Fate/Grand Order 〜Gentiles from another dimension〜 作:R,n
第1節 潮風の香る空
2015年7月1日 午前1時 【洋上拠点??????】
施設の中にある赤々とランプが点灯し、甲高い電子音を施設中に響き渡らせた。
アフリカ大陸の東、セシュール海上にあるとある改造が油田プラント、
通称【マザーベース】、その筋の人間であれば聞きしに及ぶ組織【ダイアモンド・ドッグス】、
そのような施設に甲高いアラートが鳴り響き、あわや侵入者が入ったかと警戒を巡らせる者達……しかし、
『現在時刻をもって、汎人類史焼却の兆しを確認、現時点を持って緊急会議を行います、繰り返します……』
そのような、焦りや驚きの交えた放送がなるとともに、アラートは止み、ランプも暖かなオレンジ色へと戻っていく、
警備員達は不思議そうな顔をして軽く見合わせ、肩をすくめた後、各々の持ち場へと戻っていく……、その最中、
ガタガタと身につけた装備と衣服が擦れ、ぶつかり合う音を鳴らしながら、十数名の男女が警備員の横をすり抜け、大部屋へと入っていく……。
何処か、張り詰めた戦場での空気感を漂わせながら………。
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「……では、コレより緊急会議を取り仕切る、異存はないな?」
「……あぁ、問題ないさ【ビック・ボス】……と言っても、題材は【カルデア】のことだろう?」
「あぁ、そうだ」
目に眼帯を、額ツノのような破片をつけた男……ビッグボスと呼ばれた老いた蛇がそう尋ねると、西部劇のガンマンのような容貌の男がそう返す。
「あぁ、とは言ったものの、今すぐに人類史が燃え盛るわけではないだろう……【フリーレン】、会議が終わり次第マザーベースに対して概念的防護魔術を、その後は【ノイマン】と【エルヴィン】と協力し、例の実験を再開してくれ」
白髪で白いコートのようなものを着込んだ少女にそう言った後、白髪でツノのような物が生え、首から薄桃色の花弁が散っている少女と、
頭が猫のようになっており同じく首から花弁を散らす男性……?を見据えてそう言って、
「分かったよ、とは言うものの、以前からある程度掛けてはいたから、今回ので問題は無いと思いたいけれど……」
「相手の人理焼却の影響をカットし切れるかは疑問だろうな……ただ、そこに関してはエルヴィンの能力で事足りる」
「しかし、それによってマザーベースに釘付けになってしまうのが痛いがね……まぁ、そこは若い彼らがどうにかしてくれる、か」
各々特に異存は無いようであり、軽く肯定をした後3人で固まり話し合い始め……そこで、眼帯を掛けている男がごほんと一息を入れ、場が再び静まり……
「続いて、本題のカルデアについて、だが………」
「そこで一つ良いかな?」
と言ったところでハンチング帽を頭に乗せた優しい笑みの初老の男性が手を伸ばし
「……あぁ、どうした?」
「そこの問題なのだけれどね、私が数ヶ月前にカルデア探索で向かったのだけれど……恐らく連絡は取れないと考えた方が良いと思うね」
「……それは、何故?」
「フリーレンくんとノイマンくんに作ってもらった魔術、科学的な測量機を使用したのだけれどね……どうやら確認することができなくて、マリスビリー何某にも会うことができなかったのさ」
眼帯を掛けた男が睨むような目で尋ねると、どこか面白いのか心地のいい笑みを浮かべてそう返し、
「………そうか、であれば……カルデアとの通信は行わず、現地で遭遇と形にするべき……か」
「……どうする、ボス?……2回目の選択だぞ?……このまま、見殺しにしていいのか?」
「…………」
拳を机に突き、黙ったままで座り込み……その中で、青髪の容姿端麗な青年が声をかけて
「まぁまぁ、【オセロット】さん、今回に関してはそもそも介入が難しかったんだ……仕方がない事だよ、ねぇ、ビッグボス」
「……あぁ、それは全くもってその通りだったな……会議を遮って悪かったな……とりあえず俺は、先に……あー、整備部の方にでも行って装備を確認して貰うとするよ」
そうガンマンの男が言うとともにガタリとパイプ椅子を立ち上がり、スタスタと歩き出して歩き出していってしまう、その様子を見つめた眼帯を掛けた男が、声を荒げようとしたところで
「……それで、【スネーク】さん……どうします?……カルデアとの連絡がつかないんじゃ、どうしようにも出来ないんじゃ」
「……あぁ、そうだな……【永井】、【錦木】に【井ノ上】それと【芥川】に【中島】そして【虎杖】と【伏黒】は各自通常通りの鍛錬を行うように……以上を持って解散とする」
少し幼い顔つきの、高校生らしい少年の声により、先程の声を口の中で収め……そう声を上げれば、大部屋の中にいる人間の声が返ってくると共に、ゾロゾロと1人2人、また1人と子供達や大人が出ていき……部屋の中には眼帯を掛けた【鬼/蛇】が残された。
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油田プラントの端の端、人影の少ないその場所に移動して、1人寂しくタバコを吸っていた、別にさっきの会議で居づらくなったから出たわけじゃ……いや、そいつもあるが……こう言ったヘイト管理も俺の役目だからな、
まぁんなことうだうだ考えていれば……猫ヅラのエルヴィンが耳をピンと張り、こっちへ歩いてきた
「よう、エルヴィン、タバコは嫌いなんじゃなかったか?」
「何、この程度であればそれ程でも……喫煙室は近寄りがたいがね」
猫の様に表情が読みづらい笑みを浮かべながら、俺の横の柵に手を置き、カツンと小気味よく杖をついて見せ
「……っはは、それより実験はどうした、お前さんが居なきゃアレは……」
「……第一段階は成功する、時期第二段階も成功するだろうさ」
「そうか……そいつは良かった」
猫のような……いや、猫そのものの眼光を細め、空を眺めながら言う様を見て、軽く微笑んでから煙草を海に投げ捨てて両手をポケットに入れ込んで
「……なぁ、エルヴィン……この計画は、成功すると思うか?」
「それは………」
だらしなく首を背中越しに海へと傾げ、空を見上げて尋ねれば、エルヴィンも少し黙り込んでから……こう答えた
「………まさしく【シュレディンガーの猫】ですね……今であれば……どちらもありえますから」
そう頬を釣り上げ笑って見せる様を見て……俺も気持ちもいい笑みを浮かべながら柵を離れ
「……あぁ、そうだな……じゃぁ、俺はちょっくらガキどもを揉んできてやるとするよ」
「であれば、私もお供しましょう……ふふ、年甲斐も無くはしゃいでしまいそうだ」
そう言いながら、【2匹の猫】はプラントの内部を、何処か楽しげに会話を続けながら歩いて行った……。
キャラクター紹介
ビッグボス/?????スネーク
ダイアモンド・ドッグスのリーダー、人理焼却人理漂白へ対抗とする【組織】のリーダーである、本人としてはオセロットやオーウェンなどの人間に変わって欲しいらしいが、その思いも虚しくリーダーとして祭り立てられる。
オセロットやオーウェンなどとは古くからの知り合いであり、ここが【何処】であるかを知った際から、このような計画を建てていた。
現在マザーベースには9割が真っ当な人間であり、スネークを含めた残り1割が転生者となっている