Fate/Grand Order 〜Gentiles from another dimension〜 作:R,n
2015年7月1日 午前9時 洋上拠点マザーベース内訓練場
「だぁ〜っ!疲れた〜!」
「千束、何やってるんですか……はしたない」
「えぇ〜っ?たきなだって転がってみなよ〜!」
赤と白、青と白の体操服のような袖や丈の短い服装を着た2人が、畳の敷かれた訓練場の中でだらりと休んでいる様を見ながら、もう片方の人達の様子へ目線を逸らす、
「伏黒!頼んだ!」
「任せろ虎杖!」
身を屈め、そのまま相手へ突進する少年と、手で形を作り、足元の影から小柄なウサギを呼び出して、
相対する2人の少年の足元を囲い、動きを阻害するが……
「芥川!」
「わかっている、中島!」
青年の外套……身につけている服が、小さな龍のような形をとったかと思えば、足元を囲うウサギたちを喰らい散らかし、白い青年が腕を獣にように変異させ……突進してくる少年の拳へと打ち付ければ……軽い振動と共にお互いが軽く後ろに飛び退いて距離を取った
「……はぁ、脳筋かよ」
その様子を眺めつつ、手元で分解した拳銃を再び、見もせずに組み上げて……バスっと音を立て、スライドを引き、弾倉を差し込んで……左右から構えた拳銃で、少し離れた距離の的へ狙い撃つ
「……第一、特異点なんかで拳銃効く相手と戦えんのかよ」
拳銃を机に置き、少し重い足を動かしながら、的の中央部中央部を貫通した穴を見て、ズボンのポケットから小さなシールを取り出し、隠すように貼り付ける
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「うっわぁ〜……永井くんすっご、バラしてから組み立て直して、すぐ当てちゃってるじゃん……」
「これじゃぁ千束も形無しですね、ほらサボってないでCQCの練習しますよ」
「えぇ〜っ!?もうちょっとぐらい休んでもいぃ〜じゃん!たきなのケチ!アホ!鬼軍曹!」
転がる千束のそばに立ち尽くし、私がそう言って千束を担ぎ起こそうとすれば、千束がそう文句を言いつつ頬を膨らませてくる
「本当の鬼のスネークさんや、オセロットさんに【佐藤】さんよりはマシですよ」
「それはそうかもだけどさぁ……」
私がそう言えば、渋々と言った形で千束は起き上がる……けれど、千束が言った通り彼は【凄い】
原作での彼も凄かったが、今ここに居る彼も凄いの言葉に尽きる……私や千束みたいに、訓練を積んでいたわけじゃ無いのに……
「っでぇ……!」
「……っ!千束!すみません……大丈夫ですか!?」
そんなふうに思考を巡らせていたせいか、ついうっかり強く地面に叩きつけてしまったようで、咄嗟に私が近寄ると足に青い腫れが出来ていた、
咄嗟にポケットから包帯を取り出して強く巻き
「……っつぅ……たきなぁ、ちょっと強く巻きすぎじゃ無い?」
「我慢してください……ほら、あざの部分は包帯巻いたので、暫くそこで休んでてください、痛むようだったら救護室に……」
包帯を巻き終え、そう千束に座っているように言ってから、他の人の様子を見ようと立ち上がった時に
「おい、お前そのまま放っておくつもりか?」
「え?」
なぜか何処か面倒くさそうな顔をして、肩にタオルを巻いている永井さんに声をかけられた
「……えっと、まぁ……あざが出来ていたので、それを抑えて……」
「……見せろ」
私がそう言えば、永井さんは静かにそう言って、
千束の足に巻いた包帯を丁寧に解きほぐして確認した瞬間、酷く面倒そうな顔をして
「……おい、コイツをこのまま放っておこうとしたのか?」
「えっ、あ……はい」
「……救護所に連れてけ……いや、良い……自分で連れてく」
何処か嫌そうな表情をしつつ、私にそう言ったかと思えば、少し考えたような素振りをして、
そう言って千束をひょいと抱え、横抱きにして立ち上がった
「ちょいちょいちょーい!?な、何してくれとんですか!?」
「ちょ、ちょっと待ってください……千束の怪我はそれほどひどい物じゃ……」
「おい、錦木、足伸ばせ」
「……あ、はい」
千束が顔を赤くしそう叫ぶのと同時に、私も言葉を漏らしたけれど、彼は意にも介さずに千束にそう言うと、
千束は大人しくひょいと足先を上に伸ばして
「って聞いてます!?」
「……青あざはすぐできるもんじゃ無い、おおかたこのバカが痛み堪えて我慢してたんだ」
私が声を荒げて再度そう言えば、面倒くさそうな顔をしながら、声に驚いてこちらを見つめる人達の顔を見て、
しょうがなさそうな雰囲気でそう言えば、千束の顔が少し強張って目を逸らす
「………ちぃ〜さ〜と〜?」
「ごめんってたきな……そんな痛くなかったし……」
「……で、青あざってのは酷くなるからな……このバカにちょうど良い手当をして貰うんだよ」
そう言いながら、ずかずかと彼は歩き出していくが……その肩を、がしりと片手で掴んで動きを止める
「……まだ、何か?」
「それでしたら私が千束を……」
「バカか」
『私が千束を運ぶ』と言い切らないうちに、呆れた顔の彼がズバリとそう言い切ってしまい、
面食らって、彼の肩から手を離してしまう
「散々アンタやってただろ、疲れて倒れられたらそれこそ迷惑だ……そこで休んでたほうがマシだよ」
「……っ、それは……」
「……じゃ、もう行くからな」
少し顔を落とし、腕を下ろせば、彼はずかずかと歩いて部屋を出ていってしまった……
そんな私の肩を、誰かがポンと叩いて……不思議そうに振り返れば、先程まで訓練をしていた虎杖さんたちが居た
「よ、井ノ上さんだっけ?大丈夫そ?」
「虎杖、直球に聞いてどうすんだよ……少し休まれたらどうですか?井ノ上さん」
「珈琲でも飲むか?」
「缶コーヒーですけど……」
「…ありがとう、ございます……」
そう心配そうに缶コーヒーに差し出してくる芥川さんの顔を見て、少し申し訳なさそうに感謝を述べて、缶コーヒーを受け取る……
ほのかに暖かくて、ちょうど良い温度で保たれているのを感じて、少し頬が緩む
「あの……集中できませんでしたね…お邪魔してすみません……」
私がそう謝れば
「何、どうと言う事もない……悲しげであったから、声をかけたまでだ」
「本当分かりにくいような分かりやすい様な言葉遣いを……」
「まぁ、でも……【原作】からして、一思いではあるんだろうけどな、永井圭」
「そーだよなぁ……俺もあいつは良いやつだと思うんだよ」
やんややんやと話す彼らを見ていると、少し楽しい気分になってくる、
勿論、私も彼が悪い人だとは思っていない……だから、
「私も、そう思います……それに、優しくなかったらわざわざ千束を運んでくれませんもんね」
「……そうだね」
微笑んで私がそう言えば、敦さんも優しく微笑んで、そう同意してくれた
キャラクター紹介
オセロット/アダムスカ
ダイアモンド・ドックスの参謀、人理焼却人理漂白へ対抗する【組織】の参謀でもある、
基本的には【原作】のオセロットと似た様な動きではあるものの、出来る限り死ぬ人間の数を少なくしようと奮闘し、
この世界線では核は撃たれなかったものの、最終的にザ・ボスは死亡してしまう未来は、変えることはできなかった。
また、この世界が【何処】なのかは、スネークと接触前から把握しており、スネークと接触時にお互いが【別世界の人間】である事が発覚、以後は出来レース状態となっていた……
なお、オーウェンとはとある秘匿された実験時に遭遇した事からのつながりである