テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

遅れて申し訳ないです。
もうほぼ月曜日ですね…orz


『stage31:厨二病は不治の病』

 

 

 

 やーやー皆さんごきげんうるわしゅー。

 

 突然だが、今日はちょっと修行(実験?)してみることにした。

 前々からやってみようと思ってたやつだな。

 そのために、キャスターから神殿を借りた。

 昨日衛宮家に帰って次の日、イリヤに回復アイテム渡して、士郎の投影の鍛練ってか鍛錬?の監督頼んで速攻出てきたのです。

 一応イリヤには昨日の事は話してある。元々計画の一部だしね。

 アチャ夫さんとライダー(むしろ“らいだー”)にも勿論話したとも。2人の出番はまだないけどさ。

 らいだーとか引きこもり化してきてるから何とかしないとなんだけどね。

 この間はチャット仲間らしいメイさん、ふじのんさん、あとぶろっさむさんって人達とオフ会がどうのと言ってたし、ほんと何とかしないと…。

 

 さておき、実験だ。

 というのも、これからの作戦ではどうしても俺自身の能力をランクアップさせる必要があるのだ。厳密には使い慣れる、かな。

 ただ、想定していた最悪の状況よりも良い流れである為、やらないといけないことが減っていたりはする。

 最悪の状況とは、キャスターの助力を得られない場合だ。

 ぶっちゃけた話、ライダーとの契約でもある桜ちゃんを助ける為に必要だと考えたのが“破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)”と“キャスターの技術”、そして小次郎の“秘剣燕返し(キシュア・ゼルレッチ)”の三つ。

 中でもルールブレイカーは桜ちゃんを助けた後でも必要になるから、アーチャーの無限の剣製を得たうえで、最悪はルールブレイカーを強奪……ゲフンゲフン…、コピーしようかと思っていた。

 しかしながら、予想外にキャスターとの交渉がうまくいったので無限の剣製を使ってルールブレイカーを手に入れる必要がなくなった。追加の交渉材料も用意してたんだけど、まぁ安くついたのならいいよね。同時に無限の剣製がいらない子になったけど、ふむ、何か考えるかな。

 まぁそんなわけで、一先ずは秘剣燕返し(キシュア・ゼルレッチ)を扱えるようになるのが目標だ。

 

 ではでは早速いってみよう。

 

 

 

 

 実験1:秘剣燕返し(キシュア・ゼルレッチ)を応用する。

 

 これは単純に、他武器に対してやや早さに劣る大剣を態々使わなくても良い様にするためだ。

 大剣はどうしても、威力はあるんだけど隙が大きい。

 あと大きい分、範囲が広いためフレンドリーファイアの可能性が高い。

 バーサーカーだけど味方攻撃しちゃダメだと思うの。イリヤに怒られるし。

 だから、扱いやすい武器でキシュア・ゼルレッチを使っちゃおうって思う訳ですよ。

 

「来い、ネギセイバー」

 

 まず呼び出したのは、片手剣のミクのネギセイバー。

 高位ランク武器を出してもよかったんだけど、失敗した時に周りの被害を考えてとりあえずネギにしてみた。なんだかんだで使いなれてるしね。

 

「ふぅー…、せぇのっ!」

 

 気合を入れ、構える。

 そして昨日の一戦を思い出しながらネギを振るった。

 結果、生み出されるのは三閃の軌道を描く斬撃。

 

「うし、これはいけるな」

 

 小次郎からラーニングした燕返しは問題なく使用できる。

 けど、昨日の小次郎みたいに構える時間を待ってくれる相手なんてそうそう居る訳無いし、このままじゃ剣の技でしかないから、ここからが本番。

 

 ネギを持つ手はだらんと下げ、とある技を思い浮かべる。

 

「っ!!」

 

 大きく三連撃。身体を回しての横薙ぎ。そして決め手に、ネギを両手で持って袈裟掛け、斬り下ろし、逆袈裟に高速の三連撃。

 

 片手剣(セイバー)系PA、インフィニットストーム。

 

 本来ならば2回目の三連撃前に、左手に保持する武器(もしくは盾)を放り投げてから両手持ちをするんだが、普通に戦闘するなら邪魔なので省いてみた。

 ゲームの中と違ってその程度の変更は出来るようだな。

 PAの動きを再現する時は自然に身体がそうすべきだと教えてくれるのだが、ちゃんとPAと認識してくれたのか一安心だ。

 さておき今度はこの、それぞれの三連撃を燕返しと同じように同時に出るようにできるかが最初の実験。

 

 再びネギを構える。

 

 燕返しの感覚を反芻し、同時にインフィニットストームの感覚を思い出す。

 思い浮かべるのは超高速の連撃だ。

 そして早く、何より早く――

 

「っるぁ!!」

 

 三連撃、横薙ぎ後すぐに、決め手の三連撃。

 時を置き去りにするほどの超高速に至る様に叩き込む!!

 

 自身に出せる最速で振るい、その速さの所為で3度なる筈の音は一つになる。

 けど――、

 

「……なんか違う」

 

 そう、どこか違和感が付き纏う。

 ただただ速く、燕返しの様に一閃一閃の間がなくなる様に頑張ったが、何かが違うんだよなぁ。

 思わず蓮たんの様に光となって破壊しちゃいそうな位に速さを求めたのに。

 

「って、あ…。これじゃダメだ」

 

 そこではたと気付いてしまった。

 しまった、根本的なところで間違ってしまっていた。

 

 秘剣燕返しであるキシュア・ゼルレッチの本質は、平行世界から可能性を持ち出すこと。

 蓮たんだと時間止めるだけじゃないか。

 あ、いや、“だけ”って言うにはチート具合がおかしいけどね。それに止められたらそれはそれで嬉しいけど。

 ともかく、いま大事なのは同じような存在を持ってきて重複させることだ。

 

「ふむ…」

 

 ぶらりと下げていたネギを先程と同じ軌道で振るう。

 勿論意識するのは今考えたように“重複”だ。

 そのうえで再びのインフィニットストーム。

 ついつい某無限の空を掛けるハーレム小説を思い浮かべそうになるが、そんなものは思考の端にポイしてトライアゲイン。

 

「…って、ええんかい」

 

 うん、できてしまった。どうやらこれで良いようだ。

 

「なんだろう、この釈然としない気持ち…」

 

 今更だが、自分が渡された能力の制限がよくわからない。

 自分で納得できたからってこう簡単に出来て良いのだろうか?

 出来るようにならないと困るけど、なんだろう、もにょる…。

 

 き、気を取り直して次に行こうか…。

 

 ネギを直し、次の実験に必要な武器を思い浮かべる。

 双小剣(ツインダガー)系、☆15、Sランク武器、『過去と未来の過ちを支配し、表裏一体の運命をくつがえす程の力を持つ』とされる、チートテキストを持つもの。

 

「来い、サイカ・ヒョウリ」

 

 手の中にズシリとした重みが生まれる。

 現れたのはハンドガードが付いたダガーをそのまま大きくしたような刃渡り1m以上はある対の剣。

 

「これで、お前を使えるよ。おまたせ…」

 

 そう、話しかけるように口にする。

 すると同時、鍔の辺りにあるフォトンラインが少し輝いたように見えた。

 剣に意志があるかはさておき、思わず笑みが漏れてしまう。

 つい今さっき自身の能力について訳が分からないと零したくせに、なんだかんだで慣れてしまったものだな。

 

 

 

「さて、頑張ろうか。“運命”を変えるお前には大分頑張ってもらわなきゃいけないからな」

 

 

 

 

 

 

 めっさ疲れた。めがっさ疲れちまったよ。

 今は地面に座り休憩なうです。

 いやまぁ調子に乗って色々した俺が悪いんだけどもね。

 魔力やらなんやらは無限に有ったとしてもそれを操る俺の精神が疲れるのはどうしようもない。

 けど疲れただけの成果はあった。

 むしろ疲れるだけで済んでることをありがたがるべきかね? この世界の魔術師達が聞けば卒倒するようなことをしてるわけだし。

 でもまぁ、これで救う手立てがそろったわけだ。

 厳密には準備が整っただけではあるけどね。

 それでも、これで光明が見えた。 

 

 運命を覆すサイカ・ヒョウリ。ifを手繰り寄せるキシュア・ゼルレッチ。

 

 この組み合わせこそが、俺がイリヤに内緒でやろうとしてる最後の締めに必要なのだ。

 それにこれさえあれば、もしも失敗(ファンブル)しても大丈夫だ。

 ってそうじゃない。ゲーム脳やめい自分。

 いや待てよ、悪くはないか。

 上手くいけば“幻想舞踏”が出来る訳だし、もっと高度な、例えば…“陀羅尼摩利支天”とか使えたり……。

 

「物は試しか」

 

 

 実験2:運命操作(幻想舞踏)

 

 

 先程までの疲れはどこへやら、好きな技を再現できるかもしれないと思ってしまえば行動に移さざるを得なかった。

 まだまだ俄かではあるだろうが、それでもオタク道をそこそこ歩んだのだ。

 ここでテンション上がらなくて何がオタクだというのだろうか。

 

 俺は立ち上がり、再び開けた所まで来る。

 そして再びサイカ・ヒョウリを呼び出し、両手に持つ。

 

「よしやるか!!」

 

 気合十分に叫ぶ。

 

 まずは幻想舞踏かな。

 これは某夜闇の魔法使いに出てくる強化人間が使えるスキルの一つだ。

 効果は失敗(ファンブル)を強制的に成功(クリティカル)にする、回数制限はあるがかなりチートな技だ。

 アニメ版ではあかりんがそれを使ってスタイリッシュ回避をしていたのを覚えている。

 

 それを思い浮かべ、それを再現するために運命を操作をする。

 運命を操ると言うとどこぞの吸血鬼なおぜうさまを思い浮かべてしまうが、今は関係ないのでこれも思考の片隅にポイする。

 

 さぁ夢の幻想舞踏だ!

 

 

 

「……」

 

 

 

 これ、カウンター技やん。

 思わず、orzな姿勢で項垂れてしまった。

 意気込んだのは良いが、攻撃を受けてからじゃないと意味が無い技だった。

 かと言って俺はMじゃないから、自分から攻撃されに行くような趣味もないのでこのアイデアはお蔵入りかな。

 

 

 実験3:運命操作(陀羅尼摩利支天)

 

 

 では、もう一個の方の“陀羅尼摩利支天”はどうだろうか?

 

 こちらは『神咒神威神楽』という18禁PCゲーでありながら燃えゲーという厨二心くすぐるゲームに出てくるヒロインの一人のスキルだ。

 その効果はかなり汎用性が高く、平行世界の自分を手繰り寄せ、その結果一度に複数の行動を起こすことが出来るという、解りやすく言えばチートな分身技だ。

 例えば、致命傷を負っても無傷の自分を手繰り寄せて回避したりもできる。勿論逆に攻撃が当たる自分を持ってくることもできる。

 まぁそれなりに欠点は確かにある。

 でも俺はあのゲームをやっていて、この技が一番好きだった。

 

 というわけで、再現だ!!

 

 

 

 

「意気込んだは良いけど、そもそも分身ってどうやるの?」

 

 結果:今回もダメだったよ…。

 

 

 

 

 

 

 実験4:螺旋丸+一方通行アクセラレータ。

 

 

 これはただ単に、やってみたいだけの技だね。

 思い付き技が今の所駄目だったので、もうやけになって色々やることにしたのだ。 

 えーっと、確かチャクラを乱回転させてだったよな?

 とりあえずチャクラって言われてもよくわからんので魔力で代用することにする。

 

「魔力を手に集めて〜乱回転!!」

 

 おお~、成功成功。

 オドとかマナとか俺には関係ないから、とりあえず集めてみたら出来ちまったよ。

 乱回転のイメージも、思ったより難しくない。

 何せ俺の場合はそのものを操作するだけでなく、頭の中で想像することでその形に寄せることが出来るのだから。

 これもオタクのなせる妄想力ゆえにか…。

 どこかの忍者たちがこれを知ったら涙もんだろうな。

 

「おっと、ここで終了したらダメじゃん。えー、続いて…」

 

 右手に螺旋丸(もどき)を作ったまま、続きのイメージをする。

 それはアクセラレータが使っていた風を集めて圧縮しプラズマ化させるというアレだ。

 

「螺旋丸に属性をつけるのは超難しいって話だったけど、もどきだから行けそうだな」

 

 厳密には螺旋丸に属性を付けるのではなく物理的な風を起こしてるだけだからもどきでしかないけど、どうなるのか興味があるのだ。

 念のため風を操作するという概念を持つディスカサイクロン持ちながら手元にできた球体の回転を、今度は風を吸い込んでいくようにイメージさせながら魔力の回転方向を変更する。

 すぐにはできなかったが、繰り返すうちに何とかわかり始めた。

 あ、ただ乱回転に風を加えても体積が増えちゃうだけなので、内側に内側に向けて圧縮していくのを忘れない。圧縮して圧縮してと繰り返す。

 最初はゆっくり、そしてどんどん風の量を増やしていく。

 それをちょっとの間、いや、風王結界余裕で出来ちゃうんじゃないかっていう位やっていると、螺旋丸(もどき)からバチッ、バチバチッと音がし始める。

 

「お、良い感じ良い感じ」

 

 バチバチと、俺の手の中の螺旋丸がもう雷球になり始めた。

 まだだ! まだ終わらんよ!

 ぎゅんぎゅんぎゅんぎゅんと、更に風を加えて内側に乱回転させつつ、圧縮していく。

 やがて、球体を直視できないほどの光と熱量を生み出し、バチバチとなっていた音は今やバリバリガリガリと煩いほどの轟音を生み出し始めた。

 途中から自重せずに風を送り込んだからか、取り込まれていく風が服やらをはためかせている。

 

 ちょっと怖くなった…。

 なんだか何もかもを吸い込んでいっちゃいそうな…。

 

「よ、よーし、とりあえずこの辺で止めてっと……」

 

 

 あのあの、止まらないんすけど…。

 あ、ちょ、これなに?

 なんでか、風が勝手に吸い込まれていく。

 ディスカサイクロンで制御しようとしても、何故か出来ない。焦っているからか言うことを聞かない。

 もう服がバタバタ言うレベルじゃなくてもう小型の台風位の風が俺の周りに発生している。

 螺旋丸がもうまるで掌大のブラックホールです。

 あれー? なんかいやーな予感がするんすけど?

 さっきまでぎゅんぎゅん言ってたのに、まるで音まで吸っていってるのかやけに静かになってきた。

 光も吸い込んでるのか、光り輝いていた球体は今や何も見えない真っ黒になってしまっている。

 どうしてこうなった…。

 真っ黒な球体を見ながらそう独り言ちる。

 そこでふと思いだす。

 そういや…、さっき俺は何を想像した…?

 

 “何もかもを吸い込んでいっちゃいそうな”?

 “まるで拳大のブラックホール”?

 

 うん、とりあえず投げようか。

 

「ううぅりゃっ!!」

 

 近くだと嫌な予感しかしないので出来るだけ遠くに投げる。

 

 どういう物理法則が適応されているのか、ヒュゥンと遠くに飛んでいく黒い球体。

 キャスターには大分広くしてもらったので、キロ単位で遠くに投げる。

 

 これだけ遠くなら―――。

 

 

 

 

 カッ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず結果だけ言おうじゃないか。

 

 結果:神殿がある空間が消滅しちゃいました。

 

 悪いキャスターやっちゃった(笑)

 あ、俺は寸前に神殿のある空間を脱出したので無事でした、まる。

 

 

 

 

 

 実験5:闇の魔法(マギア・エレベア)+SLB

 

 

 気を取り直して、次に行こう。

 

 もう一度、キャスターに神殿を作ってもらう。

 申し訳ないんで、俺の魔力を好きに使って良いって言ったら、また作ってくれた。

 

 なんか、さめざめと泣いてた気がするが、目にゴミでも入ったのかな?

 

 そういえば、キャスターによると、限界まで結界を固くしたらしい。

 内側で核が爆発しようが負けないって言ってた。

 それを言う時は何でか泣きながら怒るように言ってたけど、なんだろうね? 俺には分かんないや。

 とりあえず良さ気なペアグッズとか送っておくか。

 

 さておき、キャスターが頑張ってくれたわけだしやるか。

 

 白い魔王の方は前にやった事あるから良いとして、闇の〇法はやったことないし、『幻想を現実にする程度の能力』で代用だな。

 できるかな?

 いや疑問を持っちゃだめだ。俺はできる子。

 

 まずはネギウォンドを取り出し、SLBを生み出す感覚を思い出す。

 今回アストラルライザーを使わないのは、“掌握”を出来ないからだ。

 いやだって、銃口までの距離と、幼女な俺の手の長さを考えてほしい。

 な、無理だろ?(涙目

 

 

「咎人達に、滅びの光を。星よ、集え。全てを撃ち抜く光となれ」

 

 自虐して無駄に自分の精神力を疲れさせてる場合じゃなかったのを思い出し、詠唱を始める。

 杖を掲げ、周囲の光を集める。

 一度やったことだ。

 冷静に集中し、感覚を思い出すだけの作業だ。

 そう、“考える”。

 

 やがて、杖の先に周囲の光を吸収しながら拡大していく光球が出来る。

 出来た。

 少し光球が小さい気もするが、それはアストラルライザーを使って無い所為だって考えてしまったからだろうか。

 まぁでも出来たのだからそれでいい。

 ふむ、先程の光球とは違い静かなものだ。

 それをもう片方の手のところへ持っていく。

 

 

 

 

 

「術式固定! 掌握!」

 

 

 

 

 

 

 カッ!!!!!!

 

 

 

 

 さて、また結果を言おう。

 

 結果:神殿を巻き込んで自爆。

 

 

 まぁそりゃそうだよね。

 元ネタ主人公だって、某バグキャラだって最初から上手くいったわけじゃないし。

 

 ちなみに、キャスターさんに怒られました。涙目で怒られました。

 再び俺の魔力を使って、さらに強化して作ってもらった。

 ビックバンでも何でもこいや―だそうです。

 『何なの? 私を苛めたいの? 過労死させたいの!?』なんていわれましたが、そんなわけないじゃないですか。ねぇ? 大切な仲間ですもの。

 

 さておき、その後も何回かやったら成功しました。

 とりあえずは、だけどね。

 ちなみに『星光魔王』って名付けたよ。

 名前の元ネタはお察しでお願いします。

 まあ名付けたって言っても暫定なんだけどね。

 その内何か良いのが思い浮かんだら名前を変えようと思う。無かったらそのまんまだけどね。

 では皆さんお楽しみの効果です。

 

 原作では薬味小僧が『闇の魔法』により『千の雷』を取り込み、身体が雷化するという効果を得、雷であるために攻撃をほぼ無効、さらに雷並みのスピードを得るという結果になっていたわけだ。

 しかし俺の場合『闇の〇法』でSLBを取り込んだ結果、なんと、常時光粒子化に成功!!

 つまりあれだ、俺がガンダ〇だ!!みたいなチート状態になっちゃうわけだ。

 

 攻撃何それ美味しいの?

 

 しかもだ。

 身体は光と化しているわけだから、スピードは三十万km/毎秒つまり俗に言う1秒間に地球を7周半できる速さになるわけだ。

 さらにさらに、デフォルトのスピードが光の速さなもんで、そこに俺自身の速さが加わるとどうなるか―――。

 

 時間を置き去りに出来るんです…。

 

 あぁ、そんなアホの子を見るような眼をしないで…!!

 

 俺もうろ覚えだし、よく理解できなかったけど確か相対性理論がどうとか浦島効果がどうとかをテレビかなんかで言ってたんだよ。

 たぶんそれだね。

 いや、そう思ったからそうなったのかもしれないけどさ。

 

 ただし!! ものすごい欠点がある。

 

 まず詠唱と集中にかなり時間がかかる。

 次に、使用中は俺の認識が追いつかないから予め移動するところを決めておかないと事故る可能性が高い。

 最後に、かなり疲れる。

 

 結論、お蔵入りかな!

 

 俺の努力(度重なる自爆)は何だったんだろうか…。

 おいこらキャスター肩をポンとかやめろ!

 マジで泣きたく…ふえ……。

 

 ごほん!!

 よし! ネタ技として割り切ろう!!

 

 

 んじゃ、次は…と。

 ん? ハイハイキャスターさんなんですか?

 もう神殿を壊さないでほしいから、派手なのはやめてほしい?

 

 まぁ、成功or自爆(=神殿破壊)だったし、言いたいことは分かるけどもさ。

 

 仕方が無い。

 というわけで、魔法関係はやめて『武術』関連の練習をしよう。

 

 よくよく考えたら俺にとって武術って死活問題なんだよね。

 昨日の小次郎との戦いでも、セイバー戦でも思ったが、スペックで何とか勝てている部分があるだけで、技量や経験が圧倒的に俺には足りない。

 セイバー、アーチャーはマスターの所為で制限受けてたり、ダメージ受けてるっぽかったりで身体能力で勝つことできたけど、小次郎戦じゃあ身体能力だけじゃ中々勝てなかったし…ってか、結局勝敗決まってないし…。

 

 つまり、この先ランサー戦をするにあたり武術関連をどうにかしないといけないのだ。

 

 一応プランはある。

 あと、やりたいこともある。

 

 この身体になる以前も武術の武の字も知らん男だった。

 でも、武術も『幻想を現実に変える程度の能力』で良いとこまでもっていけるんじゃないか?と思ったわけですよ。

 冬木に来て、いくつかの戦いを見たり実際に行ったことで多少の戦闘感覚は生まれていると思う。

 それに自身の動きだけでなく、相対した相手の動きも目に焼き付いている。

 あとは、これらを自分にどう適応させるかが問題だ。

 『幻想を現実に変える程度の能力』でどこまで再現できるかってのもあるか。

 俺がここまでの戦闘でラーニングによって得た技術は確かにすごいが、まだ俺の中でバラバラだし理解できていない。ただのサルマネ状態なわけだ。

 これを何とか形にしたい。

 やっぱりさ、バトルマニアとまでは行かないだろうが、俺も男の子だ。

 悲しきかな身体は女の子状態だが心は男だ。

 闘いというものに憧れがあるし、熱い攻防ってのをしてみたい。

 それに、“獣の本能”ってのも俺を掻きたてる。

 とはいえ、俺が思いつける武術なんてアニメやゲームのものだ。

 合理性を求める実践の中でどれだけ使えるものがあるかわからないが、何かは上手くあてはまるかもしれない。

 無かったら無かったで最初からやるだけだ。

 

 だから、とりあえずやってみよう。

 

 

 

 

 

 実験6:二槍流

 

 

 武術部門エントリーナンバー1番は戦国BAS〇RAより真田幸村の槍の二刀流(二槍流)だ。

 いや別に、BASA〇RAに詳しいわけじゃないんだけど、アニメ見ててかっこよかったんだよねぇ。

 

 そんなわけで。

 

「来い! スピア、スピナアタ!!」

 

 今回は武器の強さは必要ないので、初期レベル武器の内の2槍を呼び出す。

 それを両手で持ち、真田を思い出して構える。

 

 ぎりぎりまで真田をトレースする。

 

 いくでござる!!

 

「燃えよぉ!! 我が魂ィィィィっ!! ウオオオオォォォうわぷっ!!?」

 

 

 

 HAHAHA!!

 これは予想してなかったぞコンチクショウ!!

 

 まぁ、いつものごとく結果を言うとだな。槍が…槍が引っ掛かったんだ…地面に…。

 

 そうだよ!!

 槍二本扱うのに身長足んなかったんだよ!!

 始めたと思った瞬間にこれとか…神は俺に恨みでもあるのか!!?

 あ、一応俺もか…。

 

 ちくせう…。

 俺はあきらめねぇ!

 こんな所でやめたらただの負け犬ではないか!! 勝ち犬になるんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 実験6:6爪流

 

 

 同じく、BAS〇RAより伊達正宗の6爪流いきます。

 これは、片手に3本、計6本の刀を指で挟んで爪に見立てるというものです。

 ほら俺ってビーストだからさ、案外これって合うんじゃないかなって思ってさ。

 

 

「来いツインセイバー! リョウサベラ! アル・セバラ!」

 

 呼び出すのは初期レベル武器の双手剣3セット。

 

 これを両手にっと…(ガシャン)…おっと手が滑っちまったぜ。

 さて気を取り直してもう一度…(ガシャン)…おかしいなぁ…疲れてるのかな?

よし、もう一度だ。

 こうやって指の間に…(ガシャン)…指の…間…に……。

 

 うぅ……。

 

 おかしいな? 何でだろう前が見にくいよ。

 ぼやけて見えるよ。

 

 

 

 

 すまんとりみだした。

 この身体になってから、やっぱり精神が引っ張られてるのか涙もろk…って泣いてねぇ!!

 あれは目から汗が出ただけだ!!

 まぁ、なんだ。結果報告。

 

 手が小さくて持てませんでした。以上。

 

 始まる前に終わってしまった…。

 どうしよう、他にも何個かあるけどもう心のHPが限界だ。

 やる気が起きない。

 ついついそこらに放り出してしまっていた武器を直し、俺は地面に三角座りをする。

 そして、アイテムボックスからたい焼きを取り出し咥える。

 うまー…。

 餡子味の筈なのにしょっぱいのは何でかなぁ…。

 

 

 

 

「稽古中に失礼するぞ」

 

 …おう?

 後ろから聞こえてきた声に振り向くと、そこに居たの長髪の着流しを着たイケメン、小次郎だった。

 

「どうしたん? 門で見張りじゃなかったっけ?」

 

「いや、なに、そこに居るキャスターに呼ばれてな」

 

 そう言い、小次郎が俺の後ろの方に目線を送ったのでそちらを俺も見る。

 すると、少し離れた所にある建物の影、そこに…。

 

「へ?」

 

 鼻を押さえながら、地面で悶えてるキャスターさんが居ました。

 って、キャスターさん何してんの!?

 

「キャスター、新たな命令とはなんだ?」

 

 そんなキャスターさんを意にも留めずに話しかける小次郎。

 この状況で話しかけるとか、あんた勇者や。

 

「…起きろ」

 

 それどころかまだ再起動できないキャスターを刀の柄でつつく。

 そうしてやっと起きるキャスター。

 あ、鼻血を押さえてたのか。

 それを裾で、ごしごしとふき取るキャスターさん。

 ただ、一つ気になる点がある。

 何故かキャスターさんの手にはビデオカメラがあるのだ。

 

 まさか―――、

 

「アサシン命令よ。あの子に武術関係の事を教えてあげなさい。私は魔術関連を教えるわ」

 

 あんた見てただろ!!?

 しかも録ってたのか!?

 録ってたんだろ!?

 録ってたんだな!?

 

「って、ちょっと待った! キャスターが見てたのはこの際置いておくとして、なんで教えるって話になんのさ?」

 

「あまりにも……ふびn…かわいそうだったから……」

 

「おい今不憫っていいそうになったよな!? てか、かわいそうって言い直したところでダメージは大きいよ!! 俺のライフはもうゼロだよ!!」

 

「ふむ、確かに…」

 

 横で神妙に頷きながら同意する小次郎。

 

「あんたはあんたで何同意してんだよ。その真剣に頷いてる感じのせいでマジ泣きそう」

 

「勘違いするな。不憫だと思ったのは勿体ないと思った故にだ」

 

 ……?

 勿体ない? どゆこと?

 

「天才とまではいかぬが才がないわけでは無かろう。門前での一勝負の際の最後の動きはそれなりのものであった。それ以前のものも悪くはない」

 

「ほ、ほんとに!?」

 

 思わず縮地レベルで小次郎に詰め寄ってしまう。

 だがそれなりの勢いで行ったにかかわらず、小次郎は真剣な目でこちらを見ている。

 自分で来ておいてなんだけど、真剣な顔でガン見されると流石に恥ずかしいな。

 

 俺はそっと離れた。

 

 そんな俺を気にせず、小次郎は次にキャスターの方を向く。

 

「キャスターよ。良かろう。貴様の事だ、門前の警護の件も何かしらの策はあるのだろう? 武の土台程度なら見ないこともない」

 

「あら、断られると思っていたのに。どういう風の吹き回し?」

 

 いや、それはあんたもだろ。

 

 それと、俺の意見は聞かないんですね。

 いや嬉しいよ? とてつもなく。

 ただ、ちょっとは聞いて欲しかったなって思ったりしなかったり。

 

「いやなに、未来(さき)というものに少し興味が湧いてな。ただの戯れだ」

 

 あれま。小次郎が微妙に性格変わってる?

 前向き…って言うのとは少し違うけど、原作で知ってる小次郎はただ強いものとの戦いを求める感じだった気がする。

 いや、俺を強くして勝負したいってなら一緒か?

 でも、これっていい流れ?

 ひょっとしてここからは俺の頑張り次第で小次郎も?

 

 あ、別に小次郎ルート開拓って訳じゃないんで座ってて下さいね。

 

 

 

「えっと、ホントに稽古つけてくれるのか?」

 

「うむ」

「ええ」

 

「やった。ありがとうな」

 

 ともかくこれはかなり嬉しいぜ。

 俺にとって恐らく一番相性が悪いのは小次郎だった。

 その小次郎から土台とはいえ教えてもらえるのだ。喜ばないわけがない。

 おそらく今の自分は満面の笑みをしているだろう。

 やはり感情がすぐに出てしまうな。

 でも、喜ぶ分にはいいか。

 

「か、勘違いしないで。ギブアンドテイク。あくまでも私も利益を得ることをしてもらうからよ」

「勘違いしてもらっては困る。娘が強くなることは私にとっても得があるだけのことだ」

 

 なにこの同じタイミングでのツンデレ発言。

 

「そっか。でも、それでもありがとうな」

 

 感謝を。

 予想外のことだが、これで俺はまた一歩ハッピーエンドへ近づけるだろう。

 だから、精一杯の感謝をする。

 

「…ええ」

「む、うむ」

 

 何故に二人してそっぽ向くし。

 え、俺変な顔してた?

 

 




いかがだったでしょうか?

ただやりたいことやっただけのこの話。
微妙にエンディングへの布石を置いたりはしましたが、正直な話、厨二病なことやりたかっただけですw

でも自重しませんとも!

こう、見ててむず痒くなりますけど、それがまた面白いというか、何とも言い難い感覚ですが、私にとって厨二病ってそん感じです(笑)


それでは、またお読みいただけることを願っています。
ではでは!


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