テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

さて、今回はちょっとだけ真面目なお話。
あの後どうなったかを入れてみました。
そして最後の方にちょっとだけ次会への繋ぎを入れました。

では、どうぞ。


『stage31:はいはい俺の所為俺の所為』

 

 

 アルヌス内における警務隊の人員が控えるためのプレハブ、そこには何とも言えない空気が広がっていた。

 

「今回は何をしたのぉ?」

 

「そんな毎回何かしてるかのような言いようはやめてくださいな」

 

「……」

 

「やめてそんな目で見ないで!」

 

 下手人……もといこの空気を作り出す原因となったコウジュ。そしてそのコウジュに向かって呆れたようにジト目を向けるのは亜神たるロゥリィ・マーキュリーだ。

 彼女たちのすぐ傍には布団が敷かれており、その中にはヴォーリアバニーのデリラが横たえられている。

 つい数時間前に憤怒の表情を浮かべながらナイフを振り回し大立ち回りをしたとは思えないほど穏やかな寝顔だ。

 

 そもそも何故デリラがここに寝かされているのかというと、テューレを見たデリラが暴走し、それをコウジュがぶっ飛ばしてしまった(物理的に)からだ。

 そして飛ばされてしまったデリラはコウジュが使った盾系武器固有のジャストガード時の反射ダメージの所為でトラックに撥ね飛ばされたかの如くダメージを受けてしまった。

 傷に関してはすぐさまコウジュがレスタ(回復魔法)で治したが、全身に衝撃を受けた際に脳が揺れたからか、はたまた荒ぶる感情に任せて限界以上に身体を動かしたからか、デリラはそのまま気を失ってしまった。 

 コウジュも一応は手加減したのだ。

 だが、戦闘が続くほどに獣の本能が刺激され昂ぶってしまい、ついつい考えていたよりも強い力で弾いてしまったのだ。

 

 PSPo2ではシールドを使ったジャストガードは、その他の武器を使用したジャストガードとは違い攻撃判定が出る。

 というのも、ゲーム内ではシールドには耐久力ではなく攻撃力が提示されており、その攻撃力がジャストガード時の反射攻撃に反映されるのだ。

 それがシールドなのに武器としてカテゴリーされている理由だったりする。

 

 今回コウジュが使用したのは『ハマノコテ』。

 Cランク武器でレア度も★3と低く、ゲーム内ではカッコいいだけの残念武器とされていた。

 しかし逆に言えばハマノコテだったのが幸いした。

 もしもハマノコテの上位互換であるカザミノコテだったのならば手加減していたとしても目も当てられない惨状になっていただろう。

 本当ならカザミノコテでも良かったのだが、ゲーム内通り防御性能自体にはレア度は関係なかったのと、ゲームとは違ってコウジュだからこそハマノコテを選んだ理由がある。

 いつものことながら武器設定(テキスト)だ。

 とはいえそれほどチート性能なものではない。

 ハマノコテには装備者の運動性能を引き上げる効果があるとされているのだ。

 それがあれば元の身体能力もあり余裕をもって無力化できると考えたからこその選択だった。

 

 それに、ゲームとは違いジャストガード時の反射攻撃に強弱を付けれる様になっているのもデリラにとって幸運だった。

 当然ながらゲーム内であれば、ジャストアタックに失敗して攻撃をし損ねることでダメージ量の低下は起こる。

 しかしコウジュが反射攻撃をした際にはその反射量を手加減することが出来ていた。若干失敗してはいるが。

 

 コウジュがPSPo2、いまはPSPo2iの能力も備えているが、それとは違い現実だからこその差異がこの盾での反射攻撃時にも現れている。

 Fate世界においてコウジュは魔力……フォトンエネルギーについて考察したが、その運用方法がどうにも某狩人×狩人の漫画の“流”というものに似ていると判断した。

 Fate世界では攻撃方法を模索するのに必死で――防御より先に攻撃方法を取得するに走ったからと脳筋と呼んではいけない――反射攻撃(シールドバッシュ)についてはあまり考察できていなかったが、銀座事件において投入された警察の部隊がポリカーボネート製のライオットシールドを使っているのを見て対人戦に有用だと考え地味に練習していたのだ。

 その時にコウジュは気付いたのだが、ジャストアタックやジャストガードは瞬間的にフォトンエネルギーを爆発するように噴出させることで攻撃力の増加やダメージの無効化、そして攻撃の反射に至っている為、魔力操作により量を減らせばダメージ量の操作が出来るのだ。

 今までは感覚的使っていることが多く、そしてゲーム時のイメージを基に結果を生み出していた為に気付くことは無かったが、幾つもの戦闘経験によって自身の力の操作にこぎつけることが出来た。

 ぶっちゃけて言えば生身でもナイフ程度なら弾けるのだが、弾いたとしてもそれをコウジュの身体は攻撃と認識してしまい、狂化の可能性が出てしまう。

 それもあって盾を選んだのだが、どうやら思っていた以上にデリラが戦えたこともあって結局本能には逆らいきれなかったようだ。

 

 

 

「それでぇ、結局今回の発端はなぁにぃ?」

 

「うーんと、テューレさんの方に聞いたんですけど、テューレさんってヴォーリアバニーの族長だったらしいんですよね」

 

 まだまだ修行が足りないなとコウジュが内心で思っているとロゥリィが問いかけた。

 コウジュはその言葉に一瞬言っても良い物か悩むも、ロゥリィの正体について聞き及んでいるので何か良い意見が聞けるかもと結局話すことにした。

 

「あぁ、そういうことぉ」

 

 しかしコウジュが前置きを話した時点でロゥリィは得心が行ったと一人納得した。

 その様子にコウジュは少し驚く。

 

「ロゥリィさんは知ってたの?」

 

「ロゥリィで良いって言ってるのにぃ。それに敬語もまだ混じってるしぃ」

 

「まぁ、それは追々……。ってそれより!」

 

「理由は簡単でぇ無駄に長生きしてないってことぉ。あのヴォーリアバニーが族長だったのは知らなかったけどぉ、ヴォーリアバニーの集落が帝国に攻め滅ぼされたというのは旅の途中で聞いたことがあるわぁ。それにぃ、生き残ったヴォーリアバニー達が女王を恨んでるってこともねぇ……」

 

「みたいっす。でもそれは勘違いで、女王はみんなを助ける為に自身を差し出しただけだったみたいなんすよね」

 

 コウジュはデリラを寝かせることが出来る場所としてここに連れて来た後、狙われた側であるテューレにその辺りの事情をある程度聴いていた。

 

 数年前、突如として帝国は大量の兵を連れてヴォーリアバニーの集落を襲った。

 理由は奴隷狩り。

 比較的にヒト族の容姿に近い者が多く、残忍であると同時に淫乱であるともされるヴォーリアバニーという種は奴隷として好まれるからだ。

 当然ヴォーリアバニー達は戦った。

 残忍とされる理由の一つでもあるが、同種の他部族ともよく戦い合う戦闘部族である為、幾ら帝国であろうとも最後の最後まで戦うつもりだった。

 しかし、所詮は多勢に無勢。

 更に飛龍を使い制空権まで取られてしまえば負けはすぐそこまで迫っていた。

 だからテューレは決断した。

 自身を差し出すから国を滅ぼさないでほしいと、そう帝国軍を率いていたゾルザルへと持ち掛けた。

 そしてそれをゾルザルは受け入れた。

 だが、その約束は反故にされ、それどころかテューレは我が身可愛さに自身の安全と引き換えに国を売ったのだと生き残ったヴォーリアバニー達に伝わるよう仕向けた。

 

「奴隷になっても国が残るならと苦汁を嘗めてきたけど、ある時、国は既にないことを知った。それでも知らぬふりをして奴隷のままで居たのはゾルザルにひと泡吹かせるため、そして帝国を滅ぼす為だったみたいっす」

 

 表情を暗くしながらそう言うコウジュ。

 そんな彼女をロゥリィは難しい表情で見ていた。

 会って間もないのに感情移入のし過ぎだとロゥリィはコウジュを評価する。

 今はロゥリィという別の情報源があるから良いが、もしもその情報が嘘だったらとは考えなかったのだろうか。

 人を信じすぎるきらいがあるコウジュをロゥリィは危ういと思う。

 しかし同時にそれは美徳でもあり、亜神となって永い年月を生きてきたが故に得た体験と人の魂を見ることが出来るようになったが故に擦れてしまった感情が刺激され、どこか母のような気持ちで暖かい眼を向けてしまう。

 

「ってなんすか変な目で見て」

 

「何でも無いわぁ。それよりぃ、よくそこまで教えてくれたわねぇ」

 

 ロゥリィがじっと見ているのに気付いてコウジュが声を掛けると、誤魔化すように話を反らすロゥリィ。

 その反応に若干訝しむも、別にそこまで気になる訳でも無いしと、コウジュは質問に答えることにした。

 

「これも悲しい話ですけど、仲間の筈の人に刃を向けられて、でも全く関係の無い筈の人が自分を守ろうとして、そんな状況を実際に見てもうどうでも良くなったらしいです。あとぶっ飛んだデリラを見て、帝国の終わりを見たそうです」

 

「あぁ、そぅ……」

 

 最後に取ってつけられたように語られた理由に、ロゥリィは苦笑を禁じ得なかった。

 恐らく後者がテューレにとって大半を占める理由なのだろうと考え付いたからだ。

 技量で言えばロゥリィはコウジュを大きく上回る。

 実際にコウジュとロゥリィは軽く手合わせしたことがあり、コウジュはロゥリィの虚動に容易く引っかかり一本を取られた。

 しかし、それは武器を持ち技量を競ったからできたことだ。

 コウジュの最も恐ろしい所はその驚異的な身体能力でも防御力でも無く、意味不明な程の力を発揮する武器と能力なのだ。

 コウジュと戦う上で何でもあり(バーリ・トゥード)でもしもやったとしたら、遠距離から星を破壊する程の砲撃でも受ければ無事で済む者は居ないだろう。まず星が無事でないが。

 テューレは恐らくそれの一端でも見てしまったのだろうと、そうロゥリィは予想した。

 そしてそれはほとんど正解だった。

 一条祭りの中で見た、見た目に反して寒気がするほどの存在感を見せた紅と蒼の双子。それよりも強大な力を、あのデリラが吹き飛ぶ瞬間にテューレは感じ取ってしまった。

 もし、テューレが先にその存在感をコウジュから感じていたとしたら彼女はコウジュにそこまで話さずに警戒を解くことは無かっただろう。

 だがその存在感を感じるまでの間に触れたコウジュの人柄に、テューレは中てられてしまっていた。

 無邪気に笑い、テューレを気遣い、ある程度は仕方ないかとテューレが話している途中にもコウジュが自分の事の様に悲しんだり怒気を見せた様子が成した結果だった。

 気づけばテューレは話さずにおこうとしていた部分まで話してしまい、最後には何かが抜け落ちるような解放されるような気分となり今はマイルームの与えられた一室で休んでいた。

 

「うーん、デリラさんまだ起きないっすかねぇ。思っていた以上にダメージ入ってたのかな……」

 

「デリラの服に血を吐いたような跡があったけどぉ、ほんとぉに何をしたのよぉ」

 

「あはは……、ちょっと魔力の塊をぶつけちゃって……」

 

「ちょっとぉ?」

 

「嘘ですごめんなさい割とぶつけたです」

 

「素直なのは良い事よぉ」

 

「あいっす」

 

 ロゥリィのジト目に容易く暴露するコウジュ。

 どうにもコウジュはロゥリィの雰囲気に未だ負けてしまっていた。

 少女の外見に反して老成したその中身がどこぞの白い少女と被っているのもあって強くは出れないでいるのだ。

 

 そんなコウジュにロゥリィが苦笑いを浮かべていると、コウジュが「あ…」と何かを思い出したのか声を上げた。

 

「そういえば、次はテューレさん連れて駐屯地の方に行かないとだった。デリラさんもって言われてたんだけど」

 

「あなたならぁ元々起きていても連れて行かないでしょうにぃ」

 

「あは、ばれました? 俺が原因なのもあるっすけど、流石に病み上がりを調書に連れて行くのはね。どうせまた時間かかるし」

 

「またっていう程ぉ受けていることの方が気になるんだけどぉ」

 

「な、なんのことでせうか? コウジュサンハ清廉潔白デスヨ」

 

「……ふぅーん」

 

「じゃ、じゃぁそういうことで!」

 

 ロゥリィの訝しむ目にコウジュは目を反らし、ついには居た堪れずに逃げることにした。

 その際にコウジュはアイテムボックスからお見舞い定番のフルーツ盛り合わせを近くに置き、そのまま出て行った。

 

 暫くして、ロゥリィは溜息を一つ付く。

 そしてちらりと布団に寝かされているデリラの方を見て口を開いた。

 

「行ったわよぉ。起きているんでしょぅ?」

 

 そのロゥリィの言葉に、ピクリと布団が震えるように動いた。

 それからあまり間を空けずに、観念したのかデリラは目を開けて上半身を起こした。

 

「……バレてましたか」

 

「ピクピクと耳が動いていればぁ嫌でも気づくわよぉ」

 

 ロゥリィがやれやれと言わんばかりにそう言うと、デリラも苦笑するしかなかった。

 デリラとしても種族的に耳に感情などが出やすいことは理解している為、動かさない様にもある程度は出来るし訓練もしたが、ほんのわずかな震えがこの亜神には気付かれたようだ。

 

「コウジュさんは騙せたんだけどなぁ……」

 

「あの子はどうにもぉ身内と判断した者には甘いみたいだからねぇ」

 

「……ですね」

 

 ロゥリィの言葉に、デリラが沈んだ声を出した。

 

 デリラにとってコウジュはアルヌスの食堂における先輩である以上に、日本について様々なことを教えてくれた人でもある。

 今回の事にしても、刃を向けたのにも関わらず殺されず、それどころか回復までしてくれたのだ。

 今身体を起こしただけでもデリラは理解した。

 あの衝撃を受けた瞬間には死を身近に感じたというのに、現在の身体にはまったくその様子は無い。それどころか前よりも元気になっているほどだ。

 だから、狸寝入りをしてしまったこともそうだが、感情に任せてコウジュを攻撃してしまったことに悔いていた

 

 デリラは恩に報いるのを絶対としている。

 それが獣と人との違いであると思っているからだ。

 そしてその生きざまを誇りとしている。

 しかしあの瞬間、憎きテューレを目にした瞬間、何を差し置いても殺そうと行動してしまった。

 あれでは獣ではないか。

 確かにテューレを殺すと決めた。

 だからと言って恩人諸共殺すのは違うだろう。

 しかも理性で以て判断したのではない。

 情動のままに、暴れただけだった。

 自分が落ちたくはないソレになってしまったこと。その事実もまたデリラを苛んでいた。

 だが、それを捨て置いてでもテューレを憎んでいたのも事実なのだ。

 

「ところでぇ、今の気分はどぉなのぉ?」

 

「最悪……ですかねぇ。生き汚く命を繋いできた理由の一つが偽りだったと知っちまいましたし」

 

「恐らく女王が騙されたというのは嘘じゃないでしょうしねぇ」

 

「やっぱりそうですよねぇ。あー、くそ、あたいにどうしろってんだ」

 

 ガシガシと頭を掻きながらデリラは悩む。

 

 この数年、デリラはテューレを死んでも殺すと誓っていた。

 その為だけに生きてきたと言っても良い位だ。

 しかし、その根幹が揺らいでしまった。

 テューレが国を裏切ったというのは帝国の偽りだったのだ。

 だが今更どうしろというのだ。

 何人も殺した。盗みも働いた。泥水も啜った。生きるためにその辺の男に身体も開いた。

 そのどれもこれもが生き抜いてテューレを殺すためだった。

 今ではフォルマル家に運よく拾われたおかげでそれなりの生活に着くことが出来、今ではコウジュから引き継いだアルヌス食堂の給仕長という身分まである。

 とはいえそれも終わりだろう。

 人目も憚らず、自衛隊内でも特別な地位にあるコウジュに斬り掛かり問題を起こしてしまったのだ。デリラからすれば今生きているのも不思議なくらいだ。

 

 昔から後先考えずに突っ込むのは悪い癖だとデリラは部族内で言われていた。

 それを治そうとしたこともある。

 しかしそれも無駄だった。

 今回もそれが招いた結果だ。

 

「はぁ、フォルマル家の皆には申し訳ないけど、ここまでかなぁあたいは」

 

 デリラは諸々を諦めるようにそう口にした。

 しかしそれに対してロゥリィは首を振った。

 

「たぶんだけどぉ、あなたにはそれほどの罰は無いと思うわよぉ」

 

「え、ど、どうして……?」

 

「だってぇ、当事者の一人があの子なのよぅ? 誰かが死んだわけでも無いしぃ、甘いあの子があなたの罰を重くするわけがないわぁ」

 

「けどあたいは……」

 

「まぁ精々が対外的にある程度の罰を下すだけじゃないかしらぁ。ある意味運が良かったわねぇ」

 

 気軽に笑みを浮かべながらそう言うロゥリィにデリラは開いた口が塞がらなかった。

 甘いどころではない、砂糖を煮詰めて更に蜂蜜やメイプルシロップを掛けたような撃甘だ。

 しかし同時に、本当にそうなってしまいそうな気もデリラはしていた。

 幾度もデリラが触れたコウジュという存在は、確かにそういった気性であるのだ。

 

「それが本当なら、また一つ恩が出来ちゃったなぁ……」

 

 デリラは俯き、布団をぎゅっと握るしかできなかった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「マジですか……」

 

「大マジだ、申し訳ないがね。どうにも今回の事はその裏にあるものが大きすぎたのだ」

 

 今俺は、アルヌス駐屯地の狭間陸将の部屋へと赴いていた。

 というのも、今回の件に関して上が重く見た為、狭間陸将直々に話が聞きたいと言われたからだ。

 

「まぁ一つの国に関することですもんねぇ。けど仕方ないか」

 

「助かるよ。上の思惑はマスコミにも働き掛けて今回の事で各国への牽制としたいようだし、総意を味方につけるいい機会だと判断したようだ」

 

「気分よく頷くことは出来ないですけど、分からないでもないです。だから、やりますよ」

 

「分かった。こちらから一報入れておこう」

 

 そしてその為に俺は――――、

 

「けど記者会見ってまるで俺が何かやらかしたみたいじゃないっすか……」

 

「特地に関しての情報を出し渋るのももう限界に近いのだよ。だから諦めてくれ」

 

「はぁぁぁぁ、いや、分かってますけどねぇ。でも会見って言えば謝罪会見のイメージが強すぎて、なんかやだなぁ」

 

 ―――何故か記者会見を開くことになってしまった。

 

 全く遺憾である。 

 

「それは分からないでもないが、実際にやらかした……勿論今回は良い意味でだが、当事者である君を出してほしいという声がどうにも強いのだよ」

 

「それ言ったの誰ですか? ちょっと知りたかったり」

 

「君が何もしないのならね」

 

「ナニモシマセンヨ?」

 

「……せめてこちらを見て言いたまえ」

 

 ちょっと運が悪くお腹が痛くなったりするように仕向けようかなとかかんがてませんよ? ええマジで(目反らし

 

「しっかし、記者会見ですか。生中継も入るんですか?」

 

「恐らく入るだろう。嫌かね?」

 

「いいや、むしろその方が良いっす。後で変に編集されるよりはそっちの方が幾らか気分が楽すよ」

 

「いやに慣れているようだね」

 

「まぁ初めてじゃないっすから……」

 

 Fate世界では色々やらかしたからなぁ……。 

 会社も有ったし、何故か社長だし、CMにも出されたし、ってか歌って踊らされたし。

 まぁ大体キャスターの所為です。

 

「それならば話が早い。言質は取らせないように気を付けたまえよ」

 

「了解です。ついでに望月さんの所にも行ってきますよ」

 

「分かった。そちらについても手配しておこう」

 

「ありがとうございます」

 

 俺は教えてもらった敬礼をして、部屋を出る。

 そのまま俺は自室へと歩き出す。

 

 さて、記者会見に関してだが、気が乗らないがまぁ仕方ないだろう。

 自分で蒔いた種でもあるのだから、そのまま放り出すわけにもいくまい。

 カメラの前とはいえ歌うのならば未だ楽しむ余地はあるが、厭らしいツッコミが来るのは確実。口撃(こうげき)上手な仲間も居ない。でもやるしかない。

 なら、俺に出来るのはありのままに言い、余計な詮索をさせないことだ。

 まぁ最悪、放送事故が起こる程度だ。

 

 大丈夫。問題ないさ。うん。

 

 




いかがだったでしょうか?

久しぶりに原作ヒロインが出た気がしますが、出せるところが限られてるし見せ場の炎龍が既にログアウトしてるから仕方ないですよね!!

さてさて、今回はアニメで素敵な歌声を披露してくれたデリラさん回でもありますが、多少の性格改変はお許しください。異物が入り込んでるのに原作のまま行くのも変に感じたので、多少甘めになってると思います。
そんなデリラさん、コウジュが介入した関係で色々とフラグを回避できました。
これで今後も、何とか看板娘をしてもらえそうですw


さておき話は変わりますが誤字報告機能により多くの修正をして頂き本当にありがとうございます。大いに助かっております。
多くの修正という時点で色々駄目な気もしますが、報告していただけるという事はそれだけ気にしていただいていると勝手ながら考えさせていただき、一層頑張りたいと思います。
ま、まぁ、誤字を出さないように気を付ければと言われてしまうとそれまでなのですが……。
と、ともかく、報告・修正してくださった皆様ありがとうございました!


ではでは、次回は掲示板回になる……かもしれない記者会見回(メイビー)。どうぞお楽しみに!


P.S.
サモナー楽しいです(*´ω`*)
ちなみに、ワンダにてぃんだろす、トリムにみゅーてぃ、サリィにるさるかと名付けてみました。
元ネタが分かる人はきっと良い友達になれると思いますw

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