テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

気づけば月曜になってしまいました……。
遅刻してしまいました申し訳ない。

では、どうぞ。


『stage13:ちょろいぜ。甘いぜ。ちょろ甘ですね』

 

 

 

「コウジュちゃんは何処から来たんですか!?」

 

「えっと、あっちの方?」

 

「御好きなものは何でしょうか!?」

 

「た、食べ物なら大抵好きかな……」

 

 現在俺はフォルマル領の御息女であるミュイちゃんに詰め寄られて色々質問されている状態です。

 何この状況と思われるかもしれないが、まぁ仕方ないのだ。

 俺は幼女。彼女も幼女。

 つまり、なんか仲間意識が生まれたんだってさ。俺の中身40歳越えてるんだけど……。

 まぁそんな理由で、ミュイちゃんから怒涛の質問攻めを受けておるわけだが、実はこの場所には先輩たちはもう居なかったりする。

 

 盗賊達を捕獲した日、俺は唐突な痛みについ意識を手放してしまった。

 その理由というのが何とも情けないものだったりする。

 実はあの時聞こえてきた音楽というのは先輩が頼んでいた援軍だったようで、砦の外に待機させていた大狐と大狼を敵と勘違いしてバカスカ撃たれてしまった。そしてあの2匹は俺自身ではないけど俺だから痛みを共有している。だからその分の痛みが全て俺にフィードバックしてしまいあまりの痛みに転がりまわった挙句、頭をぶつけて気絶してしまったのだ。

 先輩に連絡入れろよとか、何で敵だと勘違いしたのかって疑問が当然出てくるが、その辺りは完全に俺の所為だったりする。

 

 まず何故連絡を入れることが出来なかったかというと、それは俺が第3偵察隊の面々の協力を仰いだ所為でそんな暇が無かったからだ。

 初めに俺は町の人達からの協力を得ようとしたんだが、やはり炎龍を使役してるなんて話を信じてくれるはずもなく、仕方がないので『恋するドラゴン』になった状態で町民の前で部分的に炎龍に変身した。

 だがそれは失敗だった。その姿を見て事前に言っていたのにも関わらず逃げるわ怯えるわでまったく協力を得られなかったのだ。

 だから俺は第3偵察隊の面々の協力を得て作戦の準備に当たった。砦周囲に穀倉地に燃え移らず、それでいて辺りを照らし、そして効果的に盗賊達を囲う様な配置で液体燃料を設置してもらったのだ。

 しかしその範囲の広さの所為で結構な時間が掛かってしまった。敵に見つからないようにしながらだから余計にだ。

 そこに俺がギリギリになって大狐と大狼を追加することにしちゃったもんだから、町の人達への説明のし直しとか色々してもらった所為で援軍の人達に説明する暇も無く戦闘開始となってしまった。

 俺の作戦なら死人が出ないだろうというのもあり第三偵察隊の面々は精力的になってくれたのだが、最後の最後に俺が気絶したもんだから謝られてしまった。いやむしろこっちがごめんなさいです。でも桑原(おやっさん)さん撫でるのは勘弁してください。

 

 次の、何故大狐と大狼が攻撃されたのかって理由だが、それも結局俺が悪いのだ。

 あの時、俺は『恋するドラゴン(2Pカラー)』の姿で先輩の横に居たのだが、大狐と大狼は砦の外に配置したままだった。

 それは何故かというと盗賊達の逃走防止の為だ。

 何せ城砦都市一つ落とそうって盗賊共だから数が多い。一人一人しっかりと捕縛しては砦の中に確保していたんだが、それなりに時間が掛かった。

 捕縛している間に逃げられでもすれば目も当てられないので、内側は俺本体、そして外には2体の大獣という訳だ。

 だけどその姿が援軍の人達には今にも人を襲い砦を破壊しようとする怪獣に見えてしまったらしい。

 まぁそりゃそうだよな。

 砦の外から内側(人)に向けて唸ってる怪物が二匹居たら俺も攻撃するよ。リアリティを出すために偶に唸らせたり歯を剥き出しにさせたりしてたから、それが余計に迅速な対応が必要なように見えたらしいし。

 ちなみにらしいというのは、その撃つのを指示した人から直接聞いたからだ。

 目が覚めた後のはなしだが、健軍さんっていう援軍(第4戦闘団)の隊長さんが先輩に事情を聴いて謝罪しに来てくれた。

 恋ドラの姿ではなく本来の姿のことまで先輩から聞いていたのか、幼女姿に戻っていたにも関わらず直角に頭を下げてくれたのだ。

 むしろこっちが謝りたいくらいだった。

 というか謝った。俺の思い付きに付き合わせてしまった所為で色々とご迷惑をかけてしまった訳だし。

 すると健軍さんは何故か漢らしい笑みを浮かべ、そして微笑ましいものを見る目をしながら俺の頭をぐりぐりと撫でてありがとうと言ってきた。よくわからん……。

 

 とにかくそんな訳で、身から出た錆というか自業自得というか、俺の思い付きの所為で気絶しちゃった訳だからちょっと恥ずかしかった。それすらも暖かい眼で見られるんだからもうやだあの偵察隊。

 というかむしろ気絶程度で済んだ自分の耐性にびっくりだよ。

 まぁまだ中途半端な術だから感覚系しか繋がってなかったしフィードバックが痛みだけだったってのが救いか。

 それでも死ぬほどの痛みでショック死しなかったのは自分ながら凄いと思う。

 とはいえよくよく考えればFate世界で色んなもの(UBWとか王の財宝とか魔術の雨とかその他諸々)を浴びている訳だから今更なのだろうか。いやだなぁそんな殺伐とした耐久経験……。

 さておき話を戻すが、気絶してから数時間で俺は起きたらしいのだがその時点で第3偵察隊の帰還予定時間から大幅に遅れていたらしく、先輩達は急いで帰らなきゃならなくなったのだ。

 むしろ日が昇り切る前に帰還する予定だったらしいのだが、先輩が怒られるのを覚悟で俺が起きるのを待ってくれていたらしい。健軍さん達の方も同様に、事後処理やらなんやらと理由を付けて残ってくれていたようだ。

 だから先輩達は俺が起きるなり様子を見にきて、そしてそのままアルヌスの前線基地へと帰って行った。

 じゃあ俺はどうして残っているのかというと、黒川さんが先輩にもう少し休ませてあげて欲しいと伝えてくれたからだ。手をワキワキさせて俺のケモ耳を見ながらだったので微妙な気分になったが、触ることよりも休ませてくれることを選んでくれたのだから本気で心配してくれたのだろう。

 ついでに言えば、捕えた盗賊達の監視役でもあったりする。

 俺……というか『恋するドラゴン』モードの姿の俺が居るだけで盗賊達は暴れる気力を無くすようで、大人数を収容できるようには出来ていないこの町にとっては大いに助かるそうだ。

 

 そんなわけで、俺は先輩達にはついていかず、このイタリカに残存しているというわけだ。

 別に寂しくは無い。無いったら無い。

 それに俺一人ならいざとなればアルヌスまでひとっ跳びだし、先輩にはいざとなれば令呪を使って強制召喚するように言ってある。

 正直言って令呪の存在理由って今の所無いしね。現状でいうと念話を繋ぎやすくする程度だろうか。

 本来、霊体であるサーヴァントを現界させ続けるために令呪が必要だが、俺は元々生きてる状態だし、そもそもこの世界には契約前から居る訳だから令呪が無くなってもデメリットは無い。

 聖杯戦争中ならマスターとしての証だったりサーヴァントの強化とか色々使い道があるようだが、よくよく考えれば聖杯戦争に参加してる時にそんなことに使われた覚えはない。イリヤがお仕置きと称して遊んでたくらいのものだ。

 強制召喚に関しても、原作でセイバーが士郎に令呪で召喚された際は服が吹き飛ぶみたいなことが説明されていたが、最近着ている服は地球産のものではなくいつものPSPo2服だ。『恋するドラゴン』モードの時でも来ている服はPSPo2のブレザーだから何の問題も無い。

 

 ああ、そういえばその『恋するドラゴン』モードなんだが、それを得るきっかけとなった大元の炎龍に関してだがまた一つ面白いことが分かった。

 今まで俺はこの世界の人達の言葉が全く分からなかったし、こっちの言葉も通じていなかった。

 だがあれ以来何故か通じているのだ。

 先輩もなぜか頭を打った後に何となく分かるようになったとか言ってたが、それとは違って、自然に頭の中に溶け込んでくるようになった。

 ひょっとすると炎龍ってのは人の言葉を理解していたんじゃなかろうか? だから喰らった時にその要素も俺は喰った為に言語を理解するようになったのかもしれない。

 古龍とかってのはラノベ脳的に言えば言語を理解したり人の姿に成るのは定番だ。

 ひょっとするとあの炎龍も実は結構な知能を持っていて言語とか解していたのかもしれない。

 そういえば戦闘中も知能的な動きを見せていたしあながち間違いではないのだろう。

 御陰で勉強しなくて助かったよ。

 まぁ文字は未だに分からないんだけどね。

 

 

 

「コウジュちゃん! え、えっと……」

 

「全く何なのさ落ち着きなっての。ミュイ吉って呼ぶぞ仕舞いには!」

 

「ミュイ吉!? “きち”というのが何かは分かりませんが、それはあだ名というやつですね! どうぞお呼びください!」

 

「何でそんなテンション高いんだよこの幼女……」

 

 現実逃避から思考を戻せば、俺が黙っていたことで何か怒らせたのかと焦ったミュイ嬢が涙目になっていた。

 その様子を見て自らの頬が引きつるのを感じながらミュイ吉と呼べば何故か喜色満面の笑顔になったミュイ嬢。ちょろい……、じゃなくて何故喜ぶのか。

 

「ミュイ吉って呼んだ方が良いの?」

 

「はい! あだ名とは親しき間柄でのみ使われるものと聞き及んでいます。なので私はミュイ吉で構いません!」

 

「んーまぁそれ自体は構わんがけど……、てか今更だけどなんでこの部屋に来てるの?」

 

「御嫌……だったでしょうか……?」

 

 再び涙目で、上目遣いで恐る恐るという風に俺の方を見るミュイ嬢。

 何この罪悪感。

 

「いや別にそうじゃないんだけど、純粋な疑問だよ。ミュイ吉ってこの土地の領主に当たる訳だろ? 一応俺は敵国側の人間に当たる訳だけど、よくあのメイド長さんが許したなぁと思ってさ」

 

「それは……」

 

 現在居る部屋は俺に与えられた客間だ。そこに、俺とミュイ嬢の二人きり。

 幼女二人だから何かが起こる訳は無いだろうし俺自身起こすつもりもないが、些か不用心すぎる気がする。

 そう思い問うたのだが、ゆっくりとミュイ嬢が語り出したことを纏めるとこうだ。

 今回のイタリカを守るための作戦を考えたのは俺だと先輩から伝えられており、さらに言えば炎龍を直接使役しているのは先輩の協力者である俺だということ。

 俺が未だにイタリカに残っているのも捕えた盗賊達が暴れ出さないようにする為で、先輩達とピニャ皇女との間に結ばれた協定に則り盗賊達の護送の段取りが付くまで居ることになっているらしい。

 そしてメイド長としては、そんなイタリカを守る要となった俺とミュイ嬢が親しくなることで力となってほしいという考えがあるそうだ。

 あとミュイ嬢自身から、若くして領主を引き継ぎ、それ以前からも身分的に仲の良い同年代の存在が居なかったから仲良くしてほしいのだとか。

 うんなるほど。この子ポンコツだ! メイドさんの(くだり)とか言っちゃダメだろう!?

 って、そういえばこの子はまだ11歳だったな。そんな子に汚い大人の諸事情とか理解しろってのは無理な話か。

 ま、子ども同士の仲良くってのは流石に無理だが(精神的に)、顔見知りになってしまった以上、この子が傷つくところは見たくない。

 

「とりあえず、改めてよろしく……かな?」

 

「はい! よろしくお願いします!」

 

 俺の言葉に嬉しそうに返すミュイ嬢。その笑顔は子どもらしい無邪気なものだ。

 守りたい、この笑顔。

 守る、その単語にふとあることを思い出す。

 

「あ、そうだ」

 

「……?」

 

 言いながら、俺は懐に手を突っ込んだ。

 最近実験中のある物が丁度ミュイ嬢を守るのに良いと思ったのだ。

 

「お、あったあった。これをお守り代わりに持っとくと良いよ」

 

「これは、カード……ですよね?」

 

「ちなみに文字は読まないようにね。身の危険が迫った時に読むと良い事あると思う」

 

「よく解りませんが分かりました!」

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 目の前で起こっていることに、俺は何という感想を言えば良いのかわからない……。

 何せ目の前では美人さん二人が黒い触手に塗れてあられもない姿をさらしているのだ。どう反応すればいいのか……、というかあるところが反応しそうで怖い。

 いやだってこれ完全に薄い本展開だよ!?

 

「フーッ…、フーッ……」

 

「止めてくれ! こちらの非は詫びる!! 聞こえないのか!?」

 

 そして厨二病を発症しているかのように片手を抑えながら何かに耐えるように蹲る後輩。その後輩を後ろから抱き付くようにして抑え込もうとするピニャ皇女殿下。

 目が覚めたらこんなことになってたんだけど、ほんとなんでこうなったんだよ。

 

 

 

 

 遡ること数時間前、俺は後輩をイタリカに置いたままアルヌスへの帰途へと付いた。

 何故後輩を置き去りにしたかというと、後輩自身に告げたように念のための療養と盗賊達への監視の意味も確かにあるのだが、それ以前に最近の後輩は気を張り過ぎているような気がしたので一旦俺から距離を置いてもらったのだ。

 後輩は元々誰かを守ろうとするきらいがあるのだが、サーヴァント契約を結んでしまってからはそれが顕著だ。

 だから一旦、俺から離れてゆっくりしてもらおうという魂胆である。

 正直なところ一人で残すことがちょっと、ちょーっとだけ心配だが後輩が死ぬような状況が今の所想像できない。いや死んでも生き返るが正解だろうか。

 どちらにしろ、後輩を傷つけるような存在が今のところ想像できない。

 あれだけ人に恐怖を与えていた炎龍に成れる後輩だしな。

 というか20ミリ機関砲を間接的にとはいえ気絶で済ませることができる後輩をどうにかできる存在が居るとは思えない。

 そんなわけで、後輩を置いてアルヌスへと向かっていたんだが、そこで俺はとある集団に出会った。

 端的に言えば薔薇だ。百合の可能性も微レ存。

 とにかく女性だけの騎士団に俺達は遭遇したのだ。

 しかしそこで問題が発生した。

 掲げる隊旗からピニャ皇女から聞いていた薔薇騎士団だと判明したが、こちらの世界には遠距離での通信機器が存在しないため、彼女たち騎士団の中には俺達がピニャ皇女と結んだ協定は存在しない。つまりその時点ではアルヌスから来た兵隊と言えば帝国と争う存在なわけだから、彼女たちからしたら憎き怨敵になってしまうわけだ。

 だから彼女たちは俺達の話を聞きそれに気づいた瞬間に剣を抜いた。

 当然そのままやられるわけにはいかないのだが、協定を結んだ手前攻撃する訳には行かない。

 だから、話を付けるために車から降りていた俺自身は仕方ないが、問題を起こさないためにはそこから居なくなるのが一番と思い撤退を命令した。

 一人残される俺、自ら命令したとはいえやっちまった感が半端じゃなかった。

 そしてそこからがまぁ地獄だ。

 騎士のお嬢さん方は馬に乗ってるわけだが、俺は当然乗ってない。乗せてくれるわけもない。

 なので俺は走る馬……、まぁ多少は速度を落としてくれてはいたがそれでも人の限界超えそうな速度で並走させられた。

 それだけならまだ良かった。

 その走り込みの最中に周りのお嬢さんからの熱いアタック(物理)があるんだが、それが中々に堪えた。

 しかも時折体勢を崩すほどの一撃とか足元を引っかけてくるから転ぶわ怪我するわで大変だったよ。

 この時ほど特殊作戦群とかに居たことを感謝したことは無い。いややっぱ今の無し。

 とにかく心身共にボロボロにされながら何とか彼女たちの目的地であるイタリカに到着した。

 そこで限界を迎えた身体は思うように動かなくなり、お嬢さん方に引きずられながらフォルマル邸へと引きずられながら再び戻ってくることになってしまった。

 後輩は自分でいつでもアルヌスへ戻ってくることが出来るって話だったので、イタリカに戻ってくるのは当分先の予定だったのだが、あまりにも早い再訪問となってしまった。

 そんなことを思っている間にも俺の意識は朦朧として来て、ついにはシャットダウン。

 そして次に目覚めた時には目の前でR18寸前の触手プレイが始まっていたのだ。

 

 

 

 

「何……この状況……」

 

「お気づきになられましたか!?」

 

「うお、メイドさん!?」

 

 思わず漏れ出た言葉に反応したのはすぐ近くに居たメイドさんだった。

 極度の疲労とあんまりな眼の前の状況に全然気づかなかったがどうやら俺の手当てをしてくれていたらしい。

 

「えっと、ちなみにこの状況は一体どういうこと……?」

 

「その、伊丹様があの女性騎士の方々に連れて来られた姿を見て、次の瞬間にはああなっておりました。つい先ほどのことです」

 

「まさか俺の姿見てブチぎれた?」

 

「恐らくそうでは無いかと」

 

「あの馬鹿……」

 

 ふむ、現状の原因はどうやら俺にあるようだ。

 しまったなぁ。あいつがここまでの反応をするとは思わなかった。

 そう思いつつも、俺の事でそこまで怒ってくれていることにどこか嬉しさも生まれてしまう。

 慌てて顔を抑えると、メイドさんが首を傾げながらこっちを見ていた。いえ何でも無いです。

 さておき、どうやら様子を見る限り後輩は最後の一線を越えない様に何とか踏み止まっているようだ。

 その結果が触手プレイというのもなんともしまりが悪いが、後輩が使っているのは例の泥だ。

 このままもし泥が収縮したり剣の類いに変化しようものなら忽ちにあの少女たちはR18Gに変化してしまう。

 それだけは避けたい。

 だが、近くにはあわあわ慌てているミュイ嬢も居るし、コウジュを何とかしようとしがみつているピニャ皇女(圧倒的に後輩の方が小柄なのにビクともしていないが)も居る。だから下手なことをしてしまうと彼女たちを傷つけてしまうかもしれない。

 さてどうしたものか……。

 

「あ……」

 

「どうかされましたか?」

 

「いや、あの馬鹿を止める手立てを思いついたもので」

 

「それは真ですか!? 是非よろしくお願いいたします!!」

 

「極めて了解、です」

 

 俺の思い付きに、眼を見開きながらお願いしてきたメイドさん。

 でもごめんなさい。じつはそれほど大それたものではないんだ。

 

 俺は重い身体をメイドさんに手伝ってもらいながらも動かし、後輩の元へと向かう。

 ピニャ皇女には悪いが、少し避けてもらって俺は後輩の耳元へと口を近づける。

 後輩は俺の事にはまったく気付いていない様で、目を瞑りながら「考えるな考えるな」と呟き続けている。

 結構まずい状況かもしれないな。

 後輩は五感が昔からかなり優れている。今となってはビーストって種だからと分かったが、昔は本気で驚いたものだ。

 驚かせようと後ろから近づいても避けたり見る前から誰か気付いたり、犬かと思うほどの嗅覚を披露したり、案外地獄耳だったり、色々と五感が優れていることを何度も証明してきた。

 しかし今は俺がこれほど近づいても自分の世界に入り込んでいるかのように何の反応も無い。

 今更になって俺の思い付きが通じるか不安になってきた。

 だが、ここまできて止めるのもおかしな話か。

 

 俺は、覚悟を決めて口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「例のケーキ10個食わせてやるから落ち着け」

 

「まじで!?」

 

 

 ちょっろこいつ。




いかがだったでしょうか?

予想以上に前回『恋ドラ』ネタに反応があってにやにやが止まりませんw
いつか絶対コウジュに語録言わせるんだ!(使命感

さておき、今回は気絶に至った説明とコウジュブチギレるの巻。
なんとか踏み止まったがその結果R18の世界が広がりそうに……。大変だ! カメラを用意しなきゃ! 
ってこんなことを書いていると夜中にお客さんが来てしまいますねw

では、また次回。

P.S.
いつの間にかお気に入り3000を超えて3100まで伸びており、総合評価も4200……。
皆さま本当にありがとうございます!!
今後も、遅筆ではありますが楽しんで頂けるよう頑張ります。

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