舞い狂う仮面の人形と孤独の獅子の咆哮   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました。

 今回は予定通り最新話をお送りします。

 それでは、どうぞ。


#12

 「Ave Mujica、解散……。なによ、蓋を開けてみれば全然大した事無いじゃない。私に対してナメた口を叩くからそうなるの」

 

 今日のお仕事も終わって、大学から出されている課題に取り組んでいた頃、ふと目に入ったスマホの通知から覗いてみると、そこには大きく……見出しでAve Mujicaの解散が取り上げられていた。

 

 彩ちゃんから教えて貰ったSNSを見ていても、何処も彼処も世間の関心はその事ばかり。その所為か、ここ直近で世界トレンドの上位三つを総ナメしていた。

 

 「こんな未熟者が……よくも私たちに喧嘩を売れたわね。颯樹を引き抜くだなんてあんな暴挙、おかしいと思ったもの。しかもメンバーの管理態勢がなってない、ただの見栄を張りたいだけの無能なのかしら」

 

 情報を縦スクロールして詳細を知る度、私の中で祥子ちゃん(オブリビオニス)への評価がどんどん下がって行く。元から快くは思っていないのだけど、今回の一件でようやく確信を得る事が出来た。今は何よりもそれが嬉しい。

 

 この場にその当事者が居れば、不謹慎だと思われるかもしれないけど……私を散々馬鹿にしたツケが回って来たのだから、これほど爽快感があるのも納得だろう。

 

 「……そうなると、颯樹は再び行先無し」

 

 そして頭に過ぎったのは、幼馴染である颯樹の事。

 

 彼の事はお義母さんから託されてるうえ、芸能界に私自身が半ば強引に引き込んでしまった責任もある。私には颯樹を路頭に迷わせず、安心して未来を進んで貰う……その支えを務めなければいけない。

 

 例え誰に非難されたとしても、私がその役目を放棄するなんてあってはならない事。

 

 ……そうなったら。

 

「……すみません、プロデューサー。夜遅くに申し訳ありません、白鷺です。取り急ぎお聞きしたい事があったのですが……」

 


 

 Ave Mujicaが解散を告げて約数週間後、世間は解散報道で悪い意味で賑わっていた。

 

 来る日も来る日も週刊誌の取材なり事務所から詳細を説明するようしつこく電話を掛けてきたりなど、解散に対しての対応が後を絶たなかった。

 

 「無理に出なくていいよ」

 

 そして今日も事務所から祥子ちゃん宛に電話が来たけど、僕はその電話を切った。

 

 「ごめんなさい、獅音。貴方を巻き込んでしまって…」

 「うぅん、大丈夫。僕は気にしてないから」

 

 そうだ。祥子ちゃんは僕まで巻き込んでしまった事に罪悪感を抱いているようだけど、そんなのは僕は気にしていない。僕も祥子ちゃんの誘いに乗った共犯者だからそこは自己責任だ。

 

 「紅茶、淹れてくるから待っててね」

 「ありがとうございます…」

 「気にしなくていいよ」

 

 そう言って僕は空のティーポットを片手にキッチンで紅茶を淹れるのであった。

 

 「ムジカが無くなっても大丈夫。君がいてくれれば僕は充分だよ」

 

 これは本心だ。例え僕が仮にムジカに入っていなくても、君の顔さえ見れればそれだけでいいのは確かだ。

 

 でも僕は知らなかった…

 

 「(獅音。貴方は優しすぎます…これ以上は貴方を縛りつけるだけ……そうなったらいずれ貴方は破滅してしまいますわ……。私は貴方がこれ以上傷つくのはごめんです……)」

 

 僕が思っている事、祥子ちゃんが思っている事は全然違うという事に……────。

 


 

 数日後、僕は近所のスーパーに買い出しに行っててその帰りであった。今日は特売日という事もあってか、普段は手に出さなかったものもお値打ち価格で買えたのだ。

 

 「今日はご馳走になりそうだな。祥子ちゃん、喜んでくれるかな…?」

 

 僕が片手に持っているエコバッグの中には、牛乳や卵、野菜が入っている。その中でも特に目を引くのはブロックの牛肉である。数量限定の特売品だったが、運良く手に入れる事ができたのだ。この肉はビーフシチューに使用するってもう決めてるけど。

 

 その後は無事に帰ってきたけど、何故か人気(ひとけ)が無いように感じた。おかしいなぁ、確か祥子ちゃんが留守番をしてたハズだけど……?

 

 「ただいまー」

 

 僕が帰ってきても誰も返事は無かった。そうすると祥子ちゃんは寝てるのか?今日はコールセンターのバイトは無いって言ってたし…もしかして急に出勤とかになったのかな?

 

 そう思いながらリビングに着くと、机の上に一枚のメモが置いてあった。僕は不意にそのメモを手に取った。そこには……

 

 

獅音へ

 

今までありがとうございました。

 

祥子

 

 

 …と、書かれていたのだ。

 

 ……えっ?

 

 祥子ちゃん、まさか本当に出て行っちゃったの?嘘だと言ってくれ。そう思いスマホを取り出して祥子ちゃんに電話をかけた。

 

 『おかけになった電話は、電波の届かないところに────』

 

 こんな時に…!どうやら祥子ちゃんに電話をかけても無駄みたい…なら誰に頼ったら…と考えたけど、ダメ元覚悟でとある人達に電話をかけた。まず1人目は颯樹さんだけど、祥子ちゃんの時と同じだった。それで2人目に電話をかけていた。

 

 『もしもし。どうした少年?』

 

 その2人目は京介先輩。この人にかけるか迷ったんだけど、一応僕たちの学校の先輩だから何か心当たりは多少あるはず。だからダメ元でかけた。

 

 「実はですね…──」

 

 そして僕は京介先輩にさっきまで起きた事を説明するのであった。

 

 『…悪いが俺も知らない。すまんな』

 「いえ…」

 

 知らないのか。どうやら空振りに終わったみたいだ……。 

 

 「それで先輩。何か分かったら僕に連絡をくれませんか?」

 『『分かったら』、か。構わんが、期待はするなよ?』

 

 一応先輩にダメ元覚悟で何かあったら僕に連絡を寄越すよう頼みはしたけど、多分望みは薄いかもしれないな…。

 

 「分かりました。お手数おかけしました」

 

 そう言って僕は電話を切った。希望は限りなくゼロに近いけど、あとで颯樹さんにも声を掛けてみよう。それでもダメなら平日学校で接触を試してみるか…。

 

 そう思いながら僕は今日の夕飯の献立をどうしようか考えつつ、さっきスーパーで買ってきたものを冷蔵庫に仕舞うのであった。

 


 

 『分かりました。お手数おかけしました』

 

 …とそう一言残した少年は電話を切った。やれやれ、人…もとい、祥子探しか。少年よ、それは無理に近いぞ。何故なら…

 

 「これでよかったのか、祥子?」

 「えぇ。ありがとうございます、京介様」

 

 今話題に挙がってた祥子は俺の隣にいるから。しかも俺達がいるのは自宅とかじゃなくて、Ave Mujicaが所属してた『Win-Wing-Production』の事務所の前だ。

 

 Ave Mujicaはもう解散したのに何故俺や祥子がいるのか理解出来ないって? まぁ、それを順を追って話すとしよう。

 

 まずは昨日まで遡ると……

 


 

 Ave Mujicaが解散した数週間が経って、それに伴い、仕事のスケジュールは大幅に変更を余儀なくされた上に、本来Ave Mujicaが出演する所を穴埋めとしてsumimiが駆り出されていた。当然sumimiも忙しくなるのだが…

 

 「颯樹さん。予算の見積書と報告書を纏めておいたぜ」

 「ありがとう。後ほど確認するからそこの机に置いといて」

 

 俺も事務所に残って颯樹さんの仕事の手伝いをしている。Ave Mujicaは解散したわけだが…まだ個人的な理由、もとい報酬の前払いの分の仕事を仕事で返しているわけだ。

 

 Ave Mujicaの解散の際にそのまま持ち逃げするわけにはいかないからな…颯樹さんも「勝手にしろ」とだけしか言ってこないからそうさせてもらっているのだ。

 

 「2人とも、お疲れ様〜。これ差し入れね」

 「「ありがとうございます」」

 

 と、そこにスタッフの1人がやってきて差し入れのお菓子とコーヒーを渡してきた。小腹が()いてたからありがたい。

 

 「ねぇ京介くん、ウチの事務所に入っちゃえば?今、人手不足だからウチとしては結構ありがたいよ」

 「まだ高校生の身分なので」

 

 何処ぞの休職中の警察の台詞っぽく言っちまった。まあ傍らからしたら至極尤もだと思うけどな。しかし颯樹さんや、アンタは冷めた目で俺を見ないでくれ。

 

 「あっ、いたいた。京介くん、社長が呼んでたよ。あと颯樹くんも同席してほしいって」

 「「はい?」」

 

 するとまた別のスタッフがやってきて俺らが社長に直々に呼び出しを受けたので社長室に向かった。

 

コンコンッ

 

 その後は社長室に着いたのだが、入る前に中に人が居るかを確認する意味合いでノックを2回した。すると「どうぞ」と返ってきたので颯樹さんと共に社長室に入った。

 

 「「お疲れ様です、社長」」

 「お疲れ様、盛谷くんと流川くん。忙しいのにごめんなさいね」

 

 社長室には、この事務所のお偉いさん…確か勝浦って言ってたな(実際俺は1〜2回くらいしか対面してない)。その勝浦社長はキーボードをカタカタと叩きながら此方に声を掛けてきた。マナーがなってないと感じるが、芸能事務所のお偉いさんな上にAve Mujicaの解散を受けて大忙しなのだからそこは割り切るとしよう。

 

 「それで社長。僕達を呼び出したのは?」

 

 此処で颯樹さんが話の本題を切り出してきた。今回はそれが大事だからな。颯樹さんならともかくとして、部外者の俺まで呼び出すのはそうそう無いからな。

 

 「貴方達に話が二つほどあります。まず一つは…流川くん。貴方を正式に『Win-Wing-Production』の一員として迎え入れます」

 

 へっ?俺を芸能事務所のスタッフになれと?マジで言ってる?でも俺は学生だからな…といっても颯樹さんもそうだけど、あの人の場合は千聖さんを経由してパスパレのマネージャーに就任したからな…。

 

 「それは嬉しいですが、条件を呑んでいただけたら検討しますが?」

 「分かりました。では、その条件というのは?」

 

 その条件…というのは、『まだ学生の身分のため、立場を契約社員かバイトにする。正式に社員として所属されるのは高校卒業してから』といったものだ。まぁ、まだ高校生だから仕方ない。大学生とかなら話は変わるけど。

 

 「……分かりました。貴方のその条件に呑みましょう」

 

 俺の提案した条件を勝浦社長は呑んでくれた。話の分かる人物でなんとか助かったよ。

 

 「よかったのか?」

 「いいんだよ。どうせタイミングを見計らってMorfonicaを此処に所属するよう手配してもらう予定だったから」

 「強かだな…」

 

 人聞きが悪いな、これも一つのギブ&テイクだよ。

 

 「それで社長。もう一つの話というのは?」

 

 色々とヒソヒソ話を追求されないために颯樹さんが話を戻した。

 

 「そうでしたね、話を戻します…実は東中野プロデューサーから直々に言伝を預かっています。Pastel*Palettesがゲストを務めるヴァンガードのイベントに、sumimiとヴァンガードでファイトを希望しているようです」

 

 なんと、その話は突然だな。おそらく千聖さんがAve Mujica解散を受けて動き出したんだろう。しかしその話は知らなかったな…多分千聖さんの独断か。

 

 「その挑戦、受けて立ちましょう。sumimiの2人には僕の方から伝えておきます。それとメンバーは僕が厳選してもよろしいでしょうか?」

 「大丈夫です。とりあえずこの件は先方にも了承したと私の方から伝えておきます。流川くん、正式な雇用契約書は早急に発行しますので、翌日以降サインをお願いしますね。それと貴方は今日から盛谷くんの下で働いてもらいます」

 

 話の内容は濃かったけど、結構あっさりしてて少し複雑な気もするな…。でもこういった話はスムーズに早く終わるに越した事ないか。

 

 その後は社長室と一旦失礼して、sumimiの2人と合流して先程の経緯を説明してからヴァンガードイベントの打ち合わせをするのであった。

 

***

 

 その翌日…正確には数時間前になるが。颯樹さんはsumimiの2人を連れて仕事に行ってる最中だ。俺はその間、契約書等にサインしたり、社員になるに至っての(半日で終わるが)研修を他のスタッフさんからレクチャーされていた。

 

 プチ研修も終わると、その後は颯樹さんと合流して指示を仰げと受けたので、昼飯を軽く済ませて外出の準備を終えて待ち合わせ場所に行こうとした。しかし…

 

 「ご機嫌よう、京介様」

 「へっ?」

 

 何故だか知らんが、事務所の入り口前に祥子が待ち構えていたのだ。俺も突然の事で思わず間の抜けた声が出てしまった。しかもその祥子は何故か大荷物を持っていた。

 

 「祥子、何故お前が此処にいる?」

 「簡潔にお伝えしますと…」

 

 その後祥子は俺に何があったか簡単に説明した。曰く「少年の元に居続けるわけには行かないのと、暫く関係者とは極力避けたいので、書き置きだけ残して出て行った」そうだ。全く、こう言ってはなんだが迷惑極まらないぞ。

 

 「しかしそれでどうする気だ?まさかとは思うが、俺か颯樹さんに相談しようとでも?」

 「はい。烏滸がましいのは承知の上です…お願いできませんでしょうか?」

 

 そう言って祥子は俺に頭を下げてきた。

 

 「……分かったよ。だが一応颯樹さんにも話はするが、その本人は今仕事で不在だ。今から合流しに行くところだ」

 「そうでしたか。では私も同伴します」

 「だがそこには初華もいる。下手すれば鉢合わせになるが?」

 

 俺がそう指摘すると祥子は黙ってしまった。やれやれと言わんばかりにどう対応するか考えたその時、俺のスマホから着信音が鳴った。颯樹さんかと思ったが、スマホのディスプレイには『少年』と表示されていた。

 

 「もしもし。どうした少年?」

 

 俺は電話に出て対応する事にした。

 

 『実はですね…──』

 

 少年が俺を尋ねた経緯は、祥子が家を出て行ったので心当たりは無いかというものだ。すまない、少年。俺の目の前にいるんだよ…。しかし祥子に『私の事は音には他言無用でお願いします』と耳元で囁かれたので誤魔化す事にした。

 

 「…悪いが俺も知らない。すまんな」

 『いえ…』

 

 本当にすまない。本人に頼まれたのだよ。

 

 「それで先輩。何か分かったら僕に連絡をくれませんか?」

 『『分かったら』、か。構わんが、期待はするなよ?』

 「分かりました。お手数おかけしました」

 

 そういうと少年は電話を切った。 …というのが今までの経緯である。

 


 

 「俺はこの後颯樹さんと合流してお前の事は伝えるが、初華には内密にしておく…それでいいか?」

 「えぇ。それでお願いします」

 

 その後少年と連絡を取った後は、颯樹さんとの合流地点付近に到着すると、祥子に内容を確認した上で、彼女に1万ほど渡して「これでネカフェや喫茶店とかで待ってろ」とだけ伝えて、彼と合流してからは2人きりになった上で先程の一件を伝えた。

 

 「そうか…それなら仕事が終わり次第、祥子とは一度話をする必要はあるな」

 「でも今なら初華とバッタリエンカウントするが?本人は他メンバーとの接触は極力避けたいそうだ」

 「大丈夫、2人には仕事が終わったら直接帰らせる」

 「分かった」

 

  その後は颯樹さんの言葉通りに仕事がスムーズに早く進んだ。そしてsumimiの2人を仕事場から直接帰らせた後、祥子と合流して一旦俺の家に向かい、緊急の打ち合わせを始めた。

 

 「今回の一件は一旦、この3人の秘密にしよう。いずれ豊川家の耳に入れば祥子が無理矢理帰らされるおそれもあるからな」

 

 そりぁそうだ。今の祥子は()()()()()…もしそれが知られたりしたら豊川家に知らされて連れ戻されるのは時間の問題だからな。

 

 あとは…おそらく颯樹さんの事だ。近日中に千歌さんや藤宮女史にもこの件を伝える可能性はあるな。

 

 「それを踏まえて、一つ条件がある」

 「なんでしょう?」

 「今はひとまず僕の方で匿う。だが、後日行なわれるヴァンガードイベントである仕事をこなしてくれたら正式にお前の気が済む…もしくは豊川家にバレるまで匿う。それでいいな?」

 「……分かりました。それで用件というのは?」

 

 そう言った後に颯樹さんは祥子にしか聞こえないように耳打ちをした。

 

 「……分かりました。それで行きましょう」

 

 どうやら2人の間で取引が行なわれたみたいだが、それが成立したようだ。内容は、機密事項って事で聞くのは敢えてよすとしよう。

 

 「そして京介。お前には少し頼み事がある」

 「なんだ?」

 

 そう言って颯樹さんは俺にしか聞こえないように耳打ちをした。

 

 「……分かった。当日までになんとかしよう」

 「感謝する」

 

 その後はヴァンガードイベント当日の打ち合わせを軽く済ませて、2人の帰りを見届けるのであった────。

 


 

 そしてヴァンガードイベント、当日。

 

 都内のとある会場にて、ヴァンガードのイベントが行われていた。前回、【sumimi】【Pastel*Palettes】が実際ファイトした事を受けて、『またスミミとパスパレのファイトが見たい!』と声が多数挙がっていたので、今回の対戦カードが実行されたのだ。

 

 あとは前回のイベントにて、それを目の当たりになったファンやSNSやネットでその情報を調べたのか、会場内は想定以上に大いに賑わっていた。

 

 まずは、今回のイベントのゲストであるパスパレのメンバーが初心者向けのティーチングファイトを行なっていた。その数十分後、パスパレファイトが軍配が上がった事でティーチングファイトは幕を閉じると、その流れで今回の目玉イベントが始まった。

 

 『さぁさぁ野郎共ぉぉぉぉぉぉぉ!今回の目玉イベントのスミミとパスパレのファイトの時間じゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!楽しみにしてたかぁ?私もじゃぁぁぁぁぁぁぁ!』

 『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ‼︎‼︎‼︎』

 

 そして司会が変わったからか、先程と打って変わってテンションが常に高い状態で実況をしていた。ちなみに余談だが、その司会は女性で、ノースリーブでショートパンツといった服装で、片手にはマイクを持っていた。

 

 【sumimi】【Pastel*Palettes】のファイトがどれだけ待ち侘びていたのか観客の声援も物凄く感じた。

 

 『まずはルール説明ぃぃぃぃ!これは至って単純(シンプル)!前回と同じの5VS5の団体戦で、先に3勝した方の勝ちとのなるのじゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』

 『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ‼︎』

 『そして今回実際ファイトしてもらうメンバーも既に準備出来てるぞぉ!カモォン、ボーイ&ガール達ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!』

 

 司会にそう促すと、何処からともなく霧状のスモークが噴射された。そして霧が晴れると、パスパレメンバーとスミミの2人と颯樹含めた助っ人の混成チームが壇上に上がっていた。

 

 『壇上に上がったなぁ?それじゃあ皆の衆!早速団体戦を見たいかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎』

 『みたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっっっっ‼︎‼︎‼︎』

 『ありがとうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!私も試合を見たいのじゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ それじゃあ早速先鋒戦に入るぞぉ!まずは青コーナー!その威風堂々と見せようとする姿はまるで武士!北欧から来たサムライは日本で自身が胸に抱いているブシドーを見せる事が出来るか⁉︎【Pastel*Palettes】のキーボード担当、若宮イヴ〜!』

 「ブシドー!」

 『ブシドーぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎』

 

 試合を始めるに至って、まずは司会のメンバー紹介があるようで、最初はパスパレ側でイヴの紹介から始まった。紹介が終わると、イヴが元気よく挨拶すると同時に観客達(主にパスパレサイド)もイヴに合わせた掛け声をした。

 

 『続きまして、赤コーナー!飄々たる振る舞いの中に潜むは、蛇のように狡猾なまでの策略家!かつて禁忌を従えし賢者は、新たに月の獣を従えて再びこの地に降り立った!果たして今回は、どの様なファイトを見せてくれるのか……流川 京介〜!』

 

 司会にそう紹介された京介は飄々としながらもファイトステージに立った。ちなみに、今回の会場のステージは、ライブやファッションショーで見かけるようなメインステージとサブステージが繋がっている花道があり、京介とイヴの2人はファイトテーブルのあるサブステージに立っていた。

 

 「正々堂々、ファイトしましょう!」

 「はいよ。行くぞ」

 

 『それでは、チーム対抗戦第1試合! ……Ready?』

 

スタンドアップ・

ル・

ヴァンガード

 

 sumimiとPastel*Palettesの、2回目のヴァンガードファイトが始まるのであった────。




 まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。

 次回からは話の都合上、暫くヴァンガード回になります。本来は2週間ペースで1話投稿でしたが、次回は週一ペースで投稿となります。だけど次回の投稿は、BanG Dream!の10バンドが週替わりでED主題歌を務める『カードファイト!! ヴァンガード Divinez デラックス決勝編』の放送前日である7月4日になります。

 それでは、また次回。
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