並行時空のフロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに初日突貫す〜   作:栗実成

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説明文が多過ぎる・・・・・・!


第五話 雁首狙いの兎と亀

 

俺が剣を構えて走り出すのと同時、ヴォーパルバニーもこちらに向かって飛びかかって来る。向こうの狙いは首筋、ならその軌道に刃を乗せるだけで・・・・・・

 

「よっしゃ!パリィ成功!」

 

相手の攻撃を受け流し、体勢を崩した兎に致命の一撃を叩き込む。ゴブリンならこれで倒せる筈だが、コイツはそうもいかないらしい。地面に爪を立てて衝撃を和らげた兎が再び立ち向かって来る。

 

「しつこく首ばっか狙ってきやがって!見切るのが簡単だぜ!」

 

またもや狙いは首筋、今度は刃を傾けて包丁を逸らそうとするが、流石にヤバいと感じたのか、兎は包丁を縦にして刃にぶつけてすかさず俺から距離を取ろうとする。とは言えその隙を見逃す程俺はお人よしじゃない。敢えて包丁に押されるように力を緩めれば、反発を失って兎がバランスを崩す。

 

「終わりだ!」

 

制御を失った兎の腹を目掛けて上から傭兵の双刃を突き刺す。地面に叩きつけられた兎を守るものは何も無く、落下の衝撃と刃の刺突でHPが尽きて消滅する。

 

「おっ、レベルが上がった。さっき上がったばっかだったし結構強い奴だったんだろうな」

 

RPGにおいて敵の強さと報酬、つまり経験値やドロップアイテムといったものとのバランスは重要だ。やっとの思いで倒した強敵の経験値がスライム数匹分だったとなれば、折角の達成感も薄れてしまう。とあるクソゲーはストーリー上のボスだけ経験値が零に設定されており、プレイ時間の大半をレベリングに費やさないといけない仕様になっていたからなぁ。そこまで時間がかかるわけではないのだが・・・・・・何と言うか虚無感が凄かった。

 

「肉は落ちたが武器ドロップは無しか・・・・・・欲しいなぁ、あの包丁」

 

流石にスキルの効果が入っているのだろうが、巨木を薙ぎ倒すだけのパワーは素直に欲しい。

 

「よし!まずはあの包丁を二本揃えることにするか!」

 

・・・

 

・・・・・・

 

こうして俺は兎を追って森を駆け回ったのだが、結果として二本揃えるまでに二時間半ぐらいかかってしまった。途中、インベントリの重量制限に気づかず、何度か奴らに逃げられたからなぁ・・・・・・あれがなければ一時間は短縮できた。服を買うついでに一度肉を売りに行ったことで今ではすっかり身軽な状態である。ちなみにこのゲームでは最低限でも調理をしなければ食糧アイテムとして機能しないようで、長い間空腹でいるとパフォーマンスに影響を与えるらしい。生憎調理手段を持っていなかったのだが、見かねた御主人にご馳走して貰ったので当面の間は全力を発揮できる。

 

──────────

PN:サンラク

LV:12

JOB:傭兵

SUB:無し

WEP:二刀流

12,450マーニ

HP(体力):30

MP(魔力):10

STM (スタミナ):32

STR(筋力):10

DEX(器用):15

AGI(敏捷):35

TEC(技量):20

VIT(耐久力):1(22)

LUC(幸運):75

スキル

・スピンスラッシュ

・スクーピアス

・ナックルラッシュ

・タップステップ

・フラッシュカウンター

 

装備

左右:傭兵の双刃

頭:毛皮の帽子(VIT+4)

胴:毛皮の服(VIT+9)

腰:毛皮のズボン(VIT+5)

足:毛皮の靴(VIT+4)

アクセサリー:無し

 

ステータスポイントボーナス

MP ×0.8

STM ×1.4

AGI ×1.4

VIT ×0.7

LUC ×1.5

──────────

 

さらば凝視の鳥面。お前のことは忘れたい。

初期装備の皮の装備より一段階上の毛皮装備に身を包んだ俺は、先程までの原人スタイルから抜け出し、立派な文明人としての第一歩を踏み出したのだ・・・・・・

 

「にしても、幸運が最初の二・五倍か・・・・・・」

 

このゲームではレベルが上がる毎に五ポイントをステータスに割り振る事ができるらしく、職業や出身による補正はその際に入るらしい。試しに半分ほど幸運に割り振ってみたところ、気持ち程度にドロップアイテムが多くなった感じがする。それでもあの兎の持っていた包丁、「致命の包丁」は体感のドロップ率が一桁%であることは変わらなかったし、性能も傭兵の双刃の完全上位互換かつクリティカルダメージに補正が入るということで、いざという時のために取っておくことにする。

 

そしてスキルだが、気づかない内に三つほど新しく手に入れていたようだ。

スキル剪定所という所で聞いたのだが、スキルの習得はレベルアップ時に行われ、それまでのプレイヤーの行動を参照して、基準に達したスキルが習得されるといった仕組みのようだ。また、習得済みスキルの進化や剪定による合体というものもあるようだが、正直あまり聞いていない。

 

新しく手に入れた「スクーピアス」以外はあまり使えるものではなさそうだ。このゲームにおけるスキルは頭の中で「このスキルはこう動けばいい」という確信が付与される、所謂「行動補正」型のものらしく、昔のゲームによくある、身体が勝手にスキルに沿った動きをする「行動強制」型ほどバグが発生しないのが特徴だ。

 

「タップステップとフラッシュカウンターは回避や受け流し関連のスキルであり、自前の技能で補えるから不要。ナックルラッシュとスピンラッシュはDPSが高いが動きが大ぶりでヴォーパルバニーみたいな敵との戦いでは悪手。スクーピアスは発生の早さの割に高火力だが、連発ができないので注意が必要・・・・・・か。まぁ序盤のスキルだししょうがない」

 

とはいえ使える場面があるだけでスキルとしては申し分無いものだろう。

「ゲームそのものがフリーズするスキル」「強スキルとの名前の違いがrとlの発音の違いだけという自爆スキル」「雑巾を絞るスキルのはずが使用したら最後、プレイヤー自身の身体が捻じ曲がって千切れるまで苦痛を受け続けるスキル」・・・・・・考えるだけで頭が痛くなる。てか雑巾を絞るスキルってなんなんだよ。

 

「さて、そろそろ街に戻りたいところだが・・・・・・遠いな」

 

全プレーヤーに最初から備え付けられている地図を確認した俺は、いつの間にかファステイアから随分離れてしまっていたことに気づく。

 

「街に寄ったのも途中の一回だけだったしなぁ・・・・・・ここからなら次の街の方が近いな」

 

第二の街、「セカンディル」はここから北西に行ったところにあるようで、距離的にはファステイアよりも若干近いところにある。

 

「どうせボスが待ち構えているんだろうが、今の俺なら大丈夫だろう」

 

そう思ってセカンディルの方面へ足を向けようとした矢先・・・・・・・・・

 

「やぁサンラク、久しぶり」

 

背後からそう呼びかけられて振り返ると、銀色の切先がこちらを指し示していた。

 

京極(京ティメット)・・・・・・いきなりそれとはマナーがなってないんじゃないか?」

 

その声の主である少女、京極は俺の返答に呼応して不敵に微笑む。

 

「マナー違反なんて見た人全員を消せば無かったことになるよね」

 

その言葉と同時に突きつけられた切先を回避し、すぐさま間合いを取る。そして・・・・・・

 

「フレに呼ばれたんで失礼しますね^^」

 

敵前逃亡、面倒ごとは避けるに限る。




この世界のほうれん草ちゃんは既に幕末で悟った後です。
玲ちゃんの家で幕末を見つけたのが悪い。
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