全てのハンターには一般人に言えぬ秘密があった。
これはクエストに行く前、戦いの前に待ち受ける闘いのお話である
俺が親になったら子供にこう言って育てるんだ。
「ハンターにだけはなるんじゃない」
いやまだ、結婚相手すら見つけてない状況で言う話ではないと思うし、
ハンターという職業自体は素晴らしいと思う。生態系を守り、生活する人々を守り、
子供たち…そう未来を守っている。
命を懸ける価値のある立派な仕事だ。俺自身も青き星や猛き炎のような超有名人には
及ばないが古龍が観測された時には撃退要員としてお声が掛かる程度にベテランである
まぁそれはそれとしてだな。ハンターになると、とても…大変なことがある。
死と隣り合わせな事、好き放題依頼してくるギルドの下僕となる事、加工屋に
本当にその素材いるんか???と思うような材料請求されても交渉もせず支払う事。
どれも間違ってないし正直ハラワタ煮えくり返る時もある。だがもっと身近な事だ。
今まで不思議に思ったことはないだろうか?
ハ ン タ ー っ て
飯 食 う 時 、
な ん で 頭 装 備 外 す の ?
そう、よく言われるコレ。顔面全部覆うフルフェイスのヘルムならまだしも、
頭に飾りつけただけの装備なら普通に飯食えるし、外す必要ある?って思いますよね
実はこれには秘密がありまして。そもそもよく考えてほしい。
ハ ン タ ー っ て
な ん で あ の 量 の
飯 一 瞬 で 食 え ん の ?
大事なのはココなんだよ。この為に頭装備を外す必要がある。
正確に言うと「クエストに行く為の防具を外す必要がある」のだ。
ハンターになる為には厳しい試験を乗り越えなければならない。
筆記に適性検査、崖を上ったり飛び降りたり犯罪者のハートを盗んで握りつぶしたり
受験№の書かれたバッチ争奪戦したりしなければならない。
その厳しい試験を乗り越えた先に渡されるものが二つある。
一つがハンター自身の証明と記録を自動追記してくれるカード「ギルドカード」
もう一つが超小型のピアス
「狩 人 の ピ ア ス G」だ。
こいつが何なのかというと、【拠点およびキャンプ専用防具】でこいつを装備すると
発動するスキルが
「早食い+30」
お判りいただけるだろうか?
これが拠点やキャンプで「こいつ食うの早すぎwwwww」とか言われる理由というか
バグというか…そう、諸悪の根源だ。ちなみにGは暴食 –Glutonny-のGだ。
新しい狩り場が発見される度、飯が豪華になったり、モチモチして食いづらい上に
喉につまらせそうなモンが出てきたりするんだが、こんな仕様にする前にマジで
もっと食いやすい飯あるだろ。喉に詰まらせず、それでいて消化に良くて食べやすいのにしてくれ。うどんとか蕎麦とか。なんかこう…わかるだろ?いや、わかれよ。
そして今日も出てくる。
♪にゃーにゃーににゃーにゃに…
そうクエスト前の食事だ。調理を料理猫やらが大げさなアクションで行うのにも
理由がある。大きなアクションやら歌やら配膳やらに皆の目が行ってる間に
頭防具を外しピアスを装備。狩猟前に命を懸けたバトルが…今、始まる
※ ※ ※ ※
近所の子供たちが憧れの眼差しで俺を見上げ、そして語り掛けてくる。
「ぼくもはんたーになりたい!どうすればはんたーさんみたいになれる?」
言いたい。言ってやりたい『ハンターになんかなるもんじゃないよ』と
『猫飯は「ねぇ、殺して、めちゃ苦しくて、死んだ方がマシ」の略だよ』と
しかし俺はこの子の親ではないし、この子の夢を否定する権利だってありゃしない。
何よりハンターは生態系や、子供たちの…そう未来を守る存在なんだ
俺に言えるせめてもの事は
「今はご飯をゆっくり…よく噛んで食べるんだ。それが一番大事なんだよ」
外からは見えない防具の内側で、一筋の雫が零れ落ちた。
お読み頂きありがとうございました。
文字通り猫飯の苦しみを描いたお話です。
昨今の作品だと食事シーンが差し込まれるようになったので
こんなつらいお話を書く事になってしまいました(被害者ヅラ)
リアル猫舌なのでアツアツの肉やらシチューやらガツガツいくの、
本当に無理。ってか無理。
美味しいご飯はゆっくり食べたいところて欲しいですがハンティング中、
迅速に栄養補給する為には早食いも必須スキルなんでしょう。
オフの時はゆっくり食事出来たらいいなぁという願望を添えて。
ここまでお読み頂きありがとうございました