並行時空のフロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに初日突貫す〜   作:栗実成

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祝!リュカオーンの呪い回避!!


第十二話 小夜より露る禍根の化身 其の三 〜ガッチャが導くアンラック〜

 

宿屋のベッドで目を覚ました俺は、今一度ログを確認し、溜息を吐く。

 

「何が起きたんだ・・・・・・新手のバグか?」

 

神ゲーだろうとバグの一つや二つは仕方ないことだとは思うが、今回に限って言えば余りにも許し難いバグと言えるだろう。PKによる死ではなかったため、アイテムを落とさなかったことが唯一の救いか。

 

「この様子だと、レイドボスモンスターのスポーン位置が俺のいた座標と被ってしまったみたいだが・・・・・・召喚系のボスだったのだろうか」

 

思い浮かべるのはとあるクソゲーの記憶。

「さっくりサクリファイス」というゲームにて俺は訳あって生贄召喚によってボスモンスターを呼ぶことになったのだが、本来なら祭壇上の生贄の腹を突き破って出現するはずのボスがバグによって外にいた生贄の双子の妹から出現してしまい、一瞬にして村が全滅してしまったことがある。

 

「だとしたらアイツの仕業か・・・・・・?いや、アカウント同士の紐付けはしていないし、シャンフロではフレンドにもなっていないから違うかはず・・・・・・」

 

丁度宿屋にいることだし、ログアウトしてリアルの方で問い質すことも可能だが・・・・・・

 

「取り敢えず同じような報告がないか、ネットで検索をかけてみるか」

 

そう思い立ち、俺はシャンフロをログアウトする。

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

軽く晩飯を済ませ、先程の現象について調べようとした俺は、スマホに通知が入っていることに気づく。

 

「『人手足りん沼来い』って・・・・・・やっぱりアイツの仕業じゃねーか」

 

メッセージの打ち方から見るに、戦闘中に救援を送ったのだろう。アイツが戦力として救援を呼ぶってことはそれぐらいの敵・・・・・・夜襲のリュカオーンと戦闘しているのは確実だ。

 

最早ネット検索をかける必要もない。

『お前のせいかよはよ喰われろ』と軽く返事を送った俺は再びシャンフロにログインする。

 

 

 

目的地は沼荒野だが、目的は採掘の続きであり、リュカオーンと戦うわけではない・・・・・・いや、余裕があったら戦いたいのだが、ドゥーランスとの戦いで大半の武器は破壊されてしまい、致命の包丁もドゥーランスに投げつけた一振りはそのままロスト、残った方もいつ破損してもおかしくない。こんな状況で戦っても大したこともできずに死んでしまう。

 

沼での行動阻害を軽減するブーツを買ったついでに、武器屋にておっちゃんに致命の包丁の修理を依頼し、代用としてアイアンダガーを予備を含めて四振り購入。正直致命の包丁に比べると劣る点が多く使いづらいが、無いよりかは遥かにマシだ。

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

途中、リュカオーンと思わしき巨大な狼と数多くのプレイヤーが戦っているのを見かけたが、リュカオーンの一方的な虐殺になっており、対するプレイヤー側はリスポーン後すぐに戦線に復帰するゾンビ戦法を駆使して戦線を維持していた。

何人かは死なずに耐えていたが、どちらにせよ消耗が激しいことには変わらない。ゾンビゲーのゾンビとして参加するのは楽しそうだが、武器の新調で絶賛金欠中の俺は口惜しいがその場を後にした。

 

さて、沼での軽快な動きが可能となり、泥蛙も速攻で倒せるようになった俺は現在、街から遠く離れた場所で一人採掘に励んでいたのだが・・・・・・

 

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『沼棺の化石を手に入れた』

 

礫以外に用途の無さそうな石ころばかりが出てくる激渋十連ガチャとしての役割を終え、沼柱と呼ばれる岩のようなオブジェクトが崩れ去る。

 

次の沼柱に移動、採掘を始める。

 

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れた』

『石ころを手に入れ・・・・・・

 

「クソゲーぇぇえええええ!!!!!!」

 

「なにさけんでるの!あぶないわよ!」

 

なんでレイドを我慢してまでこんな乱数ゲーをしないといけないんだよ!!

ツルハシを一回振るだけでかなりのSTMを消費することもあって、一個掘るために数十秒は必要なんだが!?

 

「なんで神ゲーをやってまでクソゲチック(意:クソゲー的である様)なことをしなきゃならねぇんだよ!!!!」

 

「へんなこといってないでこっちにきなさい!!」

 

「折角体内のクソゲニウムがカミゲニウムで中和されていたというのに・・・・・・ん?」

 

人の声だろうか、振り返ってみると岩場の後ろに人影がおり、こちらに向けて手を振っている。

 

「のろまー!あほー!い・そ・い・で!!」

 

「お、おう・・・・・・」

 

そんなに俺を呼ぶなら自分から来ればいいものを・・・・・・そう考えながら俺は人影の方に向かう。

 

 

 

 

 

一応罠かも知れないのでアイアンダガーを装備したところ、人影が急に怯え出したので警戒を緩める。まだ数十メートルは距離あるぞ・・・・・・




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