【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~   作:マカーブル

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 本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
 誤字脱字の指摘等も、いつも助かっております。

 作中の挿絵として画像生成AIによるイメージイラストを表示しております。
 AIによる生成画像に不快感を感じる方はご注意下さい。


  今回は番外編の「その③」になっておりますので、先に「その①」「その②」を読了の上でお楽しみください。

 今回の話は、番外編であり本編よりも未来の時間軸の話となっております。
 時期的には、半終末を想定。いわゆるアンソロ時空で、細かい時系列などは気にしない方向で。
 内容的には、『今年のハロウィンに起きた出来事』です。

 今回の話は、以下の話を読了の上でお読みいただけると、ストーリーの連続性をお楽しみいただける構成となっております。

・昨年のハロウィン
 → 拙作の 56話目~66話目 番外編 ハロウィン回の合計11話分。

・昨年のクリスマス
 → 貧弱一般メガテンプレイヤー 作 【カオ転三次】幼女ネキの謎を解明するため、黒札調査隊は宮城県の奥地〇〇町出張所へと向かった――。
   20話目のクリスマス回。 https://syosetu.org/novel/368974/20.html

 要約すると『昨年のハロウィンとクリスマスに何があったのか』です。


 投稿前に手直ししてたら、何か大幅に文字数が増加しました。 
 それでは、今回の番外編も最後までお楽しみいただければ幸いです。
 


番外編 ハロウィン回 その③ お約束とは、始めたなら最後までやり通すものだろう?

 

 

 

 

ハロウィン回 その②のあらすじ

 

・黒髪パッツンロングの赤目ロリ二人組、子供に大人気

・ハロウィ~ン!!

・そして始まるヒーローショー

・光と闇がそなわれば、最強に見える

 

 

 

 


 

 

 

 

 光と闇がそなわって、最強っぽく見える、グリッターゼペリオン光線っぽい何か。

 それはハロウィンに現れた怪人たちを、まとめて爆発四散させるには十分な威力だった。

 いや、してないけど。

 

 閃光。爆発。吹き上がる煙。

 子供たちの歓声が、ハロウィンの会場に響き渡る。

 

 そして、半分以上演出込みで舞い上がっていた煙が晴れると、地面には三人の怪人が転がっている。

 

 ハロウィン社長(サスケニキ)は仰向け。

 ハロウィン大将(ヨロイニキ)はうつ伏せ。

 ハロウィン先生(クロマニキ)は両手両足を広げて大の字だ。

 

 三人とも、衣装が少し煤けているが、それだけだった。

 大きな怪我はなく、身体も動く。命に別状はなさそうだ。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

 

 しばらく、誰も動かなかった。

 やがて……

 

 

「……おい」

 

 

 社長が、かすれた声を出した。

 

 

「俺たち、生きてる……?」

 

「……多分?」

 

 

 大将が答えた。

 

 

「手足はある。意識もある。痛いところは……まあ、あるけど」

 

「私も、何とか生きてますね……」

 

 

 先生は、そっと自分の胸に手を当てた。

 心臓は動いている。息も出来る。ちゃんと、生きている。

 

 

「「「……良かったぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

 

 三人は、地面に転がったまま、滂沱の涙を流して歓喜する。怪人マスクの内側で。

 

 

「生きてる!! 俺たち、生きてるぞ!!」

 

「今回はちゃんとショーだった……!!」

 

「去年のクリスマスみたいに、死ぬかと思うほどぶっ飛ばされなくて済みましたよ……!!」

 

 

 今回は……いや、正確には今回も(・)、三人とも一度は死を覚悟していた。

 あの光線を見た瞬間、去年のクリスマスの悪夢が蘇ったのだから。

 

 しかし今回は、最初からヒーローショーとして行われた戦いだ。

 ヒロイン役の二人も、子供たちの前で本当に怪人を殺すつもりなど無かった。

 

 爆発はあくまで演出。

 衣装が少し煤ける程度で済んだのは、ヒロインたちがきちんと手加減していたからだった。

 

 もちろん、そんな事情を三馬鹿ラスが冷静に判断出来ていた訳ではない。

 彼らにとっては、ただただ、ぶっ殺されるかもしれない事が恐ろしかったのである。

 

 

「はぁ……本当に、死ぬかと思った……」

 

「俺ら、今度こそ絶対に普通のハロウィンを楽しむって決めてたってのに……」

 

「けど、子供たちは楽しんでくれたみたいでしたね……」

 

 

 三人は、ゆっくりと上半身を起こした。

 目の前では、子供たちが満面の笑みで拍手とともに声援を送っている。

 

 

「怪人さんたちも、かっこよかったよー!!」

 

「もう一回やってー!!」

 

「すごかったー!!」

 

「「「…………」」」

 

 

 三馬鹿ラスは顔を見合わせる。

 

 そうだ。

 自分たちは、子供たちを楽しませるために怪人になったのだ。

 

 怖かった。

 ものすごく怖かった。

 できれば二度とやりたくない。

 

 だが、それで子供たちが笑っているのなら……

 

 

「……まあ、悪くはなかったか」

 

「そうだな。俺たち、ちゃんと怪人役をやりきったんだ」

 

「ええ。終わってみれば今年も良いハロウィンだったと言う事でしょう……」

 

 ようやく三人は、心から安堵した。

 

 一方───

 

 

「みんな!! 怪人は倒したぞ!!」

 

「ふふふ。これにて一件落着、と言う訳だな」

 

 

 ───対する幼女ネキと黒死ネキは、子供たちに向かって堂々と勝利のポーズを決めていた。

 

 二人にとっては、これはアドリブではあるが、展開自体は予定どおりのショーでもあった。

 攻撃の威力も、見栄えも、子供たちが楽しめるように調整していた。

 ハロウィン3ちゃんズがどれほど本気で戦おうと、二人はそれを見極めた上で、最後まで余裕を持って演出を続けられるのだから、この結果は当然とも言えた。

 もっとも、三馬鹿にそんな事情を知る余裕はなかったので、最初から最後まで全力だったのだが。

 

 

「……なあ、二人とも」

 

「……なんです、社長?」

 

「……俺たち、よく生きてたな」

 

「……ああ。本当にな」

 

 

 三人は、もう一度、深々と息を吐いた。

 もう戦わなくて良い。

 それだけで、十分だった。

 

 だったのだが───

 

 

「ねえねえ!!」

 

 

 ───不意に、子供の一人が声を上げた。

 

 

「怪人はこのあと、巨大化するんだよね!!」

 

「「「…………」」」

 

 

 ハロウィン3ちゃんズの動きが止まった。

 声を上げた子供は、目をキラキラと輝かせている。

 

 

「怪人って、一回負けたら、次は大きくなるんでしょ!?」

 

「ホントだ!! 巨大化して!! 巨大化して!!」

 

「もっと大きい怪人が見たい!!」

 

 

 他の子供たちも、次々に声を上げ始め、その瞳には、期待と好奇心がいっぱいに詰まっていた。

 

 

「…………いやいやいや」

 

 

 社長が、乾いた声を出した。

 

 

「ちょっと待とうか、おガキ様たち」

 

「巨大化しないの?」

 

「「「しないよ!?」」」

 

 

 即答だった。いや、当然の返事だが。

 

 

「いや、ほら!! もう戦いは終わったじゃん!! ヒーローの勝利!! めでたしめでたし!! ここで解散!! はい、ハロウィ~ン!!」

 

 

「「「「「えーっ!!?」」」」」

 

 

 子供たちから、不満の声が上がる。

 折角、まだまだ楽しみが残っていると思ったのに……

 

 

「でも、怪人は巨大化するんでしょ?」

 

「いや、それは、その……」

 

 

 先生は必死に頭を働かせ、良い感じの回答を模索する。

 どうする? 何か理由をつけなければ。

 

 子供たちの期待を裏切るのは心苦しいが、だからといって巨大化など出来るはずもない。

 そもそも、自分たちは怪人のコスプレをした単なるDTDK(童貞男子高生)である。

 本物の怪人ではないし、巨大化能力など、ある訳がない。

 ……ないったら、ない!!

 

 

「……そ、そうだ!!」

 

 

 社長が、自分の頭に手をやった。

 そこにあるのは、先ほどの戦闘で壊れたカボチャの残骸だ。

 

 

「頭の上のカボチャが壊れちゃったから、力が出ないんだ~!!」

 

「そ、そうそう!! カボチャがないと巨大化できないんだ~!!」

 

「いやー、残念ですねー!! 本当に残念だー!! ハロウィ~ン!!」

 

 

 三人は、これ以上ないほど棒読みで言い切った。

 

 これなら仕方がない。

 カボチャが壊れてしまったのなら、巨大化できなくても当然だ。

 怪人としての面目も立つし、子供たちも納得してくれるだろう。

 

 ……そう、思ったのだが───

 

 

「なるほどな!! 原作のハロウィンワルドのネタを踏襲すると言う事か!!」

 

「ふむ。頭の上のカボチャが、巨大化するための装備と言う設定(訳)か」

 

 

 ───幼女ネキが、ぱっと顔を輝かせて、黒死ネキも、壊れたカボチャの残骸を拾い上げて、興味深そうに眺めている。

 

 

「……い、いや、そう言う設定と言う訳では……!!」

 

「そう言う事なら……」

 

 先生の言葉を遮り、黒死ネキは、にっこりと笑って話を続ける。

 その笑顔を見た三人は、嫌な予感を覚えた。

 この女が笑っている時は、大抵ろくな事にならないと、いい加減に学んでいるからだ。

 

 

「私が新しいカボチャを作ってやろうじゃないか」

 

「「「えっ!?」」」

 

 

 こうすれば万事解決。そんな当然の帰結と言わんばかりの返事を寄こす。

 実際に黒死ネキは昨年のハロウィンの際にも、自(・)前(・)で(・)ジャック・オー・ランタンを用意している。*1

 

 

「……いや、黒死ネキさん? お気持ちは大変ありがたいんですが……」

 

「そう!! お気持ちだけで十分と言うか!!」

 

「俺たち、別にそこまでして巨大化したい訳じゃ……!!」

 

「遠慮するな。祭りはまだ終わっていないのだろう?」

 

「「「遠慮じゃねえんだよ!!」」」

 

 

 その時、幼女ネキが元気よく手を挙げた。

 

「そうだ!! 巨大化に使えそうなアイテムなら、私も持っているぞ!!」

 

「「「……はいィ!?」」」

 

 

 ハロウィン3ちゃんズが慌てて幼女ネキの方へと振り返る。

 見れば、幼女ネキは、どこからともなく一つのケーキを取り出している。

 白いクリームに包まれた見た目も不思議なケーキで、実に食欲をそそる外見だ。

 

 その中央には、しっかりと『EAT ME』と書かれたプレートが乗っている。

 

 

「これは『不思議の国のアリス』に出てくる、『食べた者の身体が大きくなるケーキ』みたいな物だ!! これを使えば、巨大化出来るかもしれないぞ!!」

 

「「「何でそんなもん持ってるんだよ!?」」」

 

 一斉に叫ぶハロウィン3ちゃんズ。そんなご都合主義ってある!?

 

 

「私のチャンネルの『ヤードポンド法とDレベル撲滅協会』で行われているコラボ企画『創造(つく)って遊ぼ』*2で偶然出来た代物だぞ!! ゲストに人魚ネキとアリスニキネキ、あと通りすがりの黒死ネキが居たせいか? 三人とも【魔人 アリス】の要素持ちでもあったせいか、滅茶苦茶概念的に引っ張られた感があったな!!」

 

「ああ、あの時のケーキか。たまたま通りすがっただけだと言うのに、面白い物を見せてもらったな」

 

「「「いや、そんな偶然ある!?」」」

 

 

 あるんだよ(強弁

 

 

「良かったじゃないか、お前たち。これで問題無く巨大化出来そうだぞ」

 

「いや、だから、俺たちは巨大化したくないんだって!!」

 

 

 そんなハロウィン3ちゃんズの言葉は華麗にスルーし、黒死ネキは話を進めて行く。

 

 

「さて。頭の上のカボチャが、巨大化するための装備と言う設定(訳)ならば、これをカボチャの材料にすれば良い訳だ」

 

「……何て?」

 

「カボチャ作りだが?」

 

「いや、聞こえてますけど、一体何をするつもりですか!?」

 

「なに。このケーキで、ジャック・オー・ランタンを作ってやろうと思ってな」

 

「「「何がどうなってそうなった!?」」」

 

 

 黒死ネキは、三人の抗議を聞き流し、片手を掲げた。

 足元に、黒い魔法陣が広がり、闇色の光が渦を巻き、空気が不穏に震えた。

 

 ケーキがふわりと宙に浮かぶ。

 クリームが魔力に溶け、スポンジが崩れ、生じた渦より黄金色のカボチャが三つ生まれ出でる。

 

 黄金色に輝く三つのカボチャは、自ら目と口を開いたかのようにジャック・オー・ランタンへと変貌していく。

 魔法陣から広がる闇色の渦は、三つのジャック・オー・ランタンの口へと、まるで吸い込まれるように流れ込んで行く。

 

 描かれた目と口は明確な形を成し、丸々とした黄金色のカボチャは、不気味な笑みを浮かべたジャック・オー・ランタンへと生まれ変わった。

 そして、黄金色だったカボチャの表面はジャック・オー・ランタンに相応しいオレンジ色へと変化し、三つそれぞれが「これが自分の個性だ」と言わんばかりに、別々の被り物らしき意匠を具現化させていく。

 すなわち、忍者の覆面、武者兜、魔法使いの三角帽子である。

 

 

「よし、完成だ」

 

「完成じゃねえんだよ!!」

 

 

 サスケニキが叫ぶ。

 

 

「それ、どう見ても普通のカボチャじゃないだろ!!」

 

「普通のカボチャではないさ」

 

 

 黒死ネキは得意げに胸を張り、話を続ける。

 

 

「食べれば巨大になるケーキを材料に、私の暗黒魔術で適当に生み出したジャック・オー・ランタンだ。頭に装備すれば、装備者を巨大化させる程度の効果はあるだろう」

 

「程度の効果で済む話!?」

 

「しかも、今「適当に」って言ったぞ!!」

 

「作るにしても、効果は確かめてからにして下さいよ!?」

 

「何を言う。こう言う物は、実際に使ってみるのが一番だろう?」

 

 

 そして、黒死ネキは三つのカボチャを手にし、三馬鹿ラスへとにじみ寄る。

 三馬鹿ラスは、慌てて逃げようとしたが、もう遅い。

 

 ───ざくっ!!───

 

 サスケニキの頭に、忍者頭巾を被ったカボチャが乗る。と言うか刺さる。

 

 ───ぶすっ!!───

 

 ヨロイニキの頭に、サムライの兜を被ったカボチャが乗る。やっぱり刺さる。

 

 ───ぐさっ!!───

 

 クロマニキの頭に、魔法使いの三角帽子を被ったカボチャが乗る。もちろん刺さる。

 

 

「はい、装備完了だ」

 

「「「いやぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

 

 次の瞬間、三馬鹿ラスの扮するハロウィンワルドの頭上のカボチャが、まばゆい光を放った。

 そして、次の瞬間、三馬鹿ラスの身体が徐々に大きく膨れ上がり始める。

 

 

「うおっ!?」

 

「な、なんだこれ!?」

 

「身体が……身体が大きくなって……!?」

 

 

 地面が揺れ、石畳が砕ける。

 三人の身体は、見る見るうちに大きくなっていく。

 あっという間に、人間大だった身体が建物を見下ろすほどの巨体へと変貌する。

 

「で、でかい!? すげぇ!!」

 

「いや、喜んでる場合じゃねえだろ!?」

 

「止まって!! 止まって下さいってばぁぁぁ!!」

 

 

 しかし、巨大化は止まらない。

 そして、さらなる異変が起きるのも止められない。

 

 

「……ん?」

 

 

 サスケニキが、自分の身体を見下ろす。 ん? あれ?

 

 

「……なあ。俺、今、どこにいる?」

 

「何を言っている、社長。お前はそこに――」

 

 

 ヨロイニキが言いかけて、言葉を失った。

 自分の身体が、無い。

 

 いや、正確には、『身体』はある。

 あるのだが。

 

 

「……私たち、くっついてませんか?」

 

 

 クロマニキが、恐る恐る呟いた。

 

 そう。三人の身体は巨大化の過程で、いつの間にか一つになっていた。

 

 巨大な胴体。

 巨大な腕。

 巨大な脚。

 

 そして、その上には三つのカボチャ。

 

 最上段には、忍者頭巾を被ったカボチャ。

 中段には、サムライの兜を被ったカボチャ。

 最下段には、魔法使いの三角帽子を被ったカボチャ。

 

 まるで、カボチャの塔である。三段アイスとも言う。

 ……いや、アイスに失礼だった。ゴメン。

 

 

「「「「…………」」」

 

 

 余りの事態に三人は、互いに沈黙する。するしかない。

 

 

「……社長」

 

「……なんだ、大将」

 

「……俺たち、合体したのか?」

 

「……そうらしいな」

 

「……なんで?」

 

「……知らん」

 

 

 クロマニキは、三段重ねになった自分たちの頭を見上げた。

 

 

「いや、待って下さい。巨大化は分かる。いや、分かりたくはないですが、まだ分かります。ですが、なぜ合体!? なぜ三人の頭が縦に並ぶんです!? しかも、私が一番下なのは本当に何故!?」

 

「被り物の総面積順じゃないか?」

 

「そんな理由で私たちの位置が決まってたまりますか!!」

 

「そもそも、誰が一番上なんだよ!? 社長か!? お前、今、俺たちの頭の上にいるんだぞ!!」

 

「知らねぇよ!! 俺だって好きで一番上にいるわけじゃぬぇ!!」

 

「私は一番下ですよ!? 視界が悪くて見えづらいんですよ!?」

 

「いや、先生は一番下だから一番地面が見えるだろ!!」

 

「そういう問題じゃなぃぃぃいいいい!!」

 

 

 三つのカボチャ頭が、ぎゃあぎゃあと騒ぎ始めた。ある意味いつも通りである。

 その光景を見上げていた黒死ネキは、満足げに頷いた。

 

 

「うむ。実にハロウィンらしい姿になったな」

 

「「「どこが!?」」」

 

「ハロウィンの時期に街中を歩いていたら良く見るだろ? 何故か三段重ねになっているジャック・オー・ランタンを。これも風物詩と言うものだ」

 

「そういう問題じゃねえ!!」

 

 

 一方、幼女ネキも、巨大怪人を見上げて目を輝かせていた。

 

 

「あははははは!! いや凄いな、これ!! 特撮の怪人の巨大化をリアルでやるとこうなるのか!! いやぁ、感心感心!!」

 

「感心してないで助けてくれ!」

 

「いや、でも、怪人が巨大化するのはお約束だろう?」

 

「お約束を実現するために、俺たちの身体を一つにする必要はなかっただろ!!」

 

「細かい事を気にするな!!」

 

「「「だから、細かくねぇよ!!」」」

 

 

 そして、子供たちは、巨大怪人を見上げて大はしゃぎだ。

 

 

「すごーい!! 本当に大きくなった!!」

 

「カボチャが三つある!!」

 

「怪人が合体したんだ!!」

 

「光のお姉ちゃん、がんばってー!!」

 

「やみのお姉ちゃんもー!!」

 

 

 幼女ネキは、子供たちに向かって力強く頷いた。

 

 

「よし!! みんな、少し離れていてくれ!! ここからは巨大怪人との決戦だ!!」

 

「「「「「わあああああああぁぁっ!!」」」」」

 

 

 子供たちから、これまででも最高潮の大歓声が上がる。

 そんな子供たちの声を受け、黒死ネキは宣言する。

 

 

「さて。これだけ大きくなってしまったからには、少々場所を移す必要があるな」

 

「……場所?」

 

「何だと?」

 

 

 巨大怪人が首を傾げ、幼女ネキがいぶかしむ。

 しかし誰何する間もなく、黒死ネキが指を鳴らした次の瞬間、会場全体に巨大な黒い魔法陣が展開される。

 これは黒死ネキによる演出だった。実際には、前触れもなく発動させる事など容易い。

 

 

「【永劫輪廻・交叉廻廊(えいえんのこうさてん)】」*3

 

 

 世界が、裏返った。

 

 

 

 


 

 

 

 

 空が、一瞬で暗転した。

 夕暮れの色が消え、境内を照らしていた明かりが遠のく。

 まるで世界そのものが切り替わったかのように、頭上には深い夜空が広がっている。

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 そして、その空には、余りにも巨大で青白い満月が浮かんでいる。

 その月光が地を照らし、黒い回廊の輪郭をさらに幻想的に浮かび上がらせる。

 

 

 子供たちは、一瞬、呆然と空を見上げ───

 

 

「「「「「……え?」」」」」

 

 

 ───次の瞬間───

 

 

「スゴーイ!! いきなり夜になった!!」

 

「あれってチヘイセンって言うんだよね? ボク知ってるんだ!!」

 

「見て見て! 月がすっごく大きいよ!!」

 

「カッコイイー!!」

 

 

 ───大はしゃぎだった。

 

 

 突然の夜空。

 巨大な満月。

 その下で対峙する、巨大な怪人と二人のヒロイン。

 

 まるで、特撮番組のクライマックスそのものだ。

 

 

「これもヒーローショーなの!?」

 

「すごい!! 本物みたい!!」

 

「こんなハロウィン、初めて!!」

 

 

 歓声がさらに大きくなる。

 そして、子供たちの歓声をよそに幼女ネキは、黒死ネキへ視線を向けた。

 

 

「……黒死ネキ、これも演出にするつもりだったのか?」

 

「さて、何の事だろうな?」

 

 黒死ネキは、いつもの悪い笑みを浮かべていた。

 もちろん、異界を展開した本来の目的は、巨大戦を現実世界から隔離するためだ。

 巨大な身体がぶつかり合えば、地面も建物も無事では済まない。

 ならば、別の場所へ移せば良い。

 ただ、それだけの事だった。

 

 ……なのだが? 

 

 

「……黒死ネキも相変わらずだな。まったく……後で覚えておけよ?」

 

「おやおや、それは実に楽しみな事だな」

 

 

 ともあれ、子供たちがこれほど喜んでいるのなら、わざわざ水を差す必要もない。

 ヒロイン二人は、巨大な月を背に、宣言する。

 巨大怪人も絶叫する。困惑と絶望で。

 

 

「「さあ、祭りの続きといこうじゃないか!!」」

 

「「「ハロウィ~~~ン!!!???」」」

 

 

 現世から隔離された異界にて、このヒーローショーを盛り上げるための最後の一押しが始まろうとしていた。

 そもそも、怪人が巨大化するのがお約束ならば、ヒーロー側も様々な手段で対抗するのも、またお約束だ。

 巨大合体ロボに始まり、巨大な幻獣や精霊、基地そのものが巨大な戦力となるのが王道の展開だろう。

 だが、それは所謂『戦隊もの』のお約束であり、本日のヒロイン二人は『ウルトラヒロイン』だ。

 

 すなわち───

 

 

「良し!! それじゃあ、私たちも巨大化して戦わせてもらうぞ!!」

 

 

───〝自前で巨大化する〟と言う、これもまた王道のパターンである。

 

 

「お姉ちゃんたちも、おっきくなるの!?」

 

「すごーい!! 本当のウルトラヒロインになるんだ!?」

 

「かっこいい!! 見たい、見たい!!」

 

 その宣言を聞いた子供たちは、さらに大きな声で応援した。

 

 

「そうだな…… 折角だから、私たちもこれを食べてみるか?」

 

「ほう? それも面白そうだな」

 

 

 二人は本来、自前のスキルや権能で巨大化できる。

 本来予定していたヒーローショーは、自分たちが子供たちの前で巨大化して見せるお遊びの筈だったのである。

 わざわざ【EAT ME ケーキ】に頼る必要などないし、何なら変身アイテムとかも必要ない。

 

 しかし、三馬鹿ラスを巨大化させた手口や、手元に残った【EAT ME ケーキ】、この場の雰囲気やその場のノリ。

 これらを総じて見れば、『自分たちもケーキを食べて巨大化』と言う方向に行くのも、子供受けが良さそうだ。

 それに、なんだかんだと『不思議の国のアリス』由来のお菓子とか食べてみたいし。

 

 幼女ネキの提案に、黒死ネキも同意見だとばかりに楽しげに頷いた。

 そして、二人はケーキを口に運ぶ。あ、結構美味いなこれ。また作っても良いかもしれない。

 

 

───ピュイィィィィンッ!!───

 

 

 そして、ハロウィン3ちゃんズが「ズモモモモッ!!」的な擬音で巨大化していったのに対して、ヒロイン二人はまさにヒーローの変身シーンの神秘的、かつ、カッコいいエフェクトと効果音と共に巨大化していく。

 これが魔法少女ものなら変身バンクが1分近くある仕様だったに違いない。

 差別? 何それ? 格差? そうだよ?

 

 そして生み出されたのは、月光の下、巨大な怪人と、白と黒の巨大なヒロインが並び立つ光景。

 その姿は、子供たちの目に、まさしく夢のような光景として映った。

 

 

「すごい……!!」

 

「大きい……!!」

 

「がんばれー!! 光のお姉ちゃん!!」

 

「やみのお姉ちゃんもー!!」

 

 

 こうして、巨大ハロウィンワルドと二人の巨大ヒロインによる、前代未聞の大決戦が始まった。

 

 

 

 


 

 

 

 

「「「こうなりゃヤケだーーー!! ハロウィ~~~~ン!!!!!!」」」

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 そんな雄叫びと共に、巨大怪人がヒロインたちへ向かって一歩踏み出す。

 それだけで地面が震え、轟音が異界の地に響き渡る。

 

 

「「「うおおおおおっ!!!!!!」」」

 

「さぁ来い!! 正面から受けて立ってやるぞ!!」

 

 

 三段重ねのカボチャ頭が揃って雄叫びを上げ、幼女ネキが啖呵を切る。

 そして、怪人の巨大な拳が唸りを上げて振り下ろされた。

 

 幼女ネキは、真正面からその拳を受け止めると、〝ずしん〟、と凄まじい衝撃が周囲に走った。

 両足が地面にめり込み、周囲に亀裂が広がる。

 

 

「むっ……!! 中々重いな!!」

 

「そりゃあ、こっちは巨大怪人だからな!!」

 

 

 人間換算なら2m以上の怪人が、小学校低学年の女児に伸し掛かろうとしている光景。

 普通なら事案であるが、これはヒーローショー(ウルトラマン系の実寸大)であり、その大迫力の光景に子供たちは大興奮だ。

 

 最初こそ「巨大化とか勘弁してくれ」と消極的だった三馬鹿ラスも、徐々に常ならぬ展開に興奮を覚えてきている。

 

 しかし───

 

 

「社長、右だ!! 右!!」

 

「おう!! ……って、右ってどっちだよ!?」

 

「お前から見て右だよ!!」

 

「三人で身体が一つなのに、どうやって『俺の右』を判断しろってんだよ!?」

 

 

 ───巨大怪人が身を捻るも、三人の意思が揃わない。

 

 直進だけなら迷う必要はない。まっすぐ行けば良いだけだ。

 しかし、上下左右の動きが加わると、身体は一つなのに頭が三つという状況は、思った以上に厄介だった。

 自分の身体がどちらを向いているのか、頭ごとに感覚が食い違ってしまうのだ。

 

 忍者が身軽に動こうとすれば、サムライが踏ん張る。

 サムライが剣を振ろうとすれば、魔法使いが魔法を唱え始める。

 魔法使いが呪文を唱えている最中に、忍者が勝手に飛び上がろうとする。

 

 

「ちょっと待って下さい!! 今、私が術式を組んでいるんですよ!?」

 

「知らんっ!! 好機があれば逃さず攻めるんだよ!!」

 

「いや、その結果、俺たちが転ぶんだよっ!! ……って、うぉぉぉぉおおおお!?」

 

 

 巨大怪人が、盛大に足をもつれさせてスっ転び、〝ずしん〟と地面が揺れる。

 そして、幼女ネキが、その隙を見逃すはずもない。

 

 

「そこだぁっ!!」

 

 

───ドゴォオオオオッ!!───

 

 

「「「ぐおおおおおおっ!? まだまだぁあああああ!!!!!」」」

 

 

 巨大な幼女の蹴りが、怪人の胴体に叩き込まれ、三段重ねのカボチャ頭が揃って揺れた。

 

 

「あははははは、良い根性じゃないか。さて、私もそろそろ混ぜてもらおうか」

 

 

 それでも根性で立ち上がる巨大怪人を楽し気に眺めながら、黒死ネキも本格的に参戦する。

 

 闇の魔弾*4が飛び、巨大怪人の足元で弾ける。

 黒い鎖*5が巨大怪人の腕に絡みつき、動きを封じる。

 

 

「さあ、どんどん行くぞ!! お前たちも遠慮なくかかって来るが良い!!」

 

 

 更に幼女ネキの追撃の拳が、打ち込まれる。

 巨大な身体がぶつかり合うたびに、空気が震え、月光の下に衝撃が広がり、巨大なヒロインと怪人がその場に居るのだと言う最高の臨場感を演出する。

 

 

「「「─────────!!!!」」」

 

 

 それを見る子供たちのテンションは既に振り切れている。

 あらん限りの声を張り上げ、ヒロインへ声援を送り、同じくらい怪人へも応援を送る。

 既に喉を嗄らしているにも関わらず、両手を大きく振り回して飛び跳ねている子供もいる。この子には後で喉飴を舐めさせよう。 

 

 

 

 


 

 

 

 

 巨大な月の下、三段重ねのカボチャ頭を持つ怪人と、二人の巨大ヒロインの激突は続く。

 

 最初こそ連携が噛み合わず、盛大に転んでいたハロウィン3ちゃんズだったが、何度も攻撃を繰り出すうちに、少しずつ互いの動きを理解し始めていた。

 

 

「社長、次は俺が踏み込む!! 合わせろ!!」

 

「おう!! 大将、右腕を前に出せ!! 先生、魔法の準備だ!!」

 

「了解!! 今度こそ、三人の力を一つにしますよ!!」

 

 

 忍者が敵の動きを読み、侍が巨大な拳を振りかぶり、魔法使いがその腕へ魔力を集中させる。

 先ほどまでの無様な連携が嘘のように、三人の動きが一つになっていく。

 

 

「おっ……!?」

 

「ほう。ようやく息が合ってきたか」

 

 

 幼女ネキが目を見開き、黒死ネキも楽しげに口元を吊り上げる。

 

 

「行くぞ、お前ら!!」

 

「おう!!」

 

「はい!!」

 

 

 三つのカボチャ頭が、同時に雄叫びを上げた。

 

 

「「「これが俺たちの必殺技だぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」

 

 

 巨大な怪人の全身に、三人の力が集束する。

 忍者の俊敏さが攻撃の軌道を定め、侍の剛力がその一撃に破壊力を与え、魔法使いの術式が三人の力を一つに束ねる。

 

 

「「「ハロウィン・トリニティィィィ・ブレイカァァァァァッ!!!!!!」」」

 

「「中二病!?」」

 

 

 三人の渾身の必殺技が、二人のヒロインへ向けて放たれた。

 二人のヒロインからも、そのネーミングセンスに思わずツッコミが放たれた。

 

 とは言え、その一撃は単純な力任せではない。

 三人が互いの役割を理解し、初めて完全に連携して放った、正真正銘の渾身の必殺技だった。

 巨大化している事も相まって、真面目にレベル40程度の悪魔なら即死は間違いないだろう一撃だ。

 

 ───ドゴォォォォオオオオオン!!───

 

 

 轟音!! 衝撃波!!

 そして巨大な爆煙が、月明かりの異界を覆い尽くした。

 吹き荒れる爆風に、黒い回廊が震える。

 

 

「「「やったか!?」」」

 

 

 ……いや、言ってしまった。

 あまりにもお約束な台詞を。

 

 そして、会場で見守っていた子供たちも、爆発の向こう側を見つめていた。

 

 

「お姉ちゃんたち、大丈夫なの!?」

 

 

 心配そうな声が響く。

 

 だが、そんな心配など無用とでも言うかのように、爆煙の中心から二つの影がゆっくりと姿を現す。

 

 白と黒。

 光と闇。

 

 二人の巨大ヒロインは、まったくの無傷だった。

 何なら、楽しそうな、愉快そうな、そんな笑みすら浮かべている。

 

 それを見た三段重ねのカボチャ頭が、揃って愕然とする。

 

 

「……嘘だろ? いや、知ってたけど」

 

「今の、まともに入ったはずですよね……?」

 

「おいおい。俺たち、今のは結構良い感じだっただろ……? 空気読んでくれよ?」

 

 

 一方、幼女ネキは、感心したように頷く。

 

 

「うん!! 今のは良かったぞ!! 三人の連携も、威力も、申し分なかったしな!!」

 

「じゃあ、何で効いてないんだよ!?」

 

「それはそれ、これはこれだ!!」

 

「「「理不尽だぁぁぁぁぁ!!」」」

 

 

 その叫びを聞き流し、黒死ネキは悠然と一歩前へ出た。

 

 

「三人の力を一つに束ねた、実に良い一撃だったぞ。これは世辞ではなく本当にな。お前たちはこう言う遊びになると、いつも予想を超えた面白さを提供してくれるな。ああ、実に面白い」

 

 

 その口元には、いつもの不敵な笑みが浮かんでいる。

 

 

「ならば、こちらもとっておきの必殺技でお返ししようじゃないか」

 

「「「……え?」」」

 

 

 三馬鹿ラスの声が重なった。

 嫌な予感がした。

 いや、もはや嫌な予感しかしなかった。

 

 そして、二人のヒロインが並び立つ。

 白い装甲を纏った幼女ネキと、黒い装甲を纏った黒死ネキ。

 二人は互いに目配せすると、それぞれ片腕を前方へと伸ばした。

 

 幼女ネキの手から、眩い光が溢れ出す。

 黒死ネキの手からは、深く禍々しい闇が立ち昇る。

 相反する二つのエネルギーが、二人の間で渦を巻き始めた。

 

 光と闇。

 白と黒。

 

 相容れぬはずの二つの力が、互いを拒絶する事なく、むしろ互いを求めるように絡み合っていく。

 やがて、二人の間に巨大なエネルギーの輪が生まれた。

 それは、光と闇が混ざり合った、巨大な『O』の形。

 輪の内側では白い輝きと黒い奔流が渦巻き、赤い閃光がその中心を駆け巡っている。

 

 

「……おい」

 

「……まさか」

 

「……ちょっと待って下さい」

 

 

 その光景を見た三馬鹿ラスの三つのカボチャ頭が、同時に硬直した。

 

 見覚えがある。

 この構え。

 この光景。

 

 そして、何よりも───

 

 

「「「それ、ティガとイーヴィルティガじゃないぃぃぃぃぃいいいいい!!」」」

 

 

 ───特撮好きの魂から絞り出された、悲痛な叫び。

 

 

 しかし、二人のヒロインはまるで気にしていなかった。

 

 幼女ネキが、いつもの調子で叫ぶ。

 

 

「何度も言うが、細かい事は気にするな!!」

 

 

 黒死ネキは、楽しげに笑った。

 

 

「光と闇は混ざるものだろう? さあ、祭りを思い切り楽しめ!!」

 

 

 そして二人は、同時に腕を振り抜いた。

 巨大なエネルギーの輪が、まるで内側から打ち破られるように弾け飛ぶ。

 

 そして、交差する二人の腕。

 光と闇が、互いの力を押し広げ、混ざり合い、一本の巨大な光線へと変わっていく。

 赤と黒を基調とした、凄まじい破壊力を秘めた光線。

 

 その名は───

 

 

「「【ゼットシウム光線】!!」」*6

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 ───ガチで光と闇がそなわった最強光線である。

 

 

 放たれた瞬間、異界そのものが震えた。

 光と闇が混ざり合った奔流が、巨大怪人へと一直線に突き進む。

 

───「「「ハロウィ~~ン!! どわぁぁ~~!!」」」───

 

 

 三馬鹿ラスの断末魔の叫び(二度目)は、光線の轟音に呑み込まれた。

 

 次の瞬間───

 

 

 ───ズガァァァァアアアアアアアン!!───

 

 

 ───大爆発。

 

 先ほどの必殺技を遥かに上回る閃光と爆炎が、巨大怪人の全身を包み込む。

 月明かりすら掻き消すほどの光が広がり、異界の地面が大きく揺れた。

 

 本来なら一人で放つこの光線技を、わざわざ二人の合体光線にアレンジする芸の細かさ。

 やはりこの二人の黒髪ロング前髪パッツン赤目ロリ、ノリノリである。

 

 

 

 


 

 

 

 

 そしてしばらくして、爆発の煙が晴れていく。

 そこにあったのは、もはや巨大怪人の姿ではなかった。

 

 ───シュルシュルシュル───

 

 三段重ねのカボチャ頭が縮み、巨大な身体が見る見るうちに小さくなっていく。

 

 巨大な腕が人間の腕へ。

 巨大な脚が人間の脚へ。

 

 そして、一つになっていた身体も、元の三人へと分かれていく。

 

 最後に残った煙が風に流されると、そこには地面に転がった三人の男子高校生がいた。

 

 サスケニキは、仰向け。

 ヨロイニキは、うつ伏せ。

 クロマニキは、またしても両手両足を広げて大の字になっている。

 

 三人とも、怪我らしい怪我はないが、全員が完全に気絶していた。

 その頭の上では、漫画のようなエフェクトで、ピヨピヨとヒヨコが回っているようにも見える。

 

 ……ハロウィン3ちゃんズ、撃沈。

 

 こうして、月夜の巨大ヒーローショーは、ひとまず幕を下ろしたのだった。

 

 

 

 


 

 

 

 

「やったー!! ヒーローの勝利だーー!!」

 

「お姉ちゃんたち、やっぱり最強ーー!!」

 

「怪人も頑張ったーー!!」

 

 

 子供たちの歓声が、夜空に響き渡る。

 子供たちにとって、目の前で繰り広げられた超常現象の数々は、ただただ楽しく、面白いヒーローショーだった。

 「楽しかった」「面白かった」。

 そんな素直な想いが、歓声となって会場いっぱいに広がっていく。

 

 

「さて――」

 

 

 そんな中、黒死ネキが口を開k───

 

 

「言わせないぞ!!」

 

 

───ガキィィィィイイイイン!!───

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 ───開こうとしたタイミングで、幼女ネキのハイキックが飛んだ。

 

 そして、黒死ネキは、それを事も無げに片手で受け止める。

 まるで、この不意打ちが飛んで来るのを予測していたかのように。

 

 

「おやおや。いきなり何をするんだ、幼女ネキ?」

 

「お前が何をしようとしているか、分かってるんだぞ!!」

 

「ほう?」

 

「怪人を倒したら、今度は光と闇のヒロイン対決!! そういう流れに持っていくつもりだっただろ!! と言うか、このパターン、何回目だ!?」

 

「あはははははは!! だが、光と闇は因縁の対決をするものだろう?」

 

「言ってろ確信犯めが!!」

 

「あ、それ、誤用だぞ?」

 

「やかましいわ!!」

 

 

 幼女ネキは、黒死ネキの手を振り払い、距離を取る。

 黒死ネキは、実に愉快そうに笑っている。

 

 もちろん、幼女ネキは黒死ネキが何を仕掛けたのかを分かっていた。

 

 黒死ネキの支配する異界、【永劫輪廻・交叉廻廊(えいえんのこうさてん)】。

 多くのルールを持つ異界だが、主である黒死ネキ以外にとって、その重要なルールは、ただ一つ。

 

 黒死ネキを人間が殺す。あるいは、黒死ネキが自殺しなければ、外へ出られない。

 

 この異界に招かれた───否、閉じ込められた者からすれば、黒死ネキとの殺し合いを強要されるのも同然のクソルールである。

 

 つまり───

 

 

「(やりやがった、この女郎!!)」

 

 

 ───故意犯*7である。

 

 幼女ネキは、笑顔のまま黒死ネキを睨みつけた。

 黒死ネキもまた、何食わぬ顔で幼女ネキへ微笑み返す。

 

 

「どうした? せっかくの祭りだ。子供たちに、もう一つくらい見せ場を作ってやろうじゃないか」

 

「……お前、ホントに後で覚えていろよ?」

 

「あははははははは!! それは楽しみだな!!」

 

 二人の間で、火花が散った。

 しかし、子供たちの目には、その様子すらも演出の一部に映っていた。

 

 

「すごい!! 今度は光のお姉ちゃんと、やみのお姉ちゃんが戦うんだ!?」

 

「どっちが勝つのかな!?」

 

「ぼく、やみのお姉ちゃんを応援する!!」

 

「わたしは光のお姉ちゃん!!」

 

「じゃあ、ぼくは両方!!」

 

 

 子供たちは、それぞれを、あるいは両方を応援する声を上げた。

 

 光と闇。

 

 対立しながらも、どちらも格好よく、どちらも魅力的なヒロイン。

 その二人が繰り広げる戦いは、子供たちにとって、まさに夢のようなイベントだった。

 そんな夢の様な時間は、まだまだ続くと分かったのだ。

 子供たちの楽しみも、まだまだ続いていく。

 

 幼女ネキは、そんな子供たちの声を聞いて、ふっと表情を和らげる。

 

 ……まあ、いい。

 今日のところは、祭りを楽しんでもらうのが先だ。

 

 ただし、後できっちりと話はつける!!

 

 そう決意した幼女ネキは、再び黒死ネキへと向き直った。

 

 

「それじゃあ、次は私たちの番と言う訳だな!?」

 

「おや。やる気になったかな?」

 

「ならいでか!!」

 

 

 二人は向かい合い、構えを取った。

 

 光が舞い、闇が躍る。

 拳が交わり、蹴りが空を切り、魔力が火花を散らす。

 

 子供たちは夢中になって声援を送り、祭りの会場は、最後まで大きな笑顔と歓声に包まれていた。

 

 その先に何が起きたのか。

 

 それは、また別のお話。

 

 

 

 

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「……で?」

 

「……で、とは?」

 

「いや、この間の事だよ」

 

 

 後日。

 部屋の机を囲んだ三人のDTDK(童貞男子高生)は、揃って深いため息をついていた。

 

 

「俺たち、何をした?」

 

 

 サスケニキは、机に突っ伏したまま呻いた。

 

 

「ハロウィンを楽しんだな」

 

 

 ヨロイニキが、真顔で答えた。

 

 

「……そうだな。ハロウィンを楽しんだな」

 

 

 サスケニキは、ゆっくりと顔を上げた。

 

 

「俺たちは、おガキ様たちに楽しんでもらいたかったんだよ。恥ずかしくて祭りに参加できないおガキ様たちに、ちょっとした勇気をあげたかっただけなんだよ」

 

「そうですね」

 

「それが、どうしてこうなった?」

 

「……分かりませんね」

 

 

 クロマニキが、深々とため息をついた。

 

 

「最初は、ただのコンセプト付きの仮想だった」

 

「だな」

 

「悪いことをしない怪人になろう、って話だった」

 

「ですね」

 

「なのに、ヒーローショーでヒロイン二人と戦わされて、ぶっ飛ばされて、巨大化させられて、三人で一つの身体に合体させられて、異界に連れ込まれて、二人の巨大ヒロインにボコボコにされて、最後にはまた合体光線でぶっ飛ばされたな……」

 

 

 自分たちの身に降りかかった理不尽を、しみじみと思い返すように語るサスケニキ。

 並べてみると本当に意味不明の理不尽さだ。

 

 

「……なあ、これ、俺たちが悪いのか?」

 

「……いや」

 

 

 ヨロイニキは、腕を組んで考え込んだ。

 

 

「少なくとも、巨大化と合体は俺たちの意思じゃない」

 

「だよな!?」

 

「異界に連れ込まれたのも、私たちの意思じゃないですね」

 

「そうだよなぁ!?」

 

「「「………………」」」

 

 

 三人は、しばらく黙り込んだ。

 今回の一件は、普段と比べても自分たちの責任比率が低いため、理不尽さもひとしおだ。

 

 そして、しばらくの沈黙の後、クロマニキがぽつりと呟いた。

 

 

「……でも、おガキ様たちは楽しそうでしたよね」

 

「……ああ」

 

「……うん」

 

 

 それは、確かにそうだった。

 子供たちは大いに笑って、歓声を上げていた。

 

 ハロウィン3ちゃんズの渡したカボチャのお面を被って、恥ずかしそうにしながらも、友達の輪に入っていった子供たちもいた。

 

 即席ヒーローショーでのヒロインたちとの理不尽バトルでも、最初から最後まで子供たちは笑顔だった。

 

 あの光景が見られたのなら、先日の苦労にも意味があったのかもしれない。

 

 

「……まあ、おガキ様たちが楽しんでくれたなら、それで良いか」

 

「……そうだな」

 

「……そうですね」

 

 三人は、ようやく少しだけ笑った。

 

 その時だった。

 コンコン、と部屋の扉が叩かれた。

 

 

「あ、はい、どちら様?」

 

「失礼します。皆さんに、お届け物です」

 

 

 配達員が、両手に抱えきれないほどの封筒を持って立っていた。

 

 

「……何ですか、それ?」

 

「子供たちからのお手紙です。先日のハロウィンに参加した子たちが、皆さんに渡したいと」

 

「「「…………え?」」」

 

 

 三人は、顔を見合わせた。

 

 配達員が机の上に封筒を置いていく。

 

 一つ。

 二つ。

 三つ。

 

 封筒は、次々と積み重なっていき、あっという間に机の上に山ができる。

 いや、山というより、もはや小さな丘だった。

 

 

「……多くない?」

 

 

 サスケニキが、思わず呟いた。

 

 

「多いですね」

 

 

 配達員は、にこやかに頷いた。

 

 

「皆さんが配ったカボチャのお面について、お礼を言いたいという子が沢山いまして」

 

「俺たちの配った、あのお面?」

 

「はい。『勇気の証』でしたっけ? あのお面のおかげで、初めてハロウィンに参加出来たと言う子もいるそうですよ」

 

「「「…………」」」

 

 

 そして、配達員が帰った後も、三人はしばらく動けなかった。

 やがて、サスケニキが一番上の封筒を手に取った。

 そこには、たどたどしい文字で、こう書かれていた。

 

『かぼちゃのおめん、ありがとう!』

 

 別の封筒を開く。

 中から出てきたのは、色鉛筆で描かれた一枚の絵だった。

 

 大きなカボチャの頭を持つ怪人が三人。

 その前には、白いヒロインと黒いヒロインが立っている。

 絵の怪人は、三つの頭が縦に並んでいた。

 

 

「おい。俺たち、こんな姿で描かれてるぞ」

 

「よく覚えてるよな」

 

「忘れたくても忘れられませんよ」

 

 

 クロマニキの言葉に、他の二人も苦笑する。

 けれど、絵の隅に書かれた文字を読んだとき、その笑みが少しだけ変わった。

 

『ぼくは、はずかしくて、いつもハロウィンにさんかできませんでした。でも、かぼちゃのおめんをもらって、ゆうきをだせました。こんどは、ぼくもみんなといっしょにさんかします。ありがとう!!』

 

 

「「「…………」」」

 

 サスケニキは、手紙を持ったまま黙り込んだ。

 

 ヨロイニキが、別の封筒を開く。

 

『おめんをありがとう。ともだちといっしょにおかしをもらいにいけました!』

 

 クロマニキも、別の一通を手に取った。

 

『かいじんさん、かっこよかったです!! またきてね!!』

 

 さらに、別の手紙には……

 

『こんどは、ぼくもかいじんになりたいです!!』

 

 ……

 

 ……

 

 ……

 

 

「……ははっ」

 

 

 サスケニキが、小さく笑った。

 

 

「……はははっ」

 

 

 ヨロイニキも、顔を綻ばせた。

 

 

「……何ですか。あんなに騒いでたのに」

 

 

 クロマニキは、目元を指で押さえながら笑った。

 

 

「俺たち、間違ってなかったんだな」

 

「……ああ」

 

「……ええ」

 

 

 三人は、もう一度、手紙を見つめた。

 

 子供たちが描いた、歪んだカボチャ。

 不格好なヒロイン。

 曲がった文字。

 ところどころ、読めない言葉。

 

 けれど、その一つ一つに、子供たちの気持ちが詰まっていた。

 

 彼らは、子供たちに勇気を渡したかった。

 そのために、少しばかり悪ふざけをした。

 

 その結果、散々な目に遭った。

 ……いや、本当に、散々な目に遭った。

 

 だが。

 

 

「……来年も、やるか?」

 

 

 ヨロイニキが、ぽつりと呟いた。

 

 

「……そうですねぇ」

 

 

 クロマニキが頷く。

 

 

「もちろん、今度は巨大化はなしだ!!」

 

「合体もなし!!」

 

「異界送りもなしです!!」

 

「ヒロインとのヒーローショーも、出来ればなし!!」

 

「……それは、俺たちが決められる事なのか?」

 

「「「…………」」」

 

 

 三人は、揃って遠い目をした。

 それでも、手紙を手にした顔には、確かな笑みが浮かんでいた。

 

 そのとき、再び部屋の扉がコンコンと叩かれた。

 

 

「また? はい、どちら様?」

 

「失礼します。こちらも、皆さん宛てのお届け物です」

 

 

 先ほどの配達員が大きな箱を抱えて立っていた。

 

 

「……また何か来たぞ」

 

 

 サスケニキが警戒心を露わにする。

 

 

「結構でかい箱だな?」

 

 

 ヨロイニキが訝しげな目で箱を見る。

 

 

「誰からですか?」

 

 

 クロマニキが尋ねた。

 

 

「幼女ネキさんと黒死ネキさんからです」

 

「「「…………」」」

 

 

 三人の顔から、すっと表情が消えた。

 送り主の欄には、確かに二人の名前が記されていた。

 

 嫌な予感しかしない。

 それでも、恐る恐る蓋を開ける。

 

 中に入っていたのは、大きなケーキだった。

 

 白いクリーム。

 鮮やかな果物。

 そして、中央には───

 

 

『EAT ME』

 

 

 ───と書かれたプレートが乗っていた。

 

 

「「「…………」」」

 

 

 しばらく、誰も口を開かなかった。

 

 

「……おい」

 

「……まさか」

 

「……また、あれですか?」

 

 

 サスケニキが、ケーキを指差す。

 

 

「これ、食べたら巨大化するんじゃないだろうな?」

 

 

 もちろん、箱の中に説明書はない。

 ただ、二人の名前が書かれたカードが添えられていた。

 

『先日はご苦労だったな。子供たちにも楽しんでもらえたようで何よりだ。

 ささやかながら、このケーキは私たちからの礼だ。

 また機会があれば、祭りを盛り上げてくれ。

 ――幼女ネキ、黒死ネキ』

 

 

「……これ、謝罪文でもお礼状って訳でもないよな?」

 

「違うな」

 

「……労いの言葉ではあるんでしょうけど……」

 

 

 三人は、ケーキを見つめた。

 

 今日の事を思い出す。

 必殺技で撃破され、ようやく生き延びたと安堵したのも束の間、巨大化を期待され、カボチャを装着され、三人合体の巨大怪人にされ、異界に隔離され、二人の巨大ヒロインに散々な目に遭わされた。

 

 そして、今、目の前には『EAT ME』と書かれたケーキがある。

 

 

「……これ、食べるか?」

 

「……食べないと言う選択肢もあるっちゃあるか?」

 

「でも、あの二人からの贈り物ですよ? 食べなかったと知れたら……」

 

「……毒とか呪いとか、入ってないだろうな?」

 

「入ってたら、もうどうしようもないだろ……」

 

 

 三人は、散々警戒した末、ケーキを切り分けた。

 そして、恐る恐る一口、口に運ぶ。

 

 

「「「──────!?」」」

 

 

 その瞬間、三人の味覚に衝撃が走った。

 警戒も、不信も、ヒーローショーでの理不尽さも忘れさせるほどの、圧倒的な美味さ。

 それは、三人の予想を遥かに超える逸品だった。

 

 

「「「───何これ、美味っ!?」」」

 

 三人の声が、揃って響いた。

 

 しっとりとしたスポンジ。

 甘さを抑えたクリーム。

 果物の酸味と香りが、口の中いっぱいに広がる。

 

 見た目こそ怪しげな【EAT ME ケーキ】だが、味は驚くほど本格的だった。

 

 

「えっ、何これ!? めちゃくちゃ美味いんだけど!?」

 

「クリームの甘さが絶妙だ……!!」

 

「スポンジも最高の出来です!! これ、どこのお店のですか!?」

 

 

 三人は、あっという間に一切れ目を食べ終え、二切れ目へと手を伸ばす。

 その美味しさに、先ほどまでの警戒心も、あっさりと消えていく。

 

 

「美味いな」

 

「ああ、美味い」

 

「ええ、美味いです」

 

 

 しばらく、三人は夢中でケーキを食べ続けた。

 

 今まで食べたケーキの中で、いや、全ての食事の中で最も美味いケーキだ。

 そして、机の上には、子供たちから届いた手紙が山のように積まれている。

 

 ひどい目に遭った。

 それは間違いない。

 

 けれど、子供たちは喜んでくれた。

 手紙も、こんなにたくさん届いた。

 そして、今、目の前のケーキはとびきり美味しい。

 

 

「……なあ」

 

 

 サスケニキが、フォークを持ったまま呟いた。

 

 

「今年のハロウィン、結局、得したのか損したのか分からんな」

 

「だよな」

 

「そうですね」

 

 

 三人は、顔を見合わせ、そして、同時に笑った。

 

 少なくとも、今年のハロウィンは、忘れられない一日になった。

 

 子供たちが笑ってくれた事。

 手紙をくれた事。

 そして、あの三段重ねのカボチャ頭。

 

 ……最後の一つは、出来れば忘れたい。

 

 

「改めて聞くけどよ? 来年もやるのか?」

 

 

 ヨロイニキのその言葉に、三人は顔を見合わせた。

 

 

「……やるよな?」

 

「……やるだろ」

 

「……やりますね」

 

 

 三者三様の苦笑交じりの言葉。

 その表情は、どこか楽しそうだった。

 

 祭りとは、子供たちが笑って参加出来るものであるべきだ。

 誰かが勇気を出して、輪の中へ踏み出せるように。

 誰かが一人ぼっちにならず、みんなと一緒に笑えるように。

 

 そのために、少しくらい奇妙な怪人がいたって良いだろう。

 

 多少、巨大化しても良い。

 多少、合体しても良い。

 多少、異界送りにされても良い。

 

 ……いや、良いか?

 

 それでも、子供たちが笑ってくれるなら、三馬鹿ラス(この馬鹿ども)は、きっと懲りずに皆を笑わせに来るだろう。

 

 なお、自分たちが食べたケーキの原価が、自分たちの年収よりも高額だったと彼らが知るのは、幼女ネキと黒死ネキにケーキについて話を聞いた、翌日の事であった。

 その時の三馬鹿ラスのリアクションも、光と闇のヒロイン二人を大層楽しませる事になるのだが、それはまた別の話である。

 

 

 

 

 

*1:
なお、中身は暗黒魔術で適当に作った【ムドダイン】相当の特級呪霊だった。

*2:
メンバーは幼女ネキ、脳缶ニキ、カス子ネキの問題児三人組。

*3:
黒死ネキがニャルから簒奪して我が物とした多機能高性能異界。

【変化】【擬態】【隠蔽】【偽装】【閉鎖】【循環】の概念を内包した、MAGと情報の循環保全を主目的とした外付けHDD的な代物。

この異界から脱出するための条件は、『黒死ネキを人間が殺す事』『黒死ネキが自殺する事』のどちらか。

主な使用方法は、異界に閉じ込めた相手に黒死ネキとの殺し合いを強要する事。

*4:
【エイハ】のグミ撃ち。

*5:
【シバブー】の形状変化。

*6:
2016年放送の特撮番組『ウルトラマンオーブ』に登場する、ウルトラマンオーブ サンダーブレスターの必殺技。

ゾフィーの【Z光線】の「Z(ゼット)」と、ウルトラマンベリアルの【デスシウム光線】の「シウム」を組み合わせた名称。

ガチで光と闇がそなわった最強光線。

*7:
この場合、この表現が正しい。




 
 お読みいただき、ありがとうございます。

 これにて今年のハロウィン回は終了になります。
 良し、今年は10月中に書き終わったぞ!! その③をちょこちょこ描き直してたら、いつの間にか文字数が増量しまくったり新規挿絵が増えたりしたけど、誤差だよな!!
 本文合計4万4千文字とか言う、普通に中編になっちゃったのは三馬鹿ラスを話題にあげると勝手に文字数増えるからであって、私は悪くぬぇ!!

 今回の話は、元はと言えば画像生成で色んなお遊びイラストを作ってたら、「ウルトラヒロインになった幼女ネキや黒死ネキを披露したい」みたいなところから始まりました。
 で、そこからハロウィンとか三馬鹿ラスとか、芋づる式に繋がって来て、気付くとこんな感じの話になってましたw
 「ここに三馬鹿ラスを投入したら、どうなるか?」で話作ってたら、割と勝手に話の方から出来上がると言う不思議。



 今回の話の設定とか

・ハロウィンワルドについて
 ハロウィンモチーフの三馬鹿ラスが扮装しそうな怪人いたっけ? → おるやん → 決定
 マジでこんなノリw

・巨大ハロウィンワルド

【挿絵表示】

 基礎画像は作ってるんですよね。見よ、このカボチャの三段重ねw
 元ネタの戦隊ものだと、巨大化時は全然デザイン違いますが、今回は分かりやすさ優先。
 完全にノリと勢いで巨大化させた挙句、何故か三位一体になって貰った。
 ハロウィンの時期の街中でよく見かける、三段重ねのカボチャって何で重なってるんだろうね?

・EAT ME ケーキ
 元ネタは『不思議の国のアリス』の、食べると体の大きくなるお菓子。
 今回、三馬鹿ラスを巨大化させる理由付けに使用。
 ボツネタとして『探求ネキのご都合開発アイテム』『アリスニキネキの試作品』とかを経て、「幼女ネキいるし、『創造(つく)って遊ぼ』由来にするか。Gストーンとかに比べりゃ普通にあり得るだろ」的なノリで決定。
 EDで三馬鹿ラスに送ったのは、味だけ再現したレプリカ。なお、材料はエフィネキのミルクと深層素材各種。調理は黒死ネキと幼女ネキの合作。
 何気に三馬鹿ラスは、美少女二人の手作りケーキを知らずに食べていた事になるが、微妙に羨ましくないw
 深層素材も普通に含まれているので、大きめのホールケーキ一個分で三馬鹿ラスの年収以上のお値段。

・黒死ネキに【アリス】要素?
 この死神系を極めたみたいなキャラが、アンソロ時空で【アリス】になれない訳ないよなぁ、と言うメタ発想。【魔装術】もあるし、普通に【アリス】の格好になってそう。

【挿絵表示】

 その場合、こんな感じになってた。
 今回の話のボツネタの一つに「普通に【アリス】コスでハロウィンに参加する黒死ネキ」とかもあったのでw
 作っといてなんだが、完成度高すぎるイラストが生成されて作者もビビるw

・ゼットシウム光線
 元ネタ的にはゾフィーとベリアルの光と闇が一体となったヤベェ光線。
 暴走しそうになる右手の闇を、左手の光で押さえつけながら一緒に放つと言う裏設定がカッコイイ。
 今回はこれを、光と闇のヒロインの合体光線としてアレンジ。
 何でわざわざ? その②で普通の合体光線を披露したから、その③は別のを持って来ないとマンネリになるからですね(メタ
 完全に見栄え重視なので、衝撃と爆発エフェクトは派手だが、威力は三馬鹿ラスが気絶する程度。



・黒死ネキ(闇のウルトラヒロイン)
 計算高いタイプの享楽主義者。【永劫輪廻・交叉廻廊(えいえんのこうさてん)】の使い道がは、大体が〝強者との強制バトル〟。
 今回は……今回も、幼女ネキがその相手に。「またか」との事。
 自分都合で他を台無しにする訳ではなく、仕事も契約もキッチリ守った上で、自分が楽しめるように手を加えまくる悪癖がある。ついでとばかりに周りも一緒に楽しめる方向に持って行くから大きな声で文句が言い辛い。それを狙ってやる質の悪さが、まさにクソガキ。
 折角のハロウィンだし、と結構ノリノリで仮装とヒーローショーを演出して楽しんだ。
 三馬鹿ラスへのケーキは普通に報酬の代わり。自分的にもお気に入りのレシピ入りした。


・幼女ネキ(光のウルトラヒロイン)
 その場のノリと勢いで娯楽を娯楽として楽しむタイプ。
 黒死ネキに対しては「能力的には何の不安もないし信用しているが、人格や性格的には厄介すぎる奴」と思っている。残当。
 それはそれとして「光と闇は因縁の対決をするもの」と言うお約束自体は理解も納得もしているので、大きな反発もなくラストバトルには応じる。
 今回の三馬鹿ラスに思う所は特になく、その活動も「おお、中々やるじゃないか」と普通に感心している。
 その場のノリとは言え、子供たちを喜ばせるのに一役買った三馬鹿ラスには、普通に報酬として黒死ネキとの合作ケーキを送った。マジで何の裏もない。


・三馬鹿ラス(ハロウィンワルド)
 今回はマジで何も悪い事していない。していなくても、何か笑いの運命力に導かれてこうなるw
 今回の活動は「祭りに参加するのを躊躇っている子供の背中を押してやる事」。
 感想欄でもあったが、『町内の祭の青年部のにーちゃん』的な感じ。あるいはボランティアの高校生。
 黒死ネキと幼女ネキに、散々ヒーローショーの怪人として扱い倒されるが、子供たちが楽しそうだったし、めっちゃ盛り上がったし、まぁ、良いか。と一応は納得している。
 子供たちからの手紙には普通に感動していたし、黒死ネキと幼女ネキからのケーキは、割と本気で過去一美味かった。もし食べずに売ってたら? 50~60万マッカくらいで売れてたよ?



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