トムとエミレアの防衛術の授業が始まって数日後、エミレアとダンブルドアは校長室で話をしていた。
去年の終わりにダンブルドアからロックハートの詐欺を世間に暴き、生徒達の反面教師にする事を協力して欲しいと頼まれたエミレアは良い気はしなかったが協力した。
「もう今回みたいな事は懲り懲りだよ」
「辛い役目を押し付けてしまいましたな・・・・・・すいません、先輩」
「最終的には私も協力を決めたんだ、アルバスが謝る事はないよ」
「・・・・・・ロックハートの事は先輩が気に病む事もありませんよ」
ダンブルドアの言葉を聞いたエミレアは何も言わずに紅茶を一口飲んだ。暫くエミレアとダンブルドアの2人は何も言葉を交わさずに紅茶を飲んでいた。
「それはそうと、防衛術の授業は如何ですか?」
「・・・・・・そうだね、7年生の
「トムは先輩が手伝ってくれてとても助かってると言っておりましたぞ」
エミレアとトムは先ずは
「トムが7年生と5年生を重点的に教えて、私はそのフォローと他の生徒達の授業を担当してるよ」
「先輩達が戻ってこなかったら大変な事になっておりましたな」
「本当・・・・・・やるにしてもトムはホグワーツに残しておくべきだったと思うよ」
「何も言い返せませんな」
「まぁ久々に授業をする事になったけど、楽しいね・・・・・・特に2年生の子達は寮を越えて協力してるんだ。とても素晴らしいよ」
エミレアはトムが試験対策の授業をしやすいように6年生と4年生から下の学年の生徒達の授業を受け持っていた。その中で2年生達が寮関係なく、出来る生徒達は上手く出来なかった生徒達に教えている光景を見てエミレアはとても嬉しそうに授業をしていた。
「先輩も寮関係なくご友人は多いですからね」
「寮杯やクィディッチで競い合うのは良いけど対立するのは違うからね」
「先輩がホグワーツに来てくださってから寮同士のいがみ合いもなくなりましたからね」
「まだ魔法界では純血主義を掲げる家系もあるけど、そういうのも減っていくと良いね」
「ホグワーツでは、確実に減っておりますよ」
エミレアとダンブルドアの2人はテーブルに多くのお菓子を並べるとそれを食べ始めた。エミレアはカエルチョコを食べた後に百味ビーンズに手を伸ばして食べ出した。
「あっ、チョコ味だ・・・・・・アルバスも食べる?」
「わしはあまり良い思い出はありませんな、初めて食べた時のゲロ味の衝撃ときたら・・・・・・」
「今度はまともな味が当たるかもよ」
エミレアはダンブルドアに百味ビーンズを差し出すと、ダンブルドアはその内の一つを手にとって口に入れて食べた。
「何と!? 耳クソ味じゃ!!」
驚いて声を上げたダンブルドアを見てエミレアは腹を抱えて笑っていた。そんなエミレアを見てダンブルドアは少し不機嫌そうに話し出した。
「先輩、そこまで笑う事ではないのでは?」
「ごめんごめんッ・・・・・・アルバスって百味ビーンズに関してはついてないね」
そう言ってエミレアは百味ビーンズを1つ取るとダンブルドアに食べさせた。食べ始めは不機嫌そうだったダンブルドアも次第に表情が柔らかくなっていった。
「これは、レモン味じゃ」
「アルバスが百味ビーンズ食べる時は、私が取って食べさせた方が良いかもね」
「流石にこの歳でそれは恥ずかしいのですが・・・・・・」
「私にとってはアルバスはいつまでも可愛い後輩だよ」
「先輩はいつまで経ってもそうですな」
「嫌かい?」
「いいえ、とても光栄です」
そう言うとエミレアとダンブルドアは再びお菓子を食べ出した。因みにダンブルドアはまた百味ビーンズから選んで食べた味は臓物味だった。
「それとアルバス、去年と今年は君の頼みを聞いたよね・・・・・・私のお願いを聞いて欲しいんだ」
「先輩からのお願いとは・・・・・・一体何でしょうか?」
エミレアが言うとダンブルドアは何となく想像がついているのか表情を変えずに聞いた。
「トムなんだけどね。やっぱり目指そうと思ってるようなんだ」
「そうですか・・・・・・トムならきっとなれるでしょうな」
「そうだね。それと後任についても話してあったんだ」
「先輩やトムが認めた人物なら、誰も文句は言えませんな」
ダンブルドアがそう言うとエミレアは後任の名前を出すとダンブルドアは驚いた表情をしたがとても嬉しそうな表情に変わった。
ハリー達は授業後に共有スペースで防衛術の自習をしていた。自習にはハリー、ロン、ハーマイオニー、ネビル、シェーマス、ディーン、パーバティ、ドラコ、クラッブ、ゴイル、ノット、ザビニ、パンジー、ダフネにグリフィンドールの2年生女子のラベンダー・ブラウンが参加しておりそれぞれが教え合っていたりしていた。
「ホグワーツに入学する前は、こんな事想像もしなかったな」
「突然何?」
ノットがメンバーを見て呟くと、ダフネが疑問に思って聞くとノットに視線が向いた。
「スリザリン以外の奴と一緒に勉強するなんて、入学前には思ってもなかったからな」
「何か不満でもあるのか?」
「いや、自分の世界が広がった気がするよ。グレンジャーやトーマスからマグルの事を聞いた時は驚いたさ」
「あー、分かる。驚くような物とかあるしな・・・・・・あれ、遠くの人と話せるやつ」
「電話の事?」
「あぁそれ」
「俺からすればホグワーツとかの方が驚きだよ」
ノットやザビニ、パンジーやダフネもマグルの発明品などには興味を示しており逆にハーマイオニーやディーンはホグワーツでの様々な事が驚きで満ちていた。
「来年にはホグズミードに行けるんだ・・・・・・ホグズミードは魔法使いしか住んでない村だからきっと驚く事が多いよ」
「なら来年は案内してくれよ」
「そうね、私も案内してほしいわ。特にローリエル先生のお店にはね」
「あぁ良いよ。本当に凄い店なんだ」
ロンがエミレアの店の話をすると全員がそれに興味津々だった。この中でロン以外エミレアの店に行った事はなく、前もってロンから店の事を聞きたいと思っていた。
「ローリエル先生のお店って服飾店?」
「あぁ、色んなローブやマント、シャツにズボンにマフラーとか色々あるよ」
「そんなに凄いのか?」
「わざわざ遠くから買いに来る人も居るくらいだよ」
「そんなに!?」
ハリー達は暫くエミレアの店の話題で盛り上がってしまい、それ以降は自習の手は完全に止まっていた。
ジニー達1年生はエミレアの防衛術の授業を受けていた。エミレアの授業は呪文の使い方や闇の魔法使いと遭遇してしまったらどうするか、どの呪文をどう使うべきかを実際に訓練用の人形を使って教えていた。
「1年生の皆はまだ使える呪文は少ないから基本は危ない所に近寄らない事。もし危険に直面したら身の安全と逃げる事を優先する事」
エミレアは1年生達にそう言うとジニーが手を上げるとエミレアはジニーを指した。
「ミスウィーズリー・・・・・・お兄さん達を名前呼びしてるから、君も名前呼びで良いかい? ジニー」
「はい、大丈夫です」
「さてジニー、何が聞きたい?」
「あの授業と関係ないんですけど、先生は私のパパとママの先生だったって聞いてますけど本当ですか?」
「そうだね。君のお父さんのアーサーとお母さんのモリーの授業をした事あるよ・・・・・・ここに居る多くの子のお父さんやお母さんの授業をした事あるよ。まぁ、マグル生まれの子のご両親の授業はした事ないけど」
エミレアは苦笑いして言うと、生徒達は驚いた様な声を上げた後にジニーはもう一つ疑問に思った事をエミレアに聞いた。
「それで先生は、どうしてそんなに若い姿なんですか?」
「あー、それか・・・・・・そうだね。まぁ簡単に言うと私が魔法省の仕事をしてる時にこうなっちゃったんだよね」
「魔法省ではどんな仕事をしてるんですか?」
「闇祓いと無言者を兼任してるよ・・・・・・こうなったのは無言者として働き始めた頃の事だよ。その時は油断してた事もあってね、それでこうなっちゃったんだ」
エミレアの魔法省での仕事を聞いた後に多くの生徒達は驚いた表情でエミレアを見ていた。マグル生まれの生徒達は首を傾げていたが、隣の生徒が教えていた。
「無言者の仕事で、何か呪いに掛かったんですか?」
「うーん、呪い・・・・・・って訳じゃないけど、昔の魔法関係でね。アルバス・・・・・・ダンブルドア校長がどうにかしようとしてくれたけど、結局はどうする事も出来ないって事でこのまま」
「昔の魔法、ですか?」
「詳しくは言えないけどね。君達に教えるには、このホグワーツで多くを学んでからね・・・・・・さてそろそろ授業が終わる時間だ。今日習った事を復習したり、先輩に聞いたりすると良いよ」
エミレアのその言葉でその日の防衛術の授業は終わり、生徒達が教室を出るとエミレアはため息をついていた。
「流石に、あの子達に“あれ”を教えるわけいかないしね」
エミレアは苦い顔をしながら窓から外を見るとまたため息を1つついた。
ジニーは授業が終わった後、談話室で防衛術の復習をしているとロンが声をかけていた。
「ジニー、防衛術の授業はどう?」
「最高の授業よ! ロックハート先生の授業の何倍も素晴らしいわ!」
「やっぱりそう思うだろ。サロウ先生の授業も良かったけど、ローリエル先生の授業も最高だよ」
「サロウ先生は7年生と5年生の授業をしてるのよね?」
「あぁ・・・・・・ローリエル先生に聞いたんだけどテストの対策の為にサロウ先生が集中的に見るって言ってたよ」
「やっぱりサロウ先生も凄いの?」
「ローリエル先生がとても優秀って褒めるくらい」
「サロウ先生もとても凄いのね」
ジニーはロンの言った言葉でトムがとても優秀だと言う事を理解した。生徒達の中ではエミレアの授業はとても面白く様々な教科を教えられる事から評価が高く、そのエミレアが特に優秀と称するトムの評価も高かった。エミレアはホグワーツの教員達の事は優秀と評しているが、特に優秀と評しているのはダンブルドアとトムの2人だけだった。
「2人共、何話してるの?」
「ローリエル先生の授業が最高って話」
「納得・・・・・・わかりやすいし楽しいよね」
「ローリエル先生の授業を受けれる事には、ロックハートには感謝しないと」
「やめてよ、私達それのせいで大変だったんだから」
ハリーが2人の話に加わるとエミレアの授業についてハリーが言った後にロンが皮肉交じりにロックハートの事について言うと、ジニーが嫌そうな顔で言った。
7年生と5年生の
「済まなかったな、セブルス・・・・・・色々と迷惑をかけた」
「吾輩が腹立っているのはロックハートだけですので・・・・・・サロウ先生やローリエル先生、ダンブルドア校長にはそれ程腹立ってはおりません」
トムが申し訳無さそうに言うとセブルスは気にしてないと口では言っていたがやはりまだロックハートに対してキレているのか仏頂面ではあった。
「私も君からの手紙を見て早急に対応しなければと思ったよ・・・・・・流石にここまで酷いとは思ってはいなくてな」
「この前に出た日刊予言者新聞です」
セブルスがトムに予言者新聞を渡して、トムが読むと見出しには”偽りの英雄 ロックハートの素顔!“と書かれておりそれを見てため息をついた。
「よくもまぁ、すぐに嗅ぎつけるものだな」
「彼等にはよくある事ですな」
セブルスも予言者新聞については半分呆れていた様子だった。予言者新聞は事の真実より売り上げを重要視している記者が多くいる為、話題になる報道しかしない事が多い。
「全く、予言者新聞の事もそうだが魔法省も仕事が杜撰な事が多い。上があれでは仕方ないかもしれないがな」
「コーネリウス・ファッジ魔法大臣ですか・・・・・・あの方は事なかれ主義、ですからな」
現在の魔法大臣のコーネリウス・ファッジは正直な所、能力の高さから魔法大臣になった訳ではなく有力候補のバーテミウス・クラウチ・シニアの失脚とダンブルドアが推薦を辞退した事による繰り上がり人事である為、トムやセブルスからのコーネリウスの評価は低かった。
「魔法大臣をダンブルドア校長が辞退した時、ローリエル先生は何も言いませんでしたな」
「ローリエル先生から聞いたが、ダンブルドア校長は権力を得る事はしないと言っていたな」
「それは何故でしょう?」
「私も詳しくは教えてもらえなかった・・・・・・だが、話し難そうにはしていたな」
「ならば、詮索するべきではありませんな」
「そうだな・・・・・・今年も後少しだが、問題が起きなければ良いな」
「もうこれ以上は勘弁してほしいです」
苦笑いしながら話していたトムとセブルスの心配とは無縁と言った様に、大きな問題は起こらず1年が終わった。
この年の最優秀寮杯はスリザリンになった。
これにて秘密の部屋編終了です!
と言うより秘密の部屋もバジリスクも話題にすらなってない。何ならこれロックハートの乱とかでも良い気がする(汗)
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