NIKKEの世界で指揮官って割と地雷職   作:さくらいJAN

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8話

 

 

 

 

「当初の予定ではシンデレラをミシリスの最新ニケとして発表する予定だったが、

彼女から聞いた内容を元に慎重に検討した結果、

我々のみで彼女を抱えるのは不可能だと判断した」

 

「ほらみろ!

奴はシンデレラから活躍の機会を奪うつもりだ!

実験対象にでもするつもりか!?」

 

「いやいや、

ちょっと落ち着いてくださいエイブさん。

ミシリスだけでは無理って言い方ですよ。

まずは話を聞きましょう」

 

「む……」

 

 

エイブはシンデレラ至上主義だからな。

ちょっとしたことでも過剰に反応してしまうのだろう。

 

 

「俺が同じことを言っても聞かなかったのだがな……」

 

 

疲れたようにため息をつくソウゲツさん。

なんかすいません。

 

 

「まず、貴様の持ってきたラプチャーカウンターは信用できることが分かった。

その上でエイブが言う、以前はこのモニターに∞の文字が表示されていたという事と、

シンデレラが軌道エレベーターからクイーンの居る宇宙ステーションに侵入し、

宇宙ステーションと軌道エレベーターを切り離したという話から考えるに、

既にラプチャーは無限の物量を失っていると考えられる」

 

「!?」

 

 

あ、それすぐに話したんだ。

原作では中々情報共有しないからびっくりした。

 

 

「とはいえ、別の警戒するべき対象が増えてしまっている」

 

「人型ラプチャーですか?」

 

「そうだ。

中央政府ではヘレティックと呼んでいるが、

すでに1体確認されている。

貴様も遭遇したな?」

 

 

ニヒリスターのことだ。

 

 

「はい」

 

「あれがアナキオールと同じ性能だとした場合、

シンデレラを戦線に投入してもヘレティックに足止めされてしまう」

 

 

確かにそうだ。

ニヒリスター1人ならともかく、

リバーレリオやインディビリアも居るならばシンデレラでも止められないだろう。

 

 

「私がアンチェインドを作れば問題ないだろう。

作り方は頭に入っている」

 

 

とはエイブの案。

 

 

「原料であるラプチャーコアは多数確保しているが、RH-X型の血液が無い。

現在適合者を探しているが……」

 

 

と、ソウゲツさん。

そっか昔のラプチャーコアには人の細胞が含まれているから血液との親和性が高いんだっけ?

すっかり忘れてた。

でも血液はアンダーソンが居るのでは?

もしかして未だ昏睡状態とか?

現在の副司令官にアンダーソン居ないんだよね。

どこに居るのやら。

 

 

「何よりも問題なのは、これらの事実を公表することで民意が地上奪還に傾いてしまうことだ」

 

「勝率は低いですか?」

 

「貴様は例のカウンターの数値を未だ見てないのだったな。

今のアークでは不可能だ。

もっと戦力を増やさなければならない」

 

 

俺が見た数字はモニターが壊れてたからなあ。

有限になったとはいえ、100年でも体感できない程度にしか削り取れなかったのだ。

億では利くまい。

 

 

「しかし軍人以外はそういった判断ができない。

勝てない戦いにアークが身を投じてしまう可能性がある」

 

 

脳裏によぎる言葉は第一次地上奪還戦。

これによってニケの立場が悪くなる。

 

 

「アークを封鎖してから10数年。

地上に身内を残してきた者もいる。

一度そちらに世論が傾いてしまえば中央政府でも止められない」

 

「最悪シンデレラが悪者になってしまうかもしれませんね」

 

「それならまだいい。

こいつは強い。

熱が冷めるまで外で生きることもできる。

だが、量産型を含めた全てのニケの立場が悪くなる可能性がある。

それは防がなければならない。

ニケなしにアークを維持することは不可能だからだ」

 

 

なーんでこの人がいて第一次地上奪還戦なんて起きたんだ?

というくらい未来を的確に当てるソウゲツさん。

びっくりだ。

 

 

「よってシンデレラの情報は三大企業と中央政府でのみ共有し、

アーク外での任務について貰おうという話になったのだ。

 

部隊名はアンリミテッド部隊。

表向きの任務内容は行方不明のニケの捜索と救助。

シンデレラ以外の隊員の任務がそれだ。

 

シンデレラには無理のない範囲でラプチャーの数を削り、

大型ラプチャーの出現が確認されたら、これを討伐して欲しい。

その間、我々はRH-X型の血液を入手し、アンチェインド弾を作る」

 

 

アンリミテッド部隊。

ルドミラとアリスの部隊か。

……良いんじゃないか?

行方不明の第二世代を合法的に探せるし。

 

あえて言及はしないが、

中央政府的にもNIMPHの無いシンデレラをアークから遠ざけたい意図がありそうだ。

 

 

「今の話をエイブとしようとしたのだが、

シンデレラをアーク外に異動すると言った瞬間に話を聞かなくなってしまってな。

恩人である貴様が間に入れば話を聞くだろうと思い、呼ぶように言ったのだ」

 

「悪かったとは思わない。

シンデレラを守る為なら私はいくらでも戦うぞ」

 

「そうね。

観客さんは絶対に私の味方をしてくれるのだもの。

少し頑固で早とちりをしてしまうところも美しいわ」

 

「……はぁ」

 

 

珍しくソウゲツさんが疲労している。

エイブってここまで頑固なんだ。

グレイブが素直だからちょっとびっくり。

 

 

「とりあえず、今の内容は問題ないかな?」

 

「私は構わないわ。

探したい仲間もいるし」

 

「そうだな。

私も特に不満はない」

 

 

あっさり可決。

 

そういった経緯で、シンデレラは中央政府所属のニケとして、

アンリミテッド部隊に配属された。

エイブもミシリス研究員として同じ場所へ異動。

アンリミテッド部隊の指揮官は俺になった。

 

まあ、そうだよね。

寒さ対策だけちゃんとしないとな。

 

 

 

 




初期アークには謎が多い。
地上戦時の方が明らかに技術が優れているし、失われたものも多すぎる。
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