BLUE ARCHIVE Out For Shattered Skies 作:神宮寺志狼
まずは謝罪を
ユリシーズの直径10.582km→1.582kmへ修正しました。
書いていて思ったんですが、ガンダムのコロニーの直径何kmなんだろう、って調べたら6.5kmでした。
それを大気圏外、しかも地表からレールガンで狙撃しようなんてどう考えても不可能ですねww。
浅慮でした。
で原作のユリシーズの直径調べたら約1.6kmでした。
なお、最初はひとつの隕石を分砕して、散らばった物をさらに細かくするのだと思っていたのですがそれも間違いでした。
で、どうも大気圏の摩擦熱とかで分解したわけではなく、『ロッシュ限界』(または『ロシュ限界』)という、星同士の距離感によって隕石自体の自己重力許容範囲を超えて砕けたのだとか。
でその砕けた破片をストーンヘンジで、迎撃したみたいです。
この話を書いている途中の私「ナニソレシラナイ。」状態。
そんなものそっち系の大学出てないと分かる訳が無い。
という訳で2話のリオの解説と破砕方法の思考そのものが間違っていてですね?
私の心は砕けました、2話を先に修正します。
上手いこと考えないと....修正方向を。
今作ではパテル分派の代表がにフェリと一緒に留年したニーナが。
連邦生徒会の防衛室長は新任の生徒がついた事にしてます。
それとタイトルやサブタイにルビ振ってる人達ってどうやってるんだろう。
プレミア会員みたいなのがあるんですかね?
以下本編。
後書き。
ユリシーズ落下当日
13:00
迎撃開始1時間前。
私はリンやアオイ達、連邦生徒会と揉めていた。
「だから、貴方は今からでもエリドゥに退避すべきなのよ。」
「私もその意見に賛成します。
もし、連邦生徒会が無くなったら───」
「"ホシノも言ってたよね?
連邦生徒会が存在しないキヴォトスは考えられないって。"」
「だからって貴方がここにいる必要性はないのよ!?」
そう、今私はD.Uの連邦生徒会の本部にいる。
つまり、ユリシーズの落下被害範囲のど真ん中にいた。
「お、お願いしますから....どうか先生は...」
アユムにも避難を要求される。
しかし、曲げられない。
「"皆が、今出来ることをしているように、私もその責任を果たすよ。"」
「しかし.....」
「"子供が頑張っているのに、自分だけ隠れる、なんて言うのも嫌なんだよね。"」
アロナとプラナも退避して欲しいと懇願してくる。
『お願いしますっ!!先生!逃げてください!!』
『....アロナ先輩の意見に同意します。
もし、迎撃ができなかった場合、私達の力ではどうにもなりません。
退避を推奨します。』
「"ありがとう、アロナ、プラナ。
でも....ごめんね、2人共。"」
『そんなっ....』
『......』
「"それにさ。"」
私はリンを始め、集まっていた皆に言った。
「"私は信じてるよ。
皆で協力したこの5日間を。
皆の思いと、願いを。"」
「先生....」
最初に折れたのはモモカだ。
「...ここまで言ってダメならもう無理じゃん。諦めよ?」
「....っ、何言ってるのよ!」
アオイはモモカの意見に猛反発する。
しかし、
「....仕方ありませんね.」
リンも認めてくれたようだった。
「正気なの!?」
「...こうなった先生はテコでも動きません。
アオイも知っているでしょう?」
「でも....」
私はアオイと向き合った。
「"私にも、皆の居場所を守る手伝いをさせて欲しい。"」
「......いいわ、どうせ今から退避しても間に合わないみたいだし。」
アオイも渋々諦めたようだった。
「"ごめんね。"」
「....もういいわ。」
私たちの元に連邦生徒会役員生徒が状況を伝えに来た。
「生徒会長代行!各学校、準備が整ったようです!!!」
リンが指示を出す。
「.....各学園代表、及びエンジニア部のウタハさん、それとユズさんに回線を繋いでください。」
「"え!?なんでユズの名前...."」
「....先生、知らなかったんですか?
花岡ユズさんは砲手担当です。」
「"初耳だよ、というか射撃ってどうやってするの?"」
私の質問に答えたのは画面に映ったコトリだ。
『説明しましょう!!
ストーンヘンジの射撃シークエンスはこうです!
1.ユズが破砕対象を指示します。
2.セミナーの皆さんが破砕対象の位置、距離を計算をします。
3.ヴェリタスの皆さんが風速や気温湿度の微細な所まで環境情報を供給してそれを元に補正をかけます。
4.シミュレーションの結果を射撃管制システムに反映
5.最後に射撃管制システムの画面に表示された座標にユズが照準を合わせてトリガーを引けば砲弾が発射されます!!
ちなみに最初はC&Cのカリン先輩の直接照準射撃だったんですが、端末操作に自信が無いというのと、破砕対象が多い場合カリン先輩では処理しれない可能性がある、との理由からユズさんに変更になりました。
あ、今でも直接照準射撃もできますよ?』
「"説明ありがとう、コトリ。"」
『あ!ユズさんはシミュレーション上で98.8%の成功率をたたきだしてます!安心してください!』
「".....エンジニア部はどうするの?"」
ウタハが答える。
『私達はユズの所に控えているよ。
もし、ソフトのエラーや不調が起きたとしても直ぐになおしてみせる。』
「"そっか。よろしくね。"」
私は別のモニターに視線を向ける。
映し出されているのはゲーム開発部の部室。
ガクガクと震えているロッカーが映っていた。
『.....ゴメンナサイ....ゴメンナサイ....ゴメンナサイ.....』
ロッカーの中からボソボソとユズの声が聞こえてくる。
「"そうだよね、7機あるってことは、同時に7つの目標指定と照準を合わせなきゃいけないんだもんね。"」
コトリの説明を踏まえても確かにユズにしか出来ないことだろう。
腕6本もあるアヴァンギャルド君をマニュアル操作で操縦していた彼女にしか。
言ってしまえばシューティングゲームのようなものだ。
そして、UzQueenの異名を持つ彼女なら───
『ム、ムリデス.....ワタシニハトテモ.....』
怯えているのは落ちてくる隕石に、ではない。
自分が打ち損じたら、失敗したらの事を考えての事だ。
彼女はキヴォトスの命運と命全てをその身に背負っている。
相当のプレッシャーだろう。
ユズには辛いはずだ。
「"ユズ───"」
私が話しかけると画面の向こうのロッカーの揺れが止まった。
『.....先生...わ、わたし...』
怯えるユズに───
・[大丈夫、ユズなら出来るよ。]
・[ユズは1人じゃないよ。]
・[....これが終わったら、ユズは何がしたい?]
「"これが終わったら、ユズは何かしたい事ある?"」
私の言葉に俯いているユズは頭の上にはてなマークを浮かべているようだ。
『.....したいこと...ですか?』
「"うん。
終わった後のことを考えてごらん?"」
私はそのまま語りかける。
「"私達には数秒先の未来さえ分からない。
不謹慎かもしれないけど、もしかしたら今この瞬間に隕石の落下速度が速くなって地表に激突するかもしれないし、
もしかしたらスーパーヒーローがやって来て隕石を砕いたり、超大型ロボットが隕石を押し返してくれる事だってあるかもしれないよ?
そう、未来は分からないんだ。
難しい事かもしれないけど、今悩んでもこの後の事なんてわからない。"」
『.....』
ユズは黙って私の言葉を聞いてくれている。
「"自信が無いわけじゃないんだよね?
厳しい言い方かもしれないけど
バイトの時の件も、ユズはできない事はしっかり「出来ない」って言ってくれた。
事が事だから、砲手役に抜擢された時も出来ないと思っているならユズは全力で断ったと思うんだ。
ユズは自分が出来る事を分かってるはずだよ。"」
『.....でも先生!──』
「"うん、分かってる。不安だよね、怖いんだよね。
当然私も怖いよ。
ううん、私だけじゃない、皆そうだと思う。"」
『わたしだけじゃ....ない....。』
「"うん、ユズだけじゃない。
ユズは1人じゃないよ。
モモイも、ミドリもアリスも今違う場所にいて、皆の居場所を守ろうとしてる。"」
『.......皆....。』
「"皆同じだよ。
大丈夫!ユズならきっと、いや絶対にできる。
それはユズにしか出来ないんだ!"」
『....先生が....信じてくれるなら───』
『いいや、先生だけじゃねぇぜ。』
通信に割り込んできたのは現在、ストーンヘンジが破壊された影響で迎撃が手薄になったノースポイントにいるネルだった。
『あたしもお前なら出来るって確信してる。
お前には体力も腕っ節もねぇけど、いざって時は誰かの為に身張れる奴だよ。
なんせ、初めて会った時も他の3人と違って真正面から堂々とあたしを欺いたしな。
もう一度言うぜ、お前には体力も腕もない。
だけど根性と度胸はある。
これは絶対だ。
異論は認めねぇ。』
『ネル先輩....』
『だからよ、胸張ってよ、構えろや。』
さらに割り込んでくるのはミレニアムにバラバラに散っているモモイ、ミドリ、アリスだ。
『そうだよ!!ユズに勝てるゲーマーなんてこの世に存在しないんだからッ!』
『ごめんね、傍にいてあげられないし、私達じゃその役割は出来ないけど.....』
『それでもアリス達はこの世界を救う勇者パーティーです!!
皆今、別の場所に居ます。
それでも、目的はひとつです。』
『そう、私達、皆で守るんです!』
さらに会話を聞いていたのか、ナギサを押しのけてヒフミが割り込んできた。
『.....ヒフミさん....』
『私達にも、そこでユズさんの力になる、なんて出来ません。
ですけど、それでも同じ空のしたで、守るべきものの為に引き金を引きます。
ユズさん一人では出来ません。
でも、貴女無しでもダメなんです!
皆の力を合わせないと、この作戦は成功しないんです!!
そして終わったあとに皆で笑いあうために、私は、私のできることをします!
こんな所で終わりになんてさせません!!
絶対に!』
私はユズにもう一度問いかけた。
「"ユズはこれが終わったら何がしたいか、思いついた?"」
少し目を伏せて、ユズが口を開いた。
『皆で────』
「"うん。"」
『皆で、ゲームが、したいです。
だから.....
やります....っ。』
ユズはゆっくりと端末の前に座った。
もう、大丈夫そうだ。
『先生!ユリシーズが大気圏外で分解しました!!
来ます!!!』
アロナの言葉と共にユウカが割り込んできた。
その目尻には涙の後があり、後ろのノアは微笑んでいた。
恐らく今の会話を聞いていたのだろう。
『先生!目標の迎撃可能高度到達まであと300秒です!!』
「"うん、わかった。"」
私はアロナとプラナにお願いした。
「"2人とも、できる限りでいいから、
このD.U周囲に集まっている生徒の端末に私の声を載せて。"」
2人は驚いた様子だったが決心したのかやる気のある表情を見せた。
『『はい、先生』!』
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アビドス自治区
ホシノ達アビドス生徒会は学校や自治区に降り注ぐ一定の大きさの隕石を地上から迎撃しようとしていた。
銃の射程など関係ない、力など関係ない。
自らの学校を守ると、心に決めている。
《シロコちゃん、クロコちゃん。配置着いた?》
ホシノが2人に通信を送った。
《ん、大丈夫。》
《私も問題ない。ノノミとセリカは?》
《大丈夫です☆》
《こちらセリカ、私も大丈夫。サイファー!》
セリカがその名を呼んだ。
《そう叫ぶな、聞こえてる。
こちらガル───いや、
1人だけ異質な返事にセリカが突っかかった。
《あんたそれ好きよね~、コールサインって言うんだっけ?
別に軍隊でも無いんだし、いい加減名前呼び慣れたら?》
《.........》
《な、何か言いなさいよっ!!》
《....やかましい。》
《なぁっ!?このぉぉぉっ!》
その会話のやり取りを聞いて対策委員会全員が笑った。
ノノミ、セリカ、サイファーがシロコに準備完了の応答をする。
ホシノが確認を取る。
《アヤネちゃん、避難はどう?》
《こちらアヤネです。
市民の皆さんは全員エリドゥに着きました!!》
他の区画より圧倒的に少ないが、アビドス市民もミレニアムに避難していた。
そして───
《それで、私たちはどうすればいいのかしら?》
アルがそうホシノに聞いた。
便利屋68は今回アビドス生徒会に雇われたのだ。
《便利屋の皆は自由に動いて貰っていいよ ~。》
《聞いたわね?皆。
それぞれ各自展開して破砕作業をしなさい。》
《は、はい!アル様。》
《.....了解。まぁ私に何ができるか分からないけど。》
《おっけー!!》
《アル様の頭上に落ちてくる無礼な石ころは...全部全部壊します...っ!》
アルが指示し、便利屋68のメンバーもバラバラに散った。
その時だ。
『"聞こえてるかな?"』
端末から先生の声が聞こえて来た。
───────────────────────────
D.U地区
温泉開発部がストーンヘンジ1号機を壊したことにより北部地域の迎撃確率が低くなっていた。
そこで連邦生徒会は有志を集い戦力を固めた。
《委員長、こちらアコです。
ノースポイントの状況を教えてください。》
そこには、ゲヘナ風紀委員会 委員長、空崎ヒナもいた。
《こちらヒナ。
思っていたより少ないわ。
かなり厳しくなりそう。》
集まっていたのはミレニアムサイエンススクールからC&C全員。
トリニティ正義実現委員会複数名。
SRTの各小隊。
そしてヒナ。
少数精鋭ではあるが、いかんせん数が足りない。
《....今からでも私も...》
《ダメ、アコはゲヘナ自治区の迎撃活動に集中して。》
《C&C、準備完了したぜ。》
《こちらRABBIT小隊、準備完了です。》
《FOX小隊、同じく
《GRYPHUS小隊とCAT小隊、
《.......》
《正義実現委員会、共に万全です。》
《こちら空崎ヒナ、迎撃準備完了。》
その時だ。
各々の端末から先生の声が聞こえてくる。
『"聞こえてるかな?"』
《まって、皆。先生の声が!》
ヒナはその場にいた生徒を静かにさせて端末を取りだした。
『"ここまで本当にお疲れ様。
準備しながらでいいから、皆に聞いて欲しいことがあるんだ。"』
その場にいた生徒は静かに先生の言葉を聞いている。
いや、この場だけでは無い、各地でも同じように生徒達は静まり返っているのだろう。
『"私達はもう間もなく重要な作戦を始めなきゃいけない。
そう、ユリシーズの迎撃作戦だ。
私達は、学籍も立場も所属も皆違うけど。
共同で作業し、ストーンヘンジも完成させて、こうして同じ目的の為にこうして立っている。"』
『"君達はこれまでどんな逆境でも、
守るべきものの為に、誰かのために立ち上がってくれた。"』
────────────────────────────
「"だからこそ、私達は今日も勝てるって、信じてる。
取り戻そう!私達のこの空を!
守ろう!自分達の居場所を!
さあ、皆で星屑のカケラを打ち砕こう!!"」
私が話し終えるとリンがユズに指示を出した。
「ではユズさん。お願いします!」
────────────────────────────
「えっと、これと、これと、これと────!」
ユズはゲーム開発部の部室でコントローラーで画面を見つめて戦っていた。
キヴォトスに接近しすぎたユリシーズが自重力によって耐えられなくなり空中でいくつかの破片に割れた。
その降り注ぐ星屑の欠片の中大きく、尚且つ近いものを選別していき照準を合わせていく。
そしてそれは一度に方位7つに対して各1つずつしか選別できない。
その作業をユズは高速で処理していたのだ。
ウタハとコトリはそんなユズの隣で情報管制を行っていた。
隣では情報収集をヒビキが。
「最終電源接続終了です!!」
『聞こえる?
こちらチヒロ。
今環境補正が終わった。』
ウタハが頷いた。
「最終照準調整終了!今だよ!ユズ!」
「───ッッ!!」
〈カチッ!〉
ウタハの指示でユズがコントローラーのRトリガーを押した。
──────────────────────────
数分前。
百鬼夜行連合学院自治区
「あ、あんなのを撃ち落とすのかよ!!」
「.....落ち着いて。レンゲ。」
「でもよ!あんなの私達の力でなんか───」
落ちてくる隕石を肉眼で見てパニックになっている生徒は少なくはなかった。
レンゲもその内の一人だ。
それをナグサが落ち着せようとしていた。
「なぁ!キキョウもそう思うだろ!?」
「......どうかな。全てはあの巨大レールガンのトリガーを握っている生徒次第。
いくら空中分解していると言っても、結局のところ大きいことに変わりは無いし、それを全てあのレールガンで打ち砕くのは難しい。
そもそも動くかわからないし。」
「まぁ...やらなきゃアタシらの居場所が無くなるってのも分かるけどよ。」
「大丈夫ですの!!!」
「....ユカリ。」
不安そうなレンゲをユカリが励ました。
「でもよ、私たちはあの空が染まった時───」
「過去は過去ですの!
今は私達4人、揃ってますわ。
それに──」
ユカリの肩にキキョウが手を置いた。
「さっき言ってた通り、先生は私達が出来ると思ってる。信じてくれてる。
私は百花繚乱の参謀として、あの人の思いに応えたい。
何より──」
それを微笑ましく見守るナグサ。
キキョウは誓うように言った。
「せっかく取り戻したこの場所を、二度と失わない為にも。」
そして──
「確かに、昔と今じゃ違うことが多すぎだな。」
レンゲが空を見上げれば、そこには飛翔していく弾丸と、打ち砕かれたユリシーズが見えた。
その砲撃は発射音を置き去りにして発射され、直撃していたのだ。
「ぐれいとぉっ!ですわ!!」
レンゲが銃を構える。
「....ってことは次は──」
「そう、『私達』の番。」
───────────────────────────
司令本部である連邦生徒会は大いに沸き立っていた。
「第1斉射.....成功です!!!」
アユムがそう言うと皆が喜び、抱き合う生徒もいた。
「「 やったぁぁぁっ!!!」 」
『いける、いけるわ!!!』
画面向こうのユウカも拳を握りしめている。
「安心するのはまだ早いわ!」
「現場の次弾装填!急いでください!」
120mmというかなりの重さの砲弾を装填する上に最低限の砲身冷却を含め再使用までには1分ほどかかる。
「"聞こえた?ユズ。一回目の射撃は成功したよ。
7発すべて直撃だって。"」
『よ、良かったです...。』
彼女はホッと一息着いて安心している。
「"引き続きよろしくね。"」
『わ、分かりました!』
一見簡単そうに見えるユズの作業だが、問題は迎撃優先度の取捨選択。
言わばトリアージだ。
近く、そして大きいものを選別する。
選択できるのは一度に7つのみ。
分間に1~2発しか発射できないストーンヘンジ。
当然目標選択の余裕はない。
そして、目標の大きさに対して最適な弾頭の選択もユズの仕事である。
再発射準備作業中も、ユズは画面から目を逸らしていないようだった。
「第2射、準備完了まで後5秒!」
『目標選択....!』
ユズのターゲット指定が終了した。
『情報、ギリギリまで修正中......!』
「....間に合うかしら....」
リオが心配そうに呟いた。
それに対してヒマリが具体的な進行状況を計算し始める。
「....ユズさんはよくやってくれています。
ですが....現在得られている凡その情報を元にすると、要破壊対象は残り100個以上あります。
ユウカ。
『残り時間』は後どのくらいですか?」
残り時間。
つまり全てのユリシーズの欠片が地表に降り注ぐまで、ということだろう。
『残り720誤差±360秒です!』
ヒマリはまとめた。
「つまり、最低12分後までに計100回以上の斉射が必要となります。」
明らかに矛盾していた。
12分で84回斉射しか出来ないのにそれ以上を求められている。
「.......あと一機....あれば....」
リオが俯いた。
「....確かに足りましたね。
ですが、壊れたもののことを考えても仕方ありません。
根元を破壊されてその自重で潰れたのですから、12時間程度で修復などできるわけ無かったのです。」
リオやヒマリ、ユウカ達が悩んでいる間もユズは目標を定め、トリガーを引いていた。
しかし───
『.....もしかしたら...。』
「"どうしたの?ユズ。"」
『あの.....ひとつ、思いついたことがあります....!』
何かを決心するように、ユズか提案した。
─────────────────────────
D.U地区
「オラオラオラオラァァァ!!」
〈 〈ダダダダダダダダダダダダダッッッッ!!!〉 〉
ネル達はトキが操縦しているヘリ高度3000m射撃を繰り出している。
トキが操縦しているのはアビ・エシュフは高度差により演算過負荷がかかる上、エリドゥは避難所となっているため、連動による最大バックアップは今回得られない為で、
更に言うと、現在飛んでいる上空3000mも下手をすれば落ちてきた破片によりヘリごと地面に叩き落とされる可能性があるため、エリドゥの演算機能すら回避運動に使用されている。
故にトキにしか操縦できなかった。
「....キリがありませんね!」
「....あの子みたいにレーザーでも使えればいいのにね!」
アスナが目線を向ける先は別機に乗って破片を迎撃しているヒナだ。
「.....!!」
〈ギュイーーーン!!!ヴィーーーーーーーッッ!!〉
ヒナの弾幕───いや、それは弾幕では無い。
もはや傍から見ればレーザー兵器だった。
ヒナが乗っているヘリコプターは何故か巻き込まれたフウカが操縦している。
「ど、どうしてぇぇぇっっっ.....」
最低限とはいえエリドゥからバックアップを受けているトキはまだいい。
まさかの
「.....もう少し、安定した機体制御を────」
「無理ですぅっっ!!!」
フウカはヒナからの要求を突っぱねた。
これまでバイクや給食部の車を運転したことはあったが、ヘリコプターの操縦はおろか、乗ったことすらないのだ。
ウトナピシュティムの本船を除けば空を飛んだことなど無いに等しい。
「....まぁ、そうよね。
貴女は操縦に集中してくれればいい。」
「うぅっ......!!!」
《おい、風紀委員長!乗ってるのはお前たち2人だけなのか?》
戦闘──もとい迎撃作業中のC&Cのリーダーから通信が入る。
「そうよ、戦力不足の不満なら後で聞くから。
今は迎撃に集中して。」
《ちげぇよ、中々やるじゃねぇか。って称賛だよ。》
「.....くだらない。私はやるべき事をやってるだけ。
貴女も正義実現委員会────」
「「ヒャッハァァァァァァァッッッ!!!!!」」
ヒナが「見習って」と言おうとした時に聞こえてきたのは正義実現委員会の委員長、ツルギの肉声だった。
《あ?アイツらがなんだって... ?》
「.....なんでもない...。」
〈ギュイーーーン!!!ヴィーーーーーーーッッ!!〉
〈 〈ダダダダダダダダダダダダダッッッッ!!!〉 〉
「.....なんでしょう、落下情報が、更新され───ッ!!!」
〈ALERT〉〈ALERT〉
トキが端末を見ればそれだけが表示されていた。
『"トキ!フウカ達も!今すぐ高度を下げて退避して!!!"』
端末からは先生の声が聞こえてくる。
「ですが──」
「おい!先生、何始める気だ?!」
少し溜めたあと、先生は告げた。
『"ちょっと空中でビリヤードを、ね。"』