トロールが侵入したハロウィンパーティーから数日後、エミレアの私室ではエミレアとトムがテーブルを挟んで椅子に座っており、珈琲を飲んでいた。
「失礼します、ローリエル先生。今よろしいでしょうか・・・・・・」
「やぁセブルス」
「・・・・・・どうやら先客がいらしたようでしたので、吾輩は後で」
「問題ないぞ、スネイプ先生。この前のトロール件で話していたからな」
「セブルスも一緒にどうだい?」
「・・・・・・では、お言葉に甘えて」
そう言ってセブルスが椅子に座るとエミレアは珈琲を淹れるとセブルスに出すとセブルスは珈琲を飲むと話を切り出した。
「では、前のトロールの件ですが・・・・・・お二人はどの様に考えおりますか?」
「誰が、手引きしたか・・・・・・かね?」
「えぇ、トロールがホグワーツに侵入するなど・・・・・・ましてや地下から女子トイレに向かうなど・・・・・・」
「恐らく、地下からってのはそちらに意識を向けさせる為」
トムとセブルスはエミレアの発言を聞いて難しい表情をした。エミレアが言った事が事実ならホグワーツにトロールを侵入させたのはクィレルの可能性が高い事になる。
「先生は・・・・・・クィレルをお疑いで?」
「・・・・・・服従の呪文」
エミレアが口にした呪文にトムとセブルスは表情を険しくしていた。服従の呪文、インペリオは術者が掛けた相手を操る事の出来る許されざる呪文の1つ。人に使うのは違法であり、使用したり唱えようとした場合でもアズカバンと言う監獄で終身刑となる。
「まさか、クィレルがそれを掛けられていると?」
「あり得なくはないでしょ?」
「ですが、危険を冒してまでそのような事をするでしょうか?」
「リスクを冒してでも手に入れる価値があるものが、今のホグワーツにはある」
普段とは違うエミレアの有無を言わせない発言に2人は言葉が出なかった。エミレアの言っている事は可能性としては大いにあり得るが、何も確証がない状況だった。
「流石に、今は動くべきじゃないね・・・・・・狙うにしても私とアルバス、トムが居る間は動かない筈だ」
「ですな・・・・・・そんな事をすればただの自殺行為ですな」
「特に、先生が居る間は動かないのでは? あなたに見つかったら問答無用でやられますからな」
「何だか、私が危ない奴みたいじゃないか」
「危ないと言うより、相手にはしたくないですね」
トムの言葉にエミレアが苦笑いしているとトムはカップに残っていた珈琲を飲み干した。
「では、私はこれで失礼します」
トムはそう言うと部屋を出るとまだ部屋に残っていたセブルスは珈琲を飲みながらエミレアに聞いた。
「先生なら、外からホグワーツの様子を見るなら何処で見ますか?」
「そうだね・・・・・・ホグズミードかな? 人が多い所の方が潜んでてても気付かれにくいからね」
「ホグズミードはあなたのお膝元では?」
「流石に、潜む事に徹底されたら分からないさ」
エミレアが珈琲を一口飲んだ後に話題を変えるかのようにセブルスに話し出した。
「寮対抗クィディッチ杯も近いよね・・・・・・今年は何処が優勝するかね?」
「勿論、我がスリザリン・・・・・・と言いたいのですが、グリフィンドールには最年少の期待のシーカーが居ますからね」
「相手チームの選手の事なのに嬉しそうだね」
「能力は正当に評価しなければ、ですからな」
セブルスは最年少シーカーとしてクィディッチに出場するハリーの活躍を期待しており、エミレアはそれを見て微笑ましく思っていた。
「まぁ、怪我はしてほしくないですな・・・・・・」
「・・・・・・でもクィディッチに怪我はつきものだよ」
「・・・・・・ウィゲンウェルド薬を用意して置かなければ・・・・・・吾輩も、これで失礼します」
そう言ってセブルスも珈琲を飲み終えるとを部屋を出た。エミレアは苦笑いしながらも珈琲を飲みながら友人の1人を思い出していた。
「今度手紙送ろう・・・・・・クリスマスは予定空いてるかな?」
エミレアは学生時代に寮杯で活躍し、その後プロ入りした後も活躍をしていた友人に手紙を書いてクリスマスの予定を聞こうと思った。
次の日、大広間で朝食を食べている時にハリーにふくろう便が届いて、包みを開けると1本の箒が入っていた。ロンはその箒を見て驚いた様子で声を出した。
「これ、ニンバス2000じゃないか!!」
ロンの言葉を聞いてグリフィンドール生はハリーの近くに寄り、他寮の生徒もその場からハリーの方を見ていた。
「ハリーの両親から?」
「手紙が入ってる・・・・・・シリウスおじさんからだ」
ハーマイオニーがハリーに聞くと、ハリーは包みの中に入っていた手紙を取り出して手紙を読んだ。
『ハリーへ
ジェームズとリリーから最年少シーカーになった事を聞いた。ハリーならクィディッチでも活躍出来ると思っていたが1年生からシーカーになるなんて流石だ
これはハリーがシーカーになったお祝いだ。これを使って活躍してくれると信じてる
頑張れよ、ハリー
シリウスより』
それを読んだハリーは絶対に活躍してみせるとその日の練習から気合を入れて、クィディッチグリフィンドールチームのキャプテン、オリバー・ウッドはその様子に更に練習に熱を入れた。
「ローリエル先生、今年はグリフィンドールが優勝出来るかもしれません!」
「ミネルバは相変わらずだね・・・・・・クィディッチの事になると熱くなるね」
同じくクィディッチに向けて熱が入ってきたマクゴナガルを見て、エミレアは苦笑いしていた。
寮対抗クィディッチ杯グリフィンドール対スリザリン戦当日のクィディッチ競技場の観客席はグリフィンドール生、スリザリン生、教員達が多くいて始まるのを今か今かと待っていた。
「さぁ今年もこのシーズンが始まりました! 寮対抗クィディッチ杯、グリフィンドール対スリザリン! 今年は最年少シーカー、ハリー・ポッターが出るとあってグリフィンドールのやる気は最高潮! 対するスリザリンもそんな勢いに負けないといった様子です!」
ハリーの紹介があった時にはグリフィンドール側の観客席では大歓声が上がっていた。スリザリンや見に来ていたハッフルパフ、レイブンクローの1年生達はクィディッチに参加できるハリーを羨ましく思いながら拍手を送っていた。
「グリフィンドール対スリザリン! 初戦の勝利を飾るのはどちらか! 今年も主審を務めてくださるマダム・フーチを拍手でお迎えください!」
ハリーはこの寮対抗クィディッチを楽しみにしていた。他の1年生達には悪いが、自分は一足先に楽しめるといった感覚が大きかったが両肩をロンの兄の双子、ジョージ・ウィーズリーとフレッド・ウィーズリーが軽く1回叩いた。2人は浮かれている様子のハリーに気を引き締めろと目で合図していた。ハリーもそれを感じると気持ちを引き締め、試合に集中する。
4種のボールが放たれて笛が鳴り、試合が始まった。ハリーはキャプテンのオリバーから言われていたセオリー通りに全体が見渡せる上空に上がった。
「今日が初クィディッチでも、容赦はしないぞ」
「僕も負けない」
スリザリンのシーカー、テレンス・ヒッグスはスニッチを探しながらもハリーにそう声をかけていた。ハリーも強い意志を持って言い返すとヒッグスは特に言葉を返す事はなかった。
下ではチェイサーがクアッフルをゴールに投げているがキーパーに阻まれて得点はせず、その隙にビーターが棍棒で相手チームにブラッジャーをたたきつけそれを避ける。
(シーカーは兎に角スニッチを見つけて取る事、それに集中するんだ)
ハリーはシーカーとしての役割、スニッチを見つけて取る事に集中しているが相手からたたきつけるブラッジャーも避けなければならない。それはヒッグスも同じ様で飛んできたブラッジャーを避けた。
そして、2人同時に観客席近くを飛ぶスニッチを見つけると全速力で取りに行く。
「おっ、スニッチを見つけたみたいだね」
「・・・・・・・・・」
教員の観客席でエミレアが動き出したシーカーを見て呟くと、セブルスは気が気でない様子でそれを見ていた。一方でマクゴナガルは・・・・・・
「そこですポッター! あなたなら取れます!」
熱が入っており、全力でハリーを応援していた。ハリーとヒッグスはお互いに競りながらもスニッチを追いかけており、途中で来るブラッジャーをヒラリと躱しながらスニッチとの距離を縮めていく。その間にもクアッフルがゴールに入るなどしてグリフィンドールが20点、スリザリンが50点でスリザリンがリードしていた。
「・・・・・・」
ハリーはスニッチを追いながら箒の上に立つとスニッチに向けて手を伸ばす。ヒッグスもスニッチに手を伸ばしており、そして・・・・・・
「ハリー!?」
スニッチを取ろうとしたハリーがバランスを崩して箒から落ちるとロンが大きな声を出していた。観客席がその様子に一旦静まり返っていた。
「!?・・・・・・わぉ、そういったのは見た事なかったよ」
ハリーはスニッチを口で取っており、口からスニッチを取り出して掲げた。この瞬間、グリフィンドールチームは150点の得点が入り試合が終了した。点はグリフィンドールチーム170点、スリザリンチーム50点でグリフィンドールチームが勝利してグリフィンドールの観客席では大歓喜が起きていた。グリフィンドールチームはハリーの近くに寄り大いに喜んでいた。
「・・・・・・」
「凄い取り方したね、ポッターは」
「・・・・・・2度とやってほしくはありませんな」
スリザリンチームが負けた事よりハリーのスニッチの取り方を見てセブルスはそう呟いていた。ハリーが箒から落ちた時は目を見開いて立ち上がった程で、スニッチに掲げた瞬間は安心した様子だった。
「先生、選手達へのお声掛けをお願いしますね」
「トムもセブルスも、そう言うの苦手だよね」
エミレアの後ろで見てたトムが言うとエミレアは立ち上がってそう言うと、スリザリンチームの元へ向かった。こうしてハリーは初のクィディッチで勝利を掴んだ。
グリフィンドール対スリザリンのクィディッチから数日後、ハーマイオニーはエミレアの私室で椅子に座って出された紅茶を飲んでいた。
「さて、聞きたい事ってのは何だい? ミスグレンジャー」
「先生は前にトロールなら簡単に倒せると仰ってましたが、先生はどういった方法で倒してたんですか?」
「そうだね・・・・・・私は噛み噛み白菜や毒触手草を使ったり、使える魔法を使って倒してるよ」
「噛み噛み白菜とかで、倒せるんですか?」
エミレアが言った事にハーマイオニーが聞くとエミレアは紅茶を一口飲んで話を続けた。
「あぁ、倒せるよ。今度薬草学の授業の時にポモーナ・・・・・・スプラウト先生に聞いてみな。まぁ、まだ扱うには危ないけどね」
「先生は何度かトロールを倒した事あるんですか?」
「あるよ・・・・・・私は5年生からの編入でね、ホグワーツに編入した次の日には倒してたよ」
「編入した次の日にトロールと戦うなんて・・・・・・災難ですね」
「別にそんな災難って事もないよ・・・・・・編入日にドラゴンに襲われて組み分けに遅れた方が災難だったよ」
笑い話みたいに言うエミレアの言葉にハーマイオニーは開いた口が塞がらなくなっていた。そして、エミレアは懐かしそうにしながら言葉を続けた。
「その時にトロールと戦った時は友達も一緒に戦ったんだよね」
「先生って、学生時代はどの寮だったんですか?」
「スリザリンだよ」
「なら一緒に戦ったご友人はスリザリンの?」
「そうだね、その時一緒に戦ったのはスリザリンの友人だったよ。けど、グリフィンドールやハッフルパフ、レイブンクローにも友人は居たよ」
「他の寮にもご友人がいたんですか?」
「他の寮の生徒と友達になってはいけないなんて校則ないでしょ? そういう事」
ハーマイオニーはエミレアの話を聞いて確かにと思っていた。寮対抗で寮杯を競ってはいるが、友人は同じ寮の生徒だけなんて校則はないなと改めて思っていた。
「ミスターポッターとミスターマルフォイは仲良くしてるようだからね」
ハーマイオニーはエミレアの言葉を聞いてハリーとドラコの様子を思い出していた。2人の様子は友人兼ライバルといった様子で仲良くしているが、飛行訓練の時のように競い合ってもいた。
「あの2人みたいに、他の寮生は敵ではなくてライバルで友人だよ。他の寮生とも仲良くするのも良いよ」
「はい、私もそうしてみます・・・・・・後もう一つ聞きたい事があります」
「私の答えられる事なら」
「先生がトロールを倒した時に使った魔法は何ですか?」
今までニコニコとしていたエミレアの表情がハーマイオニーの質問を聞いた瞬間に、難しそうな表情に変わると暫く何かを考えている様子だった。
「そうだね・・・・・・どう答えたら良いかな」
「何か特別な魔法ですか?」
「特別と言ったら特別だよ・・・・・・ごめん、これはまだ教えるべきじゃない」
ハーマイオニーはエミレアの口からキッパリと拒否の言葉が出た事に驚いていた。まさか拒否されるとは思っておらず言葉が出なかった。
「前にも言ったけど、君は聡明だ・・・・・・あの魔法が普通とは違う事、そしてそれが危険なものだと」
ハーマイオニーはそう言われて納得していた。いくら特別な魔法でもトロールを一瞬で消し去ってしまった魔法が安全と言い切れる訳がない事は分かっていた。
「あれは使い方を誤れば、とても大変な事になる・・・・・・答えるにしても、君がこのホグワーツで多くを学んでからだ。それまではこの事は聞かない事・・・・・・約束できるね?」
ハーマイオニーはいつもと違うエミレアの様子に黙って首を縦に振っていた。それ程までの魔法で、自分に答える事が危ないと理解するとそれ以上は聞こうとは思わなかった。
「・・・・・・それにしてもこの紅茶、とても美味しいです」
「彼に淹れてもらってるからね。とても美味しいよ」
「彼?」
「私の事です」
バチンッといった音と共に現れた屋敷しもべ妖精のディークを見てハーマイオニーは驚いた様子だった。ハーマイオニーはマグルの生まれで魔法はホグワーツに入ってから知り、屋敷しもべ妖精も見た事はなかった。
「始めましてミスグレンジャー、屋敷しもべ妖精のディークです」
「は、始めまして・・・・・・ハーマイオニー・グレンジャーよ」
「そっか、屋敷しもべ妖精を見るのは初めてか」
エミレアはハーマイオニーの様子を見て気付くと、ハーマイオニーに屋敷しもべ妖精ついて説明した。説明を聞いたハーマイオニーは良い表情はしなかった。
「そんな、あんまりじゃ・・・・・・」
「それは違うよミスグレンジャー。屋敷しもべ妖精には屋敷しもべ妖精の価値観があるんだ、私達がそれについて言える事は何もないよ」
「でもこんなの間違ってます!」
「ディークがそう言ったのかい? 他の屋敷しもべ妖精もそう言ったかい?」
「そ、それは・・・・・・」
屋敷しもべ妖精の扱いに憤っていたハーマイオニーだったがエミレアの言葉には何も言い返せなかった。ディークには初めて会ったし、他の屋敷しもべ妖精には会った事がなかった為、何も言えなかった。
「ミスグレンジャー・・・・・・ディークはあなたが心優しい人だと思います。私達屋敷しもべ妖精を思って怒ってくれたのは嬉しいです・・・・・・ですがディークを始め多くの屋敷しもべ妖精は今こうして働いてる事に誇りを持ってます。ですからディーク達は何も不安はありません」
「・・・・・・ミスグレンジャー、君が他者を想うのは素晴らしいと思うよ。けど、相手の事をしっかりと理解して、その中でどうするか話し合ったりしてみるが良いと思うよ」
「・・・・・・はい・・・・・・ディーク、ありがとう。紅茶とても美味しいわ」
「喜んでいただけて、ディークは嬉しいです」
そうして、紅茶を飲み終えたハーマイオニーはエミレアとディークに礼を言った後に部屋を出た。
「いつも美味しい紅茶をありがとう、ディーク」
「いえ、ディークはローリエル先生が持ってきてくださる茶葉を使わせてもらってるだけですから」
「良い茶葉を使って淹れても、淹れ方が悪ければ不味くなる・・・・・・ディークの淹れ方が丁寧だから美味しんだよ」
「ディークには勿体ないお言葉です」
「今度、うちの飼育部屋に来てくれないかい? ちょっと忙しいから手伝ってほしいんだ」
「ディークで良ければ、喜んで手伝わせていただきます」
エミレアは暫く、100年続く付き合いのディークと思い出話などに花を咲かせていた。
レガ主とハーマイオニー、ディークの会話。
原作では独り善がりな解放運動をしていたハーマイオニーですが、この物語ではやらせません。
と言うよりレガ主が変な事はさせませんと言った感じで屋敷しもべ妖精解放運動キャンセルをしてます。