BLUE ARCHIVE Out For Shattered Skies   作:神宮寺志狼

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#2 ユリシーズ落下─各学園代表招集

 

同日

 

 

 

 

「.....そこまで言うのでしたら....分かりました。」

 

「私も行こう、ナギサ。」

 

「私はお留守番しておくから、2人ともよろしく~☆」

 

【トリニティ総合学園】

 

 

 

「ナニィ!?あと5日で隕石が落ちてくる....だと!!? 」

 

 

「え....マコト先輩、流石にこれは参加しないと....」

 

「....イブキ達、どうなっちゃうの....?」

 

「コホンッ!

 

待っていろイブキ、隕石などこのマコト様がどうとでもしてやる!」

 

【ゲヘナ学園、万魔殿(パンデモニウムソサエティ)

 

 

 

「冗談とかじゃなくて.....真面目な話なのね.....

 

わかった。アコ、着いてきて。」

 

「は、はいっ!!」

 

【ゲヘナ学園風紀委員会】

 

 

 

 

 

「星空~キラキラぁ。」

 

 

「それは大変ですね~、出席させていただきますわ。

カホ、少しの間頼みました。」

 

 

「は、はいっ!」

 

【百鬼夜行連合学院 陰陽部】

 

 

 

「何っ!?カムラッド!!それは本当なのか!?

 

こうしてはいられぬっ!!

 

トモエ!今すぐD.Uへ遠そ.....出発する準備だ!!!」

 

 

「...わかりました!会長!」

 

 

【レッドウィンター学園 事務局】

 

 

 

『そうかえ.....承知した。

手近な物に出立の準備をさせよう。

状況によっては武力が必要になるやもしれんからの。

 

ミナ─』

 

 

『は!了解しました!!』

 

 

 

【山海経 玄龍門】

 

 

「うへぇ.....それホントなの?」

 

「いえ、ホシノ先輩、いくら何でも冗談を言うためだけに先生がここまで来るとは思えません。」

 

「わ、わかってるってば....仕方ないなぁ...」

 

 

【アビドス高等学校 生徒会】

 

 

その他オデュッセイアやワイルドハントを初めとした他の学園からも代表が集まった。

 

 

 

 

 

そして、連邦生徒会 会長代理リン主導の元、ユリシーズ対策会議が開かれた。

 

 

 

 

「ええ、各学園の代表の皆様。

 

 

忙しい中集まっていただき、誠にありがとうございます。

 

 

集まっていただいたのは他でもありません。

 

ミレニアムサイエンススクールから挙げられた報告、小惑星群体の件です。

 

改めて、ミレニアムサイエンススクールの調月リオさん、この場で報告をお願いします。」

 

 

リンに名指しされリオがユリシーズについて集まった代表に報告する。

 

 

 

 

 

 

 

 

「.....結論を述べます。

 

現状のまま直径約1.6kmの「ユリシーズ」がD.U地区に激突すれば、このキヴォトス全土が爆発や地震の被害だけではなく、地表は粉塵によって発生した雲によって一生光の刺さない土地と化し、復興不可能な状態に至ります。」

 

 

 

「......」

 

 

 

リオの報告に、各学園代表が黙った。

 

 

「つ ま り だ!!」

 

唯一口を開いたのはチェリノだ。

 

 

 

「その説明ではおいら達は滅ぶしかないでは無いか!!

 

ミレニアムサイエンススクールは科学技術の進歩では随一だろう?

 

なにか、こう、ぱぁっと隕石を消し去るブラックホールみたいなのは作れんのか!」

 

 

「いや流石に無理じゃろて....。落ち着けチェリノ書記長。」

 

興奮するチェリノを押しとどめたのはキサキだ。

 

 

「しかし、妾も同じ考えじゃ。

 

ミレニアムサイエンススクールに打つ手がないのであれば先程のように避難しようとも復興出来ずに餓死するしかないとな?

 

それに避難するにしても、この数千の学園が集まるキヴォトスの生徒、市民、企業全てがここから退避する。

 

それは可能なのか?」

 

 

 

「ん?どういう事だ?避難先さえ見つかれば簡単だろう?

 

確かに残りの時間を考えれば猶予はあまりないだろうがな。」

 

 

マコトがキサキの意見に物申した。

 

キサキは呆れたのかため息をついた。

 

「....おぬし、これだけの人数の大移動、同時に行えばどうなるか。

 

分からんのか?

 

行先、道、全てが人で溢れ返る。

 

混乱などのレベルでは無いぞ。」

 

 

「ま、十中八九、避難順位や移動先での自治区争いが起きるだろうねぇ

 

それにさ、学園、学校って要は政府機関なわけだしさ。

 

政府機関の無くなったあとの事なんて考えられないよ。

 

反乱、独立、クーデター。

 

 

それにさ、当然D.Uも無くなるわけで、

 

各学園を統一してた連邦生徒会が無くなるわけでしょ?

 

これまであーだこーだ文句言って来たけど、なんだかんだ学園間の取りまとめや資金だったり運営全てなくなるって考えたら。

 

 

ベルカ戦争の二の舞どころじゃないよね。」

 

 

ホシノの意見に皆がうなづいた。

 

 

つまり────

 

 

 

 

「つまり、キヴォトスを別の土地で移行、再建するのはほぼ不可能に近い。

 

という事よ。」

 

リオが再び発言した。

 

 

「以前私たちは宇宙空間と大気圏の間を浮遊する「アークバード計画」を立ち上げて色々検証していたのだけど、宇宙空間はやはり私たちの現状では手が出せない。

 

つまり宇宙空間での迎撃作業は出来ないの。」

 

 

それにヒナが質問した。

 

「.....仮にミサイル迎撃で空中で爆破する、というのは難しいのかしら。」

 

「......破砕は出来るでしょうね。

 

ただし、爆破による衝撃で撒きちった粉塵で光が遮られるわ。

 

それも50年程の間。

 

 

キヴォトスの経済だけではなく私たち人間の社会が崩壊するのはまず間違いないでしょうね。

 

粉砕する事自体が、もうダメなのよ。」

 

「では、シスターフッドよろしく、神にお祈りしながら私たちは死を待つしかないと?

 

 

もし、仮にです。

 

生徒を1点に集中させて─────

 

すみません忘れてください。」

 

 

ナギサが何かを言いかけて止めた。

 

「"待ってナギサ。何を言うつもりだったの?"」

 

「い、いえ。

 

粉砕、爆破が駄目なのであればキヴォトス中の生徒を集めて銃で迎撃すれば.....などと....」

 

 

「フンッ....この後に及んでトリニティのリーダーは夢物語でも見ているようだな?」

 

 

マコトがナギサを嘲笑うかのようにバカにした。

 

「いや、確かに無理やろ」

 

ニヤもそれに同意した。

 

 

ナギサもそれに少し腹を立てた様だったが、あくまでも個人として意見した

 

 

「失礼。

 

ですが、想像がつかないのです。

 

実感もないのです。

 

この私たちの真上に星が降り注ぐなど .........」

 

 

ナギサの言葉に「仕方ない」との言葉も上がる。

 

確かに私たちは、それを肉眼で確認したり、昔に同じ出来事があった訳では無い。

 

 

ベルカ学園戦争───あのように、「教訓」は得られないのだ。

 

 

 

しかし、リオはナギサのその提案で何かを思いついた様だった。

 

 

 

「いま、貴女は銃で隕石を迎撃しよう、と言ったのよね?」

 

 

「え....?あ、はい。」

 

 

 

 

「いけるかもしれないわ.......」

 

 

 

「「はい!?」」

 

リオのその言葉に、皆が汗を流して素っ頓狂な声を上げる。

 

 

「.....会長...?」

 

「なにか思いついたんですか!?」

 

 

ノアとユウカは期待の眼差しでリオを見つめている。

 

「要は、ロシュ限界を超えて分散したユリシーズをさらに細かくすればいいのよ。

 

ただその方法が空中で破砕作業する、とか宇宙空間まで赴いて破壊する、なんて考えしか思いついていなかったの!」

 

 

「いや、おぬし、まさかそこのトリニティの小娘の言葉通りに行う訳ではあるまいな?」

 

「いえ、それより最も確実な手段があるわ。

 

ユリシーズの落下範囲に砲台を設置、

 

それもユリシーズを砕ける程大きな口径の。

 

爆破による粉砕ではなく、貫通による分割.....まさに()()させる。

 

さっきのユリシーズの被害想定はあくまでもそのまま落ちた時の物よ。

つまり、質量と面積を小さくすれば.....」

 

 

「被害も減らせるということか!?」

 

チェリノの、いや皆の顔が少しだけ明るくなった。

 

 

 

ここまで黙っていたリンが現実的な問題を定義する。

 

 

「ですが、落下まで後5日もありません。

 

いまからそれほどの砲台の設計、理論構築、そして人材と資源が.....」

 

 

 

「設計なら.....私にいい考えがある。」

 

 

「マコト!?何するつもりなの?」

 

ヒナがマコトを静止する。

 

 

 

「....状況が状況だけに仕方がない。

 

 

雷帝の遺産から設計図を持ち出す。」

 

「.......背に腹はかえられない....ということね...。」

 

ヒナが仕方ないと、目を伏せた。

 

「フンッ、そもそもお前に拒否権などない。

 

 

人材についても、万魔殿(パンデモニウムソサエティ)及び手の空いている生徒、それから風紀委員会から出させてもらおう。」

 

マコトがそう言い出すと各学園の生徒もそれに乗り始めた。

 

 

「ト、トモエ!!マリナに連絡して今すぐミレニアムに人材を送るのだ!!」

 

「はい!チェリノちゃん!!!

 

 

もしもし、私です。マリナちゃんいいですか?落ちついて聞いてください...」

 

 

「ふむ、では妾の所からも人手を。」

 

 

「人手が入用でしたらいつでも仰ってください!」

 

 

チェリノ、キサキ、ナギサ。

 

それだけではない。

 

ここに募った全ての学園の代表がそれに賛同した。

 

「後は資源ですか....」

 

リンがそう呟くとホシノが電話を取り出した。

 

 

「.........資材に関しては少し宛があるよ.....

 

 

 

もしもし、うん。

 

プレジデントだよね?」

 

 

「"!!"」

 

なんとホシノが電話をかけていたのはカイザープレジデントだった。

 

 

『チッ....私はお前達と違って暇では無いのだ、切る───』

 

 

「へぇ...後数日でキヴォトスが滅びるって言っても....?」

 

 

『何を言っている...?』

 

その、会話の中でリオの簡易的な説明と、此処に集まっている生徒の人数と顔ぶれを見て、カイザーの言葉は段々と丸くなっていく。

 

 

「というわけでさ、」

 

『.....確かにな。このままではいくら足切りしたとしても我社もこのキヴォトスと共に滅びるわけか。

 

いいだろう。

あくまでもお互いが生き残る、その為に力を貸す。

 

間違えるな、力を貸すだけだ。』

 

 

ホシノは脅したのだ。

 

いや実際言っていることは間違っていないのだ。

 

ユリシーズをどうにかしなければ共倒れは確実。

 

 

そうしてリンとプレジデントの間で契約が交わされる。

 

 

 

「"後は避難だけど...."」

 

リオが頷く。

 

 

「以前私はアトラハシースの事件以前に、名も無き神々に対抗するため、地下都市。エリドゥを建設したの。

 

 

大都市。

 

計算上はキヴォトスの全市民が避難できる想定よ。」

 

 

 

「......では、今からでも底に避難を────」

 

リンのセリフを遮った者がいた。

 

 

「じゃが、断わる。」

 

「"!!?キサキ!?"」

 

「あくまでもユリシーズを砕けたらの話じゃが、その破片は地面に落ちてくるんじゃろ?

 

妾達の山海経は、自らで守る故、どうかそのように。」

 

 

その言葉にリオが少し苛立つ。

 

「貴女ね、それでも学校の長なの?」

 

 

「そうじゃが?

 

寧ろ、隕石が落ちてくると聞いても妾の学校の生徒は誰一人として山海経を捨てる選択は選ばぬと思う。

 

何せ機能性や便利さ、交易より伝統を重んじる者が多い、愛しい馬鹿の集まりじゃからの。」

 

 

その言葉を聞いてホシノも一言言った。

 

 

「そだね。

 

あくまでも分砕は分砕。

 

市民を避難誘導するのは賛成だけど、アビドス生徒会は私たちの学校を最後まで守るよ。

 

ね、アヤネちゃん。」

 

「はいっ!!」

 

 

その言葉に、私は数ヶ月前のノノミのセリフを思い出した。

 

 

『いつ復興できるかも分かりません。

 

それでもここは私達の居場所ですし、それに先生が来てから何もかもが変わりました。

 

 

 

私達は守っていきます。何があっても。』

 

 

 

雨雲号を修理している時、彼女はそう言っていた。

 

 

間違いなく、此処に居たら、シロコもセリカもそう言ったのだろう。

 

その言葉に納得したのかリオは

 

「.....好きにするといいわ」

 

と言った。

 

アリスの時とは違い、強制はしなかったのだ。

 

 

 

 

そうして方針が固定された連邦生徒会連合は避難誘導とユリシーズ迎撃用砲台の製造に着手した。

 

 

 

「ちょい、先生。」

 

会議直後に話しかけてきたのはほぼ会議で話してなかったニヤだ。

 

 

「"どうしたの?"」

 

 

「.....あの「ストーンヘンジ」とかいう超巨大な高射砲、どこの設備になるんです?」

 

 

ニヤはストーンヘンジがどの学園の持ち物になるか、と聞いている。

 

 

「"連邦生徒会の備品扱いらしいよ?

 

それがどうかしたの?"」

 

 

「......」

 

 

私の言葉に、ニヤは

 

 

「いや、なんでもないです。

 

ただ、管理....間違えたら....。」

 

 

私はニヤの言っている事を理解した。

 

そう、ベルカ戦争の時にあった「超巨大レーザー砲台、エクスカリバー」あれの二の舞になりかねない、という事だ。

 

 

「"私の方からも意見しておくよ。

チヒロ.....いやヴェリタス....えっと..."」

 

「あ、知っとりますよ。ミレニアムにおいての攻守共に優秀なサイバークラック集団の、事やろ。

 

まぁ、何もなきゃいいんですけどねぇ~

私が言いたかったのはそれだけです、では先生。

また。」

 

そう言ってニヤも百鬼夜行に帰って行った。

 

 

 




後書き


SFあんまり得意じゃないんでなにか間違ってたらごめんなさい!!

あと「アークバード計画」は今書いているBLUE ARCHIVE THE UNSUNG STUDENTS WARからの。
ノノミのセリフは前作のBLUE ARCHIVE ZEROでの伏線回収となります。

黄色13の名前

  • 湯田 イスカ(ゆだ いすか)
  • 王鷲 ユナ(おおわし ユナ)
  • 鷲羽 ユナ(わしゅう ユナ)
  • 黄鷲 ユナ(おうわし ユナ)
  • 天鷲 テオリ(あまわし テオリ)
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