並行時空のフロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに初日突貫す〜   作:栗実成

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ギャバアアアアアアアアアアア!!!!!(アニメ化で死火口湖の様子描写されてるの忘れてた)(もう書いちゃってるし別に良いよな)(本文では描写してないけど外周は川で囲まれています)(川と橋は確定でいいはず)(周囲の森って結局あるの?ないの?どっちなの?)(原作描写外で生きられないタイプの人種)


第二十四話 居座り続ける厄介客

 

死火口湖は元は巨大な火山であり、その活動が停止して湖と化した現在でも頂上からはこのマップ全体を一望することができる。

エリアボスは少し開けた場所にいると聞いていたこともあって軽く探してみたのだが、サードレマから反対側、恐らくファイヴァルへと繋がるであろう橋の手前に幾つかの岩に囲まれた円形のフィールドがあったので恐らくそれなのだろう。

 

「そう思って下山して来てみれば、戦闘中だったか」

 

フィールドの中央ではエリアボスであるファミネスバイソンと十二人のプレイヤー達が睨み合っており、岩裏では後衛役であろう十一人のプレイヤーと俺達二人がその様子をじっと見つめている。

 

話を聞いてみると多くのプレイヤーがサードレマに留まっているのも相まって彼らが攻略最前線であり、サードレマから続く三つのルートの内樹海窟は昨日の時点で踏破されたようで、現在は残った二ルートのどちらが先にクリアできるかで競争しているのだという。

 

一瞬あの二人の顔が過ったが、その日の夜にはサードレマにいたし多分街中でのクエストだったのだろう・・・・・・だよな?

 

「それでサンラクさんでしたっけ、もしよろしければファミレス攻略を手伝ってくれませんか?」

 

恐らくリーダーであり聖職者であろうプレイヤー───アセリルはそう俺に問いかけながらも回復支援を行っているが、リソース不足なのか段々と魔法を使う基準が厳しくなっているように感じる。

てかファミレスってあのボスのあだ名か、一瞬全メニュー制覇しましょう的な誘いかと勘違いしたぞ。

 

「うーむ、正直なところ初見で攻略してみたかったが・・・・・・」

 

中央に目を向けるとタンクらしきプレイヤーがファミレスに吹き飛ばされて外周の木に衝突する。

まだ体力が残っていたようだが追撃によって木もろとも粉砕されて消滅する。

 

「あぁ、さすらいの文句さんが・・・・・・」

 

「なんて?」

 

「あっプレイヤーネームです。俺がいる限り誰も死なせねぇって言ったのに最初に死んじゃうなんて・・・・・・」

 

俺みたいな途中加入者かと思ったがただの名前かよ紛らわしい。

てか死んだ奴のエピソードを述べてさも俺が参戦しなかったせいで死んだみたいに印象操作するのやめて?ウィンプちゃん結構感化されちゃうのよそれ。

 

「さんらく・・・・・・」

 

ほーらやっぱりこうなった、先日の一件もありなるべく機嫌を損ねたくない俺はウィンプの言うことに従うしかないのだ。てかそれが眷属として本来正しい行いなんだけどね?ウィンプがあれのせいでどうも眷属としての自覚に欠けてしまう。

 

「てかそのかわい子ちゃん誰?なんかのクエスト?」

 

「えーまぁそんなところです。」

 

「えーかわいー!後でスクショ撮ってもいいですか?」

 

まずいな・・・・・・膠着状態が続いているからか手の空いた後衛がどんどんこっちにやって来る。

このままだとウィンプがユニークシナリオ絡みだとバレるのも時間の問題か・・・・・・?

もしそうなら早めに片付けてさっさと次の街へ行くに限るが・・・・・・

 

「さんらく、おなかすいた」

 

「っ・・・・・・!」

 

このタイミングでご飯ですかそうですか。

ウィンプの貴重な食事シーンをこの目に収めようと更に何名かが押しかけてくる。

てかこれ前線大丈夫か?もう既に後衛のほとんどがこっちに集まって来てるが自分以外がなんとかしてくれるとでも思っているのだろうか?

 

「あのー、そろそろ前衛の人達が・・・・・・」

 

「あぁ大丈夫ですよ!バフは当面切れないはずなので!」

 

まぁそこは最前線組といったとこだろうか、しっかりと役割をこなした上での息抜きらしい。

ってお前らスクショの許可出した覚えはないぞ、え?ウィンプがいいよって言った?おやつをあげたら喜んで許可をくれた?それでいいのかユニークシナリオNPC。

 

ちなみにウィンプは既に料理人のジョブに就いているのだが、流石に野外で料理するだけの器具は買っていないので暫くは携帯食で我慢してもらう。なーんかヴォーパルバニーのステーキが見えるが気のせいだろう、俺も疲れてるんでな。

 

「しゃあ!ざまーみやがれファミレス野郎!!右前足をへし折ってやったぜ!!」

 

「お一人様のくせして四人テーブル使ってんじゃねぇよ!!!」

 

「ドリンクバー頼んだだけで五時間も居座るんじゃねぇよぉぉおおお!!!回転率落ちんだよクソがぁぁぁぁあああああ!!!!」

 

「うっわこの状態でも走れんのかよ!店員さーん!メロンソーダ(回復魔法)お願いしまーす!!」

 

「俺も同じのお願いしまーす!」

 

「俺は足にオレンジジュース(速力強化魔法)欲しいでーす」

 

「かしこまりましたー!メロンソーダ二つ、オレンジジュース一つですねー!」

 

「・・・・・・あー、いつもこんなノリで?」

 

「いえ、これで十回目なんで深夜テンションが・・・・・・」

 

なんか調子に乗ってファミレスで大騒ぎする大学生みたいなノリを感じるが彼らも彼らで個々の悩みがあるのだろう。俺自身もたまに変なテンションになるから否定はできない。

 

そうは言っても彼らの連携は本物であり、ファミレスの足を一本折ってからは完全に彼らのペースで戦闘が続いている。

一方ファミレスは突進攻撃こそまだできるものの、蓄積されたダメージがかなり響いているようだ。

 

「しかし・・・・・・こんな簡単に倒せるものだろうか」

 

「サンラクさん、それはどういうことですか?」

 

「いや、勘に近いものなんですが、ここまでのボスは体力減少で特殊攻撃をしてきたのに今回はないのかなぁって」

 

貪食の大蛇は尻尾から毒攻撃を、泥掘りは地中からの突き上げ攻撃という厄介な隠し球を持っており、それらより先のエリアのボスが何らかの奥の手を持っていてもおかしくない。

 

「成程・・・・・・でも千紫万紅の樹海窟はあっさり倒せたって報告があったので今回もそのパターンかもしれません」

 

特殊攻撃がないならないで戦いやすくて楽なのだが、まぁ警戒するに越したことはない。あらゆる可能性を考慮してこそのクソゲーマー、ゾウ型モンスターの鼻から槍が飛んでくるのを予測して回避できた時は脳汁が凄かった思い出がある。その後耳から爆弾が飛んでくるのは予測できずに死んでしまったのだが・・・・・・ん?

 

「危ないっ!」

 

「きゃっ!何!?」

 

咄嗟の反応でアセリルを引き寄せ、彼女のいた所を豪速球が通過して岩を粉砕する。

 

「これは予測できなかったな・・・・・・」

 

目線の先には先程とは一転してフィールド奥にどしんと座り込んだファミネスバイソンの姿。

奴は眼下の地面を齧り、咀嚼したかと思えばそれをこちらへ向けて射出する。

 

「ぐはっ!」

 

「リリタイルさん!!」

 

俺達は避け切れたわけだが、MP回復中の魔術師が土弾に腹を貫かれて絶命する。

 

「脇腹が隙だらけだぜぶはっ!!!」

 

「えーと、ハリナナさん!!」

 

右から奇襲しようとした推定闘士が今まで使ってこなかった尻尾の振り回しによって腹を断ち裂かれる。

 

「ここからが本番ってわけか・・・・・・!」

 

正面の敵には土弾による遠距離攻撃。

左右の敵には尻尾を鞭のように振り回して攻撃。

自らは奥で寝ているようなポーズを取りながらも、全方位からの接近を許さないその様はさながら「近距離殺し」とも言えるだろう。

 

「返事が遅くなっちまったな、ここからは俺も戦わせてもらうぜ」

 

「でもサンラクさんって近距離アタッカーですよね!?アレに近づけるんですか!?」

 

いつの間にか前衛の数は半分以下になっており、残ったプレイヤーも遠くから様子を見計らっているおかげで辛うじて生きながらえているだけだ。

 

「何も絶対に近づけないってわけじゃない、全部避け切ればいいだけのこと!」

 

鉄裂の爪刃を構え、アクセルを起動する。

 

「悪いがウィンプを頼んだ、適当に餌付けでもしといてくれ」

 

「ちょっと!えづけってどういうもがが」

 

唯一の懸念点はウィンプに流れ弾が当たることだがこれでも攻略最前線組だ、お荷物(ヘタレ)の介護は手慣れているだろう。

 

「さて、座り込んで舐めプしたことを後悔させてやろうじゃないか!!」

 

───不動猛牛(ファミネスバイソン)、攻略開始だ。




一応サンラクは原作よりも前の話ってことでナーフされています。

そうでもしないとボス戦が一瞬で終わってしまうので!!
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