Requiem for rebellion   作:皐月の王

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すごい久々ですけど再燃したので


驚異に抗うため

キャメロットに帰ってきたディアレイスは城下町の惨状を見て心を痛めていた。

 

(決断が遅れた結果だな……私が迷わなければ死なずに済んだだろう)

 

魔神族にしては珍しい部類の完成を持ち、優柔不断で戦い抜いた少女は、この日同族を裏切り、他種族側に着いた。後悔は無いと言えば嘘になる。ゼルドリスやエスタロッサの兄弟のことを考えれば、本当に正しいのかと自問自答を繰り返す。

 

(だが、私は選んだのだ。だとするなら、その道を進み……お父様、魔神王を滅ぼし……この戦いに終止符を打つしかない。お兄様とエリザベス義姉様のために……うん?義姉様と言うべきなのか?)

 

的外れな思考も交えながら立っていた。そんな中、球体から女性の声が聞こえた。

 

「久しいな、ディア。三千年ぶりか?」

 

その声の主はガランの戒禁に石にされているマーリンの声であった。ディアレイスは振り返りながら

 

「ああ、久しぶりだな■■■■。こうしてまた会えるとは嬉しく思うぞ」

 

「私もうれしく思う。こうして同じ場所で魔法を学んだ親友と再会できたのだからな」

 

球体がディアレイスの間近まで行き言う。ディアレイスは微笑みながらに言う。

 

「あれから無事逃げ切ることが出来てよかった。ああ、本当に良かった」

 

球体は何も言わなかったがしばらく沈黙が続いた後。

 

「ディア、キャメロットの城に入って来てほしい。今後の話もしたい」

 

球体から言われてディアレイスは頷く。

 

「分かった。案内お願いするよ」

 

「ああ、もちろんだ。それと、皆の前ではマーリンと呼んでくれそれで通っている」

 

球体に案内されるまま、入城する。そのまま後ろを着いていくと、腕の治療を受けているスレイダーとマーリンの石像の前で涙を流すアーサー、他にも治療を受けている者が居た。

 

「貴女は!」

 

スレイダーがディアレイスの存在に気づき声を出す。それもそのはず。手も出なかったガランに対して圧倒し移動までして戦ったメリオダスの妹が目の前にいるのだから。しかし、直前まで十戒と共に居た魔神族と言うのもまた、事実だ。警戒を解くことはそう易々と出来るものではない。

 

しかし、ディアレイスは

 

「治療は大丈夫そうだな。ガランの攻撃を受けて、問題なく動かせるようになっているあたり、優秀な魔法使いみたいだな」

 

スレイダーの腕を治療していた人物を褒めていた。

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

その人物は少し顔を赤くして治療を続ける。そして、石像となったマーリンを見ながら球体に向かって

 

「何時まで不便な体でいるつもりなのだ?私の事を覚えていたこは嬉しいが、神々から受けた祝福があるだろう?」

 

球体は暫く黙った後、少々の気まづさを含んだ口調で弁明する。

 

「……確かに。私としたことが忘れていた。何分使う機会などなかったのでな」

 

「え?マーリン!?」

 

球体から聞こえるマーリンの声を聴き、アーサーがディアレイスの方を向く。その直後

 

「私はこっちだぞアーサー」

 

寝かされていた石像のマーリンは元の姿に戻り、起き上がっていた。

 

「マーリン!良かった!本当に良かった!」

 

驚愕に顔を染め、その直後に嬉しそうな表情になる。ディアレイスは微笑ましいそうに見る。アーサーはディアレイスに気づいて涙を拭いながら向き直り、

 

「先程は、皆を助けて頂きありがとうございました!私の名はアーサー・ペンドラゴン。このキャメロットの王です、よろしくお願いします」

 

嫌悪感無く、敵意も見せることなく礼を言い頭を下げる姿にディアレイスは近づき

 

「顔を上げて欲しい若き人の王よ。私の名はディアレイス。お兄様であるメリオダスの妹で、これからは共に"十戒"と敵対する仲間だ。肩を並べるもの同士、気軽に話してくれた方が私も助かる」

 

そう言い、手を差し出し、握手を求める。アーサーは顔を上げ、ディアレイスをの顔を見てその手を握る。

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

一段落着いた時、

 

「それじゃあ、作戦会議でもしますか!」

 

聞き覚えのある声が扉から聞こえてくる。声の主はエリザベスに支えられて歩いてきたメリオダスだった。

 

「メリオダス殿!!傷の方はもう!?」

 

「うんにゃ、ちっとも!イテテ……!」

 

痛がりながらもエリザベスの胸を揉みながら話すメリオダス。

 

「ディアレイスがこっちに着いてくれなければ、全滅していたかもな。ありがとな!ディアレイス!」

 

メリオダスがそういうとディアレイスは頷きながらに

 

「私の方こそ、遅れてすまない。何時も私は選択が遅れ……」

 

続きを言う前にメリオダスに肩を叩かれる。

 

「お前は直ぐにそうやって自分を責める。お前は優しい奴だからな、決めたあとも相手の事を考えて気に病みすぎるんだ。けど、その選択で救われている奴は確実に居る。今回だってお前がガランと対峙しなければオレ達は全滅していた。だから、ありがとな!」

 

「はい……!」

 

ディアレイスは涙を流しながらに頷く。マーリンはそんな兄妹のやり取りを見終え

 

「団長殿が言う作戦だが、《十戒》に勝つには《七つの大罪(われら)》が強くなれば良い。先ずは簡単に指針を立てようとしよう」

 

そう言い手を叩きながら注目を促す。

 

「先ずは、こちら側の戦力だが、団長殿闘級3370、ディアンヌ闘級3250、ゴウセル闘級3100、私が4710、キング闘級4190、バン闘級3220。《七つの大罪》六人合わせて闘級2万1840」

 

ふむふむと頷くメリオダス。他の皆も同じように頷き、スレイダーや他の騎士達、アーサーもすごいと改めて感心する。

 

「さらに、スレイダー、ギルサンダー、ハウザー、グリアモール、その他の王国全騎士の総動員しての闘級は約13万……《七つの大罪》と合計すると闘級約15万」

 

「俺の闘級3000も忘れるなよ?」

 

ホークが自分も忘れないように付け加える。マーリンは頷きながらも

 

「しかし、これではどうしようも無いのが現状だ。対峙した魔力抜きのガランで闘級2万6000。この時点で《七つの大罪》六人の総合値をも上回っている。仮定だが、《十戒》の強さを最低でガランと同等とした場合の合計はおよそ闘級26万、魔力が戻れば想定闘級は30万以上になるだろう。こちらの戦力としてディアを入れた場合はこちらも合計の闘級が20万に達するだろうが……それではディアに殆ど任せる事になるだろうな」

 

マーリンは分析しながら話すが

 

「ディア?」

 

メリオダスや皆がキョトンとした表情でマーリンを見る。ディアレイスも満更でもないが少し息を吐き

 

「愛称で呼んでいるぞ……」

 

「おっと、すまない。私も緊迫した状況なのに旧友に会えて少し気が緩んでいたみたいだ」

 

咳払いをして

 

「何にしても、下位の魔神の事も考えれば戦況は悪化するのは必定だな」

 

「その巨大な戦力差を《七つの大罪》全員がパワーアップすることで埋めるわけだ。口で言うほど簡単じゃねぇがやるしかねぇな」

 

「団長殿の言う通りだ。そして、エリザベス王女、アーサー。この戦いにおいてそなたらの魔力の覚醒は不可欠だ」

 

そのマーリンの言葉にアーサーは俯きながらに自身の心中を吐露する。

 

「そんな……マーリンは私を買い被りすぎているよ。私は結局、民も聖騎士も守れなかった。ディアレイスが着いてくれなければ君や他の騎士だって」

 

「アーサー……」

 

「今はそうかもしれない。だが、一人でやろうとする必要は無いのではないか?」

 

ディアレイスがアーサーの方を向き言う。

 

「え?」

 

「誰しもが最初から強かった訳では無い。私だって戦って鍛えられて、学んだ末に今の力がある。悠長に構えている時間は無いのかもしれないが、君は強くなれる。■■■■……マーリンが君を認めているのだ。私も君に期待するよ」

 

その言葉を聞き顔を上げるアーサー

 

「マーリン様!私、やります!いいえ、今はできなくても、そのための努力ならなんだってしてみせます!」

 

「……よい目だ」

 

「エリザベス王女……私もやります!今は未熟でも私を信じてくれている者達の為にも!」

 

アーサーもエリザベス同様に決意を固める。ディアレイスはアーサーの魔力を感じ取りその規格外差に気づいて強くなるのを確信していた。それと同時にエリザベスの宣言には出来れば賛同は支度はなかった。呪いを知るものとして。

 

「そして、もう一つ忘れてはならぬ鍵、あの男を探す時が来たようだ」

 

 

「ああ、《七つの大罪》……《傲慢の罪(ライオン・シン)》……エスカノール」

 

 

 




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