並行時空のフロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに初日突貫す〜 作:栗実成
ストックが貯まらない!!
◆
放課後。
シャンフロにログインした俺はすぐに宿屋を出る訳ではなく、ウィンプが部屋へと帰って来るのを待つ。
「約束の時間までまだ余裕があるし、ステータスポイントでも割り振っておくか」
・・・
・・・・・・
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PN:サンラク
LV:19
JOB:傭兵
SUB:無し
UNJ:ゴルドゥニーネの眷属(八番目)
WEP:二刀流
50マーニ
HP(体力):30
MP(魔力):10
STM (スタミナ):60
STR(筋力):20
DEX(器用):25
AGI(敏捷):70
TEC(技量):20
VIT(耐久力):1(11)
LUC(幸運):75
スキル
・スピンスラッシュ
・スパイラルエッジ
・ナックルラッシュ
・タップステップ→スライドステップ
・フラッシュカウンター
・エッジクライム
・
・アクセルLv.1
・ヘッドバットLv.1
・シーフスライドLv.1
装備
左右:アイアンダガー
頭:凝視の鳥面(VIT+2)
胴:ゴルドゥニーネの呪い
腰:毛皮のズボン(VIT+5)
足:毛皮の靴(VIT+4)
アクセサリー:無し
ステータスポイントボーナス
MP ×0.8
STM ×1.4
AGI ×1.4
VIT ×0.7
LUC ×1.5
パーティメンバー
・八番目のゴルドゥニーネ
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昨日の反省を活かしてLUCに割り振る分をSTMに回してみたので、これからはより一層スキルを連発できるようになるだろう。
スキルの量も二倍になったわけで、今まで以上に戦略に幅が出るはずだ。
しかし、宿代とウィンプへのお小遣いで所持金がたったの五十マーニになってしまうとはな・・・・・・
一応ウィンプに持たせているのは眠い目を擦りながら露天商に少しだけ換金してもらった分であり、あの時持っていた八百五十マーニからやりくりした訳では無いことに留意して欲しい。
流石に小学生にやるお小遣いではないのだから、ちゃんと纏まった金を持たせているつもりだ。っと、噂をすれば。
「さんらく、かえってきたわよ!」
「あぁお帰り・・・・・・って、なんだその袋」
二つ目の街ということもあり、全体的にレベルが低く安全なセカンディルにおいてはウィンプもまともに買い物ができたようで、何やら良い匂いのする皮袋を嬉しそうに抱えている。
「ふふふ、あっぷりゅ」
あっ噛んだ。
・・・
・・・・・・
「おーい元気だせウィンプ、お前の買って来てくれたアップルパイ美味かったぞ」
「・・・・・・」
正直なところシャンフロには味覚制限があるせいであまり満足感はなかったのだが、これ以上機嫌を損ねるわけにはいかないので仕方なくおべっかを使う。
基本的にこういったVRゲームではある事件以降著しくリアリティの高い要素は嫌厭される傾向があり、こと味覚に関しては甘み=かき氷のシロップ味みたいなのが普通で、その点についてはシャンフロも例外ではないようだ。
「にしても、まだ日が出ているとはいえ多いな」
昨日よりも明らかにプレイヤーの増加したセカンディルを見て呟く。攻略サイトやらで広まったのか、大蛇の毒にやられて走るプレイヤーも少ない。あっでも一人野垂れ死んだ。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「ほう、沼棺の化石に鉄喰いの鉄殻、秘鉄に硬爪まであるのか!これだけあるならかなり良いものが作れるぞ!」
「成程・・・・・・」
鍛冶屋のオッサンに素材を見せた所、鉄喰いの素材はレアな素材のようで、より強力な武器が作れると言う。
表示された武器の中から気になるものを幾つかピックアップする。
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【爪】
・鉄裂の刃爪
15,000マーニ
効果:破壊属性を持つ。総合VITが自身の二倍以上の対象へ与えるダメージに追加補正。
【短剣】
・湖沼の短剣
10,000マーニ
効果:クリティカル成功時、耐久値減少量が一定時間半減。
・重銀鉄の短剣
12,000マーニ
効果:クリティカル成功時、ダメージに追加補正。
・鉄裂の爪刃
15,000マーニ
効果:破壊属性を持つ。総合VITが自身の二倍以上の対象へ与えるダメージに追加補正。
【双剣】
・凶暴の双鋸
16,000マーニ
効果:クリティカル成功時、ダメージに追加補正。
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総合VITってのは素のステータスと装備によるVITの合計値であり、今の俺の総合VITは十二である。つまり鉄裂武器の場合二十四以上のVITを持つ相手に追加のダメージ補正が入るってことだ。
ウィンプの付与した呪いのせいでまともな装備を着けれない俺にとって、かなり合っている武器ではないだろうか。
「じゃあ鉄裂の爪刃と、湖沼の短剣をそれぞれ二振りずつお願いします」
幸いにも幾らか素材を売り払ったことで資金は潤沢だ。五万マーニぐらいなら余裕で払うことができる。
「あいよ!久しぶりに腕が鳴るぜ!夜になったらもっかい来な!それまでに作ってやる!」
さて、修理に出していた致命の包丁が戻ってきたとはいえ、夜までどうすっかなぁ。
昨日のこともあって採掘には乗り気になれない。
別ゲーに行っても良いが、これ以上ウィンプの機嫌を損ねたくないのでシャンフロ内で何かしておきたいのだが・・・・・・
「ってことでウィンプ、なんかやってみたいことってあるか?」
「いきなりいわれてもしらないわよっ!」
参った、完全に手詰まりだ・・・・・・ん?
◇
件名:ターゲット未だに確認できず
差出人:鉛筆戦士
宛先:ハルナク
本文:ハルちゃーん 全然サンラク君が来ないんだけどー?本当に昨日の時点ではセカンディルにいたんだよね?
件名:reターゲット未だに確認できず
差出人:ハルナク
宛先:鉛筆戦士
本文:本人の口から聞いたから確定のはず、あの場で特に嘘を吐く必要はなかったし
サンラクのことだからそろそろ着いててもおかしくないはずだけど・・・・・・
件名:rereターゲット未だに確認できず
差出人:鉛筆戦士
宛先:ハルナク
本文:一回そっちの方で確認してくれない?
件名:rerereターゲット未だに確認できず
差出人:ハルナク
宛先:鉛筆戦士
本文:聞いてきた、武器作ってもらってるから攻略は夜だって
今は利き蛙をしてるらしい
件名:rererereターゲット未だに確認できず
差出人:鉛筆戦士
宛先:ハルナク
本文:??????????
えまってどういうこと 利き蛙is何?
件名:rerererereターゲット未だに確認できず
差出人:ハルナク
宛先:鉛筆戦士
本文:利き蛙は利き蛙とのこと
詳しくは直接聞くしかなさそう
件名:rererererereターゲット未だに確認できず
差出人:鉛筆戦士
宛先:ハルナク
本文:リスポンキルして吐き出させるかぁ・・・・・・
◆
「・・・・・・」
目の前にあるのは蛙の串焼きA。
姿焼きではないにしろかなりの質量を持つそれをじっと見つめ、慎重に匂いを嗅ぐ。
焦げついた匂いの中にはまだ泥臭さが若干残っており、ほんのりと鉄の香りもする。
切断面は筋が乱雑に斬られており、見るものに粗雑な印象を感じさせる。
多少食うのに躊躇いの出るそれを、そっと口の中に運び、咀嚼する。
香ばしい風味はするものの、やはり泥臭さが抜けておらず、やや不快感を抱く。
「・・・・・・」
目の前にあるのは蛙の串焼きB。
姿焼きではないにしろかなりの質量を持つそれをじっと見つめ、慎重に匂いを嗅ぐ。
焦げついた匂いの中には泥臭さは一切なく、透き通った香りが鼻の中を通り抜ける。
切断面は筋に沿って斬られており、整えられたその様は見るものに清潔な印象を感じさせる。
ある意味食うのに躊躇いの出るそれを、そっと口の中に運び、咀嚼する。
香ばしい風味の中からしっかりと蛙の素材の旨みが溢れ出ており、滴る肉汁が更なる食欲を駆り立てる。
「・・・・・・如何でしょうか?」
「ふむ・・・・・・Aはセカンディル周辺でビギナー開拓者が狩ったもの。Bはサードレマ周辺で高レベルの開拓者が狩ったもの。そうだろ?」
「・・・・・・お見事、相当な審美眼をお持ちのようで」
いえいえそんな・・・・・・
「ってなんでこんなことさせられないといけないんだよっ!!!!」
「ちょっと!いきなりさけばないでっ!」
今俺がいるのはセカンディルの大通り。
突然声を掛けられて利き蛙ってのをやる羽目になった俺は、大衆の面前で前
絶対にサードレマ前で襲撃したい鉛筆vs一向にサードレマに向かわないサンラク
展開を早めたい・・・・・・