Fate/Grand Order 〜Gentiles from another dimension〜   作:R,n

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第3節 青年の胸の内

「永井くんさぁ〜、流石にあの発言ないんじゃ無いの〜?」

「……は?」

 

私をお姫様抱っこしながら運んでくれてる彼にそう言えば、どこか面倒くさそうな表情でただその一言を返される

 

「だからぁ〜、私はともかくとしてたきなが勘違いするんじゃ無いの〜?」

「別に、あんたら2人は元ネタからして、2人に何かでも無きゃ作戦に支障は起きないだろ」

「それは【原作】の話ですぅ〜!」

 

私がたきなの事を言ってみれば、彼は心底嫌そうな顔でそう言ってくる、まったく、私はそう言う話をしてるんじゃ無いってのにこの男は……

 

「たきなに嫌われちゃっても良いのかにゃ〜?」

「別に好かれようとしてるわけじゃ無い、そっちこそ無茶な事ばっかやってると嫌われるぞ」

「っぐぐぐ……確かにそうだけどさぁ……でも、永井くんが嫌われたら嫌じゃん?」

 

軽く揶揄って見せようとああ言えば、彼はこうやって正論で突き返す……彼も私たちも、まだ集まって半年も経たないがそれでも仲良くなれているとは思う、だから彼が嫌われるのは嫌だ

 

「……別に、感情なんてどうでも良いだろ」

「ほら出たぁ!そうやってあっけらかんと捻くれた対応して!そう言うのが永井くんの……!」

「ほら、救護室着いたぞ」

 

私がぎゃぁぎゃぁと文句を言おうとした瞬間、救護室の前に辿り着き、ガスの排出音を立て扉が滑らかに開く、扉の中には……

 

「……ん?やぁ永井くんに千束ちゃんか怪我でもしたのかい?」

「………いやいやいや、ヒンメルさん重症じゃ無いですか!」

 

片腕を赤く染めながら、腕に包帯を巻き上げられているヒンメルさんの姿だった、よく見れば他にも腹や足、頬などには切り傷や刺し傷、矢などが刺さったままであった

 

「何、僕の方は問題無いさ……そうそう、つい先程特異点Fへレオシフトを行ってきたんだ……恐らく、あと数週間したら……本格的に計画の始動だろう」

「……そうですか……とりあえずここに置いときますね」

「冬木に……」

 

ゆっくり優しく、ベッドの上に寝かされ、あざの場所に氷を当てられ、そのまま足を少し高い位置に置かれているが、そんな事を気にせずに私は考えていた……この世界の【物語】を

 

「………ヒンメルさん、その……オルガマリーさんの件は……」

「なんともならないだろうね……とりあえず、千束ちゃんはゆっくり休んだほうがいいよ……青あざは痛むだろうしね」

 

と優しく微笑みつつ立ち上がり、永井くんへと近づいて

 

「永井くんは訓練をしていたのかな?」

「えぇ、必要だったので」

「じゃぁ私と一緒に手合わせをして貰えたりするかい?私は本気で行くから、君も本気でさ」

 

そう言いながら、ヒンメルさんと永井くんは共に救護室の外へと出ていった……一方私は、手当のされた足を眺めて思考の淵に腰掛けていた

……やはり、カルデアの彼らは救えないのだろうか……私達が居るのだ、まだ見知らぬ転生者がカルデアにいる可能性だって捨てきれない……

……駄目だな、私がいくら考えたってどうにも出来ない……

永井くんやスネークさん、オセロットさんやノイマンさんなら……でもどうにか出来たりして【その先】はどうするのだろう……

そもそも私達はどうしたいのだろうか………

 

「うぅぅぅぅあぁぁぁぁっ!考えても思いつかないよぉ……」

 

いくらいくら考えても、私にはどうにもわからない……だからこそ、私は今は休もうと、1人の【少女/殺し屋】は眠りについた

 

ーーーーーーーー

 

「……さて、ここまで歩けば千束ちゃんも1人で考えられるだろうね」

「………随分と優しいんですね」

「まぁね、こう見えて人の感情の機微には人一番敏感だからね」

 

ヒンメルさんに連れられて、廊下の一部にある休憩スペースにたどり着き、自販機の前に立ちながらそう言ってくるヒンメルさんに尋ねてみれば、そう自慢げな顔をしてコーラの缶を渡してくる、軽く感謝をしながら受け取ってプルタブを開けて……

 

「………コレぬるいんですけど」

「おや本当だ、開発部の面々に言っておかなきゃいねないねぇ」

 

ぬるいコーラを飲まされ少し微妙な顔してみれば、ヒンメルさんは笑って見せる……お気楽で良いもんだ……そう考えていると

 

「………一応言うけど、私も原作の【彼】と似たようなものだからね……彼女の為にこうして今を生きているんだよ……さて、じゃぁ改めて道場へ向かおうか」

 

そうして歩き始めるヒンメルさんの背中は何処か冷たい気配を見せる……

あぁ、そうだな……第一部(コレから)が終われば第二部(その次)がある、その次では……自分たちは大勢を殺す、その前にそこまで生きていけるかすらわからない……その為には力を鍛えるしかない……

自分の為にも、妹のためには生きるんだ

そう思いを抱いて、2人の【青年】はその道を歩き出した




キャラクター紹介

佐藤/サミュエル・T・オーウェン
アメリカのとある特殊部隊に所属していた元米軍
部隊証の存在しないその部隊に入り、とある特殊な事件に巻き込まれ
部隊は佐藤を残して壊滅した、その際にオセロットと遭遇し、この世界について詳しい知識を得ることとなり、オセロットやスネークとともに協力することとなった
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