並行時空のフロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに初日突貫す〜 作:栗実成
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セカンディルの宿屋でリスポーンポイントを更新した俺は、備え付けられていたベランダから外を眺める。
「さて、街に着いたはいいが、まずは何をしようか」
大通りではあの大蛇の毒にやられたのか、道具屋か宿屋を探して走り回るプレイヤーがちらほら見られたが、そこに京極の姿はない。あっ一人野垂れ死んだ。
「あいつを待つのもいいが、暫く一人で散策してみるか・・・・・・とりあえず防具屋かなぁ」
流石にこんな街中でずっと上裸でいるのは目立ってしょうがない。宿屋で寝たからか完全に回復した体力がまた削れないよう、なるべく丈夫なもの、欲を言えば破壊耐性みたいなのがあればいいのだが・・・・・・
◇
「はぁ、全然見つからないなぁ・・・・・・」
跳梁跋扈の森へと続く門の前に佇む一人の少女は、誰にも聞こえないくらいの小さな声で呟く。
始まりの街、ファステイア。
数多の開拓者が最初の拠点とし、旅立つこの街に居座る者は大きく二つに分類できる。
一つは貪食の大蛇が倒せず、先に進むことができない者。
そしてもう一つは、先に進む実力があるものの、誰かを待って敢えて居座り続ける者だ。
そしてこのプレイヤー、サイガ-0は後者の人間であり、とある理由からお近づきになりたい男性がシャンフロを始めたことを知り、こうして彼が門を通るのを待っているわけなのだが・・・・・・
「・・・・・・玲ちゃん、ここで何してるの?」
「ひゃい!えっと・・・・・・え、京極・・・・・・ちゃん?」
彼女に囁きかけるのは探していた彼・・・・・・ではなく、先程まで彼に付き添い、見捨てられた京極であった。
「サンラクなら、さっき僕と共に貪食の大蛇を倒して・・・・・・ちょ、玲ちゃん?」
「サンラク君と、京極ちゃんが協力・・・・・・私よりも・・・・・・先に・・・・・・・・・・・・」
「おーい、落ち着いて・・・・・・あっ」
京極は気づく、いや、気づいてしまった。サイガ-0、もとい「斎賀 玲」は、シャンフロを始めてすぐさま貪食の大蛇を二人で協力してギリギリ倒せるぐらいのステータスまでキャラを育てた後、ずっと門の前でサンラクが通るのを待っていたことに。そして、その時には既にサンラクがファステイアから出発しており、あろうことか京極と共に貪食の大蛇を倒してしまっていたことに。
親戚であり、リアルで何度も遊びに行く仲である京極は、彼女がサンラク・・・・・・「陽務 楽郎」に対して恋心を持っていることも知っていた。そう、知っているにも関わらず抜け駆けしてサンラクと遊んでいた、そう受け取られたのだ。
「・・・・・・玲ちゃん?一応僕、デスペナ喰らってステータスが下がってるし訳あってアイテム全ロスしたし・・・・・・それにホラ、街中で戦ったらまずいから・・・・・・ね?」
「京極ちゃんがサンラク君と・・・・・・一緒に・・・・・・・・・・・・」
こうなってしまった以上、誰も彼女を止められない。辛うじて残った理性で京極を街の外まで連れ出した彼女が、次に何をするかは、想像に難くないだろう。
シャングリラ・フロンティアのサービス初日、跳梁跋扈の森に泣き叫ぶ少女の声がするとのバグが多数報告されたが、原因が判明することはなかったと言う。
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PN:サンラク
LV:15
JOB:傭兵
SUB:無し
WEP:二刀流
13,680マーニ
HP(体力):30
MP(魔力):10
STM (スタミナ):39
STR(筋力):10
DEX(器用):15
AGI(敏捷):49
TEC(技量):20
VIT(耐久力):1(21)
LUC(幸運):75
スキル
・スピンスラッシュ
・スクーピアス→スパイラルエッジ
・ナックルラッシュ
・タップステップ
・フラッシュカウンター
装備
左右:致命の包丁
頭:凝視の鳥面(VIT+2)
胴:隔て刃のベスト(VIT+6)
腰:毛皮のズボン(VIT+5)
足:毛皮の靴(VIT+4)
アクセサリー:無し
ステータスポイントボーナス
MP ×0.8
STM ×1.4
AGI ×1.4
VIT ×0.7
LUC ×1.5
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どうやらこの街には毛皮の装備は売っておらず、仕方なく一番安かった隔て刃の服を購入。
服だけが別のシリーズだと余りにも浮いてしまうので、鳥面生活は次の街まで継続させてもらおう。
貪食の大蛇戦でレベルアップしたポイントは、先程の戦闘を思い返してSTMとAGIに振ることにした。対人戦だろうが対モンスター戦であろうがこれらは腐ることがないのでどんどん上げていくべきだろう。
そしてスキルはスクーピアスがスパイラルエッジというものに進化していた。このスキルばかり使っていたのもあって、他のスキルより進化が早くなったのだろう。使用感は変わってなかったのでこれからも貴重なダメージソースであることには変わらない。
さて、道具屋で持ち物整理もした俺は、現在武器屋にいるのだが・・・・・・
「どれも微妙だな・・・・・・」
武器屋の店主らしきNPCに話しかけると表示された、羊皮紙風のウィンドウから売ってある武器の一覧を確認するのだが、致命の包丁よりも有用そうなのが見当たらない。傭兵の双刃も貪食の大蛇戦で壊れ、態々森まで戻って包丁を仕入れるのも面倒なので補給はできるだけこの街で済ませておきたいのだが・・・・・・
「おう、作り置きで気に入る武器がねぇなら新しく作ってやるぜ?」
「え、マジで?」
「素材があれば、の話だがな」
これはいいことを聞いた。急いで素材集めに行くことにしよう。
この世界のほうれん草ちゃんはたまーにレジ○ガスちゃんの家に遊びに来る仲です
後、レジ○ガスちゃんのサンラク呼びですが、とある存在のせいで「陽務」君呼びが違和感あるものになってしまったからプレイヤー名で呼ぶしかないってのが理由です
「らくるっ、おっ・・・・・・らく、るおっ・・・・・・らららららららららら」