テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

毎週毎週、今週こそ連休中にストック書くぞ! って意気込むのですが結局いつもギリギリに…orz
もう少し1話を短くした方が良いのでしょうかね…。


『stage35:5000円/グラム位でいけるかな…あれ…』

 

 

  

 いつの間にかそこに居た、黄金の鎧に同色の髪そして紅い瞳の男。

 更には視界全てを埋め尽くすほどに浮かぶ武器。いや、宝具。

 

 …ありえない。

 

 コウジュという存在を知っていてもなお、信じることが出来ない光景だ。

 むしろこちらの方が目に見えた脅威としては上だろう。

 そして何故か、あれらが何であるかが頭の中へと流れ込んでくる。

 正確にはどういった類のものであるかや何かの原典であるという程度のもの。中には理解を拒否するものまである。

 修行の際にコウジュに言われた事、『武器…特に剣等の場合は注意して見ろ』というのを思い出して見たわけだがあまりにもな情報量、そしてその内容に圧倒される。

 そして今の状況がどれだけまずい状況かということも分かった。

 しかも全ての宝具の刃先がこちらを向いているのだ。

 あれら一つ一つが俺達を殺してなお余りある力を持つのは確かだ。

 既に疲れが貯まっている俺達でどれだけの事が出来るだろうか。

 まぁベストコンディションだったとしても難しいだろうことは容易く分かる。

 

 それにしても、こいつもサーヴァントなのだろうか?

 だが聖杯戦争に召喚されるサーヴァントは7人と言っていた筈だ。

 なのに8人目?

 概要を聞いただけしかない俺では根本的な部分での判断ができない。

 だが…、いやよく考えたら身近に聖杯戦争に敗れても尚生存している存在が居るではないか。

 もしかするとあいつもそういう生存し続けた存在か?

 どうであろうと関係ないか。

 問題はどうやってこの状況を打破するかだ。

 

 

「では失せろ。雑種共」

 

 黄金の男が事も無げにそう言った瞬間、空中に浮いていた宝具全てがこちらへと撃ち出されるように向かってくる。

 

 まずい!!

 

 俺の後ろに居るセイバーに遠坂、桜を守ろうと回収していたソードを盾に前へ出ようとする。

 しかし、それよりも早くキャスターと葛木が俺たちの前に出た。

 

「予定と少し…違う…わ…!!」

 

「だが、多少ずれる可能性があるとも言っていた」

 

 前に出たキャスターは障壁を張って飛来してくる宝具を弾いていく。

 そして葛木は懐から青い腕輪を出し、腕にはめた。

 その状態でキャスターが弾き損ねた宝具を素手で殴り飛ばし、援護を始める。

 多重に張られた障壁を時たま貫通する宝具も葛木によって弾かれていくため、その更に後方に居る俺たちの元へは一本もたどり着いてはいない。

 

「……ちっ」

 

 それに対し、黄金の男が舌打ちをした。

 そして次の瞬間、向かってくる宝具の勢いが増し、打ち出される宝具そのものが内包する神秘のランクも上がった。

 それでもキャスターは弾き続けていく。

 だが、少しずつキャスターの障壁を抜ける宝具の数が増え始める。

 そして、合わせて葛木が弾く数も増えていき、さらに先程までとは違って、はためくキャスターのローブも葛木の拳も目に見えてダメージを受けていく。

 

「宗一郎様…あと何分ですか?」

 

「後1分だ」

 

 キャスターたちが何か会話を始めた。

 宝具の弾幕が障壁に当たる音で少ししか聞き取れなかったが、後1分とは一体…。

 

「小癪な…だが……」

 

 黄金の男が、次は片手を上にあげたと思ったらその手に3本の剣が収まる。

 そしてそれをこちらに投げてきた。

 その所作はとても軽い。

 しかしその三本は恐るべきことに、撃ち出される宝具よりも早くキャスターと葛木へ駆け抜けた。

 

「っ!!?」

 

「むっ…」

 

 キャスターが驚く。

 咄嗟に障壁をさらに重ねて展開した。

 だが次の瞬間、そのまま3本の剣がキャスターと葛木を貫いた。

 同時にキャスターの障壁が砕け、他の降り注いでいた宝具がキャスターと葛木を襲う。

 耳がおかしくなるほどの轟音が響き、巻き上げられた土煙で視界が塞がれる。

 

 しばらくして、宝具の弾幕が止まる。

 しかし不思議と、俺達には1本も当たらなかった。

 遠坂、セイバーへと目配せするも無傷だ。

 俺達が居る場所から少し離れれば、そこは暴力的な豪雨として降り注いだ宝具たちの所為で穴をあけるどころか地面をめくりあげ幾つものクレーターを作り上げているのに、だ。

 だが、その疑問の答えはすぐにわかった。

 徐々に晴れていく土煙。

 その中から出てきた二人が全て防いでくれたからだ。

 そしてその分、キャスターと葛木は幾本もの宝具に貫かれていた。

 ギリギリ頭部や心臓といった致命傷は防げているがそれだけ。 

 手足や腹部に刺さった宝具が俺達の言葉を失わせる。

 

「どうして…」

 

「坊やたち…は…いいから後ろに下がって…なさい……」

 

 俺の口からやっと出た言葉をキャスターが遮る。

 口元から血を流しつつも、笑みをやめないキャスターは黄金の男の方を改めて向く。

 

「……時間だ」

 

 葛木が同じく血を口元から流しながら言った。

 それにますます笑みを強くしたキャスターは驚く行動に出た。

 

「あらあら…全然効かない…わね…あなたの正体を聞いた…けど…この程度…?」

 

「何だと雑種?」

 

 このタイミングでの挑発。

 俺たちは動けず、キャスターたちは放っておいても死んでしまうだろう程の傷を負っている。

 対し、黄金の男はもう何も話さずただ腕を上げる。

 再びその背後に現れる幾つもの宝具。

 先程あれだけ使ったというのに先程と同等、ひょっとすればそれ以上の宝具を空中に待機させた。

 

 そして男は、軽い動きで腕をこちらへ振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところがぎっちょん!!!!」

 

 

 

 白い影、表現がおかしい気もするがどこからともなく声を上げながら目の前に躍り出た。

 って、コウジュ!?

 よく見れば白い影というのはコウジュだ。

 彼女は立っているのがやっとのキャスターたちを飛び越えその更に前へと降り立つ。

 そこへと降り注ぐ無数の宝具。

 絶望的な状況だ。

 だが彼女なら、

 

 

「はうあっ!」

 

 キャスターたちと一緒に貫かれた。

 

 こうじゅぅぅぅ!!!?

 何しに来たんだよ!?

 

 黄金の男も思わず呆けてしまったのか宝具の弾幕を止めてしまった。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 い、痛い……。

 用事を終わらせて予定の時間になんとか間に合ったと思ったら既にクライマックスだったでござる。

 まぁでも想定の範囲内だ。

 アチャ夫の無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)に貫かれた瞬間が走馬灯のように脳裏を走ったけどね。

 飛び込んでしまえばあとは成る様にしかならないからやってるけど、ほんと止めとけばよかった。

 そんな風に僅かな後悔と懐かしさを抱いている内に、視界が光に包まれ身体が修復される。

 よし復活!!

 ん? やっぱりMだったのかって?

 そんなわけはねーよ、全力で否定させてもらうぜ!!

 俺がわざわざやられに来たのは―――、

 

「覚えた!! 王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)!!!!」

 

 ――覚えるためだ!(デデーン

 

 いや、さすがにもう分かるシチュエーションだよね。

 でも、ただ覚えたわけじゃないんだぜ?

 黄金の男…金ぴかが使ってる技、空中に浮いてる数々の宝具とそれを打ち出すのは奴が持ってる宝具、王の財宝の力だが、俺は今、俺自身の能力(スキル)として覚えたのだ!

 いつだったか貰ったメールでもその内できるかもって書いてあったからやってみたけど、中々感覚が掴めないからこんな事をしたわけだ。

 本当なら直接受けるのではなく、見ることでヒントを得ようとしたんだけど状況が状況だったのでダイレクトアタック(やられる側)をしてみた訳だ。

 今後金ぴかを相手にする場合、強力な面精圧武装は必要だ。

 勿論メインは桜っちの方だけど、まぁ何とか間に合った。

 

「バカな!? その力は(オレ)の……それ以前に何故生きている!?」

 

「そう、王の財宝だよ。そして悪いね。覚えさせてもらった」

 

 うん、コツが掴めてきた。

 いくつか空間を扱う技術に触れたのもあってか、なんとなくだが身体に馴染んできた。

 俺の背後の空間から金ぴかと同じように武器達が顔を覗かせる。

 ただ、金ぴかとの差異があるとすれば、俺の方は剣や槍といったものではなくおびただしい数の―――――

 

 

 

 

 ―――マシンガン(笑)

 

 

 

「ふん、なんだそれは。そのような数が多いだけの現代兵器で(オレ)に勝てるとでも思っているのか?

 いや、所詮は猿まねか。王の財宝を真似たのは良いが、中身が無かったようだな。

 財を名乗るなら、(オレ)の物ほどは無理であろうが多少は少しマシなものを用意せぬか」

 

 尊大な仕草でそういうギルガメッシュ。

 ちょっとムカ…。

 確かにこれらは貰い物だけど、ゲームの中とはいえ愛用していたものや思い出ある子達なんだ。

 ま、まぁ、別に良いけどね!! 精々吠え面フラグ乱立してろ! ただしその頃には八つ裂き…は銃じゃできないから…、ハチの巣になってるだろうけどな!

 

「バカにしてはいないさ。ついでにいうと、この子達はあんたの財に劣らない活躍をしてくれるんだぜ?」

 

「ふん、弱い犬ほどよく吠えるというが正しくその通りだな」

 

 何ならほんとに吼えようか?

 わんわんわーんってさ。

 ビーストだし。まぁなれるのは狼だけど。

 それに俺が弱いのも確かだしね。

 でも窮鼠猫を噛むって諺もあるんだ。

 

 行くぜ英雄王。武器の貯蔵は十分か?

 

「試したら分かるよ!」

 

 俺は白紙のカードを取り出し、いま手に入れた能力を一つの能力として形にしていく。

 俺が今覚えた能力はこのままだと“武器を倉庫から取り出し射出”するだけだ。

 それだと俺の武器たちは金ぴかほどの数が無いから押し負けてしまう。それ以前に俺が今出しているような射撃系武器は射出したところで意味が無い。

 そこで、俺は王の財宝を覚えた上で対抗するためのスペルを前もって考えていた。

 

 

「弾符『メセタ・フィーバー』!!!!!!」

 

「ふん、行けぇっ!!!!」

 

 俺の宣言と同時、背後に浮かび上がっているマシンガン系武器が一斉に撃ち出す。

 金ぴかもまた宝具たちを射出し始める。

 俺の武器が連続射撃系武器なこともあって轟音に次ぐ轟音。ビーストでなくとも耳を塞ぎたくなるような音が響き続ける。

 そしてその音の中、金ぴかの武器達と俺の銃達の弾丸が互いを撃ち落とし合っていく。

 狙い通り!!

 

「なにぃっ!!?」

 

「HAHAHA、どんなもんだこのやろー!!」

 

 くふふ、驚愕している顔を見てすっとするぜ。

 何故ただの弾丸に見えるものが宝具を弾けるのか、まったく分からないんだろうな。

 ま、簡単に言えば『メセタ・フィーバー』こいつがキーワードさね。

 メセタフィーバーってのは、PSPo2に出てくるマシンガンの(バレット)だ。

 この技はPPを消費して行う技ではなくお金を消費して弾丸を放つというもの。

 この間キャスターの策略(未だ根に持ってる)で魔力供給が途切れてしまったから、現状の限りある魔力ではその内に押し負けてしまう。

 そこで考え付いたのが某“パンが無いならケーキを食べればいいじゃない”戦法。魔力が無いなら別の物を犠牲にすればいいということだな。

 だからメセタ、つまりお金が無くならない限り撃ち続ける事が出来るのだ!!

 この世界で使えるお金は全然持ってないけど、何故かゲーム時代に無駄に貯まっていたメセタ(当然この世界では使えない)が倉庫に入ってたから弾はそうそう無くなりはしない。

 睡眠時間やら何やら犠牲にして無駄に貯蓄した数千万を味わうがいい。 

 

 あとついでに言うと、金ぴかの宝具を打ち出すというのは、一つ一つの真名解放を出来ているのではなく通常時の宝具の神秘に依存している程度の筈だ。

 対して俺の宝具の効果発動は俺の能力によりテキストデータから概念を抽出している。

 

 つまり――、

 

「マッハでハチの巣にしてやんよぉ!!」

 

 あはははははは!!!!!

 見ろ! 宝具(金ぴかの)がゴミのようだ!!!

 

 まぁ、マシンガンは元々一発の威力がかなり低い。

 いくら、ランクSのものを使おうとも拮抗がやっとこさみたいだね。

 

 んじゃ、次に行こう。

 

 カードを取り出し、またしても効果を想像しスペルカードを作成する。

 そして宣言。

 

「終戦『フィーバータイム』!!!」

 

 マシンガンを撃ち続けたまま、追加スペル発動。

 効果は、マシンガンだけでなく全ての重火器を取り出しぶっ放すというもの。

 装填する技は勿論メセタフィーバー。

 元々ゲーム内通貨なわけだし、今世でも使えないものだけどこれだけの数で撃つとなるとだいぶ減るだろうなぁ…。

 いやいやいや、どっちにしろ使えないんだ。ケチってやられては意味が無い。

 

 そうこうする内に出てくるマシンガン以外の重火器。

 ハンドガン、ツインハンドガン、クロスボウ、ロングボウ、ライフル、ショットガン、グレネード、レーザーカノン。

 

「ふぉいやー!!」

 

「ちいぃぃっ!!!」

 

 金ぴかが本腰を入れて宝具を撃ち出して来る。

 その数は今までの火ではない。

 だがしかし、時すでに時間切れだ!!

 お前が撃ち出す宝具の数よりも、こちらの弾数の方が若干上回っている!!

 戦争は数だよ兄貴!!

 

 

 

 

 

「ちょ、コウジュ!! 跳弾!! 跳弾がっのわぁっ!!! 剣も来てぇ!!!」

 

「コウジュ止めてください!! 弾ききれません!!!」

 

「キャァー!!? かすった!!! 今かすっイヤー!!」

 

「…はう(ばた)」

 

 

 

 あれー?

 そして続けて聞こえてくる、ゴギガガガギゴ…じゃなかった、ともかくまるで空間そのものが軋むように音を発し、遠くに見える壁や天井が歪み始めた。。

 はて?

 って、あ……。

 やっべ。とにかく撃ちまくったから、流れ弾でこの空間が潰れかけてる!?

 そうか、一応ちょっとやそっとじゃ壊れないようにしてとは言ったけど、術者(キャスター)は後ろで死んでる(リアルに)んだし、神殿の保持ができない状態で、あれだけの宝具やら攻撃やらで空間も飽和しちまったわけか!?

 こりゃ、やばい。

 

「ちっ、空間が持たんか…おいそこの雑種!!」

 

 いつのまにか互いに撃ち合いをやめており、金ぴかは俺に向かって何かを言ってくる。

 

「なんじゃいの?」

 

「貴様! 王の財を真似るという大罪、またすぐに償わせてやる!! 覚えておれっ!!!」

 

 それだけ言って、金ぴかは消えた。

 何その噛ませ犬発言。

 ってか、今の霊体化したのか? いや、空間移動系宝具の原点を持っててもおかしくはないからそっちっぽいかな。

 いいなー。王の財宝(もどき)は手に入ったけど、どうせなら中身も欲しいな―。

 確かに俺が持ってるのは規格外だけど、どうやってもPSPo2の世界観上近未来的なのとかが多いから、明らかに宝具っぽいのも欲しいっす。

 

「ふむ……」

 

「こらー!! ふむとかのんきなこと言ってないで脱出の手伝いをしなさいよ!!」

 

 やばい。そうだヤバい状況だったんだ。

 早く何とかしないと空間がどうにかなる前に俺が凜ちゃんに殺されそうだ。

 

「扉!! 扉その辺にない!?」

 

 さっさといつものスペルを使っていつものように移動しようと、扉を探す。

 

「あんたがなんか考えてる間に消えたわよそんなもんは!! ってああ!! 出口に続く道も無くなったじゃない!!」

 

 凜ちゃんが激おこぷんぷん丸(´・ω・`)

 ムカ着火ファイヤーしちゃう前に行くとしますか。

 だから、ちょっと荒っぽくなるけど仕方ないよね。

 

「すまん!! 失敗しても俺を恨むなよ!!」

 

 俺は、『ツミキリ・ヒョウリ』、以前にイリヤとライダーに見せたツインダガ―を出す。

 の付いた巨大なナイフを逆手に持ち、内包する『空間操作』の概念を能力で操作し、士郎達の方を向く。

 実はこれ、あんまり練習出来てないんだよね。

 現状どうしても距離とかの制約が着いてしまう。

 キャスターの御陰で空間移動の感覚がちょっとはマシになったしたぶん行けるとは思うんだけどね。

 

「え、ちょっと!? 恨むなってどうい―――」

 

「答えは聞いてない!! ツミキリ・ヒョウリ!! 空間を切り裂けっ!!!」

 

 ヒョウリを士郎達に向かって振り下ろす!!

 

「うわあああぁ!!!」

 

「っ!!?」

 

「いやあああああ!!!」

 

「……」

 

 思い描いていた空間の裂け目が士郎達の足元に出来、飲み込まれていく。

 若干一名気絶したままだったのでそのまま落ちて言ったけど士郎が何とかしてくれるだろう。

 とりあえずは上手くいった…かな?

 すかさず俺も、キャスターと宗一郎氏を抱えて裂け目に飛び込む。

 

 神殿が崩壊しちゃったし、これは怒られるかなぁ…。

 そんな、緊張感がない事を考えながら俺は飲み込まれていった。

 

 

 

 あれ、そういえば小次郎どこ行った?

 

 ……あれ?

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「うわあぁぁ!?」

 

「きゃあぁぁぁぁ!?」

 

「…!?」

 

 俺たちはコウジュに双剣?で斬られたと思ったら落ちる感覚と共に黒い空間に飲み込まれた。

 しかし暫くすると視界が明るくなり始め――、

 

「ぐはっ!? ぐぇっ!!?」

 

「きゃっ!?」

 

「くっ!?」

 

 ――地面にビタンと打ちつけられた。

 ついでに背中におも…ゲフンゲフン…遠坂様が乗ってこられました。

 セイバーは横で着地したようで、カシャンと具足の軽い金属音と共に降りてきた。

 俺が抜け出そうとしたでもぞもぞ動いていると、状況に気付いたのか遠坂が飛び跳ねるように避けてくれた。

 続けて俺も何とか立ち上がり、状況を確認する。

 とりあえず桜はセイバーが途中で抱きかかえてくれたのか無事だ。

 

「ってあれ、ここって柳洞寺の門?」

 

 遠坂の声に反応し、俺も当たりを見渡す。

 確かにここは柳洞寺の門前…ってことはさっきの双剣は移動するのが能力だったのか。

 あの宝具は見ても分からなかったからかなり高ランクってことだな。

 空間を移動できるくらいの宝具だから低い訳もないか。

 今更だけど、この武器の情報が分かるというのは何でなのかいい加減教えてくれないだろうか…。

 助かるって言えば助かるんだけど、ちょっとだけ気味悪くなってきた。

 ニヤニヤしながら、チート野郎めとか言ってきてたから大した理由があって隠してるわけではないと思う。というかコウジュが言うな。

 

 ……現実逃避もここまでにしておこう。

 

 

「皆無事か?」

 

「私は大丈夫よ。桜も居るわ」

 

「私も問題ありません」

 

「私もだ」

 

 じゃあ後はコウジュだけ――、

 

 

 

 

 

 ――っ!?

 

 

 

 

 

「今一人多くなかったか!?」

 

「私の事か?」

 

 そこに居たのは青い着流しに長い髪を一つに結った古風な男に似た少年だった。というか小さくなったアサシンだった。

 

「あ、あんた何で…」

 

「ふむ? 私はずっと居たぞ?」

 

 え?

 いや、確かに金色の男が表れる前に居たのは覚えてるが、その後は記憶にない。

 

「ただ、私はずっとクラススキルで姿を消していたがな」

 

 おい…。

 

「あんたサーヴァントなら闘いなさいよ!!」

 

 遠坂はさっきの、キャスター、葛木と黄金の男との戦いの際の事を言っているのだろう。

 

 あの二人は敵だったが、コウジュの計画だった事から味方、少なくとも敵ではなくなった。かばってくれたりもしたし…。そんな2人が目の前で貫かれて倒れていくのを見せられたんだ。遠坂が言いたくなるのも当たり前だろう。

 

「ああ、そのことかそれは―――」

 

 アサシンがごく平然と何かを話そうとするが、すぐに遮られた。

 

「すたんっ、着地っと。10点!!」

 

 コウジュが上から何かを二つ抱えて目の前に落ちてきた。

 少し遅れてきたが自身も無事にあの宝具であの神殿から抜けて来れたようだ。

 良かった。

 そう安堵したところで、バーンという効果音が似合うような登場の仕方をしたコウジュの手にある二つのモノに目をやる。

 キャスターと葛木の死体だ。

 

「おおぅ? 何この状況?」

 

「コウジュ…それって……」

 

「ん?キャスター達だよ? ああそっか士郎達は知らんかったっけ。大丈夫、多分もうチョイしたら起きると思うから」

 

 そう言いながら、コウジュは2人の遺体を改めて肩に担ぎ直し、何かカードを使いながら柳洞寺の門をくぐって中へと入っていく。

 身長足りないから擦ってる擦ってる。

 しかし声を掛ける暇もなく、コウジュは奥へと消えていった。

 

「というか起きるってどういうことだ…?」

 

 そんな風に先程の疑問を口にしていると、俺の横を遠坂が歩いていく。

 

「ああ、忘れてたわ…学校の時のもあの子だったっけ…」

 

 遠坂は頭痛(・・)が痛いとでも言いたげに頭を押さえながら同じように中に入っていった。

 セイバーとアサシンは無言で同じように入っていく。

 

 あまりにも普通に置いて行かれたので一瞬呆けてしまったが、慌てて俺も同じように門を潜った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのさ、柳洞寺に居た筈なのに何でいつの間にか俺の家に居るんだ?」

 

 さっきまで柳洞寺に居た筈なのに今は俺の家に居る。柳洞寺の門を越え、中にある家屋の引き戸を開けたらそれは俺の家の引き戸になっていた。

 後ろを見たらやはり柳洞寺の階段が写っているのに、前を向いたら俺の家の中…。

 今更な気もするが思わず口に出てしまった俺は悪くない筈だ。

 あ、桜は近くの部屋に真っ先に寝かせてきてある。

 

「説明めんどいから俺の能力で空間繋げた結果だと思っときゃいいよ。そういやさ、さっき何の話してたんだ?」

 

 俺がぽろっと言ったことへの回答を投げやりに答えながら、担いでいたキャスター達を下ろし、自身の疑問をぶつけてくる。

 なぁ、俺ってここの家主だよな?

 別にえらぶろうってわけじゃないけどさ…。

 なんだろう、このやるせない気持ち…。

 

「いいけど、その次は私の質問だからね?

 さっき話してたのはアサシンの事よ。こいつバトルジャンキーみたいなこと言ってたくせにさっきまでずっと隠れてたらしいわ」

 

「あ、小次郎隠れてたんだ」

 

「うむ、最初は当初の予定通り私も時間稼ぎに参加しようと思ったのだがな、ほれ、このように身体が小さくなってしまって刀が振れなかったのだ」

 

「ぶはっww ちょ、それ……って俺笑えねぇじゃん…」

 

 アサシンが立ち上がり刀を取り出して握るも、身長の2倍はある大太刀はその小さくなった手には大きいようで刃先がぐらぐらと揺れている。

 それを見てコウジュは噴き出した(俺もちょっと危なかった)が、すぐに何故か床に手を付きながら落ち込み始めた。

 何かあったのだろうか?

 コウジュの為にも聞かない方がよさそうか。

 

「アサシンが小さくなってるのはどうせアーチャーの時と一緒なんでしょ? それからそっちの死体やってる二人も。

 どういう理屈かはこの間そこまで教えてくれなかったけど、そういうスキルをあんたが持ってるのは聞いたし、今更あんたが何しようとあんまり驚かないわ」

 

 遠坂は幾らかを察したのかおざなりにだがそう言った。

 すまない、魔術にもあまり詳しくない俺では理解するのにはもうちょっと時間がかかりそうだ。

 魔法ってほんと何なんだろう…。

 

「私が聞きたいのは今回の事件を起こした理由よ。それからあの金ぴかの奴。キャスターが言ってたけど、全部あんたの掌の上だったんでしょ?」

 

「まーね」

 

「まーねって…軽すぎるだろ! こっちは桜の事とか色々焦ったんだぞ!! いくら何でも怒るぞ!!」

 

 声を荒げて言う俺にコウジュは唐突に真剣な顔になって、俺に言ってくる。

 

「ホントに悪いね。でもさ、あんたらには嫌でも強くなってもらいたいんだ。だから今回みたいな事を起こした。金ぴかのあいつの件は俺自身の為って部分も確かにある。でも、キャスターの件は士郎達の為ってのが大きい。

 これは完全な俺の押しつけだよ。余計なお世話って言われても仕方ないことだ。偽善者って言われるのも仕方ない。

 でも、今のままだと俺が見たい未来には行き当たらない。

 俺はハッピーエンドが好きだ。それの為には必要な事なんだ」

 

 コウジュの紅い瞳に見入る。

 いつものおちゃらけていて楽しそうな瞳ではなく、ただ真剣さを映したその瞳は俺に何も言わせなくする。

 卑怯だ…とも思う。怒れないじゃないか。

 それは遠坂も同じだったらしく―――、

 

「そんな目されたら強く言えないじゃない。まったく…」

 

「ゴメンな…」

 

 軽い口調とは裏腹に本当に申し訳なさそうに言ってくる。

 まただ。

 ここ数日でも何度か見た、コウジュの表情。

 そのようには似合わない、大人を思わせる表情。

 イリヤにもあるが、子どもの様にはしゃぐくせにこういった時はその顔に子どもを暖かく見守る大人の様な慈愛が見て取れる。

 

「はぁ、もう良いわよ…。それで? 話せるとこまでの説明をしてくれるんでしょうね?」

 

「ああもちろんだ。っとちょっと待ってくれ。キャスター達の蘇生が遅い。先生さんの方は先に起きても良い筈なのに。

 まぁ仕方ないか。士郎、この二人寝かせるのにどっか借りて良い?」

 

 気付けばコウジュは、いつもの常にどこか嬉しそうにしてる彼女に戻っていた。

 どっちが本当のコウジュなのだろうか?

 

「士郎?」

 

「あ、ああ。空いてる所を適当に使ってくれ」

 

 違うことを考えていたからか反応が遅れてしまいコウジュが俺の顔を覗き込んでいた。

 思わず、焦って声がどもった。

 って、何を焦ってるんだか俺は…。

 

「さんきゅ」

 

「私が見ておこう」

 

 そんな俺を見て首をかしげながらもコウジュが二人を担いでアサシンと共に部屋を出ていく。

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁ…」

 

 コウジュが出てすぐ、遠坂は机に項垂れた。

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫なわけないでしょ。正直満身創痍よあれだけの事があったんだから。しかも、詳しい事もどこまで聞けるんだか分からないし、どっかに当たる事も出来ないし」

 

 そう…だよな…。

 コウジュの空気に乗せられて普段みたいに居間に居るから忘れてるけど、戦いの後なんだ。

 今日だけで死を覚悟しなければならない目にあったのは何度あっただろうか。

 そんな風に改めて今日の事を思い出したからか、ドッと疲れが出てきた。

 

「どうせだったらコウジュに先に回復して貰うんだったわ。戻ってきたらしてもらおう」

 

「同感だ…」

 

 そうこうする内にコウジュが戻ってきた。

 遠坂が今言ったように回復だけしてもらい話を続ける。

 

 

「さて、話の続きだけどどこから言おうかねぇ」

 

「とりあえずはあの金ぴかの事からで良いわ。一体何者なの?」

 

「あいつは―――」

 

「あの者はアーチャー。前回の聖杯戦争に召喚されたサーヴァントの一人です」

 

 コウジュの言葉に重ねる様にセイバーが言った。

 今まで黙っていたので少し驚く。いや、知っている事の方に驚く。

 

「あの者に私は「求婚された?」…っ!? どうしてそれを!?」

 

「今更その辺は気にしない気にしない」

 

「……。コウジュの言う通り、私はあの者に聖杯戦争の中求婚されました。勿論、斬って捨てましたが」

 

「ちょ、ちょっと待って! セイバーは前回の聖杯戦争でも召喚されてたの!?」

 

「はい。そしてあの者と剣を交えています。あの大火災の中で…」

 

 大火災。

 

 その単語を聞いた瞬間、町が燃えていくあの光景が、町の皆が助けを呼ぶ暇もなく燃えていき、呼べてもすぐに炎に飲まれるあの地獄が脳裏に浮かんだ。

 

「前回私は最後の二人まで残りました。もう一人はあの黄金の男です。マスターは分かりません。いえ、あの者の正体も結局掴めませんでした」

 

「どういうこと? あれだけ派手に宝具を使ってるんだから分かっても良さそうなのに」

 

「では、凛。あの数ある宝具の中に一つでも見覚えがあるモノがありましたか?」

 

「それは…」

 

 俺も思い出す。けど、いくつかは解かる事は出来なかったは知ることはできた事を思い出す。

 

「原典…」

 

「士郎?」

 

 誰が言ったのか疑問を投げかけてくる。

 だが俺は、あの光景を見て知った事をただ口に出す。

 

「原典だよ。何でかは分からないが頭に入ってきた。全部かどうかは知らないがいくつかは宝具の原典というものらしい」

 

「宝具の原典って…どういう――」

 

「正解だよ士郎。特訓の成果ありってことかね。とりあえず後は俺が言うよ」

 

 良くわからない事だらけだが、コウジュが俺の続きを言ってくれるらしい。

 

「コウジュはあの者を知っているのですね?」

 

「ああ。それと、士郎が言った原典ってのは本当だよ。

 実は士郎には真眼スキル、剣とか限定だけど適性があるんだ。まだ全然みたいだけど、それでもいくつか分かったみたいだね」

 

 そこで指をピンっと一本立ててコウジュは続けた。

 いや待って、真眼とか初めて聞いたんですが?

 しかしそんな俺は置いておいてコウジュは続ける。

 

 

「さて問題です。数多の宝具の原典を湯水のごとく使い、自身を王と呼ぶあの男は誰でしょう?」

 

 もう微妙に俺の事について流される事には慣れてきてしまったので、とにかくコウジュが出した問題を考える。

 

「原典…大量……」

 

「そして…王…」

 

「「まさか…」」

 

 どうやらセイバーと遠坂が同時に答えを導き出したようだ。

 

「はるか古代にあらゆる宝具はたった一人の元にあったわ」

 

 そこで俺も分かった。

 つまりあいつの正体は―――、

 

「「「古代ウルクの、最古の英雄王、ギルガメッシュ」」」

 

「That's right♪」

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 金ぴかの正体を皆にバラした。

 原作ではこの時点では士郎達は金ぴかの正体には気づけないんだが、前もって知ってる方が対処はしやすい筈だ。

 これからは士郎達もあいつと相対する可能性がある。

 現状の戦力で言えば金ぴかに対抗できるのは俺だけだ。

 だから、俺がすぐに助けに行けない場合は俺が行くまで保ってくれないと助けられないかもしれない。

 

「なんだってそんな奴がまだ現界してるのよ」

 

 凛が俺に聞いてくる。

 えっとどこから話そうかねぇ…。

 

「ちょっとややこしい部分だから整理しながらいくぜ? まず、凛ちゃんはサーヴァントが現界し続ける方法って何があると思う?」

 

「現界し続ける方法? ……えっとちょっと待ってね。

 とりあえず前提条件としてサーヴァントは聖杯を介して現界という神秘を可能にしてるから聖杯は必要不可欠…。

 聖杯はあらゆる願いを叶える願望器だから聖杯で現界を願えば良いのかしら?」

 

「さすが凛だね、おしい。確かに聖杯によってサーヴァントを現界、いや受肉させる方法はある。

 けどな、前回の聖杯戦争には勝者は居ないんだ」

 

「え? それって…」

 

「事実です凛。コウジュの言う通り前回の聖杯戦争で景品である聖杯を得た者は居ないのです。

 私がこの手で、前回のマスターである衛宮切嗣に令呪で命じられて壊させられましたから」

 

「「!?」」

 

 凛と士郎が同時に驚く。

 ただ、2人が驚いたのはそれぞれ別のところだろうな。

 士郎は衛宮(・・)切嗣という部分に、凛は聖杯をわざわざ壊したという部分に。

 

「まぁその辺はセイバーに聞いてくれ。俺は知識として知っているだけだし、全部が全部知ってるわけじゃないからさ」

 

 聖杯が穢れている事はまだ言えない。

 だから、切嗣が聖杯を壊した理由も言えないんだ。

 すまんな士郎。

 

「それでさっきの続きだが、あの金ぴかは聖杯ではなく他の力によってその身を現界し続けている。

 でもさ、考えてみたら答えは単純なんだよ。

 聖杯の役割は3つ。まず呼び出すためのゲート。そして聖杯戦争中のサーヴァントの現界の維持をバックアップ。そして願望器としての器。

 ここで重要なのがバックアップの部分だよ。

 確かにサーヴァントの維持にマスターからの供給は必要だ。けどさ、サーヴァントという一種の奇跡を人一人で何日も現界し続ける事が可能か? 戦争中は『魔法』に近い宝具という奇跡も使用するんだぜ?」

 

「…! なるほどね…そういうこと……」

 

「?」

 

 ホントに凛って優秀だよね。

 今のだけで分かるとかさ。

 

「つまりだ士郎。サーヴァントが現界し続けるだけ(・・)なら聖杯が必ずしも必要じゃないんだよ」

 

「いや、つまりどういうことだ?」

 

「士郎、既にサーヴァントはこちらに来てるんだからゲートの役目は必要ない。だから後の問題は魔力だけなの」

 

 そこに俺が続ける。

 

「そう、聖杯が無いと現界させ続けるのがあくまで困難なだけだ。だったらだ、足りないならどっかから取ってくればいい」

 

「でもコウジュ。私も自分でそう考えたとはいえ、他のとこからっていう部分が分からないのよ」

 

「そうだよ。そんなことが可能だとしても、困難って言う位なんだから相当の魔力が必要なんだろ?」

 

「おいおい、忘れちまったのかい? この町はあんたらの町だろ? 最近何が起こってた?」

 

「ちょっと待って! 町って言ったらガス漏れ事件の事よね? でもあれはキャスターが魔力を吸うために…」

 

 そこで、考え事をしていた士郎がポソリポソリと言い始める。

 

「いや…遠坂、まだある。他にも事件があった。俺も詳しく聞いたわけじゃないけど、刀とか槍の類の長物での辻斬り事件」

 

「それだよ」

 

 実際は他の供給方法も使ってるがそっちを言っちゃうと士郎達の事だ。

 猪のごとく突っ込んじまうから言えない。

 それと、まだ触れてないがあの金ぴかのマスターについてもな。

 でもあとちょっと、あとちょっとで終わらせることが出来る、

 でもここで俺が焦って突っ込んでも殺されるのが落ちだ。全て水の泡となる。

 それ以前に、金ぴかたちをラスボスとして認識している以上、勝てるという確信を持てずにいる間は自殺するようなものだ。

 単純な戦闘はともかく、ここまで何とか戦闘を行ってくれた方法もあいつらには確実に使えないからな。

 だから、もう少しの我慢だ。

 

「そんで問題はさ…。新たにこの地には聖杯が現れたからあいつも聖杯に触れる事が出来るって部分なんだ。

 聖杯に触れられる条件はサーヴァントである事だからな」

 

「最悪…。辻斬りめいた事をしてまで生き残ってる奴に聖杯を得る権利が残ってるなんて…」

 

「ああ、あいつに聖杯を渡すわけにはいかない」

 

「私も渡す気はありません」

 

「当然、冬木の地を管理する私としてもそんなものは許せないわ」

 

 決心をする三人。

 

「俺も自分の事を大概チートだとは思ってる。

 けど、あいつの持ってる宝具の中には俺と相性の悪いやつもあるかもしれないし、俺はかなり…ごほん…えっとちょっと不器用だから予想外の事が起こった時はどうなるか分からない」

 

 ここまでは原作知識があったし、それにそって何とか事を運べたから金ぴかとかの動向もある程度予想はできた。

 けど、ここからは…。ここからは何が起こるか分からない。

 

「後少し、後少しでこの聖杯戦争も終わる。だから絶対に生き残ってくれよ?」

 

「「「ああ(ええ)(はい)」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

【小話】

 

 

 

「あれ? 縁側になんか座ってどうした…ってなんで今にも泣きそうな顔してるのさ…」

 

「お金をな…勢いで使いすぎてしまったんだ……うぅ…」

 

「……えっと」

 

「ああ、気にしないでくれ。自業自得なんだよ。ちょっと調子にのっちまってパーっとやっちゃっただけだからさ。……はぁ…」

 

「そ、そうか…」

 

「はぁ、使えないよ。確かに今は使えない。でも億近くまで溜めてたのに今じゃ数桁単位が減っちまって。そりゃぁあれだけの数で一斉にメセタ溶かせばこうなるよな。あぁ…俺の数百時間がぁ~…」

 

「あ、ひょっとして元の世界のお金か?」

 

「そうそう、魔力の代わりに物量で勝つためにお金を消費したんだよ。こういうやつ」

 

「って、これ金か? これを大量に消費したのか…。確かに痛いな、懐的に」

 

「え、金?」

 

「え、違うのか?」

 

「知らなければよかった…」

 

「え、ちょ、コウジュ!? コウジュ!!!?」

 

 ご利用は計画的に(血涙)

 ご利用は計画的に(泣)




いかがだったでしょうか?

士郎「思い…出した!!」なんて感じな今回。違うか。
いや私はあれ好きですよ。振り切れてる感じで。

さておき、次回はついにあの兄貴が登場!
感想で○○○○が死んだ!! この人でなし!!
というやり取りがしたいなぁ…と密かに思ってる私です。
いやまぁコウジュは今回も死んでますがね。


P.S.
追記なのですが、最近続々と評価を頂けており嬉しい限りです。
ただ、低評価高評価問わず嬉しいのですが(低い方は多少落ち込んだりしますが)、よければどこがどう低評価かなど教えていただけるとありがたいです。直せる部分なら直していきたいので。
あ、もうにじみ出る地雷臭が嫌いなどの場合も甘んじて受け止めます<(_ _)>

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