side 剣
怪物、『ファールバウティ』との激戦から三日後……俺は今、特訓をしていた。
『デ……キタ……!』
――おーし、今日はここまでにしておくか。
あれから、猛特訓したおかげで少ないが、言葉が喋れるようになったぞ!
これなら簡単な意思疎通ができるね。やったぜ。
それと、この体になって何ができるか色々模索した所、判明したことがいくつかあった。
・妙なフィールドを展開できる。これのお陰が、ステータスが上昇した感覚がする。あと、このフィールドに入った相手の位置を特定できる。
・身体を霧状に変化させ、移動出来る。障害物を貫通できるが、実体化しないと、触れられない。
・これの応用で相手の攻撃を避けられることが可能。
・鋭い爪での攻撃。
・目、目のようなところからビームができる。
……と、このようなことができる。
色々と便利だな~特にこのフィールド展開。
展開しておけば人や怪物がいる場所も把握できるし、変な空間だって感知だって可能!
今は半径50mまで感知ができるようになったぞ!
『っ!』
――おっと……早速探知に引っかかったぞ。人数は……っ!人が四人に対して怪物が多数!こりゃ急ぐか!
俺は急いで霧状に変化して、探知した場所へ向かう。
◆
NOside
ホロウの中、とある四人組が、『エーテリアス』という怪物と戦っていた。
「ああ、もう!なんでこんなに多いのよ!!」
黒リボンで束ねた桃色のツーサイドアップの髪型にトップスは白のチューブトップの上に、オフショルダーの黒いベストを羽織っている女、『ニコ・デマラ』が口をとがらせながら、アタッシュケース型の大砲で攻撃する。
「くっそ……銃弾だけで大赤字だぜ……!」
全身機械の赤ジャケットを着た機械のノイズが混じった男の声、『ビリー・キッド』が悪態をつく。
「敵が異様に多すぎる……すこし、ヤバいかも……!」
銀髪のショートボブの右のもみ上げを三つ編み、トップスはショート丈の白インナーにオフショルダーの黒パーカーを羽織っており、胸部と両腕は黄緑色のプロテクターで覆われている女、『アンビー・デマラ』が冷や汗をかく。
「こいつら倒しても倒してもきりがないにゃ……!」
黒髪で忍者のような赤黒メインの服を着た猫のシリオン『猫宮又奈』通称『猫又』が弱気になる。
「くっ……まさか、こんなにエーテリアスの大群に襲われるなんて……運がないわね!」
「けど、どうする?このまま退却か!?」
「そうしたいけど……道がエーテリアスに塞がってる……!」
「これって……万事休すかにゃ!?」
彼女たちは戦いながらも、圧倒的なエーテリアスの数に苦戦を強いられていた。
すると――
――ビィィィムッ!!
突如空から『エーテル』と言う物質をもつ光線がエーテリアス達を薙ぎ払う。
「な、なんだぁ!?空からビーム振って来た!?」
「嘘……どこから……」
「……!あそこ!」
アンビーが空を指すと―――そこには建物の屋上に剣が立っていた。
『……』
その瞬間、剣は霧状に変化し、ニコ達の前に現れる。
「っ!?」
「うおっ!?」
『……』
各々が警戒や驚いている反応を示すが、剣はそのことを気にせず、目の前のエーテリアス達目線を向ける。
『……グルル!』
――雑魚狩りの開幕である。
◆
side 剣
俺は人型の怪物の大群に向けて、突撃をかまし、爪で攻撃する。
――ズバッ!
怪物は簡単に裂け、次々と倒しにかかる。
「な、なによあのエーテリアス……他のエーテリアス達を倒してる?」
「な、なんだか分かんねぇけど……チャンスじゃねぇのか親分?この場から逃げられるぞ!」
「そ、そうね……!取り敢えず、お先に失礼するわ!ありがとうね、謎のエーテリアスさん!」
すると、俺が戦っている間にピンクの髪の人物たちは逃げ去った……
ん?あそこは――まずい!
俺は、すぐに霧状になり、ピンクの髪の人達のほうへ急いで向かう。
「はぁはぁ……!出口はもうすぐそこよ!」
「……!止まって!」
「ええ?」
白髪の少女が止めさせると、物陰からヌッと現れる。
現われたのは――二足歩行の非常に巨大な人型の怪物だった。
身体は非常に分厚く、特に肩・胸・腕・脚が極端に発達しており、全身は黒~暗い紫色を基調とした肉体で覆われている。
頭部は小さめで、巨大な胴体との対比によってさらに怪物らしく見える。
「ゲッ!?……で、『デッドエンドブッチャー』!?」
「マジかよ!?出口はすぐそこなのによ!?」
「みんな、来る!」
『グォォォォッ!!』
巨大な怪物……『デットエンドブッチャー』は巨大な槍状の武器をピンク髪の人達に振り回す。
――ガキィィンッ!!
何かがぶつかった音が響き渡った。
「ん……っ!?」
ピンク髪の人が目を開けると、そこには俺がデットエンドブッチャーの槍を受け止めている場面だった。
『っ!』
『……っ!』
――ビィィィムッ!!
俺はすかさず、至近距離でビームをデットエンドブッチャーに当て、吹き飛ばす。
『……』
「あ……あ……」
ピンク髪の少女は突然のことで座り込んでいる。
俺は、口数が少ないながらも、この場から離れることを伝える。
『ハ……ヤク……イ……ケ!』
「っ!」
ピンク髪の少女たちはデットエンドブッチャーが倒れている隙に急いで空間へ向かった。
「な、なんだか分かんねぇけど……助かったぜ!」
「うん……一応ありがとう。ニコを助けてくれて」
「ありがとうにゃ~!あんたって普通のエーテリアスとは違うみたいにゃね!」
「……」
三人が、空間へ向かう中、ピンク髪の少女は俺のことを見つめる。
「親分!何してんだよ!早くここから逃げようぜ!」
「っ!わ、わかってるわよ!……」
『……?』
俺のことをじっと見つめながらも小さく何かを呟く。
「あ、ありがとう……」
そうして、ピンク髪の少女は空間へ向かい、入っていく。
――すると、デットエンドブッチャーは立ち上がり、咆哮する。
『グォォォォッ!!』
――おっと、もう起き上がったのか?
俺は再び、デットエンドブッチャーの方へ眼を向ける。
――かかって来い。返り討ちにしてやる!!
俺はデットエンドブッチャーへ飛び掛かった。
◆
NOside
あの後、命からがら脱出したニコたちは一息ついた。
「ふぃ~!なんとか逃げ切ったぜ……あのエーテリアスが助けに入らなかったらオダブツだったぜ……」
「にしても……あのエーテリアスは一体……」
「……」
「ニコ?どうしたのにゃ?何か考え事をして……まさか、借金の取り立てが今日来るとか……!」
「違うわよ!!」
猫又の言葉をニコは怒りを露にしながら否定する。
「……ただ、あのエーテリアスのことでちょっと……」
「……ニコ、あのエーテリアスは私たちを守ってくれたのは確かよ……だけどあのエーテリアスはを完全に信じるのは、まだ早いと思うわ」
「……」
アンビーは冷静に考えをニコに伝える。
しかし、ニコはあの時、剣が言い放った言葉が耳にこびりついていた。
『ハ……ヤク……イ……ケ!』
まるで、足止めを任されたようなセリフを言うエーテリアスにふと、ニコは面影を重ねた。
「分かっているわよ……エーテリアスの癖に、
その呟きは静かな風と共に流されるのだった……
◆
『Random Play』 裏部屋
「くっ……やはり今日も収穫はなしか……」
アキラは徹夜で寝ているリンにかわり、ネットなどで何かを探し続けていた。
「剣……あれからもう一か月を切ろうとしてる……あそこで僕が引き留めていれば―――ダメだ。後ろを向いてばっかりじゃ……」
そんな独り言を呟きつつも、アキラは必死に探し始めると―――ふと、何かのスレが目に留まる。
『とあるホロウで、エーテリアスが道案内してくれたんだけど……』
「ん?なんだこのスレ……っ!こ、これは……!」
アキラはそのスレの内容を見ると―――驚愕の顔をするのだった。
義来 剣 あれから特訓してウリディンムの能力が使えるようになった。(一部ない技もあったが……)
『あのロボットカッコ良かったな~』と思っていたらしいぞ。
ニコ 邪兎屋のボス
謎のエーテリアスにとある人物と重なる。
アキラ
人物を探していたら、とあるスレの情報を見て、驚愕している。
一体誰なんだろうな~(すっとぼけ)