異世界転生してチート貰ったのに全然モテない主人公が親友3人に愚痴を吐く昼休みの時間。

注意
ある意味過激な表現があります。よろしくお願いします。


p.s.短編(日間)4位ありがとうございます!

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異世界転生学園生の昼休み~チート貰ったのに永遠にモテないんだけど~

「異世界転生してチートまで貰ったのに永遠にモテないんだけど」

 

「何言ってんのお前」

 

 

食堂に集まった4人。

 

俺は今日B定食のコカトリスから揚げ定食を食べながら愚痴を吐いた。

 

ざっくり俺の事を伝えておこう。

 

チート貰ったから無双してこの魔法学園で主席で入学、そして2年生になり滅茶苦茶最強格みたいな立ち位置になったのに女性人気が無さすぎて絶望している者だ。

 

名前はアレンという。

 

かっこよい。

 

「俺前々からお前らに言ってるんだけど、異世界転生してチート貰って無双してるんだけどさ。おかしくないか? 一向にもてないんだけど。おかしいよな。異世界転生だよ? そういうのってさ、基本モテるはずじゃん。小さい頃からの幼馴染とか妹とかさ、いるはずじゃん。なんでいないの? ねぇ」

 

「幼馴染って僕の事?」

 

ショタ味を感じさせる銀髪の少年。俺の幼馴染の男の、シリウスだ。戦闘時は2つのナイフを逆手に持ち、素早さを生かした戦闘スタイルだ。水属性の魔法が得意だ。

 

「なぁシリウス、なんでお前は男なんだ? こういう時は「えっ、お、お前女だったのかよ!」みたいなオチにしてさ。それがテンプレじゃん。なんで男なん」

 

「知らないよ~。というかそういうことを言ってるからモテないんだよ」

 

「あぁ。シリウスの言うとおりだぞアレン」

 

「ルーク」

 

こいつは筋肉自慢の赤髪のルーク。この学園で初めて同部屋になったやつだ。大剣を振り回したり大楯を使ってみんなを守ったり、かと思えば様々な武器を扱いつつ野営が得意というサバイバル特化と言うか、生きる力の塊みたいなやつだ。魔法はそこまで得意ではないが、勤勉なやつで文武両道の真面目なやつ。

 

「まぁアレン。お前は庶民出身だからな。貴族出身の女は出世しそうな男になびくことは間違いないだろう。いくら無敵といえど、学生だ。学園の中の強さなど、モテ要素に関わるかはあまりないだろう」

 

「だけどよぉルーク。俺は思う訳よ。じゃあ庶民出身のやつからモテてもよくないか?って。そいつらも俺には声かけてこないんだ。酷くないか」

 

「……まぁ、察する」

 

「ふん、くだらん……。女にうつつを抜かす程度のやつに負けたと思うとはらわたが煮えくり返る。黙って修行でもしていれば一目置かれるものを……」

 

「エルト」

 

黒い髪の闇属性の使い手、エルト。男の癖にきれいな長髪で、女性人気ナンバーワンの男だ。こいつだけは殺す。しかし戦闘力もいざ知れず、禁忌とされた闇属性魔法を難なく使いこなし、学園ナンバー2の称号を得ている。優秀な男だ。死ねばいいのに。

 

「じゃあエルト。俺はなんだ? お前がモテて俺がモテないことが気に食わない」

 

「知るか。……だが、かなり大きな可能性が一つだけあるのは分かる」

 

「!? な、なんだ!?」

 

「……俺たちが、近くにいるからだろう」

 

「「あー」」

 

シリウスとルークが頷いた。

 

「ど、どういうことだ。シリウス、なにか分かったのか」

 

「多分……、その。自分で言うのも変なんだけど、僕とルークとシリウスってモテるんだよ。残念だけどその……君と関わる前に僕らとよく関わる分好感度が……その、違うのかなって」

 

「おいおいおい聞き捨てならねぇよ。お前らのせいで、俺がモテないっていうのかよ!」

 

「他にも、理由はあるがな」

 

ルークが呟く。

 

「残念だがアレン。お前は確かに現段階で100年に1人の天才と言われて、王国でも目を付けられた存在だからと言っても……、こう、やはり難しいだろうな。相手の女性も心理的なハードルが高まって、手を出そうとも思わないのではなかろうか」

 

「他にも理由はあるだろう」

 

エルトが手でろくろを回す。

 

「そもそもモテたいとは何か? 好きな相手はいないのか? 好きな相手の為に全力を尽くす、これもまた恋愛の駆け引きだろう。だがお前はどうだ? 受動的に相手から一方的に不特定多数の恋愛感情を向けられることが喜びであれば恋愛に発展しなくてもいいだろう。ハーレムを形成したいというのであれば、王国に属して検体として種馬になればいい。それではいかんのか」

 

「いかんだろぉ・・・! いかんだろうよぉ!! なぁ、異世界転生の魅力っていうのはなぁ、めちゃくちゃ美人から惚れられて、ちやほやされてさぁ、一緒に修行したりデートしたりさぁ!! みんな幸せにしてさぁ!」

 

シリウスが食べていたパフェを置いた。

 

「変わらないね、アレン。村でも同じことを言ってお母さんに怒られてたし、それを表に出し過ぎて村の女の子からも避けられてたもんね」

 

「終わりだこいつは」

 

エルトがステーキを綺麗にカットしていく。

 

「せめて気になる女がいれば話は違うのだがな」

 

「気になる女か……。あっ。そうそう、そういえばこの学園って俺のもといた世界ではゲームの世界でさ。恋愛シミュレーションゲーだったんだよね。ヒロインとかいるからな。ヒロインの子と直接話してみたいという気持ちはある」

 

ルークが頭を抑えた。

 

「ゲーム、あぁ前世で読んだ書物のようなものだろう? この学園では美しいとされていた少女も多い。だが……美しい女性なら既にお相手がいるだろう」

 

「い、嫌だ。考えたくない。恋愛シミュレーションゲームで攻略前にNTRされてるなんて」

 

「攻略する前に言われても」

 

シリウスはやれやれと言わんばかりに、首を横に振った。

 

「じゃあ……まずメインヒロインのララリア・エリュクシュール。学園で密かに活動している王国の第3王女だな。普段はララって名前で学園で動いていてな。ピンク色の髪に星の髪飾りがチャームポイントだ。誠実な性格で悪事を許さない。小さい頃に助けてくれた少年のことを思いながら自分も強くなろうと頑張っているんだ」

 

「はっはっは! すまんアレン。ちょっと用事が出来たので一瞬席を外す」

 

ルークがデカい声で俺の発言をかき消し、突然走り始めた。

 

一瞬監視魔法を使って様子を見ると、ピンク色の髪で星型の髪飾りの少女に話しかけていた。

 

必死に話すルーク。すると少女はとても顔面を蒼白にして髪飾りを外していた。

 

やっべ俺今、国家に関わる機密話しちまった。

 

最悪だよもう印象悪いわこの時点で。

 

 

「むっ、何故泣いているアレン。やめろ。飯がまずくなる」

 

「うるせぇ、うるせぇ……」

 

切り替えていこう。

 

「他のヒロインは……、そうだな。やっぱりビジュ最強で人気投票1位のヒロインなんていいよな」

 

「そんな子がいるんだー」

 

シリウスが相槌を打ってくれたおかげで俺も口が動かしやすくなった。

 

「あぁ。孤児院出身で暗殺者を生業にしている死神デスティーだな。こいつは褐色系のヒロインでな。小柄ながら忠誠心が非常に高くて何をやっても最後までついてきてくれるみたいな子犬みたいなキャラだ。戦闘を何度も重ねると好感度が上がるんだ。しかもこの子は好感度がマックス状態でこちらが一代貴族になればメイドさんにジョブチェンジして一生一緒にいてくれる。最高だろ」

 

「なるほど。都合のいい女というわけか」

 

「そんなこと言うなよ」

 

エルトが笑った。

 

「ははは。アレン、女に夢を見過ぎだ。そんな何度も襲い掛かる女なんぞロクなもんではない。どれだけ好こうとかまわないが、性根は所詮孤児院育ち。品性と知性が無ければメイドになろうと意味はない。恩義と性欲をごちゃ混ぜに扱う時点で、その女は教育をまず行うべきだな」

 

「お前夢の無い話するなよ。あと孤児院育ちでも別にいいんだよえっちなんだから」

 

「ふん、せいぜい都合のいい妄想を広げているがいい」

 

「エルト様、食後のコーヒーをお持ちしました」

 

「おぉ、いつも悪いな。だが何度言っても無駄だぞデスティー。俺はお前なんぞ興味ない。失せろ」

 

「はい……失礼しました。……エルト様、それでも、私は……」

 

「ふん、話の腰を折ってすまなかったな。続けろアレン」

 

「ちょっと待って」

 

え?

 

ん?

 

なんか違和感あったな会話に。

 

今さらっとコーヒー運ばれてたな。

 

褐色の肌の女の子に。

 

名前なんだっけ?

 

え?

 

「お、お前っ!」

 

「なんだ騒々しい」

 

「ふざ、ふざえるなよ!! え、今のデスティー!? なんでぇ!? なんでいるのぉ!?」

 

「知らん。襲いに来たからボコボコにしただけだ。貴族への礼儀も知らないものを叩き直すのも貴族としての矜持だろう」

 

「おまっ、お前テメェこの野郎!?!?」

 

なんでもう攻略済みなんだよ!!?

 

おかしいだろ!!?

 

え、待って。チート持ってるんですけどこっち!?

 

チートあるんですけど!?

 

「冷静に考えろ。暗殺者が殺せない男をターゲットに選ぶはずがないだろう」

 

「そういうことかあああああああああああああああああああちくしょおおおおおおおおおお!!!」

 

謎は全て解けた。

 

全て俺が原因だったのだ。

 

チートなんて、チートなんてあるからっ。

 

「すまん戻ったぞー。で、何の話だったか」

 

ルークが戻ってきた。

 

……もういい、次のヒロインの話でもするか。

 

「後はそうだな……。やっぱセクシーポジションのヒロインもいるわけだ。実はこのゲーム女教師も攻略できてな。実はとある女教師が他国のスパイも兼ねてて、裏ボスみたいな扱いだったんだけど恋愛するとこっちに寝返ってくれるんだよね。純愛って言葉を滅茶苦茶感じ取ったなぁあのルート」

 

「何ッ!? 一体誰だその女は!?」

 

ルークがすさまじい眼力でこちらを見る。

 

「あぁ、歴史学のアマネ・リリィ先生だ。一番の爆乳でスキンがエロい」

 

「なに、アマネ、リリィ……女史、か。なら、別にいいか」

 

ルークがため息を吐いて水を一気に飲んだ。

 

「ん? なんで?」

 

「そうだな。……シリウス、頼めるか」

 

「えー!? もう、しょうがないなぁ」

 

そう言ってシリウスは鈴を鳴らした。

 

その瞬間、全力でこちらに向かって駆け抜けてくる女性がいた。

 

「はぁ、はぁ、ご主人様、お呼びですか!!!! 貴方のペットのアマネが、……きゃいんっ!?」

 

シリウスがアマネの顔面を殴った。

 

「ねぇ、その息遣い気持ち悪いからやめてって言ったじゃん。あとペットが立つなよ。土下座して待ってろよメス豚が。犬じゃないから、豚だからな豚。そのだらしない乳と尻振り回してぶひぶひ言って黙ってろ」

 

「ありがとうございます!! ありがとうございます!! あ、じゃなかった、ぶひ! ぶひ!」

 

「よーしいい豚だ。後でご褒美に鼻フックをあげよう」

 

「待ってナニコレぇ!!!?」

 

え、待って。

 

何か知らない世界が広がってるんだけど。

 

え、食堂で何してんの。なぜみんな誰も気にしない!?

 

「そっかー。アレン知らなかったんだ。僕ねー。ペット飼い始めたんだー」

 

「おいぃいいい!?!?!? 村唯一の純真無垢って言われてたシリウスがメス豚を飼い始めたんだけどおおおおおおおおおおお!?」

 

「いやさー。この先生経由で他国にスカウトされてね。うっわボコボコにしたろってなって」

 

「それは、そうなんだけどね!? やめろよ村の幼馴染がサドい性癖に目覚めてるのきついから!!!!」

 

メス豚がキマッた目で大声で叫ぶ。

 

「貴様ぁああ!! ご主人様に向かってその態度は何だ!!! 新人ペットは首を垂れて靴を舐めるまで私は認めないからなぁ!!!!! そして順番は守れよこのオス豚が!! その飛ばした唾液は貯めておけ!!! 社会と革靴の潤滑油になるからなぁ!!!」

 

「なんで俺女教師からメス豚の授業受けてんだよ!!!!!」

 

「おいメス豚なに勝手にしゃべってんだ」

 

「ぐえっ」

 

「腹蹴り上げたああああああああああ!?!?」

 

メス豚は結構な勢いで腹を蹴られ、転がり倒れる。

 

「だ、大丈夫ですか先生!? いやなんか先生とはもう呼びたくないけれども」

 

「う、うぅ……、こ、これが、良い……おほぉおお……ぐえっ、がふっ、がふっ、おほぉぉぉぉ」

 

「お幸せに」

 

自分の語彙から思いもよらない素直な本音が出てしまった。なんか見たくなかったな、汚い大人の世界みたいな部分。

 

「やっぱ普通の女の子が良いよな。普通と言えば、男爵令嬢のモニカ・クロムキャストさんなんだけど」

 

ルークがひきつった笑いをした。

 

「すまん」

 

「あぁ、良いよ良いよ。ルークと結婚決まったもんな。良かったよそれは。お幸せにな」

 

「あぁ」

 

「うーん。アレンってさー。理想高いんじゃない?」

 

シリウスがぽやーっとした顔で意見を言った。

 

「名前上げる人みんな美人だし、競争率高いし、人気者だし。難しいよ」

 

「ご、ご主人様……私の事を美人と!?」

 

「てめぇは黙ってろ豚ぁー。ケツの穴に指つっこんで奥歯ガタガタ言わせっぞ次しゃべったら」

 

「……」

 

なんでそのSM成り立つんだよ。

 

 

「はぁ。……あやっべ。そろそろ昼休み終わるじゃねぇか。俺次の授業模擬戦闘だから先行くわ」

 

「おーお疲れ様ー」

「がんばれよー」

「ふん、せいぜい恥をかかぬことだな」

 

はぁ。前世の知識も上手く扱えないし。

チート使ってもモテねぇし。

上手くいかねぇなぁ人生。

ま、それでいいのかもしれないけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼が、万能の才を持つ、平民アレン。恐ろしい予言の才ですね」

 

「「「!? 第三王女!!!!」」」

 

すぐさまシリウス、ルーク、エルトは膝をついて礼を尽くす。

 

ピンク色の髪を揺らしながら、鋭い眼光でアレンの背中を見つめる。

 

「かまいません。それにしても、相変わらず素晴らしい才ですね、エルト・デュランダル。この周辺一帯に誰にも気づかれぬよう無音の結界を構築するとは」

 

「はっ! 恐縮至極に存じます!!」

 

「まさか一瞬にして変装も本名も見破られるとは思いませんでした。お前たちの事です。一切口にはしていないことは分かります。ですが、彼は前世の知識として知っていた、と。尖ってはいますが、国益に叶うものです。やはり私が以前提言した、王国の種馬として生きるべきでは? ハーレムを作りたいのでしょう?」

 

「恐れ入りますが、王女!!」

 

ルークが叫ぶ。

 

「彼は口ではハーレムを構築したいと申しておりますが、実のところ相手の女性が自身と対等に語り合い、対等な付き合いをしたいと望んでいるにすぎません! 人数に絞りをつけないのは、ある種自己顕示欲の表れであり、真実の愛に至ることができれば彼は誠実に一人の女性を愛し抜くでしょう!!! 今はまだ、泳がせてください! 彼は間違いなく国益に叶う人間です! そうさせます!! まだ……学生としての生活を!!!」

 

「ふっ。ルーク・バレンシアガ。お前はいつもアレンの為に吠える。良い。お前たち3人が責任を持って首輪を付けよ」

 

「「「はっ!!!!!」」」

 

「そしてシリウス。お前は引き続き他国のスパイを洗い出せ。やり方は今まで通りで良い。この功績は卒後に。報酬は村の家族に。また教養のないものを我らは嫌う。常学びを忘れぬよう」

 

「はっ!!」

 

「ふっ。髪の色は次何が良いのやら……」

 

王女が結界から出る。

 

「あっ! いたいたー! ララちゃーん! 次の授業行くよー!」

 

「ごめーーん待ったー!? えへへ、ちょっと迷っちゃった。てへっ」

 

「もーララちゃんは天然さんなんだから―!」

 

「えへへー」

 

 

 

 

 

 

 

「……行ったか」

 

「あぁ」

 

「ふぅ」

 

「「「……はぁー」」」

 

三人は、アレンの友人であり、被害者である。

 

あまりの才能に自国も他国も目を付け、トラブル続出。

 

そのトラブルを全て裏で解決してきたのが、この3人の友人であったのだ。

 

アレンは関わらせない。関わらせてはいけない。

 

彼がキレたら、国ごと滅びかねない。

 

「「「あー」」」

 

特に気を付けてきたのがハニートラップだ。

 

彼に近づこうとする女性は後を絶たない。

 

しかし第三王女が彼に目を付け、才能も種も主導権を全て握ろうと画策していたのであった。

 

そんな第三王女に、木っ端の貴族や平民が逆らえるはずもない。

 

王女から三人が選ばれた理由はただ一つ。

 

この三人だけが、アレンと対等な目線で仲が良い。

 

三人は、這い寄る女性たちから彼を守り続けてきた、いわば「貞操騎士団」なのである!!!!

 

「「「……女って、こえー……」」」

 

アレンだけが、それを知らないのである。


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