【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
ピピピピ
「うん、健康だね」
早朝、いつもなら朝のマラソンをしている時間だが、エルリックとシミスターが夜の見回りを始めた為、俺が餌やりや健康チェックをしていた。
今やっていたのは、仔馬の口に体調測定器を噛んでもらって体調を測っていた。
見ただけでもある程度はわかるが、体温測定機能もあるので微熱や風邪等もわかる。
ラナの仔馬達は健康そのもので俺がミルクを差し出すと勢いよく飲み始める。
『カネダありがとう』
「いやいや、ラナも立派に母親をやれてるじゃん」
『そうかな? そうかも』
哺乳瓶をしゃぶりついていた仔馬達もお腹いっぱいになったのかけぷと小さくゲップするとしゃぶるのをやめてラナにすり寄っていく。
『ねぇカネダ。この子達と将来別れることになるんだよね……』
「あぁ、1年半したら競りになるな」
『そう……寂しいな』
「ごめんな。俺の牧場が狭くて……飼いたくても飼えないんだよ」
『うん、それはわかってるけど……』
そうラナは言う。
畑を潰して牧場を広げると上手く回っている畑のサイクルが崩れてしまうし、稲藁の量が減ってしまう。
そう考えると畑を減らすこともできないし、仔馬を売るというビジネスをしないとペットと何も変わらなくなってしまう。
そしたら繁殖させている意味が全く無い。
『元気に長生きできれば良いだろラナ! 良い飼い主を見つけてもらおうプボ』
横の馬房でむしゃむしゃと藁を食べているヤマトがそうラナを励ますのだった。
その翌日、スピカ、シリウス、ヘゼの3頭が連続で産気付き、俺、宮永さん、中園さんがそれぞれの補助を、パンドラ、ハート、マリー、メアリ、エレナがミルクの準備をし、お産に備えた。
スピカは双子だけど両方正常位で綺麗に出てきて安産。
ヘゼも片方が逆子だったが胎内で正常位に戻し、すんなり出てくることができた。
難産だったのは単子のハズのシリウスで、仔馬が大き過ぎて産道から全然出れなくなってしまい、手を突っ込んで仔馬の胴体を持って頭を無理くり引っ張り出した。
シリウスは激痛に涙を流し続けていたが、頭さえ出てしまえば酸欠になることも無いし、体は比較的すんなりと出すことができた。
『ひっひっ! ひっひっ! ふー』
「シリウス子供出たぞ」
『えっとこう舐めてあげて……』
「そうそう上手い上手い」
仔馬達も無事に立ち上がり、母馬達の母乳を吸い始める。
『くすぐったいな』
『おお、飲んでる飲んでる』
一応スピカとヘゼの子供にもミルクを与えたが、スピカとヘゼは母乳が双子を飲ませても十分に足りる様だった。
しかしシリウスのデカい仔馬は他の仔馬に比べて1.8倍くらい大きく、1頭しかいないのにシリウスの母乳を飲み干してなお、母乳をねだってきた。
あとシリウスの子供は立ち上がるのが滅茶苦茶早く、産まれてから10分程度で立ち上がった。
「シリウスの仔馬は大物になるかもしれないな」
そう思いながらシリウスの仔馬に俺はミルクを与えるのだった。
俺達も4歳となり、5年目に突入。
最初出会った時は幼い感じが強かったマリーも今じゃ立派なレディである。
パンドラとハートは眷属化した時から容姿が変わって無いため、2人の方がマリーより幼く見えてしまう。
「マリーも立派な女性になったな」
「えへへ、そうですか?」
俺がマリーにそう言うとマリーは嬉しそうに答える。
「何か困っていることはあるか?」
「困っていることは特に無いですね。お金も貰って、メアリさん、エレナさんから魔法も教えて貰って……私も少しだけなら魔法が使えるようになりましたし!」
マリーはそう言って指先から炎を出す。
「マリーは好きな人とかは居ないの?」
「うーん居ませんね……」
宮永さんの質問にマリーはそう答える。
恋多き年頃だと思うし、買い物を一緒に行くとマリーに声を掛ける男性も居る。
ただ好きな男性は居ないらしい。
そんなマリーも最近悲しい事があった。
60歳を超えていたマリーの父親が急死してしまった事だ。
死因は心筋梗塞と思われ、雇い主である豪炎寺と原村さんが葬儀を教会に頼んで行い、俺達も参列することがあった。
マリーのお母さんは今でも豪炎寺と原村さんの食堂ジャパンで働いているが、前よりも元気が無くなった気がする。
そんな悲しい事が冬の間にあったが、マリー元気に振る舞うのであった。
仔馬が産まれて約4ヶ月。
離乳も進み、母親と放牧して牧草を食べたり、青草を食べたり、配合飼料を食べたり、少しだけ稲藁を食べたりしながらすくすくと成長をしていた。
正式な名前は付けないで、愛称で呼んでいるが、シリウスの牡の子供は他の仔馬達からも大きい為子供の中でボス馬になり、かけっこをしても先頭で走ることがしばしばであった。
他の仔馬もすくすくと成長し、最初は風邪を引いて熱を出す子も多かったが、錬金術で調合した馬用の解熱剤をミルクと一緒に飲ませたりしていると、徐々に頑丈となり、元気に飛び跳ねながら走り回る姿がしばしば目撃された。
そしてユニコーンであるが仔馬達は人懐っこく、気性難みたいなタイプは今のところ居なかった。
「シリウスの子供は気性難になるかと思ったが」
『私が何ですって!』
シリウスの仔馬の事を考えていると、シリウスがやって来た。
「いや、シリウスお前が牧場にやって来た時に気性が狂っていたからシリウスの仔馬にも気性難が遺伝するんじゃないかと思っていたんだよな」
『あら、私はそんな頭がおかしい扱いでしたの?』
「そりゃそうだろ、ずっと暴れていたし……正直ハズレだと思ったわ」
『まぁ酷い! ……でも確かに頭が澄んでくるまではずっと暴れていた気がしますわ』
「気性が成長してくれて本当に良かったよ。あのままだったら仔馬を蹴り殺していたかもしれないからな」
『そんなことしませんわよ!』
「うーん、本当かな……まぁ良いわ。ほい、フルーツ持ってきたから食べろ食べろ」
『あら気が利きますわね』
ちなみにシリウスは洋梨風味の果実が好きで魔法の果実でも洋梨風味があると機嫌が良くなる。
「子守大変だと思うけど頑張ってくれや」
『わかってますわよ!』
果物を加えると、自分の息子のところまで走り、息子と果物を分けて食べるのだった。