テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

皆さまゴールデンウィークを満喫中でございますか?
私はいつもと変わらない気もしますが、まぁいつもと変わらずこんな時間に投稿してるのが答えでしょうかね。
ではどうぞ。


『stage44:そしてコウジュは、考えるのをやめた』

 

 

 

 

「あれぇ、大丈夫なのぉ?」

 

「うーん、多分な。あいつストレスがたまるといつもああだから」

 

 アルヌスにおける食堂、その一角にてやや引き攣った表情で言うロゥリィに伊丹は嘆息しながら返した。

 そんな二人の目線の先には、6人は座れるテーブルに山となった皿の山があった。

 カチャリと、また一枚上に重ねられる。

 

 そこへ近づく影が一つ、店員のデリラだ。

 彼女は、皿の向こうに居る人物の様子を窺った。

 

「もっかい持って来て!!! お酒も!!」

 

「コウジュの姉御ぉ、もうそろそろ止めときなよぅ……。腹壊すよ……?」

 

「良いから!!」

 

「わ、わかったよぅ……。でも酔い過ぎには気を付けなよ?」

 

「酔ってないよ。酔ってにゃあ!!!」

 

「あー、知らないからね?」

 

 皿の山に埋もれるようにして食い荒らしていた人物、コウジュに恩があるため強く出れなかったデリラは渋々と追加注文を伝えに厨房へと消えた。

 そんなデリラに構わず、コウジュは目の前にある料理を食べ続ける。

 食べる、食べる、飲む、食べる、飲む、そんな感じに続けて既に1時間以上が経過している。

 体躯の小さいコウジュのどこに入るのか、消えて言った料理の数は十やそこらでは収まらない。

 そんなコウジュを、周りの人間は心配気に見ている。

 先の伊丹とロゥリィもその一部という訳だ。

 

 そもそもコウジュがこうなったのは、数時間前にアルヌスへと帰ってきてすぐだ。

 そして当然、大元の原因はベルナーゴ神殿でハーディより告げられた言葉が故だ。

 

 コウジュとハーディの邂逅、それはあっけなく終わった。

 当のハーディは、コウジュに告げるなりやりたいことは終わったと、レレイに二三言い残しその体より去っていったのだ。

 しかし、言われた側のコウジュはモヤモヤとした気持ちを持ったままとなった。

 『お前の在り方はおかしい』と、極端に言えばそんなことを真正面から告げられてしまったわけだからそれも分からないでもない。

 

 “神”になってほしいと言われたのはコウジュの体感からして既に数十年も前の話だ。

 その時にチートを貰って、その後はありえない物に沢山触れて、超常に出会って、気づけば今に至っていた。

 今でこそ、チートに対する考え方も確立されてきた。自分の中で割り切ることが出来た部分も多々ある。

 だが、“神”とは何なのか。

 それを深く考えたことは今まで無かった。

 

 信仰の対象、絶対の象徴、人の想像物、神という存在を言い表す言葉は多々あれど、生前のコウジュが居た世界では確立した存在では無かった。

 宗教的な意味でなら、信じる対象としては八百万の神々を祭る日本に住んでいた訳だから意味は分かる。

 しかし、見て、触れて、すぐ傍にいる存在かと言われるとそうではないと言うしかなかった。

 なかった、だ。

 一度死に、実際に女神という存在に出会った。半神という存在にもあった。

 今では神という存在はすぐ傍に在る存在となった。

 しかしいざそれらと肩を並べろと言われてもピンとは来ない。

 その来ないというのが駄目なのだろう、とコウジュは思考する。

 

 ハーディが訳知り顔で語った内容は、チートを持っただけの一般人には解り辛い言い回しだった。

 しかしその中で要約すると、外側が神として成り立っているのに内側が伴っていないという事だ。

 当然だ、とコウジュは思う。

 何せ中身は元一般人だ。

 中身が足りていないと言われても、そもそもが中身が違う(・・)のだから仕方ない。そんなに容易く適合するのならば一般人皆が神の予備軍とでも言えてしまう。

 まぁそもそもが、神になれとは言われたがどうやってとは言われていないのだから手探りで行くしかない。

 そしてコウジュにはそんな事よりやりたいことが山のようにあるのだから、期限も手順も無いものを後回しにしても仕方ない。

 だが、そのツケがここになってやってきたというべきなのだろうか。

 

 足りない。

 神として在る為の根幹が足りない。

 指標が、司る物が、神として支柱が無い。

 では逆に、神として己が司るべきものは何なのか?

 コウジュはそう考えるも答えは出ない。

 いつしかふと考えた自分が司る物。獣だ幼女だと遊び半分に考えたが、当然そんな物ではないだろう。 

 

 カシャン、とまた一枚コウジュは皿を重ねる。

 考え事をしながらも食事のスピードは全く衰えず、胃の中へと落とされる食料は次々と消えて行く。

 そんなことも気にせず、普段には無いような難しい顔をしながらコウジュは考え続ける。

 酒を既に樽単位で飲んでおり頬を赤らめていはいるが、そこはサーヴァント足り得るスペックを持っているため酔い切っている訳ではない。普段に比べて多少頭が回っていない程度だ。

 それを、コウジュは少し煩わしく感じる。

 

 生前既に成人を迎えていたコウジュは、酒も多少は嗜むようになっていた。

 飲んだ際の独特の高揚感、前頭葉での抑制が効かなくなり気が大きくなったりする現象だが、それが気持ちよくて飲むという人も多いだろう。

 コウジュも生前既にその感覚を知っていたから、強い訳ではないが友人たちと飲んで騒いでとしたことが数度ある。

 ハメを外しすぎることは無かったが、それでも酔って楽しむという感覚が嫌いでは無かった。

 そういった感覚が今は無い。

 それが今のコウジュには腹立たしくもあった。

 酒を飲んで忘れる、なんて言葉があるのは知っているし、それが良くないことも知っている。

 だけど今のコウジュはそれがしたい気分だった。

 しかし酒を飲んでも多少身体が火照る程度で、酔おうとしても、酔った様な風をしても、身体がそれを許さなかった。

 

 ドン、といつに無い粗さで空にしたジョッキを机に置いた。

 それをデリラとは違う顔馴染みの店員が入れ替えに来る。

 それをぼうっと横目で見ながら、コウジュはまた違う料理を手に取る。

 店員がジョッキを片づけても皿を片づけないのはコウジュ自身がそうお願いしたからだ。

 今の身体になってから、ストレス発散と言えば食べることとなっていた。

 しかし目の前に皿が無いとどこまで食べたか分からず、会計の際に涙することも屡々。

 その為、指標として目の前に皿を残してもらう様にこういう時はお願いするコウジュだった。

 ただ、今はそれが意味をなしていない。

 いつもならとっくに(胃に空きがあっても)やめている頃だが、気づけばこんなことになっていた。

 そして、未だ止めるつもりも無かった。

 

 そんなコウジュを、周りの人間はついには痛々しいものを見る目で見ていた。

 例外は伊丹位のもので、それ以外の全員が店員も含めて悲しげだ。

 というのも、コウジュは一時期この店で働いていたのもあるが色々な意味で有名となって居る。

 そして、この店を食事をとる為にもよく利用していた。

 そのいつもの様子との違いに、皆が最初は驚いたものだ。

 いつもは何が嬉しいのか、ひたすら楽し気に食事をとっていた。

 ただ食べることが何にも代えがたい幸せだと言わんばかりに見る者を微笑ましくさせる笑顔をいつも浮かべていた。

 それが、いつもとは逆の表情となっている。

 

「伊丹の旦那ぁ、どうにかしてくれよー。見てられないし、このままじゃ店のもの全部無くなっちまうよ……」

 

「え、もうそんなに食ってるのか? 今回は根深いなぁ。できれば最後まで食わしてやりたいんだけど……、無理か?」

 

「うーん、いや、頑張ってみるよ。この時間ならまだ調達もできるだろうし」

 

「悪いな。ちょっとあいつ壁にぶち当たってやけ食いしてるだけだから、その内終わると思う」

 

 助け舟を求めて伊丹に近寄り声を一応潜めながら話しかけるデリラ。

 その彼女に伊丹は曖昧な笑みを浮かべながら言うしかなかった。

 いつもならとっくに終わっている筈がいつもより長いというのはコウジュの中でよっぽど“神”というものに対する考えが壁となっているのだろうと伊丹は予測していた。

 そして、特に必要性を感じなかったから、なんて理由で伊丹に自身が神性を持つと告げなかったとコウジュは言ったが、それはひょっとして無意識に言わないでおこうとする何かが有ったのではないかとも考えた。

 その壁にぶつかってしまったのなら、伊丹としてはそっとしておいてやりたかった。

 それに、ハーディとの邂逅以降のコウジュはあまりにも酷かった。

 いつもの快活とした笑みはなりを潜め、人の話にも上の空。ハーディの言う“世界の影響”とやらを調べるために専門家が必要な為アルヌスへと戻ってきたが、その道中は思考の中に籠りきりだった。

 

 そんな風にコウジュの(マスター)である伊丹も思考を反らすもんだから、デリラはこりゃ駄目だと去って行った。

 そのデリラを見て伊丹は失敗を悟り、しまったと頬を掻く。

 十数年友人関係を紡いできた後輩が今までに無い程難渋している課題に、伊丹も心配が止まらないようだ。

 

 その伊丹を、目の前に座るロゥリィが唇を尖らせて拗ねるように口を開く。

 

「私達の命題をちょっととはぁ中々言ってくれるじゃなぃ?」

 

「あはは……、別にそんな深い意味は無いんだけど……」

 

「知ってるわよぉ。でも、良い女を前にしてぇ違う女の方ばかり見る耀司ぃにちょっとお仕置きよぉ」

 

「こりゃ、参ったな。悪い」

 

「うん、許すわぁ」

 

 伊丹が困り顔になりちょっとした意趣返しが出来たことでロゥリィは笑みを戻す。

 演技ではあったが面白くなかったのは事実なので悪いとは思わない。

 思い人が違う方を見ていたことにこの程度で済ますのはむしろ優しい位だろう。

 

 そして、いつもの妖艶とも思える笑みを浮かべたロゥリィは再び口を開いた。

 

「でもぉ分からないでもないのよねぇ」

 

「そうなのか?」

 

「えぇ。私達亜神も昇神するためには何を司るかを決めなければならないわぁ。それを、千年の時の中で探すのぉ。でもあの子は今その壁にぶつかったばかりぃ。私達亜神は必ずぶつかる壁だわぁ」

 

「なるほどな……」

 

「それにぃ、私達とは根本的な在り方は違うでしょうけどぉ、嫌なことにハーディが言っていた事には一部だけど私も同意する部分があるのよねぇ」

 

「それって……」

 

「あぁ、あいつみたいに気持ち悪いとか言う気は無いわぁ。むしろコウジュみたいな子は好みよぉ。でもぉ、前から危ういとは思っていたのぉ」

 

「危うい?」

 

「ハーディも言っていたでしょぅ? 支柱が無いってぇ。どんな形であれ柱が無いというのはぁ今にも崩れそうで見ていられないのよねぇ」

 

「後輩にはそれを―――」

 

「言ってないわぁ。自分で気づかなければ意味が無いものぉ。多少のヒントはあげたけどぉ」

 

「そっか。ほんと面倒見が良いなロゥリィは。ありがとう」

 

「……面と向かって言われるのは流石に照れるわねぇ。でも、嫌じゃないわ」

 

 対面に座っていたロゥリィは徐に立ち上がり、席を伊丹の横へと移した。

 その行動に、伊丹はドキリとする。

 先程の、自分の言葉に照れながらも上目遣いで微笑むロゥリィの姿に思わずときめいた直後だったのだ。

 しかしそんな伊丹の内面も露知らず、ロゥリィは隣に座るだけではなく身体を寄せた。

 それに伊丹はたじろぎ、長椅子の端側へとズレルことで対処しようとするもロゥリィはゆっくりと獲物を追い詰めるように追いかけてきた。

 やがて端へと辿り着く。

 

「そ、そういえば!」

 

「なぁにぃ?」

 

 ピンク色になりそうな空気を換えるために、伊丹は話題を振ることを思いついた。

 その伊丹の心情を知りつつも、怪しく微笑むロゥリィ。

 ロゥリィの笑みに選択肢を間違えたら喰われる(意味深)と思った伊丹はいくつかの候補の中から話題をひねり出した。

 

「さっきの話だけど、ロゥリィは何を目指すかはもう見つけたのかっ?」

 

「えぇ、もちろん」

 

 悠然と微笑みながら、端まで追い詰められた伊丹へとさらに近づき、ロゥリィは口を伊丹の耳元へと近づけた。

 

「“愛”とかどうかしらぁ?」

 

 ゾクゾクと伊丹の身体を電流の様な物が走る。

 そして悟る。選択肢を間違えたと。

 そんな伊丹の顎へとロゥリィは艶やかに手を持っていき――――

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした! また今度考えるわ!!」

 

 

 

 

 

 ―――突如近くで響いた声に思わず手を止めたロゥリィの隙をついて伊丹は逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

 

「コウジュぅ……」

 

「え、何? ってロゥリィ何で怒って……ぎにゃああああああああああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「えっと、この辺っすよね?」

 

「ああ、渡された地図によればこの辺に案内のジゼルさんが……」

 

 やけ食いした日から早数日。

 色々思考した結果が先送りだなんて成長の見えないことになったが、よくよく考えれば今すぐ決めなければならないわけでも無い。

 精々がハーディに気持ち悪いと言われる程度だが……、あれ、目から汗が……。

 けど、それで頭の中のモヤモヤにも一区切りは付いた。

 区切りがついた瞬間にロゥリィの強襲で辱めを受けたが、聞けば俺の所為で先輩が逃げ出してしまったとかなので甘んじて……受けるわけないだろう! 絶対仕返ししてやる!!

 とはいえ、ロゥリィも俺を心配してくれていたようで、最後には元気になってよかった的なことをボソって言っていたので減刑しないでもない。ビーストの耳はよく聞こえるのだ。

 

 さておき、今はハーディから言われた(ゲート)の影響とやらを見に来ている所だ。

 

 今は、アルヌスへと地球から専門家に当たるであろう教授達(影響がどういったものかはまだ分からないので多方面の学者数人)と報道陣(今回はこちらの要請で栗林さんの妹さん達)を乗せて、いつもの第三偵察隊と3人娘に俺と言ったメンバーはチヌーク(大型輸送ヘリコプター)で目的地へと飛んでいる所だ。

 目的地の名はクナップヌイ。イタリカから言うと千キロほど離れた辺境だ。

 ただ、今乗っているやつなら5時間ほどで到着する距離らしい。

 改めて思うけど、文明の利器ってすごい。

 そして、その5時間がつい先ほど経ち、雲海も越えて地面が見える程に高度を下げたところだ。

 

「先輩、あっちに何か居ます」

 

「え、何も見えないけど……」

 

 先輩と共に操縦席の横から前方を見ているといくつかの気配を感じたため先輩へと告げる。

 いつのまにか気配とか感じられるようになったけど、今感じている相手はやけに力強いというか、分かりやすいために見えない距離でも出来ている。まるでここに居るぞと主張しているような気配なのだ。

 恐らく、ジゼルさん率いる案内人なのだろう。

 そう思い告げた訳だが、パイロットの土浦さんは静かにそちらへと機首を向けてくれた。

 すると、以前に見た竜人のジゼルさんと彼女を囲うように数匹の飛龍が空中で飛んでいるのを見つけた。

 先程感じた力強く分かりやすい幾つかの気配というのはこの飛龍の事だったのだろう。

 

 チヌークはゆっくりとそちらへ向かい、御誂え向きにそのすぐ傍に平地が有ったためにそこへと着陸する。

 

「お姉ぇさま、お待ちしておりました。あ、あとコウジュ……サマも」

 

 俺達がチヌークから降りるなり、ジゼルさんも地へと足を付けてそう声を掛けてきた。

 

「相変わらずねぇ。あなたはぁ」

 

「ジゼルさん別に前みたいな感じで良いっすよ! というかロゥリィ仲良いの?」

 

「いいえぇ、ハーディの使徒たる彼女がぁ度々私にちょっかいを掛けてくる程度の仲よぉ。返り討ちにするけどぉ」

 

「そ、そうっすか……」

 

 何やら親し気に話しかけるロゥリィにふと聞いてみたんだけど、ロゥリィが言うに合わせて送った流し目にジゼルさんがビクッと震えたのでそれ以上聞くのは止めた。

 とりあえず、話題転換の為にも気になっていたことを聞くことにした。

 

「そういやジゼルさんその飛龍達はどうしたんですか?」

 

「移動用だ…デス。ここから斜面を下らねぇとなんねぇですから、はい」

 

「無理に敬語使わなくてもいいのに……。ほんと前と一緒で良いっすよ?」

 

「すまねぇ。主上さんと同じ神さんだって聞いたからつい」

 

 ったくハーディってばどんな風に言ったんだか。

 しかし、移動用か。

 飛龍といえば銀座事件の時に騎士が乗ってたりしたけど、こっちでは定番なのかね?

 

「え、まじでアレに乗るの!? 土浦さんどうにかならないですか!?」

 

 ジゼルさんの答えを聞き、先輩が慌てる。

 高所恐怖症持ちな先輩からしたら飛龍に乗るとか堪ったものじゃないんだろう。

 ヘリとかは不思議と大丈夫らしいけど、比較的ごつい大狐の背中でも駄目だったんだから飛龍じゃ無理だろうな。

 

 しかしそんな先輩の必死の懇願に、パイロットの土浦さんは首を横に振った。

 

「悪いが無理だ。この辺りはどうにも地面がでこぼことし過ぎている。傾斜なんて当然むりだな。計器もまともに働いてないし、更にはこの霧だ。正直言って、この場所ですら降りたくなかったくらいなんだよ」

 

「ま、マジですか……」

 

 土浦さんの言葉に項垂れる先輩。

 

「儂も……これに乗るのかね?」

 

「細かいこと言う爺さんだなぁ。さっさと乗りやがれよ」

 

「ジゼルぅ?」

 

「ひっ、乗ってくださいませデス!」

 

 先輩のやり取りをみて教授の一人が引きつった顔をしながら言った言葉に、ジゼルさんがめんどくさそうに言う。

 そんなジゼルさんの口調が気に入らなかったのか、ロゥリィがドスの利いた声で名前を呼ぶ。

 すかさず背筋をピンと伸ばして訂正したジゼルさん。

 ジゼルさんはロゥリィに頭が上がらないのか……。

 思わず温かい眼になってしまう。

 

 とりあえず俺達は、飛龍に乗るのを前提として、移動についてなどを話し合った。

 土浦さんと副操縦士の人や第三偵察隊のうち半分はチヌークの周囲の探索・警戒を行い、そのまま野営の準備となった。

 今回の調査にどれだけかかるか分からない為、数日は泊まれるように準備して来てあるのだ。

 最悪俺の力でどうとでもなるが、“どこでもドア”を身内以外の人間が居る中で使うのは出来るだけ避けねばならないので、正攻法で野営だ。

 

 そして残る俺達が、調査班となった。

 

「先輩、ほら行くっすよ」

 

「待て、よく見ろ後輩。こんな細いのに乗ってしまったら落ちるかもしれないだろう? 念のため俺は徒歩で―――」

 

「ああもう面倒なっ」

 

「ちょ、何する後輩!?」

 

 話も終わりいざ飛龍達に乗って移動しようとすると先輩が駄々をこね出したので俺は無理矢理抱き上げ、担当してくれる飛龍の上へと飛び乗る。

 飛び乗ると言っても、何やら俺達の担当をしてくれる飛龍は優しいやつなのか、俺へと(こうべ)を垂れるように乗りやすくしてくれたので軽く乗れた。

 他のやつはそこまではしてないのを見るに、他の人には悪いけど良い子に当たったようだ。

 まぁでも正直助かった。

 二人ずつ乗ることになったのだが、俺との組み合わせが先輩なので優しい子なら飛ぶの優しく飛んでくれるだろう。

 

「待て待て待て待て!! 早まるんじゃない!!」

 

「さぁ出発! 飛龍君頼んだよ!」

 

「GYURURU!」

 

 俺の言葉に可愛く一鳴きして飛びあがる飛龍。

 おお、これは中々楽しいね。

 

 俺は飛龍を優しく撫でて、先頭を飛ぶジゼルさんへと顔を向ける。

 

 門の影響。神の支柱。

 恐らくだけど、これが俺のこの世界での課題なのだと思う。

 近しいモノに会った結果が今なのだから、そういうことなのだろう。

 そして、後者に関しては後回しにしたが、もう片方に今から会いに行くわけだ。

 

 ロゥリィやジゼルも、近しいモノという範囲に入るだろうけど、彼女たちから何か依頼などがあった訳じゃない以上、これがこの世界に来て初めての課題らしい課題だ。

 少し、緊張する。

 でも必要ならば躊躇しないと決めたのだから、留まっても居られない。

 思考するのも大事だろうけど、ただそこに居ても前には進めない。

 そんなのは俺らしくない。

 だから、門の影響というのがどんなのかは知らないが、さっさと解決してもう一つの課題へと進もうじゃないか。

 

 がんばりどころだ、俺!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ちる落ちる落ちる落ちる!? 何でこんなのが飛ぶんだよ飛ぶなよ地面を行けよ!! こんちくしょう!!!!!」

 

「って先輩どこ持ってるんすか!? そこ駄目! んっ!!?」

 

 




いかがだったでしょうか?

とりあえず先送りしたコウジュの根幹とするものについて。
今話内でも書いてありますが、ほんとすぐに決める必要性は現状ないですからねw 先送りです先送り。

それから門の影響について、今回は訪れる所までだったので、次回からがその辺りについてになりますね。
いやぁゲート原作の根幹にドンドン近づいてまいりましたね。
そしてそろそろ、まいた種が芽吹くころ。
楽しんで頂ければと思います。

それでは皆様! また次回!!


P.S.
PSO2話ですが、タガミ武器の厨二感大好物です。
さぁ、狩りまくらねば!

あ、GWスクラッチも回さないとですね!
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