無名さんと離れた後も、俺とクリリンさんは二人で修行を続けていた。そんな俺達を見てきたトランクスも参加して鍛えている。やはりベジータさんの息子だ、ぐんぐん強くなっているよ
不思議と人造人間達は破壊活動をしなくなり、俺達は奴らを破壊する事が出来ていなかった。
「ん、トランクスいいぞ」
「はああああ!!」
トランクスの拳と蹴りの連撃を捌きながら、褒める。俺はピッコロさんの厳しくも、不器用な優しさに育てられたんだ。まだ若いトランクスは無限の可能性がある。
「だけどまだ甘い!」
「うあっ!?」
連撃の隙を突いた蹴りが、トランクスを吹っ飛ばした。
「おっと。危うく湖に落ちるとこだったな」
「あ、ありがとうございます。クリリンさん」
「いや、気にすんな!次は俺と気のコントロールの修行だからな」
トランクスの修行は俺が実戦形式、クリリンさんが気のコントロールを教えて貰っている。俺は最近、ピッコロさんがやっていた瞑想を行っている。
肉体的な成長はサイヤ人の特性で強くなるが、精神や気のコントロールはそうはいかない。ピッコロさんは厳しい修行と並行して瞑想を行っていたものだ。
超サイヤ人になると興奮状態になり、気持ちが大きくなってしまう。昔から怒りによって、潜在能力を解放してきた俺は精神を鍛えることが必須だった。今では超サイヤ人の興奮状態を完全に無くす事に成功。
「油断も慢心もしない…人造人間め。俺が必ず破壊してやる」
side out
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side クリリン
俺は武天老師様の弟子で、地球人最後の武闘家だ。死んでいった仲間達は、みんな俺よりも強くて頼りになる人達だった。俺が倒れても後は何とかしてくれる…あいつがいればいつもなんとかなったし、そう思わせてくれる安心感があったんだ。しかし、俺の最高の親友、悟空は苦しみながら、人造人間達と戦うことなくこの世を去った。
「悟空、俺は悟飯を…トランクスを必ず守るよ。こんな俺がお前に胸を張って会う為にな」
悟空から残された界王拳と、もうひとつの必殺技、これが実力で劣る俺に残された本当に最後の切り札だ。
side out
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息を潜めていた人造人間達は、拍子抜けするほどあっさりと俺達を尋ねてきた。
「孫悟飯、お前を殺しに来てやったぞ!」
「ハゲのおっさん、ぶち殺す!」
17号は自信満々、18号は怒りを露わにしている。
「今まで破壊活動を控えていた理由はなんだ」
「お前らにやられた屈辱でなぁ、修行?ってのをふたりでやってたんだ」
「ハゲのおっさんに何も出来ずに負けたのが悔しくて…17号とずっとやり合ってたのさ」
人造人間達が修行をしていた?どちらにしろ俺達がやることには変わりはない
「ここでお前達を破壊する…はああああ!!」
「孫悟飯、今度は油断しないぜ。生かして返さない」
「ハゲのおっさん、あんたを粉々にしないとあたしの怒りは治まらないんだよ!」
「俺は必ず生きて帰る!もう覚悟はできた!!」
孫悟飯 戦闘力 4000万→(超サイヤ人)20億
クリリン 戦闘力 1000万 (界王拳50倍)5億
人造人間17号(フルパワー) 戦闘力 13億
人造人間18号(フルパワー) 戦闘力 12億
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side 孫悟飯
17号の嵐の様な猛攻を、精神を落ち着け冷静に捌く。そして隙を誘い、殴り、蹴り、投げる。17号は意外にもその場で立ち止まり、話しかけてきた。
「孫悟飯、貴様は強い。それは認める…しかし、お前は生身の体だ、このまま続ければ俺が勝つ。だがそんな勝ち方はゲームとしては面白くない。だから提案だ、俺は今からバリアを張る。お前はそれを破れたら勝ちだ。やるか?」
「いいだろう…俺の全力を受けてみろ!!」
全身に流れる気を爆発的に高める。しかし心は冷静に、俺を見て17号は目に見えるほどの強大なバリアを展開した。
「さあ、掛かってこいよ孫悟飯!!」
「はああああ!!」
悟飯の拳がバリアと衝突し、拳打と蹴りでバリアごと17号を叩き付ける。次第に拳の皮が裂け、鮮血が吹き出してなお攻撃を止めない悟飯
当初、17号はバリアに絶対の自信があった。いかに孫悟飯が強くなったとしても永続的に補充されるエネルギー回路がある自分と、時間経過で消耗していく孫悟飯。
勝敗は明らかだ。故にゲームの延長で好きに攻めさせ、疲れきった所で殺せばいい。ベジータとかいうオッサンを殺した時のように…しかし
「うらあああ!!」
「!?」
全力のバリアにヒビが入った。馬鹿な、全てのエネルギーを回しているバリアだぞ!?突破出来る筈が…
「ヒビが入れば充分…!」
【爆裂魔閃光】
血だらけの両手をバリアのヒビに押し当て、師から初めて伝授された必殺技を更に強化し、練り上げた物を流し込む。17号を起点にバリアを張っているので、破壊された訳ではない為、17号自身も咄嗟に逃げることは出来ない。
「ば、馬鹿な!?この俺が…」
爆裂魔閃光がバリアの内部で爆発を繰り返し、逃げ場のない17号はバリアを解除する事も出来ずに粉々になった。
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side クリリン
18号とは何度か戦っているが、彼女は非常にキレやすい。普通ならば短所になるのだが、人造人間という無理の効く身体能力や無限のエネルギーという反則的とも言えるスペックを持っていた為、誰も敵わなかった。
だけど俺は違う…力で勝てないのなら、技で勝てば良い。技で勝てないなら策を弄せば良い。俺はそうやって生き残ってきたんだ。
「ハゲのおっさん!もうアンタは生かしちゃおかないよ!!あたしはもうイライラが収まんないんだ」
「…出し惜しみなしで行くぞ」
界王拳50倍を発動し、襲って来た18号の蹴りを受けずに流す。通常、界王拳は全身に気を巡らせる。しかし、俺は気のコントロールに長けている。防御や攻撃の瞬間に、流れを切り替えて使う
「ちっ!」
普通なら18号の攻撃は当たれば致命的だ。俺の腕や足の骨など容易く砕かれるだろう。【当たれば】ではあるが。俺は武天老師様やミスターポポ、神様に授かった教えがある。経験による先読みや予測に加え、1番は目だ。悟空やベジータ、悟飯やピッコロの戦いを最前線で見てきた。敵が自分より強いのが当たり前だったんだ。余裕や慢心などない
「俺は悟飯やベジータみたいに超サイヤ人にはなれないけど…悟空。お前の技、使わせてもらうぜ」
【元気玉】
悟空は気を精密に扱うのが得意でなかった為、毎回溜めるのが時間が掛かっていたが、クリリンは違う。敵に気付かれない内に体内で小さく凝縮した元気玉を作る事が出来る。かつて武天老師が考案したものの、再現が出来なかった幻の奥義…外気功を利用して
【外気功】
周囲にある自然なエネルギーを自らに取り込み、自在に使いこなすという物だが、普段から界王拳を使いこなすクリリンだからこそ習得に至ったという事は言うまでもない。
「うけてみろ!お前達に殺された…みんなの恨みだ!!」
クリリンが放ったエネルギーの塊が、勢い良く18号に向かっていく
「言ってなかったけど…あたしダンスが得意だったんだ」
凄まじいスピードで迫るエネルギーの塊を、触れるか触れないかのギリギリですり抜けた。
「!?」
「死にな!!」
避けたと同時に連続エネルギー弾で反撃してくる18号、当たれば即死するわけではないが、ジリジリとダメージは受ける。しかし、この爆風が勝機に繋がる
「ざまあみろ…あとは孫悟飯を始末して終わりだね」
立ち去ろうとしたが、念の為にクリリンの死体を確認しようと爆風が晴れるのを待つ。警戒を解いたまま、それが18号の見た最後の景色だった。
爆風が晴れるとボロボロになったクリリンが立っていたが、18号の姿は影も形もなかった。クリリンの放った元気玉が直撃し、消滅したからだ。
クリリンは元気玉を避けられる事をあらかじめ想定していた、もちろん当たれば良いくらいの感じで撃ったが、想定外だったのは連続エネルギー弾を撃たれたことだ。下手すれば致命傷を受けてもおかしくなかった。
爆風に紛れて待機させていた元気玉を操作し、18号にぶつけた。これはヤムチャの得意とした繰気弾を参考にした秘策であった。
「みんな…仇は討ったよ」
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悟飯とクリリンの死闘を、気を消した状態で見ていた存在が居た。
「クックック…17号と18号は残念だったが、孫悟飯とクリリンの強さは想定以上だ…有象無象の人間のエネルギーを吸い取るより強くなれるぞぉ」
緑色の虫のような生命体、人造人間セル。ドクターゲロが究極の生命体を作り出そうと研究を重ねた事で産まれた。地球上の可能な限りの生体データや細胞をスパイロボットが回収し、組み込んでいる。
「しかしまだ私の実力ではすぐに消されてしまうな。生体エネルギーを採取せねば」
孫悟飯とクリリンはつかの間の平和を取り戻した…かに見えたが、新たな悪意が動き出した。
リザルト
戦闘前
孫悟飯 戦闘力 4000万 超サイヤ人(50倍)20億
クリリン 戦闘力 1000万 界王拳50倍 5億 超界王拳+10倍 (一瞬だけなら50億)
17号18号戦後
孫悟飯 戦闘力 5000万 超サイヤ人 25億
クリリン 戦闘力 1500万 界王拳60倍 9億 超界王拳+10倍(一瞬だけなら90億)
元気玉は人口が減り、弱った地球の元気ではそこまで威力のある物は出来ないが、それでも人造人間を消滅させた。これは邪悪な気を消し去る特性が働いた事も大きい。
人造人間 セル第1形態 戦闘力 500万
幼生体から成長したばかりだが、戦闘力が500万もある為、充分な脅威。既に気のコントロールが出来るらしい