舞い狂う仮面の人形と孤独の獅子の咆哮   作:なかムー

14 / 22
 皆さまお待たせしました。

 本日は前回お伝えした通り、次鋒戦をお送りします。

 それでは、本編をどうぞ。


#EX2.烈光の歌は、無限の老竜に届くのか

 次はいよいよジブンの番っス。でも緊張してきましたね…。ライブとかならまだ大丈夫だけど、こういうイベントもなかなか慣れないもの…って、何弱気になってるんですか!ジブンは芸能界の端くれに2年近くいるから、そろそろ場慣れしておかなければ…!じゃないと次ファイトする後輩に舐められてしまいます!

 

 今司会者さんは会場全体を煽るように盛り上げている最中ですけど、流石に盛りすぎではないでしょうか…?そういうのは上原さんが好きそうなコンビニスイーツで充分だと思いますけど……。

 

 『青コーナー、荒れ狂う機材オタクはヴァンガードの知識を無限の域まで達しているのか?それはファイトを見てみないと分からない!上から読んでも下から読んでも同じと言えばこの人!【Pastel*Palettes】ドラム担当、大和麻弥〜!』

 

 『対するはっっっ!』

 

 『赤コーナー、アイドル界に突如として風格を出した、冷静沈着な天使!かつては悲しみの仮面を着けた人形は、どんな表情でファイトを見せてくれるのかっ!【sumimi】のギター&ボーカル担当、三角初華〜!』

 

 司会者さんがそう紹介すると、ジブン達はファイトスペースに向かい、三角さんと向かい合うように対面した。

 

 「三角さん。悪いけどジブン達が勝たせてもらうっスよ?」

 「それは此方の台詞です。御託はいいので早く始めましょう」

 

 三角さんはそう言うと、デッキをシャッフルし終えて、引き直し(マリガン)まで終わらせてファーストヴァンガードを中央前列に置いて準備を終えてました。

 

 ジブンも後輩に倣うように準備を済ませました。うぅ…なんか遅れを取った気分っス……。あとは千聖さんからの視線もなんか痛いっス……。

 

 「行きますよ、麻弥さん?」

 「ジブンも負け負けないっスよ」

 

 そうだ。イヴさんが初戦を白星を上げて帰ってきた…それならジブンも白星を取って、後続を有利に運ぶっス!ちなみに余談ですけど、先攻後攻はコイントスで決めて、三角さんが先攻になったけど、そんなの関係ありません!

 

スタンドアップ・

ヴァンガード!

 

 「FL∀MMe-G(フラムグラム) ブルクレィア

 「スタグニッパー・ドラゴン

 

 三角さんが使う国家は、前回使用してた【ドラゴンエンパイア】と打って変わって【リリカルモナステリオ】…なんかロックなユニットが来ましたね……。

 

 「スタンド&ドロー。手札1枚破棄して《FL∀MMe-G ジョンナ》にライド。《エネルギージェネレーター》をセット。ターンエンド」

 (手札5→6→5/ドロップ0→1)

 

 「スタンド&ドロー。手札1枚破棄して《スコルピアサー・ドラゴン》にライド。《エネルギージェネレーター》をセット、エネルギーチャージ3するっス。スタグニッパーのスキルで1枚ドロー。このままバトルに入るっス、スコルピアサーでヴァンガードに攻撃」

 (手札5→6→5→6/ドロップ0→1)

 (エネルギー0→3)

 

 「ノーガード」

 

 「ドライブチェック《無限の宿命者 レヴィドラス》。ノートリガー」

 (手札6→7)

 

 《無限の宿命者 レヴィドラス》…必要なパーツがなんとか早く揃ったっス。でも油断は出来ない…何故ならまだ始まったばかりだから何が起こるか分からないので。

 

 「ダメージチェック《サムズアップ フェボラル》。ノートリガー」

 (ダメージ0→1)

 

 「ターンエンドです」

 

 「スタンド&ドロー、エネルギーチャージ3。手札1枚破棄して《FL∀MMe-G ヴェルト》にライド。ジョンナのスキル、『FL∀MMe-G』と名のつくユニットにライドされた時、ソウルからブルクレィアと自身をスペリオルコール。《FL∀MMe-G sup.Gt. グレナディン》をコール。グレナディンのスキル、手札からコールされた時、カウンターブラスト1して『FL∀MMe-G』と名のつくユニットの数…4枚見て、1枚を手札に加えてシャッフルします。バトル、まずはジョンナでヴァンガードに攻撃」

 (手札5→6→5→4/ドロップ1→2)

 (エネルギー0→3)

 

 「《オンフォール・アノートガスター》でガード」

 (手札7→6)

 

 「ヴェルトでヴァンガードに攻撃」

 「ノーガード」

 「ドライブチェック《暖かいうちに召し上がれ ウォルミア》。ノートリガー」

 (手札4→5)

 

 ふむふむ、どうやら守護者がドライブチェックでヒットしたようですね。それなら早期に使わせたいところっス。

 

 「ダメージチェック《幻静の騎士 クラレンス》。ノートリガー」

 (ダメージ0→1)

 

 「ブルクレィアのブースト、グレナディンでヴァンガードに攻撃」

 「ノーガード。ダメージチェック《麗容の騎士 シャンネット》。ノートリガー」

 (ダメージ1→2)

 

 「ターンエンド」

 

 ダメージは2…まずまずっていったところですかね。

 

 「スタンド&ドロー、エネルギーチャージ3。スタグニッパーのスキル、ソウルにスタグニッパーがいるため、ライドデッキの《マンティサイス・ドラゴン》にライドする際、手札コスト無しでライドするっス!次に《アクワイアード・パンゼラード》をコール。このままバトル、まずはマンティサイスでヴァンガードに攻撃!」

 (手札6→7→6)

 (エネルギー3→6)

 

 ホントならパンゼラードはリアガードのパワー増加を狙いたかったんですけど、今回はサーチ効果だけに留めようとしましょう。

 

 「ノーガード」

 

 「ドライブチェック《狂乱の令嬢》。ゲット、フロントトリガー!前列のパワー+10000」

 (手札6→7)

 

 「ダメージチェック《FL∀MMe-G sup.Dr. リムリル》。ノートリガー」

 (ダメージ1→2)

 

 「パンゼラートでヴァンガードに攻撃」

 「《ゆったりふわふわお嬢様(フラフィ・レディ) ホーデリーフェ》でガード」

 (手札5→4/ドロップ2→3)

 

 「パンゼラートのバトル終了時、自身を退却して山札の上から7枚見て『レヴィドラス』を含むカードを1枚公開して手札に加えるっス。チェック…《無限の宿命王 レヴィドラス・エンピレオ》を公開して手札加えてターンエンドっス」

 (手札7→8/ドロップ1→2)

 

 とりあえずペルソナライド出来る準備は出来たっス。でもファイトは何が起こるか分からないからその時まで手札にあるか分かりませんけど…でもあるに越した事ないっスけどね。

 

 「スタンド&ドロー、エネルギーチャージ3…」

 (手札4→5)

 (エネルギー3→6)

 

 三角さんのターンに回ってきたけど…でもジブンは一つ気になった事があるっス。

 

 「三角さん。不躾ですけど、一つ聞いてもいいですか?」

 「なんでしょう?」

 「三角さんはAve Mujicaが解散するってなった時、どう思いましたか?」

 

 そう、Ave Mujicaが解散についてです。解散して間もないのにこんな事を尋ねるのは不躾だけど、此処を逃すと聞くチャンスを失います。

 

 しかしそんな三角さんはカードを動かす手を止めた。

 

 「どう、とは?」

 「言葉通りの意味です」

 

 さっきまでとは打って変わって、三角さんの表情は変わり始めた。まるで天気が晴れから曇り空になった気分のようです。

 

 「……麻弥さんがどう予想しているか分かりませんが、私はさきちゃんとバンドが出来る…これとないチャンスがあったと思いました。でも…」

 

 豊川さんとバンドが出来るだけで喜んでいるようですね。しかし、『でも』って言ったけど、なんでしょう?まだ続きがあるのですか?

 

 「そのチャンスが潰えた…私にとってはそれは絶望に近いです」

 

 三角さん、そんな風に思っていたとは……。あれ?でもちょっと待ってください…

 

 「でも貴女には相方の純田さんがいます。それだと何か不都合があるんですか?」

 「『不都合』…?」

 

 ジブンが抱いた違和感、それは相方の純田さんだ。確か三角さんはAve Mujicaとsumimiを兼任しているのは有名な話…それなら颯樹さんはともかくとして、純田さんに何か相談すればいいだけでは?でもジブンが言い終えた直後、三角さんは歯を食いしばってジブンの方を睨み始めた。

 

 「貴女に何が分かるんですか‼︎私がさきちゃんとバンドが出来ると知った喜びをっ‼︎それが私にとって一番嬉しかった事だという事を!」

 

 どうやら三角さんにはこの話題はNGのようでした。しかもジブンが言った事は地雷だったようで、その怒りが露わになってました。観客達も、そんな初華さんの表情を見て驚きを隠せないようでした。

 

手札1枚破棄!

烈光よ、己が魂を歌に乗せ(かな)で叫べ!

《FL∀MMe-G ロージア》にライド!

 

 「ヴェルトのスキル、『FL∀MMe-G』と名のつくグレード3のユニットにライドされた時、ソウルにブルクレィアがいるなら2枚ドローして1枚を山札の下に戻す!」

 (手札5→4→6→5/ドロップ3→4)

 

 手札を揃えつつありますね。おそらく三角さんは此処でリアガードを展開して攻めるはず…注意しなければ。

 

 「グレナディンのスキル、エネルギーブラスト2と自身を退却して、そのターン中自分は『『FL∀MMe-G』を含むユニット全ての元々のパワーを13000になる』を得る!」

 (エネルギー6→4)

 

 確かロージアはソウルのブルクレィアにスペリオルライドするスキルを持ってる……。パワー13000で殴る気ですね。

 

 「ヴァンガードの後ろに《FL∀MMe-G sup.Dr. リムリル》、《FL∀MMe-G sup.Gt. グレナディン》、その後列に《メイクなら私にお任せ エシュマ》をコール!グレナディンとエシュマの登場時スキル、まずはエシュマのスキルから…エネルギーブラスト4してドロップか山札…山札の《FL∀MMe-G ヴェルト》をスペリオルコール!グレナディンのスキル、カウンターブラスト1して山札の上から『FL∀MMe-G』の数だけチェック…その後手札に加える。更にロージアのスキル、ソウルブラスト1してソウルのジョンナをスペリオルコール!」

 (手札5→2→3/ドロップ4→5)

 (エネルギー4→0)

 

 着実に盤面を揃えてきましたね。でもそれに対して手札が少なくなってる…防御を完全に捨ててますね。

 

 「バトル!まずはリムリルのブーストしたロージアでヴァンガードに攻撃!リルリムのスキル、自身のパワー+5000」

 (パワー23000)

 「ノーガード」

 

 ジブンはまだダメージが2ですからね…ひとまず様子見でガードを見送りましょう。

 

 「ツインドライブ。ファーストチェック《グローニング・ベース ネプロリーエ》。セカンドチェック《スノウスキップ パルヴィ》。ゲット、フロントトリガー!前列のパワー+10000!」

 (手札3→5)

 

 「ダメージチェック《カストーディアル・ドラゴン》。ノートリガー」

 (ダメージ2→3)

 

 「ロージアのスキル!自身のバトル終了時、カウンターブラスト1して、リアガード3体を選択…対象はヴェルトとリムリルとグレナディン。3体とも『FL∀MMe-G』のため、ソウルの《FL∀MMe-G ブルクレィア》にスペリオルライド!このスキルでこのユニットの自動能力は失われるけど、かわりにお互いのダメージの合計の数、パワー+2000。ブルクレィアのパワーは合計23000!そのままブルクレィアでヴァンガードに攻撃!」

 

 「狂乱の令嬢と《憧憬の乙女 アラナ》でガード!」

 (手札8→6/ドロップ2→4)

 

 「ドライブチェック。《FL∀MMe-G ロージア》。ノートリガー」

 (手札5→6)

 

 「エシュマのブースト、グレナディンでヴァンガードに攻撃!」

 「ノーガード。ダメージチェック《チアリーサポート・エルフ》。ゲット、ヒールトリガー!パワーをヴァンガードに与えてダメージを1回復するっス!」

 (ダメージ3→4→3)

 

 「ジョンナのブースト、ヴェルトでヴァンガードに攻撃!」

 「《カラスギ・ペッパー》でガード!」

 (手札6→5/ドロップ4→5)

 

 「(防がれた…!)ターン、エンド…。その時、ソウルのロージアのスキルで、レストしてスペリオルライドします……」

 

 ひとまずダメージは1で抑えられる事に成功しました。三角さんの手札は残り6枚…攻めるならここっスね。

 

 「スタンド&ドロー、エネルギーチャージ3。手札を1枚破棄…三角さん。一時の怒り程度ではジブンはおろかパスパレメンバーを倒す事は出来ません。その事を今から貴女に証明してみせます」

 (手札5→6→5/ドロップ5→6)

 (エネルギー6→9)

 

宿命の思い束ねし王よ、永遠の輝きで世界を照らせ。

ライド《無限の宿命王 レヴィドラス・エンピレオ

 

 「それがレヴィドラスが宿命王に覚醒(めざ)めた姿…!」

 「それだけではありませんよ。まずはマンティサイスのスキル、『レヴィドラス』と名のつくユニットにライドされた時、エネルギーブラスト3して、山札の上から5枚見て…《群爪の狩猟者 フーリ》を公開して手札に加えてシャッフルするっス。更にエンピレオのスキル、手札の《無限の宿命者 レヴィドラス》をソウルに入れて、ジブンのリアガードサークルに『無限鱗粉(インフィニット・アイズ)マーカー』を左右前列と右後列にセットします。まだ終わりではありませんよ?」

 (手札5→6→5)

 (エネルギー9→6)

 

無限覚醒!

【ディヴァインスキル】発動!

 

 「何故エンピレオが【ディヴァインスキル】をっ⁉︎」

 「ソウルに《無限の宿命者 レヴィドラス》1枚につきパワー+5000する上にレヴィドラスの【ディヴァインスキル】も得るんですよ。【ディヴァインスキル】により、ジブンはソウルブラスト1して、ジブンの左後列と三角さんのヴェルトのいるリアガードサークルに無限鱗粉マーカーをセットして、エンピレオのパワー+10000とクリティカル+1するッス」

 (ドロップ6→7)

 

 とりあえず無限鱗粉マーカーの仕込みは完了です。本当なら三角さんの前列のリアガードサークルにマーカーをセットしたかったけど、攻め時なのでそこは割り切るっス。

 

 「更にいきますよ。ヴァンガードの後ろに《フルナレッジ・フォクシル》、右後列に《オンフォール・アノートガスター》をコール。アノートガスターのスキル、エネルギーブラスト3して山札の上から2枚見て…1枚を手札に、残りを山札の上か下に置くッス。今回は山札の下に置きます。その後右前列《群爪の狩猟者 フーリ》をコール。フーリのスキル、ドロップゾーンの《幻静の騎士 クラレンス》をコールして、フーリのパワー+10000。ソウルブラスト1して左後列に《麗容の騎士 シャンネット》をスペリオルコールするッス!」

 (手札5→3→4→3/ドロップ7→6→7)

 

 「バトルに入ります!まずはアノートガスターでヴァンガードに攻撃ッス!」

 (パワー25000/☆1)

 

 リアガードには目を眩みません、全部ヴァンガードに攻撃するしかないっス!

 

 「《清適の歌姫 ショルシーナ》でガード!」

 (手札6→5)

 

 やはりガードしてきましたか…でも想定内っス!

 

 「フォクシルのブースト、エンピレオでヴァンガードに攻撃!フォクシルのスキル、カウンターブラスト1してシャンネットを後列からでも攻撃出来てパワー+10000するっス!」

 (パワー43000/☆2)

 

 「(パワー43000のクリティカルは2…山札の上のカードの1枚を下に送ったからさっきのはトリガーじゃない……それなら今受けてもクリティカルを引く確率は低い上にダメージは合計4で留められる……)ノーガード」

 

 此処でノーガードを……確かに山札の上のカードを下に送ったからトリガーでは無いのは確か。でも裏を返せばトリガーが出る確率が高くなります。

 

 「その過信が禁物になるっスよ。行きます、ツインドライブ。ファーストチェック《狂乱の令嬢》。ゲット、フロントトリガー!前列のパワー+10000!セカンドチェック《天恵の源竜王 ブレスファボール》。ゲット、オーバートリガー!」

 「なっ⁉︎」

 

 此処でのオーバートリガーは上手いっス!これで三角さんは次の攻撃を全て防御せざるを得ない状況になりました。

 

 「このカードを除外して1枚ドロー、シャンネットのパワー+100000000!追加効果発動、1枚ドロー、クリティカルをヴァンガード、前列のパワー+10000、ダメージ1回復するっス!」

 (手札3→5→4→5→6)

 (ダメージ3→2)

 

 「ダメージチェック。1点目《みんなで寄り道 エルヴィ》。2点目《グローニング・ベース ネブロエーリ》。3点目《私たちで紡ぐ世界(コール&レスポンス)》。全部ノートリガー」

 (ダメージ2→5)

 

 トリガーは無し。そのうえ手札は5枚…内容次第ではこのターンでなんとかフィニッシュが出来そうです!

 

 「まずはクラレンスでヴァンガードに攻撃っス」

 (パワー38000/☆1)

 

 「パルヴィと《珠玉の一曲(プレシャスチューン) エドウィージュ》でガード!」

 (手札5→3)

 

 「クラレンスのスキル。このターン、カウンターチャージされてないなら自身をソウルに入れてカウンターチャージ1。次にフーリでヴァンガードに攻撃!」

 (パワー50000/☆1)

 

 「手札1枚破棄して《暖かいうちに召し上がれ ウォルミア》で完全ガード!」

 (手札3→1)

 

 此処で完全ガードという事は…残り1枚は守護者か守りきれないか……後者であってほしいっス。

 

 「シャンネットでヴァンガードに攻撃ッス。シャンネットのスキル、アノートガスターをドロップゾーンに送って自身のパワー+10000」

 (パワー100023000)

 

 「ノー、ガード…。ダメージチェック《FL∀MMe-G ロージア》。ノートリガーです……」

 (ダメージ5→6)

 

 …どうやら軍配はジブンに上がったようです。

 

勝者(WINNER):大和麻弥】

 


 

 『次鋒戦勝者、大和麻弥ぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎』

 

 司会者が次鋒戦の終了を告げると、先鋒戦と同じくらいの歓声が会場全体に響き渡った。

 

 「お疲れ様、麻弥ちゃん」

 「お疲れ!」

 「お疲れ様です!」

 

 麻弥がメンバーの元へ戻ると、彩以外の全員に迎え入れられた。しかし彩は椅子に座って腹を抑えていた。

 

 「あの…彩さん?」

 「次の中堅戦、私が勝てばパスパレ側の勝利だけど…勝てるかな?プレッシャーを感じちゃうし、責任重大だよ……」

 

 麻弥が心配そうに彩を声を掛けようとするも、小声で早口で呟き始めた。どうやら自分が今一番重要なポジションにいると実感したようで緊張し始めているのだ。しかしまだ副将戦と大将戦も残っているので、彼女の思い込みに近いのだが。

 

 「彩ちゃん、そんなに気負いしなくていいんだよー!もし彩ちゃんが負けてもあたし達がフォローするし!」

 「そうね。彩ちゃんの尻拭いくらいなら私達でなんとかできるわ」

 「2人とも、私が負ける前提で話進めないでよー!」

 

 彩のフォローに日菜と千聖が入るも、どれも負け前提の内容だったので彩がツッコミを入れていた。

 

 「彩ちゃん、早く行ってきなさい。今の実力を示してきなさい」

 「うん、わかった」

 

 千聖にそう諭された彩はファイトスペースに向かった。

 

 『青コーナー、新規精鋭の新人共にまん丸お山に彩りを送る事が出来るのか⁉︎【Pastel*Palettes】ボーカル担当にしてとびだせエゴサーチ…丸山彩〜!』

 「(なんか私の紹介、短くない…?)」

 

 司会者の紹介に心中愚痴りつつも、ファイトスペースに到着した彩であった。

 

 『赤コーナー、新人アイドルバンドのマネージャーはファイトにおいてどんな立ち回りを見せるのか?かつて零の悪鬼(デーモン)を従えしこの男はなんと……誰も見た事のない戦法で相手を翻弄する事を約束してくれるぞぉぉぉぉぉぉぉ!虚無の指揮者(ヴォイド・コンダクター)…盛谷颯樹〜!』

 「(颯樹くんっ⁉︎)」

 

 司会者の紹介で現れたのは彩もよくご存知の人物…盛谷颯樹であった。颯樹は淡々と引き直し(マリガン)まで済ませた。彩もそれに倣って引き直しまで済ませるのであった。

 

 「颯樹くん、私はこのファイトに勝って君をパスパレに連れ戻すよ」

 「そうか。でも此方としては後が無いから勝たせてもらうけど」

 

 2人はそう言葉を交わすとファーストヴァンガードに手を着けた。

 

スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード

 

 そして2人同時の掛け声と共に中堅戦が始まるのであった────。




 まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。

 一応、次回の後書きにも告知しますが此処でも……副将戦と大将戦は字数の都合上、前編と後編に分けてお送りします。

 その前に次回は中堅戦をお送りします。投稿日は1週間後の7月18日となります。

 それでは、次回をお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。