この夜で君たち2人を救いたい   作:ハメット

3 / 13
はい、眠いです。
いつも寝る直前に書くので見直しができてません。
ミスあるかもしれません。
追記
ちょっと最初の部分改変しました。


弐ノ夜 「大抵の嘘と呟く真実」

——「青年」——

 

数分前

 

 暗くなった住宅街を歩いていると突然⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎が目の前に現れた。僕は何年かぶりに出会った⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎に内心驚いた。そいつはあの神とは違い、静かに僕を睨んでいてこいつからも嫌な気配がひしひしと伝わってくる。正直二度と会いたくはなかった相手だけどな...

 

「久しぶりだな、久々に顔を出したのになにも言わないのか?」

 

そいつは大きな目を僕に向けながらまた沈黙した。

 

「...」

 

僕はまたなにも言わないそいつを睨みかえす。

 

「喋れない訳じゃないだろ?なにも用事がないのにお前が出て来る訳ない」

 

 会話もできないのか、なんでこういう奴らは喋らないのだろうか...

前に会ったときも僕ばっかり質問してなにも言わなかったから、たまには色々聞かせて欲しいんだけどな..

やっぱり“これ”の監視に来てるのか?

重要なことを言わない⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎に堪らなくなって僕は聞き返した。

 

「なにがしたいんだ?」

 

そしてまた少しの沈黙の後にそいつは答えた。

 

「ヤメロ」

 

 そうして⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎は空に消え、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎との会話はそこで終わった。

“これ”の監視に来たのかは分からなかったし、初めてのあいつとの会話はまともなやり取りが出来なかったな..

だが言葉の意味はわかってる。

 

「『やめろ』ね...」

 

僕は拳を握りしめながら呟いた。

 

「言われなくても知ってるよ..僕がいま自分にとってどれだけ不幸な道を選んでるかぐらい...」

 

 

 

 

さっきまでの出来事を振り払うように僕は周囲を見渡した。

 

 いつの間にか目的の場所に来ていたらしい、彼女がいるのはここだな...

すると少し進むと犬の鳴き声が聞こえてきた。

 

「ワン!ワン!クーン?」

 

 そこには倒れた金髪の少女と、その少女を必死に起こそうと頑張っているポメラニアンの子犬がいた。

するとこちらに気づいた子犬はすぐに僕の方に駆け寄ってきて、少女の方に案内しようとする素振りを見せた。

 

「ワンワン!ワゥーン...」

 

 基本動物は最初に会う人や動物には威嚇するのが普通だが、この子犬は威嚇するどころか信用しているような仕草を見せている。

 

となるとこの子は...

 

「そうか、君は“覚えてくれている”んだな..」

 

そうして子犬を撫で、少女の元に駆け寄った。

 

 どうやら“あの声”に誘われていたハルを子犬が必死に止めたことで、呪縛が解けて気絶したんだな。これまで通りだ。

最初は少しうなされているような、苦痛の表情をしていたがすぐに楽な顔になった。息も安定している。

問題ない、彼女を安全な場所に移そう。

 

 生憎彼女の家は知らないので近くの空き地に運ぶことにした。ハルをおぶって歩き出すと子犬も大人しく着いてくる、とても優秀な子犬だ。

 

 おぶっている間、お化けや霊たちが襲ってくることはなかった。彼らの狙いはおぶっているハルだが、僕と子犬がいるおかげで近寄れないのだろう。

 

少し歩くと目的地である空き地に到着した。

 

 空き地は少し荒んでおり、雑草が所々に葉を伸ばしている。相変わらず管理がされていない空き地だな..

幸いなことにベンチは綺麗だったのでそこに彼女を寝かせ、夏とはいえ夜は肌寒くなるのでコートをかけてあげた。しばらく寝かせてあげよう。

そこで一息つくことにした。だがあまり時間がないな..

僕はすぐそばで大人しくハルが起きるのを待っている子犬を見る。

 

「ごめんね..」

 

そう申し訳なく思いながらハルが起きるのを待った。

 

 

——「ハル」——

 

「あなたは?」

 

 古そうなカメラを下げた高校生くらいのお兄さんが後ろに立っていた、その隣には見たことがあるポメラニアンの子犬が嬉しそうに座っている。

確かユイが遊び場で飼ってたワンちゃんのチャコだったはず..なんでこんなところに?チャコはいつもユイが遊び場で飼ってたはずなのに...

 

「ちょっと散歩してた者だよ、君が道の真ん中で倒れてたから近くのこの空き地に連れてきたんだ」

 

お兄さんは何故か少し暗い表情で答えてくれた。

 

「も、もしかしてこのコート...」

 

「あぁ、僕のだよ。夏とはいえ夜だからね、かけて置いたんだ。」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

急いでコートをお兄さんに返した。

悪い人ではなさそう..ダメダメ!助けてくれたのに疑っちゃ!

 

「あぁありがとう、これ結構大切なものでね」

 

「あの、私が起きるのを待っててくれたんですか?」

 

「当たり前だよ、女の子が夜の街の道路で倒れてたんだから。それはそうと体調は大丈夫?」

 

「大丈夫..だと思います..」

 

 体調は悪くない、でもそれ以上になんで私が外で倒れてたのかが気になる..私は一回家に帰ってるはずなのになんで街の道路で倒れてたんだろう..

私が家に帰ってからなにがあったの?ユイならなにか知ってるかな?

ユイが私を家に届けてくれた、家に帰ったらユイに電話をかけてみよう...

とりあえず家に帰らないと!

 

「あの、助けてくれてありがとうございます!私すぐに家に帰らないと」

「その方がいい、でも夜は君が思ってる以上に危険だからね。君の家が近いのかわからないけどこれを渡しておくよ」

 

そう言ってお兄さんは鞄から懐中電灯を取り出して私に差し出してくれた。

 

「これ、懐中電灯?」

 

「夜は“危ない”からね。これくらいは持っておいた方がいい。家までの道はわかるかい?」

 

「分かります、良く友達とここに遊びに来ているので」

 

「ならいい、気をつけてね。急いで帰るんだよ」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

 少し含みのある言い方にちょっと疑問を持ちつつ、空き地を出ようとしたときチャコの鳴き声が聞こえた。

 

「ワン!」

 

「あっ、チャコ..」

 

 そういえばチャコの存在をすっかり忘れていた。少しチャコに申し訳なく思っているとお兄さんがチャコを見ながら聞いてきた。

 

「君のワンちゃんかい?」

 

「違うんです、私が飼ってる訳じゃなくて友達が飼ってるワンちゃんなんです」

 

「そうなのか、君に凄く懐いてるようだったから君が飼い主かと思ったよ」

 

「でもどうしよう、ユイがチャコを飼ってた遊び場は私の家の反対側なんだったはず..」

 

 そうだ、この子も放って置けない。この子が勝手に遊び場から離れた空き地まで来るはずない..やっぱりユイになにかあったんじゃ...

するとお兄さんは私を見ながら静かに言った。

 

「ワンちゃんは一旦君が連れていった方がいいね..僕はこの子を預かれないし、きっとこの子は君にとって必要な存在だ」

「ほ、本当ですか?」

 

 必要な存在ってどういうことだろう..でも確かに私が預からないとチャコも危ないし、ユイにチャコが無事なことを伝えなきゃ。

チャコは一回家に連れていこう。

 

「分かりました、チャコは1回私が連れて行きます」

「じゃあ早く帰りなさい、こうしてる間にどんどん夜は更けていくからね」

 

そして私は改めてお兄さんにお礼を言うためにお兄さんを見た。

 

「ありがとうございました!」

 

「気をつけるんだよ」 

 

「ワンワン!」

 

そうして私はお兄さんに背を向けてチャコと一緒に空き地を出た。

 

 

——「青年」——

 

ハルとチャコが空き地を出ていく姿を静かに見送る。

 

「気をつけてね..」

 

本人には決して届かない声量で念を押すように呟く。

 

 ここから彼女は危険な夜に足を踏み入れてしまう、それを止められない自分にいつも嫌気が差してしまう。いつも君たちは夜に足を踏み出すとき、なにを考えているんだろう。

 

やっぱりお互いのことかな..?お互いを心配しながら夜を彷徨うのかな...

 

「...」

「君たちは、優しすぎる..」

 

君たちは優しすぎるから、君たちが優しすぎるから。お互い自分を危険に晒してしまう。

 

 それを止めて手を差し伸べるのが『周り』なのに、それが出来ない周り(自分)に腹が立つ。

 

「クソ...」

 

 そうして1人で自分を悔やんだあと、冷静になるためにポケットのなかの物を探った。

 

 

——「ユイ」——

 

 なんとかお化けを避けながら私がクロを追いかけてから少し経ったころ、クロはたまに私がハルと遊びに来る空き地で止まった。でも空き地には誰もいなくて、いつもの様子と変わり無い風景だった。

 

「クロ、ここにハルがいたの?」

「ワン!」

 

 とても自信ありげにクロは返事をした、どうやら本当にいたらしい。なにかハルがいた跡がないか少し見て回っていたら1枚のメモ用紙を見つけた。クシャクシャに丸められていているけど、汚れはないから最近誰かが落としたのかな..?

見ると少し汚い文字が書かれていた。

 

『子犬は僕を覚えていた、少し気が楽になった気がする。情けない僕を許して欲しい、もし君に全てを伝えられたら..』

 

内容の意味は分からない、だけど...

 

「子犬ってチャコのことだよね?それに君って..」

 

クロがチャコを追ってここにチャコやハルがいないこと、チャコがハルを追いかけて行ったことを考えると..

 

「本当にハルはここにいたんだ、それにチャコはハルと一緒にいるみたい。」

 

でもそうなるとこのメモは誰が書いたんだろう?

 

 ハルとチャコ以外に誰かいたの?ハルはここで誰かと会ってたの?こんな夜にこんな場所で?ハル..大丈夫だよね?

頭に浮かんでくる疑問がだんだんと不安に変わっていく。

 

「ハル..どこにいるの?」

 

 ハルになにかあったらと考えるだけで不安なことで頭でいっぱいになるのに..それなのにお化けだらけの夜の街を歩く恐怖も相まって涙が出そうになる。

 

「...ッ!...ッ!」

 

限界だった。我慢しなきゃと思うほど涙が溢れてくる...

 

 私にはハルが頼りなのに、明日は2人で最後の花火を見るって約束したのに、花火も見れずにさよならなんて嫌だ...

 

「ハル、帰ってきてよ...もう嫌だよぅ..ハル...」

 

その言葉を呟いた瞬間、はっきり聞こえた。

 

ジャキン

 

後ろからの金属音が...

 

今回の夜: エ莉翫∪縺ァ騾壹j

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一応第2話完ですね。
ただちょっと今回読みにくい構成になってる気がするのでご了承願います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。