2025年記念すべき最初の投稿はAve Mujicaの新規小説になります!
この作品は前作にあたる【迷子になるか、仮面を着けるか】や【白き蝶に導かれて……】と同じ世界観になります。
それと、私と普段から親交のある作家さんである…『咲野皐月』さんの作品である【仮面と彩りの狂想曲】などの原作がBanG Dream!や他テーマの小説の作品のオリ主やオリキャラが登場します。
それでは、本編をどうぞ。
僕たちのバンド…Ave Mujicaはデビューライブでのトレンド入り、それに加えて対バンライブで先輩バンドであるPastel*Palettesに圧倒的実力で勝利を収めた事(それも会場は武道館で)から、ライブやメディア露出のオファーが立て続けに舞い込んできたからか、商業的成功を果たした。
そんな僕たちも、先日はライブがあって、いつもの劇を観客に提供すると共に、新曲『Ether』の初披露するのであった。それに加えてライブ終了後に雑誌取材をして本日の仕事は無事に終わりを迎えたのだ。
しかしそのライブがあったのはほんの数日後の話。今日、僕と祥子ちゃんは今現在、京介先輩に呼び出されて生徒会室に来ているのであった。
生徒会室にいるのは、僕たち2人の他には呼び出しをした張本人の京介先輩、それに副会長の羽沢先輩の4人だけであった。
「先輩、僕たちに用があるって言われたから来たんですけど、何かあったのですか?」
僕たちは特別悪い事はしてないはず。生徒会の厄介になる事は全く記憶に無い。
「実は2人を急に呼び出したのは他でも無い。
まさかのバンド⁉︎しかもここでっ⁉︎この場には僕たち以外にも羽沢先輩がいるんですよ!祥子ちゃんも僕と同じ事を言いたいみたいで目を見開いてますよ!
「安心しろ、バレる心配はない。つぐみはこの手の秘密に対しては口は堅い。多分墓場まで持っていってくれるはずだ。それにもう
く、口止め料⁉︎何してんだこの人!でも一体どのくらい払った…
「って、言っても今週末
羽沢先輩が苦笑いしながら教えてくれたけど…いや、それただのバイトじゃ無いですかっ!しかも手伝い1日で墓場まで持っていってくれるなんてどんだけ破格なんですかっ!
「バイトじゃない、ボランティアだ。給料は貰う気はない」
心の中を読まないでください!心臓に悪いですよ!
「でもそれは他の子だったら普通は出来ないよ?京介くんの場合はバイトの子を斡旋させて貰ったからそのご厚意で黙ってるんだよ」
あー、それなりの恩があったわけですね。なんとなく理解できました。
「それで京介様、私達をお呼びした理由というのはなんですか?」
そんな時、祥子ちゃんが一度咳払いしてから話を戻した。そうだよ、先輩はその事で僕らを呼んだんでしょう……。
「まずはこれを見てほしい」
先輩はそう言ってスマホを取り出して軽く操作してから机の上に置いた。スマホというと、もしかして何か不備でも見つけたのかな?そう思った僕たちはスマホに映し出させれる画面を見た。
「あの先輩。これは自慢か何かですか?」
そこに映し出されてたのは、『まなさんとピースサインしている京介先輩のツーショットの写真』であった。先輩、いくらファンだからって、見せびらかします、普通……?
「あっ、間違えた。これはこの前一緒に撮ってもらったヤツだった。正しくはこっちだ」
単純に間違えただけですかっ!ただの自慢だったら、この人殴り飛ばして帰ろうとしてましたよ!
先輩は慌ててスマホを操作してからまた机の上に置いた。そこには……
「こ、これは……」
「少し刺激が強すぎますわ……」
次に見せてきたのは、まなさんの水着写真であった。しかもグラビアで撮影されたものみたいだから少し刺激が強めである。これには僕や祥子ちゃん、一緒に見てた羽沢先輩も赤面せざるを得なかった。
「あっ、ヤベ。また間違えた。これはこの前颯樹さんが送ってくれたヤツだ。こっちだこっち…あとつぐみ、これ誰にも言わないでね?」
「うん。誰にも言わないから安心して」
また間違いですか!全く……。先輩はまたスマホを操作してから机の上に置いた。でも今度こそ話の本命を出してくださいよ?そう思いながら僕たちはまたスマホの画面を見た。そこには……
「にゃむさん?」
「あぁ、にゃむちの動画だね。ひまりちゃんもたまに見てるよ」
にゃむさんが『にゃむち』として上げてる動画だ。そうだ、Ave Mujicaでの活動で忘れてたけどにゃむさんは色んなメイク動画とかを挙げてて、今女の子の間で人気の動画配信者(愛音さん談)だった。
しかもこの動画を見てて思う事は、どこか『にゃむさん=アモーリス』と匂わせるものだ。確かに先日のライブ終了後の雑誌の取材にてわざわざメイクしたり仮面を外そうとしたりウッカリ本名を言おうとしてたな。
「もしかして……」
「嗚呼、にゃむ太郎が匂わせ動画を上げてたって報告だ」
先輩も気づいてたんだ……あとにゃむ太郎って。今現在、にゃむ太郎を使う人なんて、先輩か海鈴さんくらいしかいませんよ?
「俺の予想だけど…にゃむ太郎はもしかしたら、いつか自分からステージで素顔を晒す事をするかもしれない。そうなったら同じキャストでも容赦なく仮面を外す事を敢行するかもしれないから警戒してくれって事だ」
なるほど…確かにゃむさんは祥子ちゃんからスカウトされた際に『顔と数字』が理由って言われたらしい。確かに数字はともかく顔は仮面で覆われてるからにゃむさんは不満を露わにしないかも。
だからにゃむさんは所謂…匂わせ動画を投稿してるんだ。
「……分かりましたわ。この事は颯樹さんには?」
「まだ伝えてない。こういう報告を伝えるのはまずリーダーと副リーダーからでしょ?」
先輩も『自分はボランティア』とか言ってる割には主従関係はしっかりしてるタイプだ……。だから生徒会長が務まるんですね。
「そうですか……では獅音、貴方は今すぐこの事を颯樹さんに連絡してください。京介様は出来る範囲で構いませんので、祐天寺さんの監視及びまたこういった匂わせ動画を上げているかの調査をお願いできますか?」
一呼吸おいて祥子ちゃんは僕と京介先輩に各々の指示を出した。僕たちは無言で首を縦に振った後、僕はスマホを取り出して颯樹さんにこの事を文章に纏めた後、すぐさま送信するのであった。
「それと京介様、監視の期間は今から【dub】でのライブまででお願いします」
確かに祥子ちゃんの意見は尤もだ。こんなんでAve Mujicaの世界観をぶち壊されたくないからね……。
「了解した。それと祥子、【dub】でのライブは
此処でさりげなく休暇を取ることを伝えます?タイミング的には悪くないけど……。でも先輩はサポートに入る条件として『
「……分かりました。契約ですのでそればかりは仕方ありません」
京介先輩の事情を汲み取ってくれたのか、祥子ちゃんは渋々承諾した。
「だけど…
「「はい?」」
えっ。何言い出すんですか、この人?『観客として』?もしかして観客の1人としてライブに参加する気なんですか?
「何故そのような経緯になったのですか?」
「ましろと透子が今回のAve Mujicaのライブの抽選に応募したらしくてな……偶然ましろが当たって透子が外れたんだ。それでその2人で行く予定だったが、透子が補習と被ってな。他のメンバー全員も予定が空いてないからなし崩し的に俺となった。時間も生徒会の会議の終わりの時刻とか会場に行く時間を計算すると到着は開演ギリギリだから、サポートメンバーではなく観客として行く事になってな…」
「それで観客として行くんですか。でも、祥子ちゃんが認めるわけ「よろしくってよ」いいんだ…」
「はい。倉田ましろさんがAve Mujicaのライブに来ていただけるなんて…私感激しておりますわ♪」
即答してる……。しかもいつも以上に目が輝いてる……。羽沢先輩も苦笑いしてる。
まあそれ以上は特に何も無かったので、今現在昼休み中なので生徒会室を出て教室に帰り、午後の授業を終わった後は【G-WAVE】でライブに臨むのだが、そこで新曲『KiLLKiSS』を初披露した事により会場は大いに盛り上がって幕を閉じるのであった。
【G-WAVE】のライブから数日後、僕たちは【dub】にてライブの準備のために早めに訪れていた。『僕たち』と言うのも、僕の他には颯樹さんと千歌さんが来ていて、今は颯樹さんと共にライブの準備に取り掛かっているのだ。
ちなみに僕たち3人以外(来れないと事前に連絡を入れていた京介先輩を除けば)で来ているのは海鈴さんであった。海鈴さんは裏方作業も兼任していて、颯樹さん達が不在時は彼女もフォロー役も担っているためありがたいです。
……話を続けると、祥子ちゃんは今【dub】に向かっているようで、睦さんと一緒にタクシーに乗っているという連絡が数十分前に来たので、もう暫くすれば来る筈だ。
あとはにゃむさんは先日の匂わせ動画の一件もあったのと、千歌さんの見張りもあるからか、大人しくしている。まあ、デビューライブの時も『ドラムの調子を確認する』とか言って撮影していたから仕方ない。
最後に初華さんですが…彼女は
本来なら颯樹さんが送り迎えを担当していたんだけど、「今日はそんなに仕事が多くないから大丈夫です。先輩は先に会場に行って準備を手伝ってくれませんか?」と言われたらしいので、颯樹さんだけ先に会場入りして初華さんは後から合流するそうだ。
その後は無事祥子ちゃんと睦さん、初華さんと合流した後は、問題無く通しのリハーサルを終えて、全員で楽屋で休憩しているのだけど…
「…………」
「(今日の祥子ちゃん、いつも以上にピリピリしてる…)」
そう。今の祥子ちゃんの様子が明らかに違うのだ。怒りが露わになっている証拠か、手に持っている台本に力が入っているのを確認した。先程学校で会った時は普通だったのに、今は違う。何かあったような感じである。
さっきのリハーサルは平静をなんとか保ててたり、メンバーの誰かに声を掛けられても平常心を保っているが何処か苛立ちを感じているのは分かる。これは何かあったとしか思えない。
「獅音」
「どうしました、睦さん?」
睦さんの方から耳打ち?なんか珍しいな……
「祥は此処に来るまでいろいろあったの。だから祥の怒りを収められるのは獅音しかいないからお願い出来ない?」
なるほど、そうだったのか……
……一瞬、デビューライブ終了後の帰り道に祥子ちゃんそう言われたのを脳裏から思い浮かんだ。よくよく考えたら、そう言われてからはなかなか時間を取るのに厳しくなったため詳しい事情を聞けてなかった。
でもこれは逆に聞き出すためのチャンスじゃないかな?うん、そうしよう。でないといつまで経っても聞くことができなくなる。
しかしこのまま直接聞くわけには……。こうなったら妥協案として……
「……申し訳ないんですが、皆さんは席を外してくれませんか?祥子ちゃんと2人っきりで話がしたいです」
突然ですみませんけど、こうするしか無いんです。今から祥子ちゃんと話するには誰にも聞かれる訳にはいかないから。
「私達がいたらダメなんですか?」
「はい」
「訳を聞かせてくれるか?」
当然颯樹さんや千歌さんに問い詰められた。でもそれで臆するわけにはいかない。
「……
僕の言った事は間違ってはいない。それに、これは祥子ちゃんのためだから。
「だから誰も聞き耳を立てずに一旦出てもらえませんか?もしそれは無理、あるいはその保障が出来ないというのなら…」
「『出来ない』と?なんですか?」
「僕は彼女を連れて速やかに此処を出ます」
僕はおそらく真っ直ぐな眼差しになっているはずだ。多分ガラじゃないのは理解している。
「いやいや、ちょっと待って!それは流石に無理あるから!」
「こっちは無理を承知の上でお願いしているのです」
にゃむさんが慌てながら否定するも、こうしなければ話なんて出来やしないんですよ。分かってください。
「……分かった」
「いいの⁉︎さっきー!」
「獅音があそこまで言うのなら仕方あるまい。獅音、僕たちも含めて誰も聞かれずにすればいいんだよな?」
颯樹さんは僕の意見を汲み取ってくれたのか、了承してくれた。
「はい」
「分かった。それなら僕らは一旦此処から退散するよ。ただし時間は30分。その間はこの楽屋周辺の立ち入らせないように手配しておく。いいよな?」
「構いません。30分あれば充分です」
「分かった。30分後にまた来る。その間に僕たちは楽器の調整と舞台の打ち合わせを再確認してくる。行こうか、皆んな」
颯樹さん達は今一度仮面を取ると、僕と祥子ちゃんを残して楽屋を出た。
全員が戻ってきたり、楽屋前に誰かがいる気配は…無いな。よし、今なら大丈夫か。
「それで?獅音、あれだけ啖呵を切ったからには大事な話でしょうね?もしそうでなければ貴方でも容赦はしません」
祥子ちゃんは怒りがまだ収まっていないのかピリピリしていた。ソファに座って、僕を睨みつけながら髪の毛先を軽く弄っているのもあって少しだけ恐怖を感じた。
「……何があったか詳しく聞きたいんだ」
僕がそう言った時、祥子ちゃんは髪を弄る手を止めた。その表情は怒りとも悲しさとも捉えられる複雑なものであった。
「……気づいてましたか」
「うん。睦さん以外の他のメンバーに知らせるわけにはいかないのと…2人きりなら大丈夫と思って」
僕がそう言うと祥子ちゃんは眉間を押さえてため息をついた。
「……分かりましたわ。貴方にはこれ以上隠し事はしたくありません。だから何があったか、お話します」
少しばかし沈黙が続くと、祥子ちゃんは事情を話してくれるみたいだ。でも、此処からどうやって今までの事を聞き出すか……
「この際です。貴方に以前仰った事情も纏めてお伝えします」
「えっ、いいの?でも…」
「聞きたそうにしていましたから。顔に出てましてよ?」
分かってたのか……祥子ちゃんには敵わないや。いや、僕はもしかしたら顔に出やすいタイプなのかな?
「それでは……貴方に何があったかお話します。しかしそれを紐解くためにはまずは以前お伝えした事情から説明しないといけません」
祥子ちゃんの話か。一体どんな内容なんだ……?
「まずは……去年母が亡くなりました」
その一言を聞いて僕は一瞬思考が停止しかけた。えっ…おばさんが⁉︎
「元から病気があったのが悪化したようで…周りも長く持った方だと言ってました」
そうだったのか……あの人が亡くなってたなんて驚きも隠せないよ。僕もあの人にはお世話になったから、それだけで涙が出そうになる。
「それに続いて【CRYCHIC】結成と解散のキッカケも話しますわ。母が亡くなって間もない頃、私は当時は月ノ森の中等部に通ってました。毎月行われる音楽祭で私は
「キッカケ?」
「【Morfonica】さんです。貴方も名前くらいならご存知の筈です」
【Morfonica】?…確か、京介先輩が所属してるバンドか。
「その【Morfonica】さんの勇姿を目の当たりにした私は睦と一緒にバンドを結成しました。そこから同じ学年のそよさん、偶然出会った燈、そよさんの人脈で知り合った立希さん……その5人が集まって【CRYCHIC】が結成されましたわ」
なるほど。僕は【CRYCHIC】の結成した詳しい話はあまり知らなかったから、此処で知るのは思いもしなかったよ。
「そして『春日影』が出来て1stライブも無事に終われました。しかし、問題は此処からでした…」
も、問題……何が起きたんだ?
「お父様が、詐欺に遭って経営していた会社に大きな損害を与えました。金額は186億相当と聞きました」
おじさんまでっ⁉︎なんて事だ……おばさんが亡くなって次におじさんに不幸な話が舞い込んだなんて……そんな偶然があっていいのか?
「その後父はお
そうなんだ。そういう事が……しかし、僕は祥子ちゃんのお祖父さんは会った事すら無いからどんな人か分からなかったが、祥子ちゃんから話を聞く限り厳格なのは分かるけど、自分は一切責任を取ってないのは理解できる。
「お父様の住んでいる所を訪ねたのですが…お父様はもう既にお酒に溺れていて、身も心もボロボロになっていましたわ……」
な、なるほど……そんな事があったんだ。聞いているだけで僕も悲しくなってくる……。
「その後はバンド活動も出来る筈が無く、学費の都合で月ノ森を転校を余儀なくされて、新聞配達のアルバイトをしながらお父様のお世話をしましたわ。そして羽丘には特待生制度を利用して入学しました」
なるほど。だから祥子ちゃんは羽丘にいたんだ。確か特待生制度は、学費の免除もあるからお金の事は問題無いとして……中学生からバイトをしながらか。それならバイトをしてたのもそれが本当の理由だったんだ。
「……君の事情は分かったよ。だけど、それがどうして今の祥子ちゃんに繋がるの?」
「…………てくれ」
「祥子ちゃん?」
「『お前が居ると惨めに感じる』!『出て行ってくれ』!そうクソ親父に言われて、我慢の限界を感じて私は家を出て行きました!」
「!」
そ、そうだったのか……。祥子ちゃんの怒りは相当なものだけど、それと同時に悲しさもあったのか、彼女の目には涙が浮かんでいた。しかしさっきは『お父様』なのに今は『クソ親父』と呼んでいる。そりゃそうだ、傷心な身の上に更に傷つけたのだ。肉親が投げかけていい言葉じゃないのは確かだ。
しかし…今の祥子ちゃんを見ていると、昔の僕を思い出す。生まれた時から父親に見限られた、あの時を……。もしあの時祥子ちゃんに声を掛けられなかったらどうなってた事やら……。
でも今はそれは置いといて、今は祥子ちゃんの方だ。彼女は今、救いを求めている。僕はそう感じている。だから、今度は僕が彼女を助ける番だ。
「……祥子ちゃん、君は僕にこう言ったね?『残りの人生、私にくれませんか?』って」
「え…えぇ、言いました。それがなにか?」
「もう僕の人生は君のものだ。だから君が何かしようが僕は否定する気は無いし寧ろ従う。これからもそうするよ」
「獅音…」
「前にも言ったでしょ?『僕は君を愛している』って。僕は君を裏切らないし、君を必ず守る。これは絶対だ、約束する」
僕がそう言うと祥子ちゃんの目には涙が溢れていた。その涙と表情は悲しさにも見えるが、嬉しさと喜びにも捉えられるという矛盾が生じるものであった。
しかしそんな事はお構いなしに祥子ちゃんは僕に抱きついてきた。
「ごめんなさい、獅音。貴方には今まで黙っていて……」
「大丈夫だよ」
僕は祥子ちゃんを優しく抱きしめると共に彼女をあやすように頭を撫でるた。そこからは沈黙が続くのであった。途中、30分が経過したのか颯樹さんが楽屋に入ってきたのだが、事情を汲んでくれたのか無言で出て行ったのは、また別の話です……。
「皆さま、準備は出来まして?」
すっかり落ち着きを取り戻した祥子ちゃんは、仮面を着けてオブリビオニスとなってからはスイッチを切り替えて全員に確認を促していた。僕…私は途中、睦さん…もといモーティスと目を合わせてアイコンタクトを取り合った。多分言葉に出してれば『よかったね』『はい』と言っていたかも。
そして全員が首を軽く縦に振ると、ヴァニタスとオディウミスは舞台袖に待機、オブリビオニスと私を先頭にステージに立つのであった。
しかし私はまだこの時まだ気づいていなかった。数分後に開演を迎えるAve Mujicaの
まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。
次回は今回の続きで、Ave Mujica全員の素顔を晒すところとアニメ2話の内容、及びオリジナル展開をお送りしたいと思います。
ちなみに本作は、他小説や原作を忠実に再現するため都合上、アニメ視聴した上で執筆するので、次話の投稿は2週間に1話ペースで行きたいと思います。
そのため、次回の投稿予定日は2週間後の1月17日を予定しております。
それでは、また次回。
※最後に主人公である獅音のプロフィールと、今回から不定期で本編で出すかどうか不明な裏設定もお送りします。最後まで目に通しておくと幸いです。
【名前】
【性別】男 【年齢】16 【誕生日】8月22日
【学年】高校1年生
【学校】私立羽丘学園 【クラス】1年A組
【身長】167cm 【体重】59kg
【血液型】AB
【容姿】紺色に近い青髪のショートヘアー、黄色の瞳
【一人称】僕
【イメージCV】小野賢章
【概要】
普段は口数が少なく物静かな性格であるが、心の中では結構お喋り。基本1人でいるのが好きだが、学校では仲の良い知り合いと会話する事もあるのでコミュニケーション能力が乏しいというわけではない。しかし頼まれごとをされると基本断りきれないのでそれが災いしてトラブルに巻き込まれる事もしばしば。
家族構成は父と母。しかし血縁関係はなく養子縁組。ちなみに両親の職業は……父親はキャラクターデザイナー、母親は看護師。
好きな食べ物は魚介類全般、嫌いな食べ物は無い。
趣味は料理とライオングッズ集め、釣り。料理は父と母が忙しかったり夜勤だったりと、する暇がないので自分から積極的にやり始めた事がきっかけ。ちなみに料理はとても上手い。ライオングッズ集めは、最初は名前のコンプレックスでライオンはあまり好きではなかったが、幼馴染が名前を褒めてくれて激励してくれた事がきっかけで好きになる。ちなみにパンダ好きの立希とはライオンとパンダどちらが動物として1番かでよく揉める。釣りは本人曰く1人になりたい時に1人で出来るかららしい。
実は元は日本でも弦巻家とも並ぶ名家の末っ子である。しかし、母親との不倫相手との間に生まれた子供(所謂不貞の子である)。当然父親から冷遇され、兄や姉からも虐げられたようで、名前を出されたら、今でも嫌悪する程忌み嫌っており、家族とすら認めていない。
豊川祥子とは幼馴染の関係。8歳の時に偶然出会ってそこから2年近く交流していた。しかし10歳の時に獅音が養子に出される関係で生き別れる。そして6年の歳月を経て、羽丘学園にて偶然の再会を果たす。ちなみに2年間の間で初華と睦の話はある程度聞いている。(ちなみに2人も祥子から獅音の話を聞いている)余談だが、祥子は獅音の(養子先以外の)家族関係を唯一知ってる人物。
元はMyGO!!!!!(の前身となるグループ)で一応のマネージャーとして活動していたが、とある一件がキッカケで彼女達との間に溝が出来る。距離を置いて間も無くして祥子から声をかけられて
Ave Mujicaではマネージャーという立場だが、祥子(オブリビオニス)の補佐を担当しており、実質副リーダーの位置にあたる。ちなみにAve Mujicaとして活動する際は、ソリトゥス(solitus)と名乗っている。(ちなみにsolitusはラテン語で孤独という意味。Ave Mujicaのバンドネームの由来が月の海のラテン語から取られているため、ラテン語にちなんだ)仮面は口と顔の左半分(目元以外)が隠れているマスク(睦/モーティスの正反対)で、花のエリカを模した柄を施している(ちなみにエリカは花言葉で『孤独』)。服装も他のAve Mujicaのメンバーと同じ感じに合わせてか、バンドカラーと同じ燕尾服を着用している。
【獅音と祥子の両親との関係】
本編での反応の通り、獅音は幼少期に祥子の家に招かれる事が多々あるので、祥子の両親とは面識がある。ちなみに祥子の両親とは良好であった。特に祥子の母親には気に入られており、祥子のお下がりを着せて
あとは祥子のお婿さんとして豊川家に迎え入れようとしていたが、父親(祥子からしたら祖父)からは『何処ぞの馬の骨の家系のものなぞ駄目だ』と断られしまう。(補足すると、祥子の祖父は獅音の生家とは嫌悪感はあるが、彼の事は調べる気すらなかったので知らなかった。ちなみに獅音の生家と祥子の祖父の関係の話は別の機会にします。)
その際に家族ぐるみで親交の深かった若葉家に頼み込んで養子として引き取るよう頼んだが、ちょうどその時獅音の母親が病死して本人(獅音)は別の家の養子(という名で誤魔化した勘当)として引き取られる事になったので、若葉家の養子の一件は白紙になった。