並行時空のフロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに初日突貫す〜   作:栗実成

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新年明けましておめでとうございます!!!
今年もよろしくお願いします!!!!


第一章 逝き去る友に真心を込めて
第十六話 秒針は合わず、過ぎ去りし少女を見送る


 

一夜が明け、アラームを合図に夢の世界から舞い戻る。

 

「もう朝か・・・・・・ふぁあ、だっる」

 

二日前まで春休みだったこともあり、未だに学校を受け付けない身体に発破をかけて起床する。

 

 

 

「おはよう、母さん」

 

「おはよう楽郎、悪いけど涼羽がまだ寝ているから起こして来てくれない?」

 

我が家では全員が趣味人であり、基本的にお互いの趣味に対して寛容なのだが、反面お互いの趣味に関して疎い点が多い。

故に我が家では涼羽の対処は似た趣味を持つ俺の役割と決まっているのである。

 

てかまだ寝てんのか・・・・・・どうせ夜遅くまでシャンフロをしてたんだろうが、思い返すとゲーム内では一度も会っていないことに気づく。いやまああの時無理にでもリュカオーンの方に行っていれば会えてたのだろうが。

 

 

 

「おい涼羽、良い加減起きろ」

 

俺の部屋のすぐ隣、涼羽の部屋の扉の前でノックをして呼びかける。

 

「むにゃむにゃ・・・・・・びゃいじょーぶ、あとしゃんてちゅはいきぇるりょー」

 

夢の中での三徹は無効だろうと思いながらノックを強める。駄目だ全然起きる気がしない。

しかもアラームの音が聞こえないし、これは間違いなくかけ忘れて寝ていたな。

こうなってしまったらしょうがない。刻一刻と迫る登校時間(タイムリミット)の前で覚悟を決めた俺はスマホを起動、メッセージアプリを開き涼羽を選択、そして・・・・・・

 

ピロン

 

ピロン

ピロン

ピロンピロン

ピロンピロンピロンピロンピロン

ピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロン

 

怒涛のスタンプ連打(スタ連)、圧倒的物量による機械音の嵐が涼羽を襲う。

 

「だぁー!うるせー!」

 

突然の騒音により起床した涼羽が不機嫌な様子で扉を開けて俺に詰め寄る。

正直なところアラームをかけていなかったのは涼羽自身であって俺は何も悪くないのだが、朝っぱらから喧嘩するのも面倒だということで適当に受け流す。

 

「ペラペラペランコペラペランコ!って楽郎!聞いてる!?」

 

「そうだな。確かに今日は醤油の気分だ」

 

「聞いてねぇじゃねぇかぁ!!」

 

「二人とも朝からうっさい!!下まで聞こえてるんだけど!?」

 

「「・・・・・・すまん(ごめん)、瑠美」」

 

亭主関白ならぬ妹関白。

なんだかんだ兄妹の中で一番発言力のある妹には逆らえず、俺達は素直に食い下がる。

やっぱ収入があるのがでけぇわ。

 

・・・

 

・・・・・・

 

場所が変わって今は学校。

六十五分授業である我が校では三時間目の終了と共に昼休みに入る。

クラスが新しくなったこともあり、皆が新しい友と親睦を深めようとする中・・・・・・

 

「おーいらくろー!こっち来て飯食うぞー!」

 

涼羽が珍しく呼び掛けて来るので仕方なく昨日の余り物で構成された弁当を持って向かう。ええいそんな目で見るな、妹だよ妹。

 

 

 

 

 

「えーと、斎賀さん。迷惑だったら離れるけど・・・・・・」

 

「あっ!いえいえ!お気になさらず・・・・・・!」

 

連れられて来た裏庭のベンチには先客───去年同じクラスだった斎賀さんが座っていた。

恋愛ゲームだとこういった状況は攻略キャラの登場イベントに良くあるが・・・・・・いかんいかん、同級生を攻略キャラ呼ばわりは流石に申し訳ない。雰囲気からしてイイトコ出っぽい彼女はれっきとした真人間であり、三キロメートル先のピザの匂いを感知する超人ではないのだ。

 

「それで涼羽、なんで俺を呼んだんだよ」

 

「そりゃー勿論、シャンフロの話に決まってんでしょ」

 

勿論って・・・・・・確かに俺達二人が話す時は大抵ゲームの話だが、こんな深窓の令嬢様までゲームの話に巻き込む訳にはいかないだろう。

 

「というのも、玲ちゃんがシャンフロで手伝って欲しいことがあるらしくてね」

 

「玲ちゃん」・・・・・・って斎賀さんのことか。

てかまさかこんなお嬢様もシャンフロをやっていたとは・・・・・・いや逆か?尊い血の持ち主だからこそ神ゲーたるシャンフロを・・・・・・駄目だ、そしたら涼羽がお貴族様になってしまう。こんなドス汚い外道にはそんなもの似合わない。

 

「シャンフロってのは貧富の垣根すら越えてプレイされているわけだ・・・・・・」

 

「・・・・・・?」

 

「おいゴラ楽郎それってどーゆー意味だぁ!!」

 

おっと口に出ていたようだ、幸いにも斎賀さんは理解していない様子であり、涼羽はと言うと言葉の意味を曲解して俺に突っかかってきた。いや確かにそういう受け取り方もできるなと後になって思ったが、お前そこまで突っかかる程無いわけではないだろ!いや相場がどういったものなのかは知らないけどな!?おい待て耳を引っ張るな耳を!やめろ福耳になる!!

 

 

 

「あの・・・・・・大丈夫、ですか?」

 

「あー、うん。大丈夫大丈夫、ちょっとLUCが上がっただけだから」

 

「はぁ・・・・・・」

 

困惑する斎賀さん。不味い選択肢ミスったか!?シャンフロやってるってことでついゲーム用語が口走ってしまったがピザゲ「らくろー、ピザから戻ってこーい」

 

「ハッ!火曜は河原の掃除の日!」

 

早めに来て河原から大きな石を取り除かないとランニングに来たヒロインの一人がピザ釜を作ってしまうからな・・・・・・

 

「駄目だこりゃ 向かった川は 三途だよ」

 

「積まれたピザ釜 さい振り直し ・・・・・・ってところか?」

 

「あの・・・・・・『ラブ・クロック』の話ですか・・・・・・?」

 

ちなみに「さい」は「賽子」と「賽の河原」と「斎賀さん」を掛けて・・・・・・ん?今斎賀さんなんて言った?

 

「斎賀さん、ラブ・クロック知ってるの?」

 

「ハッ、ハイ!前に一度プレイしまして!」

 

マジか、てっきりクソゲーには縁の無いお嬢様かと思ってたけど、案外こっち側だったり?いやまだ決めつけるには早計だな。

 

「こらこら、シャンフロの話するって言ったでしょ?そろそろ本題に入らないと昼休み終わっちまうぞー!」

 

「あぁ悪い悪い。それで?斎賀さんが手伝って欲しいってのは?」

 

「アッハイ!その・・・・・・」

 

 

 

 

 

「・・・・・・成程、サードレマで引き受けた商団の護送任務に付き合って欲しい、と」

 

「ツキアッ・・・・・・ハイ!ソウデス!」

 

何やら一瞬斎賀さんがバグったような気がしたが・・・・・・まぁ護送任務ぐらいなら手伝ってやれないこともない。しかし・・・・・・

 

「申し訳ないけど、まだセカンディルにいてサードレマまで行けてないんだよね。護送任務ってのはいつから始まるの?」

 

「えっ・・・・・・あっハイその・・・・・・今日の、午後五時ぐらいです」

 

学校終わってすぐか・・・・・・正直なところ、帰って真っ先に攻略開始しても間に合わないだろう。

 

「あのっ!大丈夫です!涼羽ちゃんが手伝ってくれるのでっ!」

 

「力になれず申し訳ない・・・・・・!」

 

聞いたところによると、斎賀さんと涼羽は現在共にサードレマにいるらしい。

 

・・・・・・ん?かなりのガチ勢であるはずの涼羽と進捗が同じってことは、まさか・・・・・・

 

 

 

斎賀さんって、結構ガチでやるタイプの人(ヤバいタイプの廃人)・・・・・・!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

件名:作戦変更

差出人:ハルナク

宛先:鉛筆戦士

本文:リアフレに呼ばれたんで襲撃の日付変更したいんだけどいい?

 

 

件名:re作戦変更

差出人:鉛筆戦士

宛先:ハルナク

本文:えー折角準備したのにーハルちゃんひどーい

ちょっとぐらいやっちゃってもいい?

 

 

件名:rere作戦変更

差出人:ハルナク

宛先:鉛筆戦士

本文:もーしょうがないなぁー!

やっちゃえ!ペンちゃん!




大半のプレイヤーはまだファステイアにいますからね。セカンディルにいるってだけでも相当ゲームが上手い印象を持たれます。

初日終了時でサードレマにいる人は多くても数百〜千人ぐらいです。

追記(2025/01/01 0:15)
今さっき除夜ゲロで先生が言ってたんですが、
()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

・・・・・・やってやろうじゃねぇかよこの野郎!!!!!
ってことで定期的に行事回入れます。
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