ハイスクールC×P~駒王の騎士乙女~   作:マルク

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新年あけましておめでとうございます。年末にもう1本書く予定が実行できず申し訳ありません。お詫びに頑張って少し長めに書きました。よろしくお願いします。


闇の胎動

 

 

未来について教えてください

 

1:名無しの転生者

誰か~見てますか~?

 

2:名無しの転生者

見てるよ

 

3:名無しの転生者

初々しいな 新人か?

 

4:名無しの転生者

いらっしゃ~い

 

5:名無しの転生者

イッチ、悪いがまずはコテハン(固定ハンドルネーム)付けれるか?

 

6:オリムラムラ

こんな感じですかね?

 

7:名無しの転生者

ブフォッ!?

 

8:名無しの転生者

いいよ! すごくいい! 分かってるじゃんイッチ!

 

9:名無しの転生者

これは期待の新人が来たな

 

10:オリムラムラ

こういうのは初めの掴みが肝心と聞いたもので

 

11:名無しの転生者

誰だよ 無垢なイッチにそんな事教えたの

 

12:オリムラムラ

姉の友人からです

 

13:名無しの転生者

いいセンスしてるなその人…で、美人か?

 

14:名無しの転生者

盛るなモチツケ とりあえずイッチの話を聞こか

 

15:オリムラムラ

ありがとうございます この世界って俺達が知ってる原作となんか違ってません?

 

16:名無しの転生者

あ~そういう話ね

 

17:名無しの転生者

誰もが通る道だな

 

18:名無しの転生者

イッチの懸念は正解だ 既にこの世界で活動してる転生者数名のせいで差異が発生してる 

 

19:オリムラムラ

やっぱり それって大丈夫なんですか?

 

20:名無しの転生者

さぁ?

 

21:オリムラムラ

さぁって…

 

22:名無しの転生者

仮にイッチが今の知識をもって元の世界に戻ったとしよう ナチのチョビ髭のような要人を片っ端からバキュンしたところで世界って良くなると思う?

 

23:オリムラムラ

…分かりません

 

24:名無しの転生者

そういう事だ 実際したところでその一瞬は良くなるかもしれん だが、後日とんでもないしっぺ返しが起きるかもしれない

 

25:名無しの転生者

歴史という大河の流れに一石を投じたところで…些末!

 

26:名無しの転生者

何が良くて何が悪いのかなんて人それぞれだからね 後悔先に立たずっていうでしょ それを無視できる傲慢な人になりたいならやってみそ

 

27:オリムラムラ

…俺には無理ですね 怖くてとてもできません

 

28:名無しの転生者

そういうところはイッチの良いところだと思うよ 悪いところでもあるけど

 

29:オリムラムラ

と、いうと?

 

30:名無しの転生者

人間社会にいる以上、自分の行動は誰かに少なからず影響を与える

 

31:名無しの転生者

行動しなきゃ何もできないし、いないのと変わらない 恋愛やら就職だってそうでしょ? まずは動かなきゃね~

 

32:名無しの転生者

だから動いているヤツはそれなりに評価されてる 良くも悪くもだが…

 

33:オリムラムラ

すみません ちょっと動いてる人達を見る目が変わりました

 

34:名無しの転生者

そういうところだよ すぐに反省して次に生かす 簡単なようで難しいんだ 胸を張っていい

 

35:オリムラムラ

はい!

 

36:魂王

おっハロー お邪魔するよ

 

37:名無しの転生者

タマ○ン! タ○キンニキじゃないか!?

 

38:名無しの転生者

お疲れーすっ! タマキ○ニキ!

 

39:名無しの転生者

お疲れ様です

 

40:オリムラムラ

はじめましてオリムラムラです えっと…有名な方なんですか? 

 

41:名無しの転生者

イッチのようにコテハン付きは大体古参か、目立ちたがり屋だよ~

 

42:名無しの転生者

コテハン通り霊能関係に強い人で、さっき言ってた行動派の1人だ

 

43:魂王

よろしく 僕の事は好きに呼んでくれて構わないよ

 

44:オリムラムラ

あ、ありがとうございます 

 

45:名無しの転生者

でも久しぶりだよね~ 元気してた?

 

46:魂王

リアルが忙しくてね カキコしなかっただけで読んではいたよ

 

47:名無しの転生者

また何かやらかしたんですか?

 

48:名無しの転生者

タマ○ンニキの新たな伝説? 聞きたい聞きたい!

 

49:魂王

う~ん、禁足事項なのでここで話す事はできないな

 

50:名無しの転生者

ですよね~

 

51:名無しの転生者

知ってた

 

52:名無しの転生者

残当

 

53:オリムラムラ

ははは…

 

54:魂王

ただし仕事以外なら新情報がある

 

55:名無しの転生者

マジソン!?

 

56:名無しの転生者

はよ! はよ!

 

57:魂王

淫獣ニキが近々動くらしい

 

58:名無しの転生者

おおっ!

 

59:名無しの転生者

遂にヤツが動くのか…

 

60:オリムラムラ

どんな人なんです? ていうか人なの?

 

61:名無しの転生者

実際に会った事がないから何とも言えないな イッチの想像通り、我ら転生者は前世が人間だったものが大多数だ でも今世では分からん

 

62:名無しの転生者

転生時に神に言った願いを実現できるだろう肉体を持って誕生するからな ドラゴンならまだしもミジンコとか雑草とかだったら悲惨だぞ

 

63:魂王

言動から恐らく男性で、中々特殊な性癖の持ち主という事は分かっている

 

64:オリムラムラ

そんな人?が近所に来るんですか!? 嫌過ぎる!

 

65:名無しの転生者

あ~イッチ、身バレするような発言は控えた方がいいよ

 

66:オリムラムラ

OTL

 

67:名無しの転生者

次からは気を付けるように でも、今のコメで分かった事がある

 

68:オリムラムラ

え?

 

69:魂王

時期的な面から考えるとキミの現在地が推測できる もしそうなら彼が近くにいるはずだ

 

70:名無しの転生者

黒ひつじニキ あの人も古参勢だから心強いよ

 

71:オリムラムラ

羊なのに人? 強いんですか?

 

72:名無しの転生者

彼も負けず劣らずの特殊性癖の持ち主だ

 

73:オリムラムラ

トラブルメーカーが増えた!?

 

74:名無しの転生者

誰しも人には言えない秘密の一つや二つあるものさ 転生したせいでそれを隠そうとしなくなったにすぎない

 

75:名無しの転生者

分かるわ~ わたしも転生してから同人活動隠さなくなったからね 親からは情報の出どころとかしつこく聞かれたけれど

 

76:名無しの転生者

一度死んだ事でタガが外れたと思えば理解できるか? 悟りを開くような感じなんだが

 

77:名無しの転生者

いずれにせよ、危ない場所には近づかない やばかったら逃げる この鉄則を守れば即殺はない…たぶん

 

78:魂王

あと2人の共通点といえば愉快犯なところかな 向こうが楽しんでる隙に距離を取る事だ

 

78:オリムラムラ

はぁい…

 

79:名無しの転生者

それかほとぼとりが冷めるまで町から離れる事かな できそう?

 

80:オリムラムラ

家族がいるんで難しいですね 引きこもるのも姉が許してくれないだろうし…

 

81:魂王

下手に日常生活を変えると気取られる節がある 目立たず暮らしていればやり過ごすのは可能だ

 

82:名無しの転生者

な~んだ、前世でのわたし達じゃん ヨユーですよヨユー ね、イッチ?

 

83:オリムラムラ

が、頑張ります

 

 

 

 

駒王学園球技大会の開催日が迫る。

 

中でも熾烈を極めるのが部活対抗戦だ。種目は当日までは不明なので、各部はめぼしい球技を事前練習するのが習わしである。一誠の所属するオカルト研究部も例外ではない。オカ研部員はリアスの指導の下で厳しい練習をしていた。しかし木場祐斗の様子がおかしい。普段の彼らしからぬプレーミスを連発していたのだ。学園の王子様で同性ということもあり、何かと目に付く存在なのだがこうも露骨だとさすがの一誠も心配になる。

 

最初は剣道部との掛け持ちがキツイのかと考えたが、向こうからは人数が少ないオカ研の方を優先するようお達しがあったらしい。故にこの線は無いだろう。原因が分からずモヤモヤする一誠は堪らず声を掛ける。

 

「木場、お前マジで最近変だぞ。大丈夫か?」

 

「何でもないよ。少し調子が悪いだけさ」

 

相手にこう返されてはこれ以上言葉が見つからない。せっかくチーム一丸となって勝利を目指そうというのに目に見えない壁のようなものが立ち塞がっていた。

 

(これってやっぱり俺の写真のせいだよな)

 

数日前、リアス達が一誠の自宅に来た時に幼い頃のアルバムを見られる事態になった。その内の一枚の写真に木場は目を止める。一誠が小学校に上がる前、近所に住んでいた子どもと撮ったもの。2人の背後に飾られたあるものを見て木場は呟いた。

 

聖剣(・・)だ。なんでこんなところに…』

 

聖剣――リアスの話では悪魔に対して特攻ともいえる威力を発揮する武器だ。伝説級ならば高位の悪魔でも致命傷は免れないという。けれども特別な存在故に使い手も限られる。聖剣を扱える者は数十年に1人現れるかどうかだ。そんな希少な存在が一誠のすぐそばに存在していた事に驚いた。

 

(部長なら何か知ってるのかな?)

 

フェニックス戦以降、距離を詰めてくるようになったリアス。まさか自宅へ押し掛けてくるとは思いもしなかった。現保護者のヴァニタスが言うには、未熟な下僕をフォローするのは主人の責務との事だが真実は不明だ。

既にホームステイしているアーシアからは冷たい目で見られるし、母はヴァニタスに顔を赤らめるし、父はヴァニタスに嫉妬するしで色々頭を悩ませる事態だ。しかし今なら楽に聞き出せるかもしれない。隙を見てこっそり聞いてみようと決意し、一誠は再び練習へと意識を向けるのだった。

 

 

 

 

霧が立ち込める深夜の駒王町をヒルダが駆け抜ける。修道服の上にコートを羽織り、背中には剣を持ち運ぶ為のスポーツバッグを担いでいた。

 

『邪気が濃ゆくなってきた 目標が近い 油断するな』

 

「分かってる!」

 

イシュバーンの忠告に返事しながらも、ヒルダの視線は前方から離れない。普通なら悪魔祓い(エクソシスト)は最低でも2人1組で行動しないといけないが、今のヒルダには魔剣がある。イシュバーンがお目付け役となりサポートしてくれるので、相方に気配りする必要が無くなった。自然といつもより彼女の歩みが早くなる。

 

「ここか…うん!?」

 

霧を抜けて辿り着いたのは廃墟となった工場跡。ヒルダの到着に合わせるかのように建物の中から異形の軍勢がわらわらと出てきた。意思の無い骸骨が鎧と武器を身に纏い、カタカタと骨を鳴らしながら侵入者に刃を向ける。

 

竜牙兵(スケルトン・ウォーリア)…。こいつらがいるって事は今回のはぐれ悪魔は元魔術師か 情報通りだ」

 

粉々に粉砕しない限り自己修復して襲い掛かるアンデッド。一体一体の力は大した事は無いが、その耐久力で魔術師界隈では重宝される連中だ。ヒルダでも倒し切るには時間がかかっただろう。

 

「さぁ、イシュバーン。お前の力を見せてもらうぞ」

 

『よかろう。とくと見よ』

 

ヒルダがイシュバーンを鞘から抜き放ち正眼に構える。そして襲い掛かってきた竜牙兵の一体を装備ごと袈裟斬りにした。すると切り口から氷が発生し、一瞬で敵を氷塊へ閉じ込める。

 

アンデッド最大の武器である不死。それが破られた瞬間だった。

 

(なんて力…。ちょっとした『吹雪の剣』だな)

 

魔凍剣とはよく言ったもので、要は冷気を操る魔剣だ。木場も同系統の剣を使っていたが、出力の桁が違う。剣から醸し出されるオーラからまだかなりの余力を感じ取れる。もしこれを全開で振るったら――

 

思わず唾を飲み込む。

 

『どうした。もう怖気づいたか?』

 

「別に。フェニックス戦でお前がいてくれたらなって思っただけだ」

 

『それは重畳(ちょうじょう)。そら、まだ敵は残っているのだ。早く片付けよ』

 

「言われなくても!!」

 

一体、また一体と襲い来る亡者をヒルダは堅実に氷の棺へ埋葬していく。そうして残り半数に差し迫ったところへ、とうとう件のはぐれ悪魔が現れた。

 

殺気を感じ取ったヒルダは一足飛びにその場を離脱。次の瞬間訪れた爆風に吹き飛ばされながらも敵の親玉を視認した。

 

「忌々しい悪魔祓い(エクソシスト)め。大人しく当たっていればいいものを…」

 

天から悠然と見下す男が1人。

射程距離外からの長距離範囲攻撃、それは魔術師の基本に則った実に有効な戦法だ。並みの剣士ならば成す術なかっただろう。しかし今のヒルダには魔凍剣がある。

 

(敵が空にいる今が好機! いいさ、やってやる!!)

 

(そこ)はもう安全圏ではない。ヒルダの射程距離内だ。

 

「イシュバーンよ! その力を示せ!」

 

解号とともにイシュバーンの刀身が眩い閃光を放つ。

 

「『魔凍奥義 氷華剣嵐』!!」

 

光が弾け飛ぶと現れたのは幾千もの氷の花弁。中空を埋め尽くすそれは指揮者(ヒルダ)の命じるがまま敵を飲み込んでいった。

 

花吹雪が通り過ぎた後は肉片一つ残らなかった。主人の魔力供給が絶たれた竜牙兵(スケルトン・ウォーリア)が崩れ落ち塵と化す。戦いは終わったのだ、あまりにもあっけなく――

 

「とんでもないな。これでもまだ手加減したのに…」

 

武器が一級品になっただけでこの様だ。量産品の剣を使っていた今までの自分が馬鹿らしくなる。ここまで楽に勝てるなら伝説の武器を欲しがる者が後を絶たないのも仕方ない。

 

『フッ、すぐに気持ちよくなる。圧倒的な力で相手を叩きのめすという優越感。それはどんな美酒を飲んでも味わえない極上の気分だぞ…』

 

暴力。

他者を支配するのに最も手っ取り早いとされる手段だ。生命という尊きものを支配するその力はまさしく神になったかのような全能感を与えるだろう。

その妖しい魔力がヒルダの心を優しく撫でる。

 

「剣に酒の味が分かるのか? 意外とユニークな奴だな」

 

ヒルダが皮肉で返すもののイシュバーンに返答はない。クツクツと笑うだけだ。まるで誑かし甲斐のあるとでも言わんばかりに。

 

この剣が魔剣と呼ばれる理由が少し分かった気がした。

 

 

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