BLUE ARCHIVE Out For Shattered Skies   作:神宮寺志狼

4 / 7
前書き。

一応のお話としてはこの作品はBLUE ARCHIVE ZERO THE BELKAN SCHOOL WAR のアビドスルート(√A)後、サイファーがアビドス高校生として過ごしている世界線の続き。

という前提で話を書いています。

一応サービスキャストとしてサイファーやフェリなどを出す予定ではいます。
が本編にはほぼ登場しません。
尚、前作を読まなくても楽しめる用にするつもりなので、読んでない方は興味が湧いたらどうぞ、みたいな?

以下本編





#3 ユリシーズ落下──ストーンヘンジ建造

ユリシーズ落下まで、後4日

 

 

 

11:45

 

 

私は砲塔建設現場に、ゲヘナの給食部のフウカや、まさかのハルナ率いる美食研究会と共に昼食を運んできていた。

 

 

「オーライ!オーライ!オーライ!!」

 

「そう!そこで止めてください!!ゆっくり下ろして!!」

 

 

 

落下してくるユリシーズを分砕する為に建造されている長距離砲台。

 

 

マコトが雷帝の遺産の1部である設計図をエンジニア部に渡し、ウタハ達主導で組み上げられている。

 

 

いや、もはや作業者はミレニアムの生徒だけにとどまらない。

 

 

 

「ウタハさーん!!組み上げ終わったぞー!!」

 

 

「分かった、じゃあそれを私のいる地点まで上げて欲しい!!」

 

「了解だ!」

 

レッドウィンター連邦学園の工務部の部員がクレーンを操作し鉄剤を上空に持ち上げている。

 

ミノリは鉄剤の位置を確認をしていた。

 

 

「問題ない!そのまま頼む!」

 

 

 

「ありがとう!」

 

 

 

正式名称を「120cm対地対空 磁気火薬可変式砲台」と言う。

 

それでは長すぎる為、現場の人間だけでなく、各方面から通称名の「ストーンヘンジ」と呼ばれている。

 

 

この砲台は名前の通り直径120cmもある弾丸をレールガンと同様の原理で撃ち出すだけでなく、火薬式の弾丸があればハンマーに切り替わり発射可能というハイブリッドレールガンである。

 

 

 

「"ミノリ、お疲れ様。"」

 

 

声をかけると、彼女は私が持っていた物を見て時計を確認した。

 

 

「皆!キリのいいところで休憩にするぞ!」

 

 

 

その声を聞いてウタハ達も仮の足場から降りてくる。

 

 

「先生....それとゲヘナの...給食部かな?」

 

 

 

「皆さんのお口に合うと良いのですが。」

 

 

 

フウカの謙遜した物言いにハルナが笑った。

 

「フウカさんの用意した物が食べられない人がいたらその人はとんでもない味音痴ですわね。」

 

 

「ホントだよ!こんなにおいし───」

 

 

もう既に持ってきたおにぎり定食をイズミが頬張って食べていた。

 

 

「"待った、これは皆のだよ"」

 

 

その時作業を中断した工務部がおにぎり定食を見てぞぞぞと駆け寄ってくる。

 

 

「これがいいんだ!これが!」

 

「汗水垂らしたあとの梅干し入りの握り飯が最高でさぁ!」

 

 

ハルナ達だけに留まらない。

 

 

 

そう、前代未聞のキヴォトスの危機に、どんなに素行の悪い生徒であろうと、皆協力して作業に取り組んでいる。

 

 

 

その人員の中には、もう既に無くなった、ベルカ学園の制服を誇らしげに着こなしている生徒も居た。

カイザーのPMCの傭兵すら、生徒に水を渡していたりする。

 

 

それは隕石分砕という目標を1つに、全員の心が1つになったようだった。

 

 

 

ここだけではない。

 

他7箇所でも同じ光景が広がっていると思うと涙が出てくる。

 

 

 

そんな私の姿を見てか、ハルナが声をかけてくる。

 

 

「あら、泣くほどフウカさんの料理が美味しいようですわね。」

 

 

「"う、うん。フウカの料理は美味しいけど....この光景がね"」

 

 

 

「そうですわね....銃や力以外の事でここまで一致団結していると、夢ではないか疑いたくなりますわね....。」

 

 

ハルナは言葉を切った。

 

 

「ですが、先生?

 

例え隕石で無かろうと....そうですわね、いつぞやの降臨大祭や空が染まったあの日だって、これと同じ光景を目にしてきたのではなくて?」

 

 

私はハルナに諭される。

 

 

 

 

「そう、私達には言葉がある...。」

 

 

そうして、私の元に1人の生徒が歩み寄ってくる。

 

 

「"!!!サイファー!!!"」

 

その一言で全員が彼女に注目した。

 

 

 

「お、おい、『鬼』だ!!」

 

「円卓の鬼神....実在したんだな!」

 

 

 

 

 

皆の方を向いてサイファーは言った。

 

 

「私も今から作業に加わる。手が必要になったら言ってくれ。」

 

 

 

 

「あら、英雄は遅れてやってくるって言いますけど、本当でしたわね。」

 

 

「茶化すな。」

 

 

 

サイファーはハルナと少しだけ会話して、ウタハの元へ駆けていった。

 

 

「"ハルナ。"」

 

 

「皆まで言わなくても、挨拶しに行くのでしょう?

 

私はイズミ達の所に戻ることにします。

 

では、ごきげんよう。」

 

 

 

「"またね!"」

 

 

 

 

 

 

そうしてサイファーと顔を合わせる。

 

 

「........『先生』か。」

 

 

「"ウタハと何を話してたの?"」

 

 

少し黙った後、サイファーは話してくれた。

 

「イーグルアイについて聞いていた。

 

無事に卒業して、就職したらしい。」

 

 

「"そっか....寂しい?"」

 

 

私の言葉にサイファーは首を振った。

 

 

「いや、そんな事は無い。」

 

 

「"そっか。力仕事は出来ないけど、道具取るのとか手伝うよ。"」

 

 

 

「....頼む。」

 

 

 

 

 

 

その後、イズミが他人の分の食事まで食べていた事が発覚した上、食中毒に似た症状で次々と生徒が救命医学部に運び込まれたのは別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユリシーズ落下まであと24時間

 

そうして3日かけてストーンヘンジ8台が完成した。

 

 

 

しかし、問題がいくつか起きていた。

 

 

 

 

まず、試射しようにも砲弾が大きすぎる上に隕石と相殺させないとそのまま地表に落下しとてつもない被害に及ぶため、ぶっつけ本番になってしまった事だ。

 

 

 

「問題ありません!!ストーンヘンジは100%....いえ!皆さんの御尽力により120%以上の完成度になりました!!!」

 

今はコトリが音頭を取り、作業者全員を集めてちょっとしたパーティーを行っていた。

 

 

 

「.....ですがストーンヘンジ1号機君は尊い犠牲となり....」

 

 

 

 

 

そして2つ目の問題。

 

これが一番不味い。

 

 

 

 

キヴォトス中の生徒が協力して作り上げた砲台のうち、真北にあったストーンヘンジを破壊した部があったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

カスミ率いる温泉開発部。

 

私も正直報告内容に耳を疑った。

 

 

 

ストーンヘンジの完成後、土台を爆破。

 

 

そのまま破竹の勢いで温泉を掘り始めたのだ。

 

 

 

完成後の爆破だった為、誰もが予想外をつかれ、

 

警備責任者であったヒナの心も折れてしまい、パーティーへの出席を辞退して部屋に閉じこもってしまった。

 

 

これによって風紀委員ならびにC&C、正義実現委員会、その他諸々の堪忍袋の緒が切れた。

 

C&Cと正義実現員会は鬼のような速度で部隊を展開。

 

今も尚、風紀委員の半数はストーンヘンジを護衛、残り半数をアコが率いて温泉開発部を追っている。

 

 

当然、カイザーPMCも黙っていなかった。

 

各道路、道に検問を貼り、24時間体制で監視している。

 

SRTの内、RABBIT小隊を初め、GRYPHUS小隊

 

果ては、限定釈放下のFOX小隊やCAT小隊までもがカスミ達を追跡し始め、さながら狩りの様だった。

 

 

 

コトリを除いたエンジニア部と工務部、その他有志の生徒により、ストーンヘンジ1号機も修復作業が開始された....しかしユウカの計算では明日までには間に合わないとのことだった。

 

 

 

そうして、司会を務めるはずだったリオやリンは胃を痛め、パーティー司会をエンジニア部のコトリが担当している。

 

 

 

残念ながらみな集まっての前夜祭....にはならなかった。

 

 

 

「皆さん!明日が本番です!!気を引き締めて行きましょう!!」

 

 

 

 

「 「 おーーーーーーー」 」

 

 

 

それでも尚、ここに集う生徒達の思いは一つだ。

 

 

自分達の学校、都市。

 

居場所を守る事。

 

 

 

 

燃え上がるキャンプファイヤーの前で踊り明かす生徒。

 

 

思う存分食事を楽しむ生徒。

 

 

友達と話す生徒、様々だ。

 

 

 

 

「貴方が.....先生?」

 

後ろから声をかけられて振り返る。

 

 

そこに立っていたのは身長がホシノ位のプラチナブロンドのショートカットの生徒。

 

「"君は?"」

 

 

これまで見たことの無い制服の上にフライトジャケットを羽織り、下はかなり短いスカート。

 

その太ももはショートタイツで覆われている。

 

 

ジャケットの袖には金色の....鷲だろうか、エンブレムが着いている。

 

彼女は敬礼しながら気だるげな声で話しかけてくる。

 

 

「....失礼...。エルジア連合学院、防衛部所属

.......そうだな...

 

黄色 13(yellow thirteen)と呼んでくれ。」

 

 

 

 

....エルジア連合学院。

 

 

確かD.Uから北東にある複数の学校で構成された学院だ。

 

それと彼女の名乗った名前、間違いなく本名では無い。

RABBIT小隊が使っているコールサインに間違いないだろう。

 

 

「"うん。

 

初めまして。どうかしたの?"」

 

 

 

「.....いや、特に用事という用事はないんだ....。

 

ただ、大丈夫かな...って。」

 

 

 

主語がない。

 

あまり話すのは得意な生徒では無いのかも知れない。

 

 

 

「"何が心配なの?"」

 

 

「....いや、自治区、壊されたレールガンの防衛範囲だから.....」

 

 

「"あぁ、そうか。"」

 

 

「.........何か嫌な予感がしてて....」

 

「"....きっと大丈夫だよ。ほら見てみて。"」

 

 

私は彼女の視線をパーティー会場へ誘導した。

 

 

「"砲台は後7機残ってるし、なんとかカバーできる範囲だってウタハ───ミレニアムののエンジニア部の部長が言ってたよ。

 

それにさ、

 

 

一応コトリはああ言ってたけど、試射もしてないし何が起こってもおかしくない。

 

例え迎撃に成功できたとしても被害がゼロに収まるわけじゃない。

 

でも────"」

 

 

察しはいいのだろう。

彼女は私が言いたい事を理解してくれた。

 

 

「....だけど、皆、楽しそうだね。どうして?」

 

 

私は答える。

 

「"結果だけが全てじゃないからだよ。

 

今皆、学籍も所属も関係なくここに集って1つの目的、目標に向かって作業してた。

 

大事なのはそこじゃないかな?"」

 

 

 

 

「....それ、言い方変えれば過程が良ければ結果なんてどうでもいいって事じゃん....。」

 

 

「"そうじゃない。

 

もちろん、結果も大事だけど、過程がしっかりしていれば、計算式がしっかりしていれば。

 

間違えなければ結果もついてくる。

 

 

私は生徒達を信じてるからね。"」

 

 

 

「そういうものなのかな....?」

 

 

「"うん。きっとね。"」

 

 

「.........」

 

 

しばしの沈黙の後───

 

 

 

 

「...なら──」

 

 

 

彼女は何かを決めたのか、私に言う。

 

 

「......大丈夫だよね。

 

 

 

先生を、信じる。

 

 

もし───になったらしっかり、───を....止めてね。」

 

 

「"えっ....?"」

 

その声に振り向くと、黄色 13(yellow thirteen)と名乗った生徒は姿を消していた。

 

 

 

最後の言葉はしっかりとは聞き取れなかった。

 

 

ただどうしてか、

 

私を止めて欲しい

 

そう、言ったように思えた。

 

 

 




後書き


現時点でも

登場キャラの名前

・メビウス1

・黄色の13

・オメガ11

等の名前が決まっていません。

スカイアイは

「青空 アイリス(あおぞら アイリス)」にしようと思ってます。

アイリス =瞳の中にある虹彩


メビウス1は最低限名前だけはユイ「結」にしようかな、くらいです。


もはやキャラの性格を表現や文章に出さない可能性まであります。

これはエースコンバットにおける主人公はプレイヤーの鏡であり、

メビウス1は特にその傾向が強く、ゲーム中で人物描写がほぼありません。

選択肢があった5やエーススタイルで変わるZERO、味方キャラとの交流が深い6.7とは格段に個人的情報が無いのです。


公式から「メビウス1は皆様(プレイヤー)の物」とすら言われており、下手をすると神みたいな全体的な存在です。

つまり、メビウス1は本当にプレイヤーの数だけ脳内補完されているということなのです。

故に、キャラ描写を一切出さない方向性を検討中ですが、

結局の所ブルーアーカイブを主軸としているので、メビウス1の苦悩や葛藤、戦友たちとの交流を書きたい自分も存在してます。

そして問題は、

どれだけ試行錯誤しようともキャラデザが自分の中で「これじゃない」感になっている所ですかね。




黄色 13に関してはいくつか候補があり。

1.湯田 イスカ(ゆだ いすか)

13関連、「最後の晩餐」の13番目の席に座った
「イスカ(リオテの)ユダ」から。

イスカ、が少し女の子っぽくないかも...?

2.苗字に(黄色中隊=アクィラ隊にちなんで)鷲を入れたシリーズ

・王鷲 ユナ(おおわし ユナ)

・鷲羽 ユナ(わしゅう ユナ)


ユナはユダ、を少し名前変えて名前っぽくしただけ。
実際する苗字に「黄鷲」が存在しないようで、許されるならそれでもいいかも。

・天鷲 テオリ(あまわし テオリ)
※組み替えると

鷲と天→空=スカイ

スカイ+テオリ

組み換え→イスカリオテ=ユダ=13 となる。

個人的には凝りすぎてテオリが名前らしくない所が少し気に入ってない。

手織、と解釈した場合はメビウス1のエンブレムのリボンを「結ぶ」と対比になってていいとは思うが....

って所ですかね。

黄色13のモチーフである「ハンス・マルセイユ」から名前とってハンナにしようとしたら、ブルアカ×エスコン5の方でもう既に「鶴岡 ハンナ」がいましたのでボツになりました。


アンケート作るんで、投票して下さると助かります。

また、黄色13だけに限らず「このキャラはこういう由来で○○って名前がいいかも」と案があれば感想の方にお願いします。

黄色13の名前

  • 湯田 イスカ(ゆだ いすか)
  • 王鷲 ユナ(おおわし ユナ)
  • 鷲羽 ユナ(わしゅう ユナ)
  • 黄鷲 ユナ(おうわし ユナ)
  • 天鷲 テオリ(あまわし テオリ)
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