そーなのかー…っていうわけで、殺しに行ってくるわ士郎」

 

 あまりにも軽いやり取りだ。まるで近くに買い物へ行くかのように。

 しかしその光景に反して内容は似つかわしくない。

 そしてそれは、俺には放ってはおけないものだ。

 

「待て! セイバーも遠坂も関係ない! 俺がイリヤと居られないのは俺の都合で…」

 

 俺をどうにかするのならまだいい。

 だが俺の所為で誰かを犠牲にするなんて許しておけるはずがない!!

 

「残念、どっちにしろ他のマスターを殺す必要はあるから殺すのは変わらないぜ?」

 

「さっきから殺す殺すって…簡単に人を殺すなんて言うんじゃない!!」

 

 なんでそんなにも簡単に殺すなんて言えるんだ。

 命はもろい。とてももろいんだ。

 ふと気づけば人は居なくなっていく。

 

 さっきコウジュが言ったように今の俺は籠の鳥で、いつでも殺すことができるような状態だ。

 でも、そんなことはすっかり頭から抜けて、ただただ彼女たちが人の命を軽く見ていることが悲しかった。

 だからそんなことは言わないでほしい。

 

 だけど現実は非情なものらしく、その願いは届かないようだ。 

 

 コウジュが俺へと顔を近づけてくる。瞳の奥が見えそうなほど近くだ。

 とても可愛らしい顔立ちだ。いつもの俺なら恥ずかしさに顔を背けているだろう。

 でも今の俺にはその余裕が無かった。

 圧力。それが目の前のコウジュから放たれている。

 足が震える。氷柱を入れられたように背筋が凍る。冷や汗が止まらない。

 

 縦に割れたコウジュの瞳が、俺を貫くように見ている。

 

「残念、今更一人も二人も一緒だよ。お前の知っている間桐慎二はもう居ない」

 

 慎二が死んだ? それも、コウジュが殺した?

 頭をガツンと叩かれたように、その言葉は俺へと突き刺さった。

 

「慎二…が……?」

 

 どうしてこんなことに…。

 確かにあいつはひねくれた部分はあるが殺されて良いような奴じゃない。

 いやそれ以前に殺されて良い人間なんて居るわけがないのに!

 

「じゃぁ行ってくるぜ士郎。そこでおとなしくしてなよ」

 

「行ってくるわ。士郎」

 

 

 

 そう言って二人はこの部屋を出て行った。

 

 くそっ、早く何とかしないと。

 セイバーはまだまともに戦えない。 

 遠坂が言うには、コウジュがセイバーの魔力を吸ったから魔力が少なくなっていると言っていた。

 つまり今、コウジュと戦えるのはアーチャーだけだ。

 無理をすればセイバーも戦えるだろうが、あのコウジュに全力を出せないセイバーが立ち向かえばどうなるかなんて明白だ。

 あのいけすかないアーチャーだけではコウジュに対抗できないのも前回で分かってる。

 ライダーもあっさり捕まえていたし、早くしないと……。

 

「ぐっ、早くセイバー達の所に行かないといけないのに!」

 

 魔術的にも縛られているからか、自分の身体の筈なのに思うように動かない。

 仕方がない。

 少し荒っぽいが身体に魔力で洗い流す。

 

同調(トレース)開始(オン)……」

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「さて、これで士郎達は頑張ってくれるかしら」

 

「よくもまぁ、あれだけ悪役になりきれるもんさね」

 

 いつも通り安定しない口調で軽口を聞いてくるコウジュ。

 けどその表情はいつもより固い。

 珍しく緊張しているのだろう。

 とは言えそれも仕方ない。

 今日これから、コウジュの作戦上では初の本格戦闘だ。

 それもサーヴァントを一騎確実に仕留める必要がある。

 

 そんなコウジュに、私まで不安気にしてしまう訳にはいかない。

 この妹みたいな、姉みたいな、でも兄の様なこの子を支えると私は密かに誓ったんだ。

 だから私は、コウジュに何も心配いらないと、あなたはできるからと、安心できるように笑みを作る。

 

「そう言うあなたもじゃない。普段あれだけ殺さないように気をつけておいて。あのわかめみたいな髪型のマスターのことなんて出鱈目にもほどがあるじゃない。命の保証が確実な所に送ったんでしょ? あのわかめが無事じゃないのは確かでしょうけど」

 

「まあねー、殺すの嫌だし…。自分とか大切な人の命が掛ったらどうか知んないけど」

 

 本当にこの子は甘いというかなんというか…。敵まで救う対象だなんて。

 でも、そこがコウジュの良い所なのかしらね。

 

 コウジュがその圧倒的な力を持つに反して、人の命を奪うことに強い忌避感を持ってるのはすぐに気付いた。

 力を使うことは楽しんでいるようだが、それを使って誰かを殺すことを恐れている。

 矛盾している。

 この子は英雄としての力を持っていても、英雄になってはいけなかったのだと思う。

 だけどコウジュは、その力を使って私を助けると言ってくれた。

 本当にうれしかった。

 諦めていたのに、受け止めたと思っていたのに、コウジュは私に希望をくれた。

 私も矛盾しているわね。

 コウジュに力を使ってほしくないと思いつつも、救って欲しいと望んでしまった。

 感化された…のでしょうね。毒されたとも言えるかしら?

 

 そんなことを考えてるとコウジュが突然何かに気づいたように振り向いた。

 どうやらお客様のようね。

 

「んじゃ、行きますか」

 

「出ていったふりをするんだっけ?」

 

「そうそう。マスターほいほいさね」

 

 そう言って、コウジュが嬉しそうに外へ向かう。

 

「これほど緊張感のない聖杯戦争なんて史上初なんじゃないかしら……」

 

 そう言いながらもどこか楽しくなっている自分に気づき、苦笑する。

 まったく…、コウジュには責任を取ってもらわないといけないわ。

 希望を見せておいて失敗なんて許さないんだから。

 

 失敗した時はどんなお仕置きをしてあげようかな?

 

 そんなことを考えつつ、私はコウジュの後を追った。

 

 

 




いかがだったでしょうか?

今回も繋ぎ回でしたが、次回は戦闘です! 
熱い戦闘を書きたいですが、どれだけできるやら…。
とにかくがんばりたいと思います!

P.S.
アルチ固い…(´・ω・`)

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